中華ゲーム機「ANBERNIC RG353PS」は、『スーパーファミコンのコントローラー』をコンセプトにしたデザインや操作性をそのままに、Linuxシステムを採用したことでスペックと機能、価格を抑えた RG353P の廉価モデルです。
ANBERNIC RG353PS の価格、スペック、特徴、操作性、エミュレーター性能についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックしていきます。
ANBERNIC RG353PS の価格・販売ストア
ANBERNIC RG353PSは、海外通販サイトを中心に広く販売しています。
カラーバリエーションは、全3色(グレー、クリアホワイト、クリアパープル)です。
ANBERNIC RG353PS
一般販売価格 12,699円(送料別途)
プレセール価格 11,599円(5月8日 午後7時まで)
2023年5月6日 午後7時からプレセールを開始します。
ANBERNIC公式ストアにおける販売価格が最安値です。
ANBERNIC RG353PS のスペック
ANBERNIC RG353PS のスペックを詳しく見ていきます。
先に発売された ANBERNIC RG353P と異なる箇所を太字にしています。
- システム:Linuxベースシステム
- ディスプレイ:3.5インチ IPS、4:3、タッチスクリーンなし
- 解像度:640 × 480
- CPU:RockChip RK3566(1.8Ghz)
- GPU:Mali-G52 2EE
- RAM:1GB LPDDR4
- ストレージ容量:32GB eMMC 5.1 / microSDカード
- 大きさ:174 × 84 × 20mm
- 重さ:209g
- バッテリー容量:3500mAh
- ワイヤレス通信:Wi-Fi(2.4G / 5G)、Bluetooth4.2
- インターフェイス:USB Type-C × 2、イヤホンジャック、
miniHDMI、microSDカードスロット × 2 - その他:ステレオスピーカー、バイブレーション機能
- 素材:プラスチック
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
ANBERNIC RG353PS のレビュー
メーカー提供を受けた ANBERNIC RG353PS をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点や欠点についても徹底解説します。
付属品
1. スクリーンプロテクター
2. 液晶クリーナー
3. マニュアル(中国語・英語)
4. USB Type-Cケーブル
大きさ・重さ
本体の大きさは 174 × 84 × 22mm、重さは 213g(実測値)。
プラスチック筐体(ABS樹脂素材)を採用しており、サイズに対して軽量です。
大きさや重さ、サイズ感については、ANBERNIC RG353P と同等です。
『スーパーファミコンのコントローラー』をコンセプトにしたデザインで、本体の厚みは上部から下部にかけて薄くなり、縦幅も中央部と持ち手部で差があります。
似たような形状・横型モデルの製品と比較してみました。
以下は公式発表されているスペックでの比較です。
製品名 | 画面サイズ | 大きさ | 重さ |
PS Vita(PCH-2000) | 5インチ | 183.6 × 85.1 × 15mm | 219g |
ANBERNIC RG353PS | 3.5インチ | 174 × 84 × 20mm | 209g |
ANBERNIC RG353M | 3.5インチ | 145 × 70.5 × 15.9mm | 232g |
総合的なビルドクオリティは『高い』と評価します。
クリアカラー2色とゲームボーイ風カラーの本体はデザイン性に優れています。
本体は堅牢で、軋みやへこみ、スキマなどもなく、完成度が高いです。
ただし、5インチサイズに近い横幅と重量感については、賛否両論です。
インターフェース
インターフェースは、上部に USB Type-C × 2(内1つは給電ポート)、miniHDMIポート、リセットボタン、音量ボタンを備え、下部に microSDカード × 2(内1つは Linuxベースのシステム用)、イヤホンジャック、左右にステレオスピーカーがあります。
また、丸みがある両サイドには何もなく、上部から下部にかけて厚みが異なります。
左側面にアンテナが設置され、正面のコントローラー側には Fボタン、電源ボタンが配置されています。
背面左右には滑り止めパッドを用意されています。
Wi-Fi 2.4GHz / 5GHz、Bluetooth4.2、バイブレーション機能もサポートしています。
画面
液晶ディスプレイは鮮明と評価します。
3.5インチ液晶ディスプレイ(4:3)、解像度 640 × 480、画素密度は 229PPI です。
液晶ディスプレイとガラスレンズの隙間がないフルラミネーションディスプレイを採用しています。
初代ゲームボーイを思い起こさせる画面レンズを採用しているのもポイントです。
ベゼル幅が太く、画面占有率が低めですが、初代ゲームボーイ風のレンズを採用することで気にならない工夫が施されています。
操作性
操作性・押し心地については評価ポイントです。
ABXYボタンサイズは 7.7mm、ストロークは 1.5mm で、ANBERNIC製品の標準仕様です。
ボタン側面の摩耗による削れや、押す角度によっての引っ掛かりもありません。
アナログスティックは Hall joystick ではなく、従来の Nintendo Switch に採用されているタイプです。L1 / R1ボタン、L2 / R2ボタンは縦並びに配置されており押しやすいです。また、L / Rボタンを押し込んだ際のカチカチ音も静かです。
スーパーファミコンコントローラーよりも大きめなサイズですが、丸みを帯びた形状で持ちやすいのもポイントです。操作性や持ちやすさに関しては、RG353P でも高い評価を得ています。
ANBERNIC製品として標準的なボタンサイズですが、一般的なコントローラーと比較すると本体サイズに対して小さめのボタンを採用しています。
エミュレーター性能
エミュレーター性能は、RG353シリーズと同等です。
主要スペックに RockChip RK3566 を採用したモデルで、特筆すべき点はありません。
動作するエミュレーターは一般的なレトロゲームをはじめ、スーパーファミコン、プレイステーション、ニンテンドーDS までが快適に動作し、NINTENDO64、PSP、ドリームキャストはそれなりに動作します。また、セガサターンやゲームキューブも動作するスペックを搭載しています。
先に発売された RG353P の性能に対してミスマッチしていた Androidシステムを排除したことで、エミュレーター機能に特化したモデルに仕上げられています。
PSPエミュレーターも動作しますが、解像度やアスペクト比が適していません。また、ドリームキャストはほぼ快適に動作しますが、セガサターンの動作は厳しいです。
CFW(カスタムファームウェア)を導入することで、NINTENDO64、PSP、ドリームキャスト、セガサターンの動作が改善される可能性があります。
使い方・初期設定
基本的な使い方・設定方法は ANBERNIC RG353P から大きく変わりません。
詳しい手順については、こちらの記事を参考に進めてください。
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まとめ
ANBERNIC RG353PS は、『スーパーファミコンのコントローラー』をコンセプトにしたデザインや操作性をそのままに、Linuxシステムを採用したことでスペックと機能、価格を抑えた RG353P の廉価モデルです。
総合評価としては「初心者向け」と評価します。
RG353シリーズと同等のエミュレーター性能を備え、ミスマッチしていた Androidシステムを排除したことで価格を抑えたモデルに仕上げられています。また、カラーバリエーションを追加することによりデザイン性を向上しているのは評価ポイントです。
現状では使えるレベルに到達していない Androidシステムを排除したことで、従来の使いやすい Linuxベースのシステムに特化しています。RG353P で好評だった操作性や持ちやすさはそのままに、初心者でも使いやすいモデルです。
一方で、Unisoc Tiger T618搭載機よりもスペックが低いため、エミュレーターを楽しむにはある程度の妥協が必要です。機能的に目新しい点はありませんが、所有欲を満たすデザインとして完成されているため、コレクターにもおすすめです。
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ANBERNIC RG353PS
一般販売価格 12,699円(送料別途)
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