Androidゲーム機「AYN Odin2 Mini」は、Odinシリーズ最軽量のコンパクトモデルで、SoC に Snapdragon 8 Gen 2プロセッサ、画面に 5インチの Mini LED を採用しており、主要スペックと価格が魅力のモデルです。
AYN Odin2 Mini の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能やゲームパフォーマンスについてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックしていきます。
AYN Odin2 Mini の価格・販売ストア
AYN Odin2 は、公式ストアの専売商品です。
カラーバリエーションは、ブラック、ホワイトの全2色です。
スペックが異なる2モデルを販売しています。
2024年6月下旬より順次発送されています。
・Base(8GB / 128GB)ブラックのみ
販売価格:339ドル(送料別途)
・Pro(12GB / 256GB)
販売価格:399ドル(送料別途)
AYN Odin2 Mini のスペック
AYN Odin2 Mini のスペックを詳しく見ていきます。
製品名 | AYN Odin2 Mini | |
モデル | Base | Pro |
画面 | Mini LED 5インチ、タッチスクリーン 解像度 1920 × 1080、16:9 | |
システム | Android 13 | |
SoC | Qualcomm Snapdragon 8 Gen 2 | |
GPU | Qualcomm Adreno 740 | |
RAM | 8GB LPDDR5x | 12GB LPDDR5x |
ストレージ | 128GB | 256GB |
インターフェース | USB 3.1 Type-C microHDMI イヤホンジャック microSDカードスロット | |
その他 | ゲームコントローラー ステレオスピーカー 振動モーター、マイク アクティブ冷却ファン | |
ワイヤレス通信 | Wi-Fi 7、Bluetooth 5.3 | |
バッテリー | 5000mAh | |
大きさ | 198 × 85.8 × 19.5mm | |
重さ | 320g | |
カラー | ブラック | ブラック / ホワイト |
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
AYN Odin2 Mini のレビュー
公式ストアで購入した AYN Odin2 Mini をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点や欠点についても徹底解説します。
付属品
1. マニュアル(英語のみ)
2. USB Type-Cケーブル
プレオーダー特典
プレオーダー特典は下記のとおりです。
1. 収納ケース
2. スクリーンプロテクター
専用アクセサリーとして販売しているものです。
専用アクセサリー
AYN Odin2 Mini専用アクセサリーも用意されています。
・ドック(Odin2 Super Dock)
・65Wチャージャー
・ジョイスティックキャップ
・ボディステッカー
・収納ケース
・スクリーンプロテクター
大きさ・重さ
大きさは 198 × 85.8 × 19.5mm、重さは 340g(実測値)です。
プラスチック筐体(ABS樹脂素材)で、AYN Odin2 よりもコンパクトで、100g 軽いのがポイントです。
PS Vita(PCH-2000)を彷彿とさせる丸みがあるオーバルデザインが特徴です。
成形精度や組み立て精度は高く、全体的なビルドクオリティは高めです。
ただし、表面コーティングがないマットな質感で、本体のカラーによっては皮脂や指紋が目立ちやすく、ややチープな印象を持ちます。
サイズ感
参考としてNintendo Switch、PS Vita(PCH-2000)と比較してみました。
いずれも実測値ではなく、公式発表されているスペックです。
製品名 | 画面サイズ | 大きさ | 重さ |
Nintendo Switch 有機ELモデル | 7.0インチ | 242 × 102 × 13.9mm | 420g |
AYN Odin2 Mini | 5インチ | 198 × 85.8 × 19.5mm | 320g |
PS Vita(PCH-2000) | 5インチ | 183.6 × 85.1 × 15mm | 219g |
PS Vita(PCH-2000)よりも少し大きなサイズ感です。
画面サイズは同等ですが、画面の解像度は圧倒しています。
競合製品の Androidゲーム機である AYANEO Pocket S や同社の AYN Odin2 よりも、縦・横の幅が小さいのもポイントです。
製品名 | 画面サイズ | 大きさ | 重さ |
AYANEO Pocket S | 6インチ | 213.9 × 85 × 14mm | 350g |
AYN Odin2 Mini | 5インチ | 198 × 85.8 × 19.5mm | 320g |
AYN Odin2 | 6インチ | 225 × 98 × 17mm | 420g |
コンパクトサイズではあるものの、最薄部の厚さが 19.5mm あります。
そのせいか、片手で持つと実際の重さよりもやや重たく感じます。
任天堂から発売された携帯型ゲーム機を基準に考えると、重さは 500g未満がストレスなく使える印象を持ちます。この基準を AYN Odin2 Mini は満たしています。
インターフェース
インターフェースは、上部に電源ボタン、音量ボタン、microHDMI、microSDカードスロットを備えています。下部に イヤホンジャック、USB Type-Cポート(給電・充電用)が配置されています。
本体正面の左右にステレオスピーカーが用意されています。
指紋認証機能は非搭載で、セキュアなログインには対応していません。
左右にはグリップはなく、RGBライトエフェクトも非搭載です。
バイブレーション機能やマイクに加え、ワイヤレス通信(Wi-Fi 7 と Bluetooth 5.3)をサポートしています。また、バッテリー劣化を防ぐバイパス充電にも対応しています。
背面には内蔵ファンの吸気口があり、上部の排気口へ放熱します。
冷却能力に優れた静音タイプのアクティブ冷却ファンが搭載されており、表面温度は最大 37度を計測しました。
騒音計を使用して実測した結果、デバイスから 50cm離れた位置での騒音レベルは最小で測定不能、最大で 38dB です。風切り音は聞こえますが、全体的にはかなり静かな印象です。
画面
5インチの『Mini LED』を採用しています。
アスペクト比は 16:9 で、解像度は 1920 × 1080、画素密度は 440PPI です。マルチタッチスクリーンで、操作感度や画面の明るさ・発色も良好です。
ネイティブがポートレート(縦長)な液晶であり、リフレッシュレートは 60Hz です。
ディスプレイとガラスレンズの隙間がないフルラミネーションディスプレイを採用しています。
画面の明るさと輝度(cd/m2)を測定したところ、驚異の最大964nit を記録しました。
意識すると、ベゼルまわりがやや暗く、周辺減光のように見える点は賛否両論です。
タッチスクリーンの操作感度(シングルタッチ・マルチタッチ)の平均値は 60Hz、呼び出しレートは平均 95Hz です。また、タッチ操作の反応が鈍い画面位置などもありません。
明暗の差をくっきりさせ、細かな明るさ調整ができること、最大輝度が高いことが特徴です。
携帯ゲーム機としては、Mini LED を採用した初の試みで、屋内だけでなく、日光下の明るい環境でも十分に視認できる画面です。
操作性
ABXYボタンサイズは 7.4mm で、1.0mm のストロークを持ち、押し心地は良好です。各種ボタンはメンブレンで、L2 / R2ボタンはアナログトリガーを採用しています。
方向ボタンと ABXYボタンは PS Vita のようなボタンデザインを採用しています。
ボタンの押し心地は、底打ち感が軽く、PSPのボタンに近い感触です。また、左右の L1 / L2ボタンはどの方向からも押すことができます。
L2 / R2ボタンのストロークは、AYN Odin2 と AYANEO Pocket S の中間のような浅めのストロークです。引き起こしの力加減を掴みやすく、瞬時の操作や応答性に優れています。
左側には アナログスティック、方向ボタン、Homeボタン、Backボタンが配置されています。右側には ABXYボタン、アナログスティック、Selectボタン、Startボタンが配置されています。また、割り当て可能な背面ボタンはありません。
左右のグリップがないため、握り心地や持ちやすさは AYN Odin2 より劣りますが、左右のカーブが手の平にぴったりと収まり、全体的に持ちやすさと操作性が優れています。
また、アナログスティックの配置が左右対称ではなく対角線上に配置されているため、PS Vita とは異なる操作感である点には留意が必要です。
アナログスティックのデッドゾーンもほとんど感じられず、可動域も広めです。
特に可動域に顕著に気になるところもなく、測定結果も良好です。
Androidゲーム機全般にいえることですが、エミュレーターアプリの充実・出来が良いという利点はありますが、入力遅延を感じやすい傾向があるようです。ただし、繊細な操作・タイミングを必要としなければ特に気にする必要はないでしょう。
システム
システムは Android 13 を搭載しており、Google Playストアに対応しています。
プリインストールされているアプリは必要最小限で、エミュレーターアプリの導入や設定を自身で行う必要があります。
ホームアプリは標準の『Quickstep』と 独自UI の『Odin Launcher』を選択できます。
Odin Launcher では、表示するアプリやクイック設定パネルの機能を左右のスワイプ操作で変更することができます。
画面上部から引き出せるパネル「クイック設定パネル」では、画面の明るさ調整や自動回転のロック、パフォーマンスや内蔵ファンモードの切り替え、ホバーアイコンのオン/オフなどの切り替えが可能です。
エミュレーターを使用する際、ナビゲーションボトムバーが邪魔になることがあります。
そのような場合は、「システム」→「ジェスチャー」→「ジャスチャーナビゲーションの設定」からナビゲーションボトムホームバーのオフにすると良いでしょう。
ホバーアイコンをオンにすると、ゲーム起動後に画面右側からスワイプ操作でメニューを表示できます。リマッピング機能である「ボタンアダプテーション」を設定すれば、タッチ操作を物理ボタンに割り当てられます。
いくつかのバグはシステムアップグレードで修正される予定です。
継続的に改善が進められており、頻繁に OTAアップデートが実施されています。
独自UI の Odin Launcher は使い勝手に不満がある場合は、サードパーティ製アプリの導入をお勧めします。PS Vitaに近づけたい場合は、有料アプリ「Beacon Game Launcher」がおすすめです。
「Beacon Game Launcher」は、各エミュレーターの設定やゲームタイトルのボックスアートとメタデータを自動的にスクレイピングする機能を備えた有料ランチャーアプリです。Beacon Game Launcher […]
エミュレーター性能
エミュレーター性能は、AYN Odin2 と同じトップレベル(記事執筆時点)です。
実測したところ、Antutuベンチマークスコアは 150万点台で、内蔵ファンモードを同じにすればパフォーマンスモードによる違いはほとんど見られません。
動作するエミュレーターは一般的なレトロゲームをはじめ、動作が厳しいとされているセガサターン、PSP、ゲームキューブ、Wii、3DS、PS2、PS Vita のゲームタイトルが高解像度かつフルスピードで実行可能です。
競合製品の AYANEO Pocket S とほぼ同等のパフォーマンスを発揮します。ただし、一部のエミュレーター(Wii U など)やゲームタイトルについては、動作が顕著に遅くなったり、操作が不安定になることが確認されています。
Linuxベースの中華ゲーム機とは一線を画していて、設定やフレームレートの調整に頼ることなく、圧倒的なスペックパワーで余裕を持って動作します。
ゲームアプリ
デバイス負荷が高めのゲームアプリ『原神』や『鳴潮』、『ゼンレスゾーンゼロ』などは、グラフィック設定を「最高」で動作します。洗練されたグラフィックの美麗さや快適さを楽しむことができます。
ボタンアダプテーションの標準設定のままでは、アナログスティック動作がもたついたり引っ掛かる感じがあるため、必要に応じて右アナログスティックのビューモードの調整(X軸・Y軸の感性を 25% ほどに変更)を行うと良いでしょう。
また、Steam Link や Xbox Game Pass によるリモートプレイやクラウドゲーム(PCゲーム)も楽しむことができますが、通信環境や回線速度が十分であることが前提となります。
画面サイズが 5インチ(解像度 1920 × 1080)で、一部の PCゲームを遊ぶにはやや視認性が欠けますが、エミュレーター以外のゲームアプリやクラウドゲーム(PCゲーム)にも十分に活躍できます。
まとめ
AYN Odin2 は、Snapdragon 8 Gen 2 を搭載した Androidゲーム機です。
Odinシリーズ最軽量(320g)のコンパクトモデルで、主要スペックの高さと価格が魅力です。
PS Vita風のデザインで手にフィットするサイズ感と、重量も 300g 台と軽量なのが特徴です。
明暗がくっきりとした最大輝度が高い Mini LED を採用した携帯ゲーム機で、AYN Odin2 の主要スペックや必要機能はそのままに仕上げられているのがポイントです。
一方で、AYN Odin2 にあった指紋認証機能やRGBライトエフェクト、コントローラーグリップや背面ボタンが省かれています。そのため、画面ロック解除やコントローラーの持ちやすさといった部分に不便さは感じられますが、操作性に関しては良好と評価します。
競合製品の AYANEO Pocket S に比べると、ビルドクオリティや機能では劣る部分もありますが、スペックは同等で価格も安く、操作性や持ちやすさ、スピーカーの音量調整や冷却性能の高さといった点で優れています。価格と性能のバランスに優れたモデルを求める方におすすめです。
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