中華ゲーム機「Powkiddy V10」は、RockChip RK3326 を搭載した小型・縦型モデルです。数年前に発売されたモデルのスペックを踏襲しており、定番のレトロゲームを楽しむことができます。
Powkiddy V10 の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックします。
Powkiddy V10 の価格・販売ストア
Powkiddy V10 は、海外通販サイトを中心に広く販売しています。
カラーラインアップは、グレー、ベージュ、クリアパープル、クリアブラックの4色。
・Powkiddy V10
一般販売価格:8,999円(送料無料)
アマゾンでの販売価格です。
Powkiddy V10 のスペック
Powkiddy V10 のスペックを詳しく見ていきます。
製品名 | Powkiddy V10 |
システム | Linux |
画面 | 3.5インチ液晶ディスプレイ IPS 3:2、解像度 480 × 320 |
SoC | RockChip RK3326 |
RAM | 1GB DDR3 |
ストレージ | microSDカード |
バッテリー容量 | 3000mAh(8時間駆動) |
インターフェース | USB Type-C × 2 イヤホンジャック microSDカードスロット シングルスピーカー |
大きさ | 94 × 103.2 × 22.5mm |
重さ | 165g |
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
Powkiddy V10 のレビュー
公式ストアで購入した Powkiddy V10 をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点、欠点についても徹底解説します。
付属品
1. ユーザーマニュアル(英語・中国語)
2. USB Type-Cケーブル
大きさ・重さ
大きさは 94 × 103.2 × 22.5mm、重さは 165g(実測値)です。
プラスチック筐体(ABS樹脂素材)で、重さは『軽い』です。
表面コーティングはありませんが、成形精度や組み立て精度は高いです。
ややチープな印象はあるものの、可愛らしいデザインが特徴です。
サイズ感
参考として、ANBERNIC RG35XX 2024、Powkiddy RGB20SX を比較してみました。
いずれも実測値ではなく、公式発表されているスペックです。
製品名 | 画面サイズ | 大きさ | 重さ |
ANBERNIC RG35XX 2024 | 3.5インチ | 117 × 81 × 22mm | 186g |
Powkiddy V10 | 3.5インチ | 94 × 103.2 × 22.5mm | 165g |
Powkiddy RGB20SX | 4インチ | 143 × 87 × 22mm | 220g |
思っていたよりも横幅がありますが、十分に持ち運び可能なサイズ感です。
過去に発売された ANBERNIC RG280V より一回り大きなサイズ感といった印象です。
インターフェース
インターフェースは、本体上部に USB Type-Cポート(給電・充電用、OTG)。下部にイヤホンジャック、microSDカードスロットを用意しています。
正面中央にはシングルスピーカーを用意しています。
その他に、バイブレーション機能を備えていますが、ワイヤレス通信機能は非搭載です。
バッテリーカバーを取り外すだけで内蔵バッテリーにアクセスできます。
バッテリー容量は 3000mAh で連続8時間駆動です。
画面
標準仕様のディスプレイを採用しています。
3.5インチ液晶ディスプレイ(3:2)、解像度は 480 × 320、画素密度は 165PPI です。
ガラスレンズの隙間がないフルラミネーションディスプレイを採用しています。
ガラスレンズは本体サイズに合わせるため、画面サイズに対してかなり大きめなものが採用されています。そのため、左右のベゼル幅はかなり太めです。
画面の明るさと輝度(cd/m2)を測定したところ、最大166nit を記録しました。
明るさは暗めで、屋内では視認できても、屋外では難しいかもしれません。
操作性
操作性・押し心地は『ほぼ良好』と評価します。
ABXYボタンサイズは 8.0mm、ストロークは 1.5mm で、Powkiddy製品の標準仕様です。
ANBERNIC製品の標準仕様よりも少し大きなボタンサイズです。
ボタンの押し心地や反発はしっかりめで、ボタン側面の摩耗による削れもなく、押す角度による引っ掛かりもありません。
光沢のないマットなテクスチャのボタンを採用しています。
方向ボタンや ABXYボタンはメンブレン方式、その他のボタンはスイッチ式を採用しています。
ちょうど良いサイズ感で、操作性はおおむね快適に使えると言えるでしょう。
本体コントローラーのかなりコンパクトなため、中指から小指の置き位置が少し難しいかも。
対して、持ち手となる背面側や L1 / R1ボタンは丸みのある形状となっています。
そのため、人差し指の腹の置き位置が自然で、全体として手に馴染む良好な設計です。
プラス / マイナスボタンは音量ボタンではなく、R3 / L3ボタンとして機能するわかりづらさについては賛否両論ありますが、定番のレトロゲーム向けのコントローラーです。
システム
Linuxベースのシステム(ArkOS)を採用しています。
わかりやすい初心者向けのシステムで、初めてのユーザーでも使いやすいです。
標準システムでは日本語ロケールに未対応で、表示は英語表記になります。
有志による CFW(カスタムファームウェア)の開発も進んでおり、導入することでカスタマイズ性の向上や、システム全体が改善される見込みです。
エミュレーター性能
エミュレーター性能は、数年前に発売された RG351シリーズ相当です。
主要スペックに RockChip RK3326 を採用したモデルで、定番レトロゲームを遊ぶのに適したパフォーマンスです。
動作するエミュレーターは一般的なレトロゲームをはじめ、スーパーファミコンやプレイステーションまでが快適動作、ニンテンドーDS、NINTENDO64、ドリームキャストがそこそこ動作するスペックを搭載しています。
アナログスティックが非搭載のため、遊べるゲームタイトルは限定的ですが、搭載されているスペックに対して快適に遊べるエミュレーターにマッチした画面(解像度とアスペクト比)とコントローラーを採用したモデルです。
基本操作
各メニューのホットキーリスト・ファンクションキーの一覧です。
グローバルメニュー
- A:決定
- B:キャンセル
- SELECT:スクリーンセーバー
- START:システムメニュー表示
- L1 / R2:ゲームメニュー移動
RetroArchメニュー
- L3+START(2回):ゲーム終了
- R3+左右:音量調整
- R3+上下:明るさ調整
- L3+R1:クイックセーブ
- L3+L1:クイックロード
- L3+L2:ゲーム速度UP
- L3+A:停止
- L3+B:リセット
- L3+X:クイックメニュー
- SELECT+Y:スクリーンショット
プラスボタン:R3、マイナスボタン:L3
まとめ
Powkiddy V10 は、RockChip RK3326 を搭載した小型・縦型モデルです。
価格と基本性能のバランスを考慮し、コスト重視のユーザー向けに設計されたモデルです。
総合評価としては『期待値どおり』と評価します。
最大の特徴は、搭載されているスペックに対して快適に遊べるエミュレーターに最適化された画面(解像度とアスペクト比)とコントローラーを採用していることです。
一方で、付属マニュアルのファンクションキー説明が曖昧で、標準搭載されているシステム(ArkOS)も日本語ロケールに対応していない点は気になります。ただ、システムを変更したり、しばらく使い続ければ、問題なく使いこなせるようになるでしょう。
為替の影響で割安感は薄れるものの、コストパフォーマンスに優れたモデルといえるでしょう。
RockChip RK3326搭載モデルは数多く販売されているため、他メーカーの製品とも比較して、自分のお気に入りの一台を見つけてみるのも良いかもしれません。
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