ポータブルゲーミングPC「ONEXPLAYER mini Ryzen版」は、フルサイズモデルの欠点だった大きさ・重さを改善し、主要スペックと優れた操作性をそのままに小型・軽量化されたモデルです。
主要スペックは Windows 11 Home、7インチ(1280 × 800 / 1920 × 1200)、AMD Ryzen 7 5800Uプロセッサー、AMD Radeon RX Vega 8 グラフィックス、メモリー 16GB LPDDR4X-4266、ストレージ容量 512GB / 1TB / 2TB を搭載しています。
ONEXPLAYER mini Ryzen版 の価格・販売ストア
ONEXPLAYER mini Ryzen版 は、国内外の通販サイトで取り扱われています。
解像度が異なる2モデルを用意しており、ストレージ容量の大きさにより価格が異なります。
- HD版(解像度 1280 × 800)
512GBモデル:149,600円
1TBモデル:160,600円
2TBモデル:173,800円 - FHD版(解像度 1920 × 1200)
512GBモデル:155,100円
1TBモデル:166,100円
2TBモデル:179,300円
このほかに、第11世代インテル版、フルサイズモデル(8.4インチ)も用意しています。
日本国内では One-Netbook日本公式サイトで種類豊富に販売しています。
国内保証・サポートを重視する人は、正規代理店での購入がおすすめです。
ONEXPLAYER mini Ryzen版 のスペック
- ディスプレイ:7インチ、IPS液晶(10点マルチタッチ対応)
・FHD 解像度 1920 × 1200、画素密度 323PPI
・HD版 解像度 1280 × 800、画素密度 192PPI - OS:Windows 11 Home
- CPU:AMD Ryzen 7 5800U
- GPU:AMD Radeon RX Vega 8 グラフィックス
- RAM:16GB LPDDR4X-4266
- ストレージ:512GB / 1TB / 2TB PCIE3.0x4 NVMe SSD
- バッテリー:12600mAh、48Wh
- I/Oポート:USB 3.2 Type-C× 2、USB 3.0、イヤホンジャック
- 無線:Wi-Fi6、Bluetooth 5.0
- その他:フロントステレオデュアルスピーカー、ジャイロスコープ、
マイク、振動モーター - 大きさ:262 × 107 × 23~35mm
- 重量:619g
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが保証はできかねます。
ONEXPLAYER mini Ryzen版 のレビュー
メーカーからお借りした ONEXPLAYER mini Ryzen版(FHD版)をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、ベンチマークテスト、評価すべき点、欠点についてもチェックします。
付属品
マニュアル(中国語)、65W窒化ガリウム急速充電機、USB Type-Cケーブルが付属します。
国内正規代理店テックワンでは、『日本語マニュアル保証書』を別途用意しています。
大きさ・重さ
大きさは 262 × 107 × 23~35mm、重さは 600g(実測値)です。
本体素材はマット指紋防止加工の ABS素材(プラスチック)、7インチサイズのポータブルゲーミングPC としては最軽量です。(2022年5月現時点の一般販売モデル調べ)
ポータビリティに優れたモデルですが、大きさ・重さについては感じ方に個人差があり賛否両論です。長時間の使用には向いておらず、1~2時間のライトユースに使うのが最適です。
辛口評価すると、サイズ感は AYANEO 2021シリーズ相当と一般的なサイズに近づき、ビルドクオリティについては AYANEO NEXTシリーズに劣る印象です。
インターフェース
インターフェースは、上部に USBポート、USB Type-Cポート、3.5mmイヤホンジャック、音量ボタン、電源ボタン。下部には USB Type-Cポート、本体正面にステレオデュアルスピーカーを備えています。
そのほかに、ワイヤレス通信(Wi-Fi6、Bluetooth 5.0)、マイク、バイブレーション機能などを搭載。ゲーミングプレイにフォーカスした作りのコントローラーを搭載しているのが特徴です。
本体左右にはグリップがあり、正面は滑りにくいマットなプラスチック素材を採用。
背面中央には内蔵ファンの吸気口があり、そのまま上部の排気口に放熱される構造です。
残念なポイントは、フルサイズモデルで搭載されていた機能やアクセサリーがないことです。
機能としては指紋認証、ターボキー(TDP変更)、キックスタンドが削除され、予定されている専用アクセサリーは未発売です。
また、バイブレーション機能の振動音・強さについては、ライバルメーカーから発売されているポータブルゲーミングPC 相当です。ただし、本体の大きさ・重さと同様に感じ方には個人差があり賛否両論です。
画面
ONEXPLAYER mini Ryzen版(FHD)の液晶ディスプレイは優れています。
7インチ IPS液晶ディスプレイ(16:10)、解像度 1920 × 1200、画素密度 323PPI です。
画面回転、10点マルチタッチスクリーン機能も備えています。
タッチスクリーン操作の感度・色合いは良好です。
液晶ディスプレイとガラスレンズの隙間がほぼないフルラミネーションディスプレイを採用しているため、反射面が少なく、高コントラストでクリアな映像を実現しています。
操作性・持ちやすさ
操作性・持ちやすさは優れていると評価します。
本格志向のグリップ感と大きさを実現したコントローラーは、本体をしっかりとホールド・操作できるボタン配置に工夫されています。
ABXYボタンのサイズは 8.8mm、ストロークは 1.2mmほど。各種ボタンはメンブレン、LT/RTボタンはアナログトリガーを採用しています。十字キーの操作性はクセありですが、アナログスティックの移動可能範囲、トリガーの押し込み調整は評価ポイントです。
左側に BACKボタン、左アナログスティック、十字キー、HOMEボタンが用意されています。HOMEボタンを押すと作業画面からデスクトップ画面に切り替わります。
右側には STARTボタン、ABXYボタン、右アナログスティック、キーボード呼び出しボタン、ナイトモードボタンが用意されています。キーボード呼び出しボタンを長押し(1.5秒)することでマウスモードに切り替わります。
ストレージ状態・初期化
ONEXPLAYER mini Ryzen版のパーティションは分割されています。(画像は 1TBモデル)
搭載されている OS は『Windows 11 Home』です。
ディスク内にファクトリーイメージが格納されているため、簡単に工場出荷状態に戻せます。
リカバリー方法は下記手順で実行できます。
- 電源ボタンを押してデバイス起動
- すぐに「HOMEボタン」と「音量+ボタン」を同時に押す
- UI画面が表示されたら「UEFI OS」を選択
- スタートボタンで実行
- 手順に従ってデバイス復元
GPD製品(GPD WIN 2)で何度もSSD の換装をしていたところ、ライセンス認証ができなくなりました。問い合わせするのも時間がかかり面倒、新しい OS を購入するのは高すぎる。ローリスクハイリターンな格安ライセンスを手に入れろ![…]
ONEXPLAYER mini Ryzen版 のベンチマーク
ONEXPLAYER mini Ryzen版のベンチマーク結果を簡単に確認します。
設定・環境によっては変わることがあるので、あくまでも参考程度にとどめてください。
冷却能力
ベンチマークテストで負荷をかけた状態の温度を計測しました。
最大温度は 90度近くになりましたが、一定時間経過後には 40度台で安定します。
グリップをつかんでのゲームプレイでは、体感的な温かさは感じません。
内蔵ファンの風切り音は、負荷がかかる際に一時的に大きくなるので注意が必要です。そのため、没入感があるゲームミュージックを楽しむにはイヤホン接続が必須となりそうです。
ストレージ速度
ONEXPLAYER mini Ryzen版に標準搭載されているのは自社オリジナルSSD です。
ストレージ速度は十分な速度が出ています。
バッテリー状態
ONEXPLAYER mini Ryzen版 のバッテリー状態です。
バッテリーの基本情報、容量、状態などの参考としてください。
ベンチマークテスト結果
ONEXPLAYER mini Ryzen版 のベンチマークテスト結果はご覧のとおりです。
ベンチマークテストは、いずれも『解像度 1280×720』で実施しています。
ベンチマーク | スコア |
ドラゴンクエストX ベンチマーク 標準品質 フルスクリーン | 18234 |
ドラゴンクエストX ベンチマーク 最高品質 フルスクリーン | 16458 |
ドラゴンクエストX ベンチマーク 標準品質 ウィンドウ | 18336 |
ドラゴンクエストX ベンチマーク 最高品質 ウィンドウ | 16432 |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 標準品質 | 8650 |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 標準品質 ノートPC | 8939 |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 高品質 | 5893 |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 高品質 ノートPC | 7107 |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 最高品質 | 5533 |
PCMARK 10 | 5967 |
3DMARK Time SPY | 1392 |
3DMARK Fire Strike | 3571 |
3DMARK Night Raid | 14867 |
CINEBENCH Release23 | 7821 |
CINEBENCH Release23(Single Core) | 1415 |
最新のゲームタイトルも動作しますが、最低・推奨システム要件ありきです。
遊ぶゲームタイトルに合わせた画面設定(テクスチャクオリティ、品質、解像度など)の変更が必須です。
連続稼働時間
ONEXPLAYER mini Ryzen版 の連続稼働時間の測定結果です。
測定にはベンチマークテスト BBench を使用しています。
- ディスプレイの明るさは 50%
- ボリューム 50%
- スリープしない
- 無線LAN / Bluetooth:ON
- 電源プラン「バランス」
上記の測定条件で、強制休止までの時間を計測したところ、計測結果は 4時間43分でした。
フルロードゲーミングで 2時間、ビデオ再生で 9.5時間ほど持つようです。
まとめ
ONEXPLAYER mini Ryzen版は、フルサイズモデルの欠点だった大きさ・重さを改善し、主要スペック・優れた操作性をそのままに小型・軽量化されたモデルです。
フルサイズモデルで好評だった操作性・持ちやすさは変わりません。
弱点だった本体の大きさ・重さが、小型・軽量化されたことで、ポータビリティーに優れたモデルに生まれ変わりました。7インチサイズのポータブルゲーミングPC としては現時点で最軽量モデルです。
一方では、小型・軽量化にフォーカスした作りを目指したため、フルサイズモデルに搭載されている指紋認証機能、ターボキー(TDP変更)、キックスタンドは削除され、予定されている専用アクセサリーも未発売でインターフェースの少なさ、キーボード入力の不足感は否めません。
実際にゲームプレイをしてみると、FHD(1920 × 1200)で動作するゲームタイトルは限定されます。解像度を調整してゲームプレイすることがほとんどなので、ゲームプレイがメインであれば HD版、動画やブラウジングなども楽しむのであれば FHD版を選択すると良いでしょう。
これまでにも多くの Windows携帯ゲーム機をレビューしてきましたが、その中でも Ryzen版はグラフィックドライバー問題をはじめとした特別な設定を必要とせず、扱いやすいポータブルゲーミングPC と評価します。
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