ポータブルゲーミングPC「ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版」は、Windows携帯ゲーム機としては一回り小さな 7インチサイズ、Nintendo Switchライクな見た目、RGBライトエフェクト機能、AMD Ryzen 7 6800U を搭載したモデルです。
主要スペックは Windows 11 Home、7インチ(1920×1200、10点マルチタッチ)、AMD Ryzen 7 6800Uプロセッサ、AMD Radeonグラフィックス、メモリー16GB / 32GB LPDDR5 6400MHz、ストレージ容量 512GB / 1TB / 2TB SSD を搭載しています。
ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版 の価格・販売ストア
ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版は、国内通販サイトで広く販売しています。
One-Netbook公式ストアのほか、Amazon、ハイビームAKIBA公式オンラインストア、ハイビーム秋葉原本店(実店舗)で取り扱いを開始しています。
・16GB / 512GBモデル
一般販売価格:162,800円
先行予約価格:146,520円
・16GB / 1TBモデル
一般販売価格:169,800円
先行予約価格:152,820円
・32GB / 2TBモデル
一般販売価格:198,000円
先行予約価格:178,200円
先行予約特典として『専用ハードケース』を用意しています。
2022年12月1日までの予約分限定で『専用ドッキングステーション』をプレゼント!
ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版 のスペック
ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版 のスペックを詳しく見ていきます。
- ディスプレイ:7インチ、解像度 1920 × 1200、10点マルチタッチ対応
- OS:Windows 11 Home 64bit
- CPU:AMD Ryzen 7 6800U
- GPU:AMD Radeonグラフィックス
- メモリー:16GB / 32GB(LPDDR5 6400MHz)
- ストレージ:512GB / 1TB / 2TB(PCle3.0 M.2 2280 SSD)
- バッテリー:12450mAh PD対応
- I/Oポート:USB-C 4.0 ×2、USB-A 3.0、イヤホンジャック
- 無線:Wi-Fi6、Bluetooth 5.0
- その他:フロントステレオスピーカー、6軸ジャイロ機能、マイク、
振動モーター、RGBライトエフェクト - 大きさ:262 × 107 × 23~35mm
- 重量:612g
- 素材:ABS樹脂
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが保証は致しかねます。
ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版 のレビュー
ポータブルゲーミングPC「ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版」をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、ゲーム動作確認、ベンチマークテスト、評価すべき点、欠点についても徹底解説します。
付属品
マニュアル(中国語・英語)、USB Type-Cケーブル、100W 電源アダプターが付属します。
大きさ・重さ
大きさは 262 × 107 × 23~35mm、重さは 620g(実測値)。
Windows携帯ゲーム機としては『やや軽め』で、持ち運びできるギリギリなサイズです。
片手で持つと重さを感じますが、両手で持つと重量バランスに優れているためか思ったより軽めです。本体筐体(ABS樹脂素材)のビルドクオリティは優れており、UVコーティングされた質感はさらりとした触り心地です。
似たような形状・重さの製品と比較してみました。
いずれも実測値ではなく、公式発表されているスペックです。
製品名 | 画面サイズ | 大きさ | 重さ |
Nintendo Switch | 6.2インチ | 239 × 102 × 13.9mm | 398g |
ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版 | 7インチ | 262 × 107 × 23~35mm | 620g |
Nintendo Switch Lite | 5.5インチ | 208 × 91.1 × 13.9mm | 275g |
Steam Deck | 7インチ | 298 × 117 × 49mm | 669g |
大きさは一般的なサイズ感、重さは賛否両論と評価します。
任天堂から発売された携帯型ゲーム機を基準に考えると、重さは 500g未満がストレスなく使える印象を持ちます。人によっては短時間のゲームプレイでもストレス・負担を感じるかもしれません。
インターフェース
インターフェースは、上部に USB-A 3.0ポート、USB-C 4.0ポート、イヤホンジャック、音量ボタン、電源ボタン。下部に USB-C 4.0ポート、左右にフロントステレオスピーカーを用意。指紋認証、microSDカードスロットは非搭載です。
左右にはグリップがあり、しっかりとホールドできます。
接続できるポートは限定されているので、必要に応じて Bluetooth機器や専用ドッキングステーション、USBハブを活用しましょう。
本体サイドに RGBライトエフェクト機能を搭載しています。
RGBライトエフェクトの ON/OFF、RGBカラー、照明効果のプリセットを変更可能です。
背面中央から左側には内蔵ファンの吸気口があり、上部の排気口へ放熱します。
回転数を自動 / 手動制御が可能で、一定温度になると自動停止します。
ドッキングステーション
別売りとして専用ドッキングステーションが用意されています。
本体下部にある USB-C 4.0ポートと接続することで機能し、インジケーターライトが点灯します。
ドッキングステーションの大きさは 100 × 98 × 72.5mm、重さは 127g(実測値)。
ONEXPLAYER mini Pro 本体だけの給電(5V)のほか、USB Type-C給電(20V)にも対応しています。
接続することで、USB-Typc-C 3.0(充電ポート)、HDMIポート、USB-A 3.0ポートを3つ、LANポート(RJ45)を拡張できます。周辺機器の拡張に加え、4K出力対応の HDMI からモニターに繋げてデスクトップPC としても使えます。
画面
ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版 の液晶ディスプレイは鮮明です。
7インチ液晶ディスプレイ(IPS、16:10)、解像度 1920 × 1200、画素密度 323PPIです。
10点マルチタッチ対応で、操作・感度、画面の明るさは良好です。
ネイティブランドスケープな液晶ではなく、画面の向きは「横(反対向き)」表示です。
デフォルトの解像度は 1920×1200、スケーリングは 200% で、文字も大きく視認性は優れています。
この状態だと正常に表示されないアプリがあるので、必要に応じて解像度・スケーリングの調整や、Steamビックピクチャーモードでの起動が必要です。
操作性
操作性・持ちやすさは『優れている』と評価します。
一般的なコントローラーのように、しっかりと本体をホールドできるのが特徴です。
ABXYボタンサイズは 8.7mm、ストロークは 1.2mm。各種ボタンはメンブレン、LT/RTボタンはアナログトリガーを採用しています。
右側には Startボタン、ABXYボタン、アナログスティック、 キーボードボタン、Turboボタンが用意されています。マウスモードへの切り替えはキーボードボタンを長押し、左アナログスティックがマウスカーソル、Aボタンが左クリック、Bボタンが右クリック、右アナログスティックがスクロール、方向ボタンが機能します。
左側には Backボタン、左アナログスティック、Homeボタンが用意されています。
Homeボタンを押すと作業中画面からデスクトップ画面に切り替わり、もう一度押すと作業中の画面へ復帰します。
Homeボタンはファンクションキーとしても機能します。
下記の機能が割り当てられています。
- Homeボタン長押し:Xbox Game Bar表示
- Homeボタン+キーボードボタン:Ctrl + Alt + DELキー
- Homeボタン+Turboボタン:全画面スクリーンショット
- Homeボタン+音量-ボタン(短押し):RGBエフェクト変更
- Homeボタン+音量-ボタン(長押し):RGBエフェクト ON/OFF
ONEXPLAYERシリーズで培ってきた技術やユーザーフィードバックが活かされています。
ただし、ポータブルゲーミングPC の欠点として、キーボード入力がソフトウェアキーボードに依存します。キーボード入力が必要となるシチュエーション、ゲームタイトルを想定するなら別途キーボード接続が必要です。
専用アプリ「GAME CENTER」
Turboボタンは、専用アプリ「GAME CENTER」の呼び出しボタンです。
TDP(Thermal Design Power)設定、GPUクロックスピード(周波数)、冷却ファンの回転数、バイブレーションの強弱、解像度、RGBライトエフェクト、明るさのレベル、音量をリアルタイムに設定できます。
TDP のデフォルト設定は 15W で、最大28W まで変更可能です。
4W~28W の 1W刻みで調整が可能で、ユーザー自身で簡単に変更・設定ができます。
ゲーム動作確認
最新のゲームタイトルも動作しますが、最低・推奨システム要件ありきです。
遊ぶゲームタイトルに合わせた画面設定(テクスチャクオリティ、品質、解像度など)の変更が必須です。
手持ちのゲームタイトルが遊べるレベルに動作し、Ryzen 7 6800U の性能を実感できます。
解像度を 1280 × 800 に変更すれば、60FPS の快適なゲームプレイが可能です。
FPS測定値は、One-Netbook社ラボ公開の実測データです。
動作環境:解像度 1280 × 800、TDP 28W、低設定
グラフィックカード向けの機能に対応しています。
ゲーム解像度を下げた状態で高画質なスケールアップを実現できる機能『RSR(Radeon Super Resolution)』、水面や鏡、窓への映り込みなどのリアルな映像表現が可能な『レイトレーシング』に対応しています。
ざっくりとした使い方は、AMD Software: Adrenalin Edition をインストールして、RSR(Radeon Super Resolution)を有効化します。次にディスプレイ解像度を 1920×1200 に設定してゲームを起動して、ゲーム設定の解像度を 1280 × 800 にぐっと下げることで RSR が機能します。
画面サイズが小さい Windows携帯ゲーム機にマッチした機能で、ゲーム解像度・処理負荷を下げて高画質・スケールアップにして FPS を高めたり、逆に処理負荷を少し上げてリアルで鮮明な映像を映し出すといった使い方を選択できます。
ストレージ状態
ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版 のストレージ容量は 512GB / 1TB / 2TB です。
パーティション分割されており、専用アプリがプリインストールされています。
搭載されている OS は「Windows 11 Home」です。
日本語対応しているので、問題なく初期インストールを進められます。
本体の初期化
万が一のトラブルがあっても、初期化ユーティリティで解決できます。
下記手順を参考に進めてください。
- 電源オフを確認
- 電源ボタン押す
- 「Homeボタン」(左下ボタン)と「音量+ボタン」を同時押し
- Bootメニューが表示される
- キーボードボタンを長押し(ランプ点灯する)
- 十字キーで「UEFI OS」を選択
- 「Startボタン」で決定
- 「System Recovery」をタッチ
- 「Start」をタッチ
- しばらく待つと完了
ただし、給電をしながらであれば実行可能です。
ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版 のベンチマーク
ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版 のベンチマーク結果です。
設定・環境によって変わることがあるので、あくまでも参考程度にとどめてください。
冷却能力
ベンチマークテストで負荷をかけた状態の温度を計測しました。
最大温度は 90度を超えましたが、一定時間経過後には 40度台で安定します。
TDP 28W 設定時の冷却能力に関しては、やや不十分のように思えます。
ゲームプレイ時でも体感的に温かさは感じません。
画面上部が 40度ほどになりますが、それ以外の筐体表面温度は 30~34度ほどです。
内蔵ファンの風切り音は、負荷がかかる際に一時的に大きくなります。
そのため、没入感があるゲームミュージックを楽しむにはイヤホンが必須です。
ストレージ速度(SSD)
標準搭載されている M.2 2280 SSD のストレージ速度です。
ONEXPLAYER で採用されている PCIe 3.0規格の SSD が搭載されています。
バッテリー情報
ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版 のバッテリー状態です。
バッテリーの基本情報、容量、状態などの参考としてください。
ベンチマークテスト結果
ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版 のベンチマークテスト結果です。
標準設定の『15W』、高性能設定の『28W』、解像度 1920 × 1200 でのベンチマークスコアを比較しています。
ベンチマークテスト | 15W | 28W |
ドラゴンクエストX ベンチマーク 標準品質 フルスクリーン | 9118 | 9813 |
ドラゴンクエストX ベンチマーク 最高品質 フルスクリーン | 8390 | 8512 |
ドラゴンクエストX ベンチマーク 標準品質 ウィンドウ | 9175 | 11071 |
ドラゴンクエストX ベンチマーク 最高品質 ウィンドウ | 8096 | 8273 |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 標準品質 | 6433 | 7996 |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 標準品質 ノートPC | 6460 | 7948 |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 高品質 | 4699 | 5320 |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 高品質 ノートPC | 3992 | 6432 |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 最高品質 | 3518 | 5116 |
PCMARK 10 | 5217 | 6017 |
3DMARK Time SPY | 2018 | 2734 |
3DMARK Fire Strike | 5009 | 6542 |
3DMARK Night Raid | 18416 | 23694 |
CINEBENCH Release23 | 7784 | 10318 |
CINEBENCH Release23(Single Core) | 1421 | 1214 |
連続稼働時間
ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版 の連続稼働時間の測定結果です。
測定にはベンチマークテスト BBench を使用しています。
- ディスプレイの明るさは 50%
- ボリューム 50%
- スリープしない
- 無線LAN / Bluetooth:ON
- 電源プラン「バランス」
- TDP設定「15W」
上記の測定条件で、強制休止までの時間を計測したところ、計測結果は4時間11分でした。
重ためのゲーミング使用に限定した場合では、設定ありきで1~2時間と見て良いでしょう。
消費電力と供給電力の関係を考えると、モバイルバッテリーでの運用は厳しいです。
電源が確保できる環境での使用を推奨します。
まとめ
ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版は、Ryzen 7 6800U を搭載したアップグレードモデルです。
7インチサイズの Nintendo Switchライクな見た目に、新たに本体サイドに RGBライトエフェクト機能、これまでの操作性・持ちやすさはそのままにスペックアップしています。
大きさ・重さは Windows携帯ゲーム機としては一般的なサイズ感・重さです。
RSR を有効化してゲーム解像度・品質を工夫することで、快適なゲーミング体感を楽しめます。
長時間のゲームプレイでも体感的な発熱温度が気になることはありません。
28W設定時の最大温度は気になりますが、放熱対策・冷却能力については十分に備わっていると評価します。
小型・軽量化にフォーカスした作りを目指したため、指紋認証によるセキュアなログイン機能やキックスタンドは非搭載です。インターフェースの少なさ、キーボード入力の不足感は否めませんが、専用ドッキングステーションや USBハブを接続することで補える作りとなっています。
従来モデルと比べての販売価格は、かなり検討しています。
AMD Ryzen 6800U を搭載した Windows携帯ゲーム機で、本体サイズ・重さはそこそこ、ゲームに必要最低限プラスアルファの機能を求めている人に最適なモデルと評価します。
ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版の購入を検討している人は、主要スペックは同等で、本体・画面サイズを大きくした AOKZOE A1 をあわせて検討することをおすすめします。
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