
絶大な人気を誇る中華ゲーム機として誕生した「RG350M」は、RG350 をベースにした金属筐体、新しい液晶ディスプレイ、アナログスイッチ・ボタンを採用した中華ゲーム機です。
重量感がある金属筐体、中華ゲーム機の王者君臨
2020年上半期、RG350M は中華ゲーム機の “王者” であることは間違いありません。
最近になって登場した RK2020 にはスペックでは負けますが、基本的な操作性・使いやすさに加え、スケールメリットによる恩恵・サポートは絶大です。
少し前に登場した「RG350 を持っているから」「わざわざ買い替える必要はないかも」と思っている人こそ、RG350M の使いやすさ・魅力を再確認してみてください。
初心者から上級者まで納得できる「RG350M」

中華ゲーム機といえば安価でチープな見た目、使いやすさよりも珍しさといった製品があふれていました。2019年に入ってからは デザイン・多機能・操作性を売りにした中華ゲームが目立つようになり、その中でも絶大な人気を誇る中華ゲーム機 RG350 が登場しました。
その RG350 のエミュレータ性能はそのままに、アルミニウム合金の筐体、より鮮明で美しい液晶ディスプレイ、アナログスティック・ボタンの操作性を向上させた高級モデルが RG350M です。
初心者でも必要最低限の設定をするだけ遊べる気軽さ、本格的で快適なゲーミングを楽しみたい上級者まで完全網羅できる中華ゲーム機です。最高傑作と名高い RG350M の価格、スペック、使いやすさ、特徴などを詳しくチェックしていきます。
RG350M の価格は安くなった
RG350M が発売された当初は、RG350 との価格差が 60ドル近くあったものの、価格改定があったのか海外通販サイトでは 109.99ドル(およそ 12,000円)に落ち着いています。
※販売ストアによっては権利者の許可を得ていないゲームが含まれている可能性があります。ご利用はご自身の責任でお願いします。
RG350M のスペック
RG350M のスペックを詳しくみていきましょう。
ここでは RG350 と RG350M のスペックを比較しています。
最も気になるポイントなので購入を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
スペック比較だけでは “わからないポイント” についても後ほど詳しく解説していきます。

RG350M をしっかりチェックしていく
高級路線に特化した中華ゲーム機 RG350M をしっかりチェックしていきます。
RG350シリーズ最高峰の液晶ディスプレイ、パーツを採用した中華ゲーム機をしっかり見ていきます。
RG350M の付属品
マニュアル、クイックスタートガイド(どちらも英語・中国語あり)、USB Type-Cケーブルが付属します。
日本語での表記はないので、初心者はやや難しく感じてしまうかもしれませんが、画像が多めに使われているので慣れている人であれば迷うことはありません。

このマニュアルは詳しく解説されていないので、初心者は設定に悩んでしまうかも。
そういった部分も簡単に使えるように設定・使い方について後ほど説明します。
液晶ディスプレイの鮮明さは圧倒的

これまでにも New PocketGo、RG350、RK2020 といった多くの中華ゲーム機をレビューしてきましたが、RG350M の液晶ディスプレイの鮮明さ・美しさを超える中華ゲーム機はありません。
一般的な中華ゲーム機は、ガラスレンズと液晶ディスプレイに少なからずも一定の空間(すきま)があります。RG350M はガラスに液晶ディスプレイを直接貼り合せることにより視認性が大幅に向上しています。反射面が減り、高コントラストでクリアな映像表示を実現しています。
背面にグリップパッドを装備

RG350M の背面にはグリップパッドが左右に取り付けられています。
本体を両手で持った際のフィット感の向上、本体を直置きした際のキズ防止などに役立ちます。
ただ、どうしても経年劣化しやすいパーツなので、置いたま数か月も放置するような保管方法には気をつける必要がありそうです。
重量感ある金属筐体の存在感

今までの中華ゲーム機とは一線を画する存在感が RG350M にはあります。
アルミニウム合金の金属筐体(メタル)を採用したことで、PS Vita、ニンテンドー3DS といった名だたる携帯型ゲーム機よりも高級感があります。
質感、触り心地、カラーリングついても中華ゲーム機特有のチープさは感じられません。
正直いってここまでのビルドクオリティが高い中華ゲーム機をほかにあることを知りません。
使いやすくなった microSDカードスロット

RG350M には 2つの microSDカードスロットが搭載されています。
1つはファームウェア(OS)専用で、もう1つは ゲームイメージ専用として使います。
RG350 では、本体を分解しないかぎりファームウェア をバージョンアップさせることが困難でしたが、RG350M は簡単にアクセスできるようになりました。
ただし、画像でも見てわかるとおり封印シールをはがしてしまうと保証対象外となるので、現状の OSバージョンに不満がなく、普通に使えているのであればそのまま使うことをおすすめします。
アナログスティック・ボタンの操作性は向上

RG350 ではアナログスティックの “高さ” が問題とされていました。
海外フォーラムなどでは、「ポケットやカバンに収納するときに引っかかる」「親指を大きく動かさないといけないので操作性が悪い」などと評価されています。
実際にその問題を解決するために、有志が3Dプリンターで制作したアナログスティック・ボタンが販売されたほどです。RG350M ではアナログスティックの高さが低くなり、押し込みボタンなどの操作性も向上しています。

ABXYボタンなどのキーストロークは、RG350 と大きくは変わっていません。
L1/R1ボタン、L2/R2ボタンなどはブレが少なく、クリック感が向上しています。
ただし、RG350 と比べると アナログスティック、十字キー、音量ボタン、電源ボタンの位置変更もされているので、人によっては操作性の良し悪しは分かれるところです。
バッテリーの持続時間は長い
RG350M は内蔵バッテリーで、基本的には交換できません。
本体を分解するには特殊ドライバーが必要です。分解することで封印シールもはばれてしまうので保証対象外となる点には注意が必要です。
バッテリーの持続時間は、明るさ最大・音量(中)でおよそ5時間30分
バッテリー容量は一般的な中華ゲームの2倍で、RG350 と変わりませんが明るく・鮮明な液晶ディスプレイを採用したことで持続時間は少しだけ短くなっているようです。

RG350M と RG350 の違いをチェック
おそらく RG350M の購入を考えている人は、少し価格が安い RG350 と比較検討していることが多いでしょう。ここでは、大きさ・重さ、価格、スペック、特徴の違いを簡単にまとめていきます。
RG350M の大きさ・重さをチェック

RG350 と RG350M の大きさは変わりませんが、重さには大きな違いがあります。
RG350 の大きさは 74 × 146 × 17 mm、重さは 170g です。
RG350M の大きさは 74 × 146 × 19 mm、重さは 250g です。
実際に持ち比べてみると重量感を感じます。
とはいえ、Newニンテンドー3DS の重さ 253g と変わらないので心配する必要はありません。
長時間のゲームプレイであっても問題にはならないでしょう。
液晶ディスプレイの鮮明さがきわ立つ

RG350M のスペックは RG350 と変わらず、アルミニウム合金の金属筐体、アナログスティック・ボタンの変更などがありますが、やはり液晶ディスプレイの鮮明さはきわ立ちます。
「RG350 と性能は変わらないから、わざわざ買い替える必要はない」と思っていましたが、実際に手に取ってみるとその良さを実感できます。解像度が 640 × 480 になったことでテキスト・文字つぶれも解消されています。
ほかの中華ゲーム機と比べてどうなの?

RG350M を上回るスペックで注目されている中華ゲーム機 RK2020 と比較していきます。
結論からいえば、総合的な使いやすさは RG350M が圧勝です。
RK2020 は今までの中華ゲーム機では実現できなかった PSP、ニンテンドー64、ドリームキャストのゲームタイトルが快適に遊べる利点はあるものの、設定方法・使いやすさといった点では万人向けのゲームコンソールではありません。

使いやすさ・操作性・ビルドクオリティ、スケールメリットは RG350M が優秀です。
特に中華ゲーム機の歴史を振り返ってみても、カスタムファームウェア(CFW)、エミュレータのバージョンアップが期待できるスケールメリットは重要です。
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RG350M の使い方・初期設定

RG350M の使い方・初期設定は、RG350 と基本的に変わりません。
音量調整はボリュームボタン、明るさの調整は電源ボタン+ボリュームボタンで調整します。
エミュレータごとに設定・終了方法が異なりますが、L1/R1ボタン、SELECTボタン、SELECT/STARTボタン、電源ボタンなどを押すことで設定・終了ができます。

エミュレータで遊ぶには、基本的に microSDカードにゲームイメージを保存して、RG350M にセットするだけです。マニュアルにも microSDカードの設定方法が書かれていますが簡単に手順を説明していきます。
- 遊びたいエミュレータにカーソルを合わせる
- SELECTボタンを押して「Edit エミュレータ名」を選択
- Selector Directory で「Aボタン」を押す
- ↑.. を何度か押して「sdcard」を選択
- ゲームイメージを保存したフォルダを開いて「STARTボタン」を押す
- 遊びたいエミュレータを実行するとゲームイメージが一覧表示される
電源ボタンは正しい方法でオフにしよう

Dingux搭載の中華ゲーム機は、電源ボタンを長押しして切ってはいけません。
メーカーからは設定画面(settings)から Power Off することが推奨されています。
特に RG350M は ファームウェア(OS)用の microSDカードスロットは封印されているので、システム破損をしてしまうと修理対象になるので注意してください。
カスタムファームウェアの導入は非推奨
RG350M のファームウェア(OS)専用の microSDカードには封印シールが貼られていることから、カスタムファームウェアの導入は非推奨です。
ただし、RG350 と同じように有志が提供しているカスタムファームウェアを導入できます。標準ファームウェアの機能だけでも十分ですが、それ以上の機能を望む場合には自己責任で挑戦してみてください。
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必ず RG350M専用のファームウェアを導入してください。
エミュレータの種類と使い方

RG350M に搭載されているエミュレータの種類は RG350 と変わりません。
スーパーファミコン、プレイステーションだけでなく、ファミコン、ゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンス、メガドライブ、セガ・マスターシステム、PCエンジン、ネオジオなどに対応しています。
RG350M の使い方・初期設定でも解説したとおり、ゲームイメージ専用 microSDカードの好きな場所にゲームイメージを保存して実行するだけで遊べます。
必ず自身で吸い出したものを使用してください。
エミュレータを追加できる

標準搭載されているエミュレータだけでも十分に遊べますが、RG350M に対応しているエミュレータを追加することもできます。
ゲームイメージ専用 microSDカードに追加したいエミュレータを保存して、RG350M にセットをすれば下記の手順でエミュレータを追加できます。
- applications から「DinguxCmdr」を起動する
- 右側に /media/sdcard を表示し、左側に /media/data/apps を表示
- 右側の microSDカードから保存したエミュレータを探す
- 追加したいエミュレータの上で「Xボタン」を押して「Copy」を選択
- 左側にコピーができたら「Yボタン」を押して「Quit」で完了
RG350M 専用エミュレータは下記の場所からダウンロードできます。
パソコンと接続してデータ転送もできる
RG350 と同じように RG350M でもデータ転送が使えます。
この方法であれば、ファームウェア(OS)専用の microSDカードスロット、ゲームイメージ専用の microSDカードのどちらにもアクセスしてファイルの編集・削除などが実行できます。
ゲームイメージの追加・編集だけでなく、エミュレータの追加もこちらの方法で実行できます。
ファイルのバックアップも簡単にできます。
- RG350M(USB/DC)と パソコンを付属ケーブルで接続
- ドライバーをダウンロードして解凍
- RNDIS(INFファイル)だけを右クリック→インストールを選択
- RG350M の「settings」→「Network」を起動
- 4つの項目が表示されるので「Allow login without password」を選択
- 「ftp://10.1.1.2/」をブラウザ or フォルダで開く
データ転送について詳しく知りたい人は、GitHubページを参考にしてください。
一部のエミュレータは遊びにくくなった

RG350M で大幅に向上した部分もあれば、ワンダースワン、ファミコンなどのエミュレータは遊びにくくなっています。左側のアナログパッド位置を変更したことで操作性が悪くなりました。
標準搭載のファミコンエミュレータは、L1ボタンで倍速、R1ボタン + ABXYボタンでステートセーブなどが割り振られています。RG350 のときよりも確実に L/Rボタンに手をかけて遊ぶようなスタイルになるので誤操作することが多くなりました。
ワンダースワンエミュレータでは、アナログパッドが操作ボタンの役割をはたすので RG350 よりもゲームプレイが困難です。この2つのエミュレータを特に重要視して遊ぶ人には RG350 の方がおすすめです。
中華ゲーム機の王者「RG350M」は最高得点

今までに多くの中華ゲーム機を収集・遊んできましたが、RG350M は最高得点の傑作です。
初心者から上級者までが納得できる使いやすさ・操作性に加え、ビルドクオリティの高さ、スケールメリットによる恩恵・サポートは絶大です。
ひときわ目を引くのは解像度がアップした液晶ディスプレイの鮮明さです。
ガラスに液晶ディスプレイを直接貼り合せることにより視認性が大幅に向上しています。反射面が減り、高コントラストでクリアな映像表示を実現しています。
エミュレータ性能は RG350 と同等ながらも、さらに付加価値を高めた RG350M は所有欲を満たすだけでなく、実際の使いやすさにおいてもほかの中華ゲーム機を圧倒します。
RG350 と比較検討していた人、購入を見送っていた人は再検討することをおすすめします。
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