中華ゲーム機「ANBERNIC RG Cube」は、正方形ディスプレイを採用した Androidゲーム機です。SoC に UNISOC Tiger T820、システムには Android 13 を搭載。持ちやすいグリップを備えたコントローラーも特徴です。
ANBERNIC RG Cube の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックしていきます。
ANBERNIC RG Cube の価格・販売ストア
ANBERNIC RG Cube は、海外通販サイトを中心に広く販売しています。
カラーラインアップは、ベージュホワイト、パープル、グレー、ブラックの4色。
・ANBERNIC RG Cube
一般販売価格:26,999円(送料別途)
プレセール価格:25,499円(送料別途)
ANBERNIC RG Cube のスペック
ANBERNIC RG Cube のスペックを詳しく見ていきます。
製品名 | ANBERNIC RG Cube |
画面 | 3.95インチ、IPS 解像度 720 × 720、1:1 258PPI、マルチタッチ |
OS | Android 13 |
SoC | UNISOC Tiger T820 |
RAM | 8GB LPDDR4X |
ストレージ | 128GB UFS 2.2 |
バッテリー | 5200mAh(連続8時間駆動) |
インターフェース | USB Type-Cポート |
ワイヤレス通信 | Wi-Fi、Bluetooth 5.0 |
大きさ | 153 × 86 × 18mm |
重さ | 260g |
素材 | ABS樹脂素材 |
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
ANBERNIC RG Cube のレビュー
メーカー提供を受けた ANBERNIC RG Cube をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点や欠点についても徹底解説します。
付属品
1. スクリーンプロテクター
2. 液晶クリーナー
3. ユーザーマニュアル(中国語・英語)
4. USB Type-Cケーブル
別売りの収納ケースが用意されています。
本体に合わせたくぼみがあり、本体とケーブルを持ち運ぶのに便利です。
大きさ・重さ
大きさは 153 × 86 × 18mm、重さは 257g(実測値)です。
プラスチック筐体(ABS樹脂素材)で、重さは『標準』です。
『Cube(キューブ)』という名前どおり、丸みがある筐体デザインです。
コーティングされた質感で皮脂や指紋が目立ちにくく、成形精度や組み立て精度が高いです。
サイズ感
参考として、Retroid Pocket 4 Pro、ANBERNIC RG556 を比較してみました。
いずれも実測値ではなく、公式発表されているスペックです。
製品名 | 画面サイズ | 大きさ | 重さ |
Retroid Pocket 4 Pro | 4.7インチ | 184.8 × 82.6 × 15.8mm | 261g |
ANBERNIC RG Cube | 3.95インチ | 153 × 86 × 18mm | 257g |
ANBERNIC RG556 | 5.48インチ | 223 × 90 × 15mm | 331g |
サイズ感は異なりますが、重さは Retroid Pocket 4 Pro とほぼ同等です。
ただし、グリップがある本体デザインのため、重量感も気になりません。
任天堂から発売された携帯型ゲーム機を基準に考えると、重さは 500g未満がストレスなく使える印象を持ちます。この基準を ANBERNIC RG Cube は満たしています。
インターフェース
インターフェースは、本体上部に USB Type-Cポート(1080P映像出力対応)、microSDカードスロット、イヤホンジャック。下部の左右にステレオスピーカーを用意しています。
右側には音量ボタン、電源ボタンを用意しています。
その他に、マイク、バイブレーション機能、6軸ジャイロセンサー、ワイヤレス通信(Wi-Fi、Bluetooth 5.0)を備えています。
アナログスティック周りに 1600万色の RGBライトエフェクトが搭載されています。
システム設定から LED のオン・オフや輝度調整、RGBカラー・エフェクトの変更が可能です。
背面には内蔵ファンの吸気口があり、上部の排気口へ放熱します。
冷却能力に優れた静音タイプのアクティブ冷却ファンが搭載されています。
騒音計を使用して実測した結果、デバイスから 50cm 離れた位置での騒音レベルは計測不可でした。ファンモードをオンにした際の風切り音もかなり静かで気になりません。
画面
ANBERNIC製品として初めて正方形ディスプレイを採用したモデルです。
3.95インチ液晶ディスプレイ(1:1)、解像度は 720 × 720、画素密度は 258PPI です。
ガラスレンズはロゴなし、上下左右のベゼル幅も狭めです。
定番レトロゲームをピクセルパーフェクトで表示できるのが最大の魅力です。
液晶ディスプレイとガラスレンズの隙間がほぼないフルラミネーションディスプレイを採用しているため、反射面が少なく、高コントラストでクリアな映像を実現しています。
画面の明るさと輝度(cd/m2)を測定したところ、最大468nit を記録しました。
タッチスクリーンの操作感度(シングルタッチ・マルチタッチ)の平均値は 62Hz、呼び出しレートは平均 92Hz です。また、タッチ操作の反応が鈍い画面位置などもありません。
解像度とアスペクト比については、定番レトロゲームでは気になりませんが、画面比率 16:9 には適していないことに留意が必要です。
この問題は製品版では解決済み(個体差あり?)とのことです。
操作性
ABXYボタンサイズは 7.6mmで、1.2mm のストロークで、ほぼANBERNIC製品の標準仕様です。RB / LBボタンはタクトスイッチで、それ以外のボタンはメンブレン方式を採用しています。
アナログスティックとトリガーにはホール効果センサーが搭載されています。
経年劣化や摩耗によるドリフト現象(触れていないのに入力操作が行われる不具合)が発生しにくいパーツを採用しています。
ABXYボタンはプリント印字のある光沢ボタンで、ボタンの押し心地や反発はしっかりとした感じです。ボタン側面の摩耗による削れや、押す角度によっての引っ掛かりもありません。
左側には アナログスティック、方向ボタン、ゲームモードボタン、HOME / BACKボタンが配置されています。右側には ABXYボタン、アナログスティック、SELECT / STARTボタンが配置されています。
ANBERNIC RG ARC に似た方向ボタンを採用していますが、まったくの別物です。
ボタンの押し感はやや硬めで、斜め押しの際のストロークや入力感にも違いがあります。RG ARC の方が操作性に優れていると感じました。
本体サイズに似合わず、しっかりと握れるグリップが備わっています。
指がかかる位置には滑り止めのためのテクスチャー加工が施されています。
RB / LBボタンと RT / LTボタンにも同様の加工が施されており、手汗でも滑りにくくなっています。また、RB / LBボタンは設定で入力切替(デジタルとアナログ)が可能です。
アナログスティックのデッドゾーンもほとんど感じられず、可動域も広めです。
特に可動域に顕著に気になるところもなく、測定結果も良好です。
Androidゲーム機全般にいえることですが、エミュレーターアプリの充実・出来が良いという利点はありますが、入力遅延を感じやすい傾向があります。ただし、繊細な操作・タイミングを必要としなければ特に気にする必要はありません。
システム
システムは Android 13 を搭載しており、Google Playストアに対応しています。
複数のエミュレーターアプリが標準でプリインストールされています。
ホームアプリは標準の『Quickstep』と独自UI の『RGLauncher』を用意しています。
RGLauncher は本体左側の「ゲームモードボタン」または「クイック設定パネル」から起動できます。
画面上部から引き出せるパネル「クイック設定パネル」では、画面の明るさ調整や自動回転のロック、パフォーマンスモードの切り替え、リマッピング機能、冷却ファンの設定、RGBライトエフェクトの編集などが可能です。
Ambient Light項目を短押しで、簡易的なエフェクトモードの変更、長押しすることで輝度調整やカラーなどの詳細設定ができます。
リマッピング機能である「Keymapp」を設定すれば、タッチ操作を物理ボタンに割り当てられます。原神などの主要なゲームアプリの操作はプリセットとして用意されています。
OTAアップデートにも対応しており、システムアップデートで細かなバグ(特定アプリでの意図しない輝度変更やホワイトフィルターなど)の修正が進められています。必要に応じてエミュレーターアプリやサードパーティ製アプリの導入をお勧めします。
エミュレーター性能
エミュレーター性能は、ANBERNIC製品でフラッグシップ・最上位(記事執筆時点)です。
主要スペックに UNISOC Tiger T820 を採用したモデルで、RG556 と同等のエミュレーター性能とゲーム動作が期待できます。Antutuベンチマークスコアは 42万点台。
スペックシート上では、動作するエミュレーターは一般的なレトロゲームをはじめ、動作が厳しいとされているセガサターン、PSP、ゲームキューブが快適動作。Wii、3DS、PS2、PS Vita のゲームタイトルがそこそこ動作するといった感じです。
競合他社から販売している既存の Androidゲーム機と比較すると、Retroid Pocket 3+ を圧倒していますが、Retroid Pocket 4シリーズや AYN Odin2 には劣ります。また、正方形ディスプレイを搭載した Powkiddy製品(RGB30、RGB20SX)と比べると、PICO-8ネイティブには非対応ですが、性能面や操作性で優れている点が特徴です。
正方形ディスプレイとアスペクト比(1:1)により、定番レトロゲームをベゼルを気にせずに大画面で快適に遊ぶことができます。また、DS/3DSエミュレーターを縦長表示にしてタッチ操作(疑似タッチではなく実際のタッチ操作)でプレイすることも可能です。
ただし、遊ぶエミュレーターやゲームタイトルによっては解像度やアスペクト比が課題となり、エミュレーター性能を十分に活用できない場合がある点には留意が必要です。
ゲームアプリ
デバイス負荷が重めのゲームアプリ『原神』や『鳴潮』などは、グラフィック設定を「低」に落とし込む必要があります。洗練されたグラフィックの美麗さや快適さを楽しむことはできませんが、基本的なゲームプレイは可能です。
また、Steam Link や Xbox Game Pass によるリモートプレイやクラウドゲーム(PCゲーム)も楽しむことができますが、いずれにせよ解像度やアスペクト比がネックとなることから厳しいです。
一般的なポータブルゲーミングPC と同様のゲーム体験を楽しむのは難しいです。また、画面サイズは 7インチ未満であるため、文字などの視認性についてはトレードオフが必要です。
初期設定・使い方
基本的な使い方・設定方法は Androidデバイスと共通です。
一般的なボタン操作、キーマップについては、こちらの記事を参考に進めてください。
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まとめ
ANBERNIC RG Cube は、正方形ディスプレイを搭載した Androidゲーム機です。
画面解像度は 720 × 720、アスペクト比は 1:1 の横型モデルで、持ちやすいグリップを搭載したコントローラー(ホールジョイスティック、ホールトリガー)採用し、1600万色の RGBライトエフェクトも搭載しています。
総合評価としては「期待値どおり」と評価します。
最大の魅力は、定番レトロゲームをピクセルパーフェクトで表示できる正方形ディスプレイを採用していることです。また、可愛らしい丸みのある小型デザインで、ANBERNI RG556 と同等のパフォーマンスを備えているのもポイントです。
一方で、タッチ操作を物理ボタンに割り当てるリマッピング機能を備えていますが、解像度やアスペクト比は一般的でないことや、既存のゲームアプリやクラウドゲーミング(PCゲーム)を想定した使い方には向いていない点には留意が必要です。
アスペクト比 4:3 の画面出力の崩れや伸縮させることなく表示が可能なため、ファミコンやゲームボーイ、プレイステーション、ゲームキューブなどのエミュレーターを遊ぶのに最適なモデルと評価します。
為替の影響もあり価格がやや高めなのはネックですが、Powkiddy RGB30 や RGB20SX よりもワンアップ上のスペックや操作性を求める方におすすめです。
関連ページリンク
ANBERNIC RG Cube
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