中華ゲーム機「Retroid Pocket 3」は、本体デザインを刷新したモデルです。
基本スペックは従来モデルから大きく変わりませんが、より大きな液晶ディスプレイ、デザインやカラーバリエーションの豊富さで注目されています。
主要スペックは Android 11、4.7インチ(1334 × 750)、Unisoc Tiger T310プロセッサ、RAM 2GB / 3GB LPDDR4X、ストレージ容量 32GB eMMC、バッテリー容量 4000mAh を搭載しています。
Retroid Pocket 3 の価格・販売ストア
Retroid Pocket 3 は、公式ストアの専売商品です。(記事執筆時点)
全6色(ホワイト、ブラック、オレンジ、レトロ、16Bit、インディゴ)。
・Retroid Pocket 3 2GB / 32GBモデル
販売価格:119ドル(送料別途)
・Retroid Pocket 3 3GB / 32GBモデル
販売価格:129ドル(送料別途)
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Retroid Pocket 3 のスペック
Retroid Pocket 3 のスペックを詳しく見ていきます。
- システム:Android 11
- ディスプレイ:4.7インチ、16:9、タッチスクリーン
- 解像度:1334 × 750、画素密度 326ppi
- CPU:Unisoc Tiger T310 1.8GHz
- GPU:PowerVR GE8300 800MHz
- RAM:2GB / 3GB LPDDR4X
- ストレージ:32GB eMMC
- 外部ストレージ:microSD(最大1TB)
- 大きさ:184.7 × 81.4 × 14.5mm(最厚部 24.23mm)
- 重さ:230g
- バッテリー容量:4000mAh
- ワイヤレス通信:Wi-Fi(2.4G / 5G)、Bluetooth 5.0
- インターフェース:USB Type-C、microHDMI、イヤホンジャック、
- microSDカードスロット
- その他:マイク、ステレオスピーカー、バイブレーション機能
- 素材:プラスチック(ABS樹脂素材)
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが保証はできかねます。
Retroid Pocket 3 のレビュー
中華ゲーム機「Retroid Pocket 3(3GB / 32GBモデル)」をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点、欠点についても徹底解説します。
付属品
ガラスフィルム、マニュアル(英語のみ)、USB Type-Cケーブル、microSDカード(32GB)が付属します。
その他に、本体ボタン・スイッチの交換用DIYキット(導電性ゴム)が付属します。
キットに含まれるボタンカラーはブラックのみです。
大きさ・重さ
本体の大きさは 184.7 × 81.4 × 14.5~24.2mm、重さ 233g(実測値)です。
プラスチック(ABS樹脂素材)の筐体で、『軽い』のが特徴です。
本体形状は『横型モデル』で、一般的な中華ゲーム機サイズです。
Nintendo Switchライクなデザインで、カラバリが豊富なのはポイントです。
画面サイズが近い携帯型ゲーム機の大きさ・重さを比較してみました。
いずれも実測値ではなく、公式発表されているスペックです。
製品名 | 画面サイズ | 大きさ | 重さ |
PS Vita(PCH-2000) | 5インチ | 183.6 × 85.1 × 15mm | 219g |
Retroid Pocket 3 | 4.7インチ | 184.7 × 81.4 × 14.5mm | 230g |
Nintendo Switch Lite | 5.5インチ | 208 × 91.1 × 13.9mm | 275g |
総合的なビルドクオリティは『高い』と評価します。
これまでに登場したモデル(Retroid Pocket 2+)よりも優れています。
インターフェース
インターフェースは、本体上部に SELECT / STARTボタン、microHDMI、電源ボタン。下部には microSDカードスロット、USB Type-Cポート、イヤホンジャック、左右にステレオスピーカーを用意しています。
左側には音量調整ボタン。右側には Homeボタンを設置しています。
その他に、マイク、バイブレーション機能、ワイヤレス通信(Wi-Fi 2.4G / 5G、Bluetooth 5.0)を備えています。
本体背面には放熱排気口がありますが、内蔵ファンは非搭載です。
使用していて特にストレスを感じることはありませんが、長時間使用していると体感的に温かさを感じます。背面中央下部の表面温度は 37~39度になりました。
画面
液晶ディスプレイは鮮明と評価します。
4.7インチ液晶ディスプレイ(16:9)、解像度 1334 × 750、画素密度 326PPI です。
液晶とガラスレンズの隙間がないフルラミネーションディスプレイを採用しています。
海外レビュアーから危惧されていた、品質問題(明るさ調整が機能しない、画面がちらつくなど)は確認できませんでした。製品版では改善されたものと評価します。
解像度・アスペクト比(1334 × 750、16:9)に関しては賛否両論です。
エミュレーターやゲームタイトルによってはベゼルが目立ちます。
操作性
操作性・押し心地については、一部のボタンレイアウトを除き良好と評価します。
ABXYボタンサイズは 6.7mm、ストロークは 1mm でドームスイッチを採用しています。L1/R1ボタン、L2/R2ボタンは、アナログトリガーではなくマイクロスイッチを採用しています。
十字キー、ABXYボタンの形状・大きさは PS Vita にほぼそのままのクローン。
グリップがないためホールド・持ちやすさ、一部ボタンレイアウト(SELECT / STARTボタン、Homeボタン)については賛否両論です。
タッチ操作を物理ボタンに割り当てられるリマッピング機能は便利です。
ゲーム起動後に画面右側からスワイプ操作で表示されるメニューの「Key adapter」から設定します。
オーバーレイ表示されるボタンを好みの位置に合わせて、対象となるボタンを押すだけで設定完了です。ゲーム途中であっても何度も設定変更が可能で、専用アプリを必要としません。
そのほかにも、マウスモード(Virtual mouse)といった多才な操作を実現しています。
お好みで標準仕様のドームスイッチから、導電性ゴムスイッチに変更可能です。
交換方法については、公式YouTube動画(Retroid Pocket)にて公開されています。
ネジ山(駆動部)にあった工具が必要です。
システム
システムは Android 11 搭載、Google Playストアに標準対応です。
初期セットアップ時に導入するエミュレーターアプリの種類、 UI(RP3 Launcher、AOSP Launcher)を選択可能です。
標準設定では、ジェスチャーナビゲーションを採用しています。
従来モデルのような3ボタンナビゲーション(三角ボタン、丸ボタン、四角ボタン)を表示したい場合は、設定 → システム → ジェスチャー → システム ナビゲーションから変更しましょう。
最新版のファームウェア更新で日本語ロケールが追加されました。
そのため、発売当初に設定画面や Chrome や Playストアなどの一部アプリの表記が日本語以外で表示されてしまう問題は解決しています。
「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」を利用したうえで公開しています。
エミュレーター性能
エミュレーター性能は ANBERNIC 503 や ANBERNIC 353P よりも優れています。
実測したところ Antutuベンチマークスコアは 16万点台です。
動作するエミュレーターは一般的なレトロゲームをはじめ、プレイステーション、ニンテンドーDS、NINTENDO64 が快適動作。PSP、ドリームキャスト、セガサターンが遊べるレベル。ゲームキューブ、PS2 の一部ゲームタイトルが動作するといった感じです。
従来モデル(Retroid Pocket 2+)よりも、体感的に動作は軽く感じますが大差ありません。
Androidゲーム機全般にいえることですが、エミュレーターアプリの充実・出来が良いという利点はありますが、システムレベルで物理ボタンの入力遅延がある点については注意が必要です。
エミュレーターを中心に遊ぶという人は、フロントエンドの導入をおすすめします。
詳しい導入手順については、こちらの記事を参考に進めてください。
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ゲームアプリ
ゲームアプリ『原神』は、グラフィック画質は「最低」で動作します。
若干のカクつきは見られるものの、ゲームプレイ自体は可能なレベルです。
ただし、原神などの重めのスマホゲームを遊ぶことを想定している方にはおすすめしません。
ライト・ミドルで遊べるようなスマホゲームアプリを遊ぶのに適しています。
Steam Link や Xbox Game Pass によるリモートプレイやクラウドゲーム(PCゲーム)は快適に遊べます。通信環境・回線速度によって遅延はあるものの、十分にゲームプレイが可能なレベルと評価します。
初期設定・使い方
基本的な使い方・設定方法は Retroid Pocket 2+ と変わりません。
詳しい手順については、こちらの記事を参考に進めてください。
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まとめ
中華ゲーム機 Retroid Pocket 3 は、本体デザイン、ボタンレイアウト・スイッチを刷新したモデルです。また、従来モデルより大きな液晶ディスプレイ、Android 11 を搭載、RAM を 2GB/3GB から選択できるのがポイントです。
総合評価としては「期待値どおり・買い」と評価します。
Unisoc Tiger T310、4.7インチ液晶ディスプレイ、バッテリー 4000mAh を搭載。エミュレーター性能は従来モデル(Retroid Pocket 2+)と大きく変わりませんが、カラーバリエーションが豊富で、操作性・ビルドクオリティにおいてはアドバンテージがあります。
一方でエミュレーター性能は従来モデルと大差はありません。
また、最新ファームウェアで日本語ロケールに対応したことは評価しますが、一部のボタンレイアウト(SELECT / STARTボタン、Homeボタン)の操作性の悪さはマイナスポイントです。
標準仕様ではドームスイッチを採用し、交換用DIYキット(導電性ゴム)を用意しています。DIY作業のわずらわしさ、ボタンカラーが変わってしまうのはデメリットですが、好みに応じて取捨選択できるのはメリットです。
主要スペックに対して送料を含めた販売価格はやや割高ですが、画面の大きさに対して、本体サイズは小さい・軽い・薄いです。エミュレーター性能もそこそこ、リモートプレイやクラウドゲームにも活躍できる中華ゲーム機と評価します。
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