ポータブルゲーミングPC「ONEXFLY」レビュー|Ryzen 7840U搭載、重さ590g の高級塗装モデル

ポータブルゲーミングPC「ONEXFLY」は、リフレッシュレート 120Hz の7インチ液晶ディスプレイと、HARMAN AudioEFX チューニングステレオスピーカー、RGBネームタグを特徴としています。さらに、一部の高級車にも採用されている『武蔵野塗料』の抗菌ペイントが施されています。

主要スペックは、Windows 11 Home、AMD Ryzen 7 7840Uプロセッサ、7インチ(1920 × 1080)、メモリー 32GB LPDDR5X 7500MHz、ストレージ容量 1TB / 2TB を搭載しています。

ONEXFLY の価格・販売ストア

ONEXFLY は、Amazon、One-Netbook公式ストア、ハイビーム公式オンラインストア、およびハイビーム実店舗で取り扱われています。

カラーバリエーションは、全2色(オブシディアンブラック、スノーホワイト)です。
スペックが異なる2つのモデルを販売しています。

・32GB / 1TBモデル
 一般販売価格:149,800円

32GB / 2TBモデル
 一般販売価格:159,800円

ONEXFLY のスペック

ONEXFLY のスペックを詳しく見ていきます。

製品名 ONEXFLY
画面 7インチ、IPS、解像度 1920 × 1080、450nit
10点マルチタッチ、リフレッシュレート 120Hz
OS Windows 11 Home
CPU AMD Ryzen 7 7840U
グラフィックス AMD Radeon 780M グラフィックス
メモリ 32GB
LPDDR5X 7500Mhz
ストレージ 1TB / 2TB
M.2 2280 SSD、PCI Express 4.0 x4接続
インターフェース USB-C 4.0ポート × 2、USB-A 3.2ポート、
microSDカードスロット、イヤホンジャック
その他

ゲームコントローラー、RGBネームタグ
HARMAN AudioEFXステレオスピーカー、
ジャイロスコープ、振動モーター、マイク

ワイヤレス通信 Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2
バッテリー 12600mAh/48Wh
大きさ 263.6 × 98.25 × 22.6mm
重さ 約590g
カラー オブシディアンブラック
スノーホワイト

免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。

ONEXFLY のレビュー

ポータブルゲーミングPC「ONEXFLY」をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、ゲーム動作確認、ベンチマークテスト、評価すべき点、欠点についても徹底解説します。

付属品

1. マニュアル
2. 電源アダプター
3. USB Type-Cケーブル

大きさ・重さ

大きさは 263.6 × 98.25 × 22.6mm、重さは 594g(実測値)
AMD Ryzen 7 7840U を搭載した7インチの『軽量モデル』です。
搭載バッテリー容量に対して、本体が軽めなのはポイントです。

ABS樹脂素材の筐体で、高級車にも採用されている『武蔵野塗料』の抗菌ペイントが特長です。
表面コーティングされており、質感はかなり良く、さらりとした触り心地です。

参考として、Nintendo Switch、Steam Deck と比較してみました。
いずれも実測値ではなく、公式発表されているスペックです。

製品名 画面サイズ 大きさ 重さ
Nintendo Switch 6.2インチ 239 × 102 × 13.9mm 398g
ONEXFLY 7インチ 263.6 × 98.25 × 22.6mm 590g
Steam Deck 7インチ 298 × 117 × 49mm 669g

任天堂から発売された携帯型ゲーム機を基準に考えると、重さは 500g未満がストレスなく使える印象を持ちます。人によっては短時間のゲームプレイでもストレス・負担に感じる重さです。

インターフェース

インターフェースは、上部に USB 3.2 Type-Aポート、USB4 Type-Cポート、イヤホンジャック、音量ボタン、電源ボタンを配置しています。

下部には USB4 Type-Cポート、microSDカードスロット、両側に HARMAN AudioEFX チューニングステレオスピーカーを搭載しています。また、6軸ジャイロセンサー、マイクも搭載しており、指紋認証は非搭載です。

左右にグリップがあり、バイブレーション機能も備えています。
ワイヤレス通信機能は、Wi-Fi 6E と Bluetooth 5.2 をサポートしています。

左右のアナログスティックとネームタグに RGBエフェクトライトを搭載しています。
専用アプリを使用して、LED のオン・オフ、ライトカラー、照明効果を変更できます。

クラウドファンディング版では、追加料金を払うことでネームタグの変更が可能でした。
国内正規版では、変更サービスの提供は調整中です。現時点では固定デザインで、左側:CREAM CAKE、右側:ONEXFLY です。

背面左側には内蔵ファンの吸気口があり、上部の排気口へ放熱します。
優れた放熱能力を持つ冷却システムが搭載されています。

騒音計を使用して実測した結果、デバイスから 50cm離れた位置での騒音レベルは 30dB~46dB と普通です。TDP設定を 15W にした場合、軽めのゲームであれば風切り音はほぼ気になりません。

画面

狭額ベゼルの7インチ液晶ディスプレイ(IPS、16:9)、解像度 1920×1080、画素密度 367PPI です。マルチタッチスクリーンで、操作感度や画面の明るさ・発色も良好です。

ネイティブがポートレート(縦長)な液晶であり、画面の向きは「横(反対向き)」表示です。
リフレッシュレートは 120Hz のみで、AMD FreeSync には非対応です。

デフォルトの解像度は 1920×1080、スケーリングは 150% で、文字は小さく視認性はやや低めです。また、この設定だと正常に表示されないアプリがあるため、必要に応じてスケーリングの調整や、Steamビックピクチャーモードでの起動が必要です。

操作性

一般的なコントローラーのように、しっかりと本体をホールドできます。
ABXYボタンサイズは 8.5mm、ストロークは 1.5mm。各種ボタンはメンブレン、LT/RTボタンはアナログトリガー(8.1mm ストローク)を採用しています。

右側にはスタートボタン、ABXYボタン、ジョイスティック、 Turboボタン、Keyboardボタンが配置されています。マウスモードへの切り替えは Keyboardボタンを長押しすることで可能です。

左側には Backボタン、ジョイスティック、十字キー、Homeボタンが用意されています。
Homeボタンを押すと作業中の画面からデスクトップ画面に切り替わり、もう一度押すと作業中の画面に戻ります。

ONEXFLY 十字キー(D-Pad)について|ONE-NETBOOK日本公式サイト

十字キーの斜め入力が押しにくい個体について
国内正規版では、修正済み出荷 or 無償調整の対象です。

実測した結果、入力間の平均値は 7.67ms で、ポーリングレートは 130Hz です。
PC接続時の XBOX純正コントローラーよりも優れた反応速度です。

ジョイスティックにはホールセンサーが搭載されており、経年劣化や摩耗によるドリフト現象(触れていないのに入力操作が行われる不具合)が発生しにくいパーツを採用しています。

Homeボタンはファンクションキーとしても機能します。
以下の機能が割り当てられています。

  • Homeボタン長押し:Xbox Game Bar表示
  • Homeボタン+Keyboardボタン:Ctrl + Alt + DELキー
  • Homeボタン+Turboボタン:全画面スクリーンショット
  • Homeボタン+音量-ボタン(短押し):RGBエフェクト変更

ONEXPLAYERシリーズで培われた技術やユーザーフィードバックが活かされています。
個人的には、持ち心地や重量バランスが優れたモデルと評価します。

専用アプリ

Turboボタンは、専用アプリ『OneXConsole』の呼び出しボタンです。
TDP(Thermal Design Power)設定、冷却ファンの回転数(自動・手動)、バイブレーションの強弱、解像度の変更、FPS の固定、RGBライトエフェクトなどを設定・変更できます。

TDP のデフォルト設定は 15W で、最大30W まで変更可能です。
4W~30W の 1W刻みで調整が可能で、ユーザー自身で簡単に変更・設定ができます。専用アプリを起動していない状態では、ターボボタンは単純に TDP を変更する機能(15W⇔28W)となります。

長押しすることで、ランチャー機能とボタンのカスタマイズ機能を呼び出せます。
正直、ランチャー機能は使い勝手にやや難があるので、Playnite などのサードパーティ製アプリの導入を推奨します。

ボタンカスタマイズ機能はゲームにあわせたプロファイルを作成することが可能で、各ボタンのマッピング、スティックやトリガーのデッドゾーンや感度の調整などを設定できます。マクロ機能については、ゲーム内の利用規約によっては禁止されていることがあるため評価しません。

専用アプリ:OneXConsole(Game Center)Update Log and Download Links

不具合修正や追加機能の実装などが進められています。
記事執筆時点の最新バージョンは Version 0.6.8 です。

ゲーム動作

高性能なデスクトップのゲーミングPC とは異なる『別ジャンル』の商品です。
最新のゲームタイトルも動作しますが、最低・推奨システム要件ありきです。
ゲーム設定を見直すことで、60FPS で快適なゲームプレイが可能です。

『RSR(Radeon Super Resolution)』という機能を使用することで、ゲーム解像度を下げつつも高画質なスケーリングを実現できます。また、特定のゲームでのフレームレート向上が期待できる『FSR(FidelityFX Super Resolution)』にも対応しています。

RSR(Radon Super Resolution)を有効化して、ディスプレイ解像度を高く設定し、ゲームを起動後にゲームの解像度を低く設定(ディスプレイの解像度より低く設定)することで RSR が機能します。

この機能は、小型のポータブルゲーミングPC向けに最適で、ゲームの解像度や処理負荷を下げつつ、高画質やスケールアップを行い、FPS を向上させることが可能です。また、処理負荷をわずかに上げてリアルで鮮明な映像を楽しむこともできます。

VRAM は標準で 6GB(最大16GB)で、メモリークロック周波数は最大 7500MHz です。
TDP 30W 設定で、サイバーパンク2077 や Forza Horizon 5、Diablo 4、エルデンリング、Lies Of P は 60FPS で動作し、Starfield や ARMORED CORE VI についても 30FPS以上で快適に動作します。

『RSR のオン・オフ』は、「十字キー左+スタートボタン」です。
すべてのゲームタイトル・環境で正常に動作するものではありません。

ストレージ状態

ONEXFLY 国内正規版のストレージ容量は 1TB / 2TB です。
パーティションが分割されており、専用アプリ『OneXConsole』と、AMD製品向けソフトウェア『AMD Software: Adrenalin Editon』がプリインストールされています。

搭載されている OS は「Windows 11 Home」です。
日本語に対応しており、問題なく初期インストールを進められます。

『AMD Software: Adrenalin Editon』のアップデートについて
アップデート方法について、注意喚起がされています。
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本体の初期化

万が一のトラブルがあっても、初期化ユーティリティで解決できます。
下記の手順を参考に進めてください。

  1. 電源オフを確認
  2. 電源ボタンを押す
  3. 「Homeボタン+音量プラスボタン」を押す
  4. Bootメニューが表示される
  5. 「Keyboardボタン」を長押し(ランプ点灯)
  6. 十字キーで「UEFI OS」を選択
  7. 「スタートボタン」で決定
  8. 「Start」をタッチ
  9. しばらく待つと完了
バッテリー残量が 60% 以上でないと実行できません。
ただし、給電をしながらであれば実行可能です。

ONEXFLY のベンチマーク

ONEXFLY のベンチマーク結果を確認します。
設定・環境によっては変わることがあるので、あくまでも参考程度にとどめてください。

冷却能力

ベンチマークテストにより、負荷をかけた状態を計測しました。
最大温度は 90度を超えましたが、一定時間経過後には 40度台に安定しました。

ゲームプレイや負荷がかかる状況でも、実感するほどの熱さは感じませんでした。
内蔵ファンの風切り音は、負荷がかかる際に一時的に大きくなります。
遊ぶゲームしだいですが、内蔵ファンの風切り音はほぼ気になりません。

ストレージ速度(SSD)

標準搭載されている M.2 2280 SSD(ONEXPLAYER製SSD)のストレージ速度です。
高速な PCle4.0規格の SSD が搭載されています。

ストレージ速度(microSDカード)

microSDカードのストレージ速度です。
SAMSUNG EVO Plus A2 V30 microSDXC UHS-Iカードを使用して測定しています。

ベンチマークテスト結果

TDP設定で『15W』、『30W』のベンチマークスコアを比較しています。
ベンチマークテストの解像度設定は、いずれも 1920 × 1080 です。

解像度と拡大/縮小率は、各ベンチマークテストの設定値と一致させています。
CPUブーストのオン・オフ、最大メモリ設定にしても、スコアは大きく変わりません。

ベンチマークテスト 15W 30W
ファイナルファンタジーXV 軽量品質 3675 4936
ファイナルファンタジーXV 標準品質 2857 3811
ファイナルファンタジーXV 高品質 2233 2861
ブループロトコル 低画質 8921 12698
ブループロトコル 中画質 4845 7126
ブループロトコル 高画質 4419 6327
ブループロトコル 最高画質 3334 4698
PCMARK 10 5337 5862
3DMARK Time SPY 2350 3086
3DMARK Fire Strike 5357 7244
3DMARK Night Raid 19372 26930
CINEBENCH Release23 8871 13055
CINEBENCH Release23(Single Core) 1630 1752

連続稼働時間

ONEXFLY の連続稼働時間の測定結果です。
測定にはベンチマークテスト BBench を使用しています。

  • ディスプレイの明るさは 50%
  • ボリューム 50%
  • スリープしない
  • 無線LAN / Bluetooth:ON
  • 電源プラン「バランス」
  • TDP設定「15W」
  • LEDイルミネーション:ON

上記の測定条件で、強制休止までの時間を計測したところ、計測結果は4時間20分でした。
ゲーミング使用に限定した場合では、設定ありきで1~3時間と見て良いでしょう。

まとめ

ONEXFLY は、AMD Ryzen 7 7840U を搭載した7インチサイズの『軽量モデル』です。
リフレッシュレート 120Hz の7インチ液晶ディスプレイや、HARMAN AudioEFX チューニングステレオスピーカー、RGBネームタグが特徴です。

また、一部の高級車にも採用されている『武蔵野塗料』の抗菌ペイントを施されており、表面のコーティングによる質感は滑らかな感触があります。総合的に高いスペックと付加価値に加えて、重量バランスにも優れたモデルと評価します。

メリット
デメリット
  • 本体サイズ・重量
  • リフレッシュレート120Hz
  • 操作性・持ちやすさ
  • 質感(武蔵野塗装)
  • 放熱対策・冷却能力
  • LPDDR5X 7500MHz
  • PCle4.0規格 SSD搭載
  • スピーカー音質
  • インターフェース
  • PC操作
  • FreeSync 非対応
  • 指紋認証 非搭載
  • 専用アプリ
  • RGBネームタグ(調整中)

小型・軽量化にフォーカスした作りで、指紋認証やキックスタンドは非搭載です。
7インチの本体サイズに対して搭載バッテリーが大容量で、ポータブルゲーミングPC としては microSDカードを含めたインターフェースも多く完成されています。

一方で、マウスモード時のキャリブレーションの必要性や専用アプリなどの挙動は、ユーザーフィードバックを受けて改善が進められています。また、液晶ディスプレイのリフレッシュレートは 120Hz ですが、AMD FreeSync に非対応で、ROG Ally より画面性能が劣っています。ただし、小型・軽量な点では ROG Ally や Steam Deck よりもアドバンテージがあります。

AMD Ryzen 7 7840U を搭載したモデルは、競合他社から続々と登場しています。
価格やスペック、重要視するポイントを整理して検討を進めてください。

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