中華ゲーム機「ANBERNIC RG35XX Plus」は、従来モデル RG35XX の性能と操作性を強化したスペックアップモデルで、主に定番のレトロゲームを楽しむことに特化した縦型モデルです。
ANBERNIC RG35XX Plus の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックしていきます。
ANBERNIC RG35XX Plus の価格・販売ストア
ANBERNIC RG35XX Plus は、海外通販サイトを中心に広く販売しています。
カラーバリエーションは、全3色(グレー、ホワイト、クリアブラック)です。
・ANBERNIC RG35XX Plus
一般販売価格:9,499円(送料別途)
ANBERNIC公式ストアにおける販売価格が最安値です。
ANBERNIC RG35XX Plus のスペック
ANBERNIC RG35XX Plus のスペックを詳しく見ていきます。
製品名 | ANBERNIC RG35XX Plus |
システム | Linux |
画面 | 3.5インチ液晶ディスプレイ IPS、4:3 解像度 640 × 480 |
SoC | Allwinner H700 1.5GHz |
RAM | 1GB LPDDR4 |
ストレージ | microSDカード |
バッテリー容量 | 3300mAh(8時間駆動) |
インターフェース | USB Type-C × 2、イヤホンジャック、 microSDカードスロット × 2、 miniHDMI、シングルスピーカー |
ワイヤレス通信 | WiFi 5、Bluetooth 4.2 |
大きさ | 117 × 81 × 22mm |
重さ | 186g |
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
ANBERNIC RG35XX Plus のレビュー
メーカー提供を受けた ANBERNIC RG35XX Plus をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点や欠点についても徹底解説します。
付属品
1. スクリーンプロテクター
2. 液晶クリーナー
3. ユーザーマニュアル(中国語・英語)
4. USB Type-Cケーブル
大きさ・重さ
大きさは 117 × 81 × 22mm、重さは 187g(実測値)です。
プラスチック筐体(ABS樹脂素材)で、大きさに対して重さは『軽い』です。
バッテリー容量が増したため、従来モデル RG35XX よりも本体が少し厚く重たくなりましたが、使用感は変わりません。また、表面コーティングはありませんが、成形精度や組み立て精度が高いです。
サイズ感
参考として、従来モデル RG35XX、Miyoo Mini+ を比較してみました。
いずれも実測値ではなく、公式発表されているスペックです。
製品名 | 画面サイズ | 大きさ | 重さ |
ANBERNIC RG35XX | 3.5インチ | 117 × 81 × 20mm | 165g |
ANBERNIC RG35XX Plus | 3.5インチ | 117 × 81 × 22mm | 186g |
Miyoo Mini+ | 3.5インチ | 108 × 78.5 × 22.3mm | 162g |
本体サイズは従来モデルと大きく変わらず、重さは RG353V(180g)に近いです。
持ち運びに便利なポケットサイズに分類できるサイズ感です。
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インターフェース
インターフェースは、上部に miniHDMIポートを用意し、下部に USB Type-Cポート(給電・充電用)、イヤホンジャックを備えています。
本体正面のコントローラー右下部に、モノラルスピーカー(シングル)を搭載しています。
ボリューム出力は十分で、音質もそこそこ良好です。
左側には音量ボタン、右側には電源ボタン、リセットボタン、microSDカード×2(内1つは Linuxベースのシステム起動用)を用意しています。
従来モデル RG35XX にはなかったワイヤレス通信機能(Wi-Fi と Bluetooth 4.2)を搭載しています。また、バイブレーション機能や 2.4Ghzワイヤレスゲームパッド接続もサポートしています。
イヤホン接続はサポートしていません。
内蔵バッテリーが 2600mAh から 3300mAh に増加したことで、従来モデル RG35XX よりも駆動時間が2時間ほど延び、より長時間(8時間駆動)の利用が可能となりました。
バッテリーカバーを取り外すだけで内蔵バッテリーにアクセスできるようになりました。頻繁に交換する必要性はないため、ネジ止め式が採用されています。
画面
本体の大きさに対して画面占有率が高いのが特長です。
3.5インチ液晶ディスプレイ(4:3)で、解像度は 640 × 480、画素密度は 229PPI です。
狭ベゼルでラウンドエッジ加工されたガラスレンズを採用しています。
液晶ディスプレイとガラスレンズの隙間がほぼないフルラミネーションディスプレイを採用しているため、反射面が少なく、高コントラストでクリアな映像を実現しています。
液晶ディスプレイの発色は良好ですが、最大輝度は従来モデル RG35XX よりも暗めです。
また、解像度とアスペクト比については、PSP(16:9)には適していないことや、ドリームキャストでは文字が潰れることに留意が必要です。
操作性
ABXYボタンサイズは 7.8mm、ストロークは 1.5mm で、ANBERNIC製品の標準仕様です。
ボタン側面の摩耗による削れや、押す角度によっての引っ掛かりもありません。
基本的なボタン配置や操作性は、従来モデル RG35XX そのままです。
細かな変更点としいては、光沢ボタンである ABXY のプリント印字がボタンになり、SELECT / STARTボタンの配置がやや下の配置に変更されて、角度が付いています。
緩やかな傾斜を持つエゴノミクス形状の背面ボタンを採用しています。
従来モデル RG35XX と比べると、背面ボタンに指を置いた状態から自然に L2/R2ボタンを押せるようになりました。
そのため、背面ボタンについては、従来モデル RG35XX よりも操作性は向上しています。一方で、クリアランスに余裕がある配置・取り付けは変わらず、本体を振ると背面ボタンがカタカタ鳴ります。
基本スペックが向上したことで、遊べるエミュレーターが増えましたが、アナログスティックが非搭載となっているため、汎用性においては注意が必要です。
システム
Linuxベースのシステム(独自UI)を採用しています。
わかりやすくシンプルな独自UI は、初心者でも簡単に操作できます。
設定の日本語選択、アイコン・画面デザインの変更、音量調整、明るさ調整、ステートセーブ・ロードなどを迷うことなく設定できます。新たにワイヤレス通信機能に対応したことで、Moonlight を使った PCゲームのリモートプレイも可能です。
一方で、エミュレーター機能については、簡単に起動ができる『ゲームルーム』と RetroArchベースの『RAゲーム』が用意されています。対応しているエミュレーターは同じですが、動作や設定に若干の違いがある点には注意が必要です。
CFW(カスタムファームウェア)の開発も進んでおり、将来的には導入することでカスタマイズ性の向上に加え、システムが改善される見込みです。
エミュレーター性能
エミュレーター性能は、RG351シリーズよりも優れ、RG353シリーズより劣ります。
主要スペックに Allwinner H700 を採用したモデルで、RG353シリーズや TRIMUI SMART PRO に近いエミュレーター性能、ゲーム動作が期待できます。
動作するエミュレーターは一般的なレトロゲームをはじめ、スーパーファミコン、プレイステーションが快適動作、ニンテンドーDS、NINTENDO64、PSP、ドリームキャストがそこそこ動作し、セガサターン、ゲームキューブも動作するスペックを搭載しています。
スペックに対して負荷が高めの PSP やドリームキャストに関しては、フレームスキップを設定することで、十分にプレイ可能なレベルで動作します。セガサターンやゲームキューブについては、そもそも動作が厳しいため推奨されておらず、エミュレーター設定も提供されていません。
解像度やアスペクト比の表示、アナログスティックが非搭載ということで、遊ぶエミュレーターやゲームタイトルによっては性能を持て余す可能性があります。ただし、従来モデル RG35XX の定番スペックからワンアップした性能を体感できます。
初期設定・使い方
基本的な使い方・設定方法は ANBERNIC RG35XX から大きく変わりません。
RetroArchベースの『RAゲーム』のショートカットは、こちらです。
- MENU:メニュー画面
- MENU+R2:早送り
- MENU+L2:スロー
- MENU+R1:セーブステート
- MENU+L1:ロードステート
- MENU+Y:フレームレート表示
- MENU+B:スクリーンショット
- MENU+X:ポーズ
- MENU+START:終了
- MENU+音量:明るさ調整
- MENU+左/右:セーブスロット変更
- ゲーム中に R2ボタン:【PSP】ジョイスティックと方向ボタン切替
- ゲーム中に電源ボタン:【NDS】タッチペン機能
その他の詳しい手順については、こちらの記事を参考に進めてください。
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まとめ
ANBERNIC RG35XX Plus は、従来モデル RG35XX の性能と操作性を強化したスペックアップモデルで、主に定番のレトロゲームを楽しむことに特化した縦型モデルです。
総合評価としては『初心者向け、万人受けするモデル』と評価します。
本体サイズはほぼそのままに、エミュレーター性能が向上しており、従来モデル RG35XX にはなかったワイヤレス通信機能を搭載し、バッテリー容量も増加しています。また、背面ボタンの操作性も改善されています。
一方で、エミュレーター性能は PSP やドリームキャストが動作するレベルに到達しましたが、アナログスティックがないので、遊ぶゲームには気をつける必要があります。ただし、RG353シリーズに近い性能なので、従来モデル RG35XX で厳しめだったゲームもスムーズに動作します。
標準システムやエミュレーター設定には改善の余地がありますが、手ごろな価格とカスタムファームウェア(CFW)に対する期待もあり、現行モデルを愛用しているユーザーでワンアップした性能を求める方は買い替えを検討する価値のあるモデルと評価します。
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ANBERNIC RG35XX Plus
一般販売価格:9,499円(送料別途)
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