ポータブルゲーミングPC「AYA NEO 2021」の国内販売がはじまりました。
このデバイスは、限定販売の創業版 AYA NEO Founder Edition、クラウドファンディング早期出資者向け AYA NEO のユーザーフィードバックを受けたモデルです。
主要スペックは Windows10、7インチ(1280×800)、AMD Ryzen 5 4500Uプロセッサ、Radeon Vega 6グラフィクス、メモリー16GB LPDDR4x 4266Mhz を搭載、ストレージ容量は 500GB と 1TBモデルから選択可能です。
さらに操作性を向上したゲーミング特化モデルの AYA NEO 2021 をレビューしていきます。
AYA NEO 2021 の価格・販売ストア
ポータブルゲーミングPC「AYA NEO 2021」は、国内外の通販サイトで販売中です。
本体カラーは、ライトムーン(ホワイト)、ダークスター(ブラック)の2色です。
ざっくりとした販売価格は 500GBモデルが 109,700円、1TBモデルが 122,980円。
販売ストアによって特典、還元ポイントなどに若干の違いがあるようです。
Ryzen7 4800U を搭載した上位モデル AYA NEO 2021 Pro、AYA NEO 2021 Pro Retro Power は、2021年12月に発売予定です。
AYA NEO 2021 のスペック
AYA NEO 2021 のスペックは、次のとおりです。
基本スペックは、創業版である AYA NEO Founder Edition、クラウドファンディング早期出資者向けの AYA NEO と変わりません。
- ディスプレイ:7インチ(1280×800)、H-IPS液晶(215ppi)、5点マルチタッチ対応
リフレッシュレート 60Hz - OS:Windows 10 Home
- CPU:AMD Ryzen5 4500U / 6スレッド
- GPU:AMD Radeon Vega 6
- RAM:16GB DDR4-4266 LPDDR4X
- ストレージ:512GB or 1TB PCIe NVMe(M.2 2280)
- バッテリー:12300mAh(4,100mAh × 3)、47Wh、PD対応
- I/Oポート:USB Type-C×3、イヤホンジャック
- 無線:Wi-Fi6、Bluetooth 5.2
- その他:ステレオスピーカー、ジャイロスコープ、加速度センサー
振動モーター - 大きさ:255 × 106 × 20mm
- 重量:650g
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが保証はできかねます。
AYA NEO 2021 レビュー
AYA NEO 2021 をしっかりチェックしていきます。
クラウドファンディング早期出資者向け AYA NEO との違いを中心に、刷新された操作性・冷却能力、新たに登場した専用アプリ AYA Space の使い心地などを中心にご紹介していきます。
AMD Ryzen 7 4800U を搭載したハイエンドモデル AYANEO 2021 Pro レトロパワーについては、こちらを参考にしてみてください。
ポータブルゲーミングPC「AYANEO 2021 Pro レトロパワー」の一般発売が開始します。AYA NEO 2021シリーズのハイエンドモデルである AYANEO 2021 Pro の特別カラーモデルで、ゲームボーイ風カラーが[…]
付属品
付属品は USB Type-Cケーブル、USB Type-C変換アダプタ×2、ACアダプタ、変換アダプタ(3種類)、マニュアルが付属します。日本国内で使うのであれば変換アダプタは使う必要はありません。
AYA NEO 2021 の大きさ・重さ
AYA NEO 2021 の大きさは 255 × 106 × 21mm、重さは 642g(実測値)です。
これまでに発売された AYA NEO シリーズと違いはありません。
Nintendo Switch やライバル機(GPD WIN3、ONEXPLAYER)との大きさ・重さ、サイズ感などについては、過去記事を参考にしてみてください。
海外クラウドファンディング Indiegogo でキャンペーンを実施していたモバイルゲーミングPC「AYA NEO」が、支援者へ向けた本格的な出荷がはじまりました。AMD Ryzen 5 4500Uを搭載していることが特徴[…]
本体裏側(画像上 AYA NEO、画像下 AYA NEO 2021)を見ると、技適認証済み製品となり、冷却ファン回りのデザインが異なっているのがわかります。また、これまでの AYA NEOシリーズと比べると内部構造が大きく刷新されています。
新設計された冷却モジュールのほか、液晶ディスプレイ、アルミ製フレーム、振動モーター、スピーカー、ジョイスティック基板などが変更されています。簡単に説明するとメイン基板(PCBA)、SSD、バッテリー以外のパーツはすべて刷新されていると考えて良いでしょう。
ただし、液晶ディスプレイに関しては、AYA NEO Founder Edition、AYA NEO の液晶ディスプレイと、刷新された AYA NEO 2021 の液晶ディスプレイでは大きな違いは感じられませんでした。
操作性は向上
AYA NEO 2021 と AYA NEO を比べてみると、ボタンの押し心地・操作性の違いに気がつきます。これまでボタンストロークはやや浅め、ABXYボタンなどの印字はプリントされたものが採用されていました。
AYA NEO 2021 では、はっきりとわかる押し心地、操作性・視認性に優れたボタン類(導電性ゴム、2色(黒・緑)成形ボタン)、アナログ入力に対応した LT/RTボタンの大幅な改善が見られます。ただし、個人的には LB/RBボタンは以前の方が押し心地は良かったと感じています。
右側には Windowsキーの WINボタン、ESCキーの ESCボタン、Ctrl+Alt+Delete の TMボタン、Windows10標準のソフトウェアキーボードが ON/OFF 可能な KBボタンを配置しています。
左側には アクセシビリティボタン、Xboxボタンと同等機能を持つHボタン、ビューボタン、メニューボタンを配置しています。AYA NEO Founder Edition の LEDイルミネーションボタンの名残で残されているアクセシビリティボタンは、十字キー左と同時押しすることでバイブレーションの ON/OFF を切り替えできます。
AYA NEOシリーズには、マウスモードとジョイスティックモードを切り替えるボタンはありません。そのため、タッチスクリーン操作が基本となるので、利便性を求めるのであれば専用アプリ AYA Space や Controller Companion などの外部アプリを使うのがおすすめです。
AMD Ryzen 5 4500U搭載の携帯型ゲーミングPC「AYA NEO Founder Edition」は、中国国内限定モデルとして先行リリースされたモデルです。その後、世界向けモデルとして同スペックの AYA NEO が […]
インターフェース
入出力ポートは USB Type-Cポート3つ(内、2つは映像出力、PD対応)、イヤホンジャックだけです。メイン基板自体はそのままなので、これまでの AYA NEOシリーズと変わりはありません。
横並びで高さが同じだった3つのボタン(電源ボタン、音量調整ボタン)は、電源ボタンだけを低くすることで押し間違えしないように改善されています。
専用アプリ AYA Space
専用アプリ AYA Space がリリースされました。
プリインスールはされておらず、公式サイトからダウンロードして導入します。
スタートアップ起動が推奨され、主要な操作がコントローラーで可能です。
AYA Space を導入すれば、AYA NEO 2021 の各種設定(省電力、TDP設定)、ゲーム起動などの総合管理ができ、ゲーミングにフォーカスした『Windowsゲームコンソール』として機能します。
一方で、Controller Companion などの外部アプリを導入していると操作に干渉してしまうので、AYA Space をメインに使うのであれば無効にしておくことを忘れずにしておきましょう。設定をいじらずに Steamゲームだけを遊ぶのであれば Steam の Big Pictureモードの方が使いやすいです。
Founded in 2020, AYANEO is a revolutionary brand for portabl…
専用アクセサリー
AYA NEO専用アクセサリーは、AYA NEO × Skull&Coとのコラボアイテムです。
Nintendo Switch 専用アクセサリーとして評価が高いアイテムを、AYA NEO にマッチさせた専用アクセサリーとして製作しています。(上画像は AYA NEO に装着したイメージ)
現時点で完成している専用アクセサリーは、強化スクリーンプロテクター、キャリングケース、アナログスティック用キャップのみです。ドッキングステーション、本体形状が変更となったためハンドルグリップ(接着シート6枚付)の販売は 2021年12月頃を予定しています。
持ち運ぶことを想定している方は、必ずサイズを確認してください。
ストレージ状態・初期化
AYA NEO 2021 のストレージ容量は 500GBモデル、1TBモデルの2種類です。
AYA NEOシリーズ共通してパーティション分割はされておらず、余計なアプリはプリインストールされていません。
搭載されている OS は「Windows 10 Home」です。
初期インストールの際に日本語設定も可能なので安心です。万が一のトラブルがあっても、TMボタンと音量ーボタンを押しながら起動すれば、初期化ユーティリティで解決できます。
1TBモデルに採用されているストレージは、SanDisk Western Digital PC SN530 NVMe SSD(WDC PC SN530 SDBPNPZ-1T00)です。スペックシートを確認するかぎりでは、最大読取2400MB/s、最大書込1,950MB/s です。
GPD製品(GPD WIN 2)で何度もSSD の換装をしていたところ、ライセンス認証ができなくなりました。問い合わせするのも時間がかかり面倒、新しい OS を購入するのは高すぎる。ローリスクハイリターンな格安ライセンスを手に入れろ![…]
AYA NEO 2021 のベンチマーク
AYA NEO 2021 のベンチマーク結果を簡単に確認していきます。
設定・環境によっては変わることがあるので、あくまでも参考程度にとどめてください。
冷却能力をチェック
ベンチマークテストで負荷をかけた状態で温度を計測しました。
最大温度は 70度近くまで上昇したものの、一定時間経過後には 30度台で安定します。
内蔵ファンの音は平常時ではまったく気にならず、負荷がかかる際には一時的に大きくなりますが許容範囲といった感じです。電源接続のまま2~3時間のゲームプレイでも体感的に熱いと感じることはありませんでした。
AYA NEO Founder Edition、AYA NEO とレビューをしてきましたが、製品版としてリリースされた AYA NEO 2021 は最も冷却能力に優れていると評価できます。
ストレージ速度をチェック
AYA NEO に標準搭載されているのは SanDisk Western Digital PC SN530 NVMe SSD(WDC PC SN530 SDBPNPZ-1T00)です。スペックシートどおりのストレージ速度を実現しています。
バッテリー状態を確認
AYA NEO 2021 のバッテリー状態です。
バッテリーの基本情報、容量、状態などの参考としてください。
ベンチマークテスト結果
AYA NEO 2021 のベンチマークテスト結果はご覧のとおりです。
AYA Space(ベータ版)で、標準設定の『バランス(15W)』、高性能設定の『ゲーム(20W)』設定それぞれのベンチマークスコアを比較しています。
AYA NEOシリーズは、ドラゴンクエストX ベンチマークのフルスクリーン表示(1280 × 720)では動作しないので、仮想フルスクリーン表示での結果を記載しています。
ベンチマークテスト | バランス | ゲーム |
ドラゴンクエストX ベンチマーク 標準品質 フルスクリーン | 13646 | 14467 |
ドラゴンクエストX ベンチマーク 最高品質 フルスクリーン | 12409 | 13147 |
ドラゴンクエストX ベンチマーク 標準品質 ウィンドウ | 13931 | 14664 |
ドラゴンクエストX ベンチマーク 最高品質 ウィンドウ | 12602 | 13437 |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 標準品質 | 7079 | 7509 |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 標準品質 ノートPC | 7376 | 7564 |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 高品質 | 4786 | 5155 |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 高品質 ノートPC | 5932 | 6203 |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 最高品質 | 4466 | 4766 |
PCMARK 10 | 4225 | 4295 |
3DMARK Time SPY | 1076 | 1079 |
3DMARK Fire Strike | 2923 | 3011 |
3DMARK Night Raid | 11581 | 12100 |
CINEBENCH Release23 | 4977 | 5614 |
CINEBENCH Release23(Single Core) | 1023 | 1130 |
ゲーミング性能についてはスペックありきなので、遊ぶゲームタイトルによっては画面設定のテクスチャクオリティ、低設定などに変更する必要がありそうです。
連続稼働時間を測定
AYA NEO 2021 の連続稼働時間を測定結果です。
測定にはベンチマークテスト BBench を使用しています。
- ディスプレイの明るさは 50%
- ボリューム 50%
- スリープしない
- 無線LAN / Bluetooth:ON
- 電源プランは「バランス」
- AYA Space(ベータ版)「バランス」
上記の測定条件で、強制休止までの時間を測定たところ、測定結果は2時間50分でした。
ゲーミング使用に限定した場合では、2~4時間ほど持ったという報告があります。
ゲーミング体験を向上させた AYA NEO 2021
AYA NEOシリーズは『ゲーミング体験』に特化した実力モデルです。
ライバル機と比べると、指紋認証によるセキュアなログインは非搭載、外付けグラフィックカードボックスであるeGPU非対応、Windows操作といった点では弱さを感じられます。
しかし、一方では AMDならではのドライバーの安定感、洗練されたデザイン・質感に持ちやすさ、ユーザーフィードバックされた操作性に冷却能力の向上、設定変更やゲーム起動までを総合した専用アプリ AYA Space を導入することで、ゲーミングにフォーカスした『Windowsゲームコンソール』として完成しています。
最高のハンドヘルドブランドを目指す新鋭ブランド AYANEO が、満を持して発表した AYA NEO 2021シリーズ、完全にゲーム特化した Ryzen搭載ポータブルゲーミングPC の『新定番』として注目を集めることでしょう。
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