中華ゲーム機「ZPG Pro(Z-Pocket Game Pro)」の本格始動が開始しました。
LaoZhang氏(個人)のプロダクト製品としてプレオーダーが開始されたモデルですが、製造メーカーとタイアップすることで ZPGブランドとして初めて一般販売されました。
開発途中のシステムは洗練されていない
ZPG Pro に搭載されているシステムは開発途中で完成されていません。
それだけに正常に動作するエミュレータ、ゲームタイトルは限定されています。
また、専門的な知識も求められので、初心者には扱いにくい玄人向けの中華ゲーム機です。
入手困難な中華ゲーム機として注目を集めていた ODROID-GO Advanceクローンな ZPG Pro のスペック、特徴、使い方、ファームウェア、エミュレータ性能などをご紹介していきます。
本領発揮できていない中華ゲーム機「ZPG Pro」
中華ゲーム機「ZPG Pro(Z-Pocket Game Pro」は ODROID-GO Advanceクローンなゲームコンソールです。少し前に発表された LaoZhang氏(個人)が製作したハイスペックな Android搭載の中華ゲーム機 Z-Pocket Game Handheld ではありません。
現在発売されているモデルは玄人向け
ZPG Pro に搭載されているファームウェア(OS)は開発途中で、人気が高い RG350シリーズのように気軽に遊べる中華ゲーム機ではなく、現時点では本来の性能が発揮できていません。
中華ゲーム機のファームウェア導入、自己解決ができない人はマイナーチェンジモデル、アップグレード版が発売されるまでは購入しないことをおすすめします。それだけクセがある中華ゲーム機なのでマニア・玄人にはたまらない面白さがあります。
ZPG Pro の価格・販売ストア
ZPG Pro(Z-Pocket Game Pro)は、海外通販サイト・国内ストアで販売されています。
安価なプラスチックモデルと、金属筐体を採用した高級モデルがあります。
海外通販サイトでの価格はおよそ 13,000円から、国内サイトでの価格は 11,999円です。
自己解決ができる人、知識がある人向けのゲームコンソールです
ZPG Pro のスペック
ZPG Pro(Z-Pocket Game Pro)のスペックを詳しく見ていきます。
ODROID-GO Advanceクローンな中華ゲーム機なので、基本性能は RK2020、Powkiddy RGB10 といった中華ゲーム機と大きな違いはありません。
実機の大きさ・重量を測定してみましたが、先に公開されているスペック表どおり正確でした。
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが保証はできかねます。
ZPG Pro をしっかりとチェックしていく
入手困難で限定数量プレオーダーで注目を集めた中華ゲーム機「ZPG Pro」をしっかりとチェックしていきます。付属品から基本的な使い方・設定、特徴にいたるまで徹底解説していきます。
製品名に “Pro” と表現されていますが、特にベースとなる製品はなく、あくまでも製品名称です。ZPGブランドとして初めての一般販売商品です。
ZPG Pro の付属品
マニュアル(中国語・英語)、microUSBケーブル、Wi-Fiドングル、USB Type-C変換ケーブルが付属します。中華ゲーム機の付属品として Wi-Fiドングルが付属するのは珍しいです。
丸みを帯びた金属筐体のビルドクオリティは高い
ZPG Pro の大きな特徴として、本体筐体は丸みを帯びたフォルムが採用されています。
個人的には RG350シリーズ、RK2020 よりも手のひらに優しくフィットする感じで、ZPGブランド初の商品としてはビルドクオリティは高め。
本体カラーはシルバーというよりも緑っぽい色合いで、RG350M に似たカラーリングです。
ガラスレンズのフチは丸みがあるラウンドエッジ加工で高級感があります。
本体サイズ・重量のバランスが良い
ZPG Pro の本体サイズは 151 × 66 × 17mm、重量は 211g と金属筐体を採用していながらバランスが良いのは評価できるポイントです。
ちなみに金属筐体を採用した RG350M、RG280M と比べてみると、小型モデルの RG280M よりも大きく、重さはほとんど変わりません。
商品名 | 材質 | 液晶ディスプレイ | 大きさ | 重さ |
RG350M | 金属 | 3.5インチ、640×480 | 73 × 145 × 18mm | 250g |
RG280M | 金属 | 2.8インチ、320×480 | 61 × 136 × 18mm | 201g |
ZPG Pro | 金属 | 3.5インチ、320×480 | 66 × 151 × 17mm | 211g |
開発途中のシステムは制限が多い
最も重要なポイントとして、ZPG Pro のファームウェアは開発途中です。
初期出荷モデルに搭載されているシステム(TheRA)では、音量調整ボタン、Wi-Fiドングル、Mini-HDMIを使った映像出力などは機能しません。
エミュレータ性能、動作できるゲームタイトルも限定的なので、RG350シリーズのように気軽にゲームが楽しめる環境ではありません。なぜこの段階で製品出荷したのか謎ですが・・・現在もファームウェアの開発が進められています。
バッテリー充電がまともにできない
ZPG Pro のバッテリー充電は遅すぎてまともにできません。
この問題は中華ゲーム機 RK2020 でも確認できたもので、改善モデルが販売されるか、システムまわりのアップデートを実施するまでは解決することは難しいでしょう。
この問題を解決できるまでは実用的に遊べるレベルの中華ゲーム機とはいえません。
1日(24時間)充電しても満充電にはならないのは致命的です。
ボタンの押し心地は評価できるレベル
ZPG Pro のボタンの押し心地は評価できるレベルです。
ABXYボタンは Nintendo Switch のような押し心地で、十字キー、L1/R1、L2/R2 といったボタンの押し心地も RG350シリーズよりも軽い感じで押しやすい。
左側だけにあるアナログパッドは押し込みボタン対応で、十字キーと同じ高さでポケットに入れても引っかかりません。
操作性についても評価できますが、システムが開発途中ということで本来のエミュレータ性能がわからず、遊べるゲームタイトルが限定されているので現段階では正しく評価することができません。
LRボタン配置は新しいが慣れが必要かも
ZPG Pro の L1/R1ボタン、L2/R2ボタンは横並びではなく、縦並びになっており高さが微妙に調整されています。人差し指を置いて重心をずらすして押すスタイルか、人差し指を立てて指先で操作するスタイルが想定されます。
上画像を見てもらえばわかるとおり、ボタンが細長いので指先が太い人ほど押し間違いの危険性が高まります。LRボタンを頻繁に使用するアクションゲームなどでは慣れが必要です。
鮮明で綺麗な液晶ディスプレイ、ベゼルが目立つ
ZPG Pro の液晶ディスプレイは、ベゼル幅が目立ちますが鮮明で綺麗です。
ガラスに液晶ディスプレイを直接貼り合せることにより視認性が大幅に向上しています。
反射面が減り、高コントラストでクリアな映像表示を実現しています。
ラウンドエッジ加工されたガラスレンズの品質が良いせいか、RG350シリーズよりも綺麗で、液晶ディスプレイの品質・鮮明さは RK2020 を圧倒します。
初期搭載されているシステムをアップデートする
初期出荷モデルに搭載されているシステム(TheRA)では、音量調整ボタン、Wi-Fiドングル、Mini-HDMI を使った映像出力は機能しません。
こういった問題を解決すべく、今でもシステムの開発が進められています。
海外フォーラムでは現時点の TheRA よりも、開発途中のシステム(EmuELEC)が有力とされており、その導入方法について解説していきます。
カスタムファームウェア(EmuELEC)を導入する
ZPG Pro 用に開発されている EmuELEC の導入方法について解説していきます。
初期モデルに搭載されているシステム(TheRA)と比べるとエミュレータ性能、対応できるゲームタイトルが改善し、音量調整ボタン、Wi-Fiドングルが機能します。
- ZPG Pro 専用の EmuELEC をダウンロードして解凍する
- balenaEtcher をダウンロード・インストールする
- フォーマットした microSDカードをパソコンにセットする
- balenaEtcher を起動して、イメージファイル(EmuELEC)と書き込みドライブ(microSDカードを)選択して Flash! を押す
- しばらくすると Flash Complete! と表示され完了
拡張子を IMGファイル(.img)に変更して書き込みしてください。
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microSDカードのパーティションを作成・拡張する
EmuELEC を書き込みしてもストレージ容量はなぜか少ない・・・
それは、パーティションを作成・拡張できていないからです。
下記の手順を参考に作業を進めてください。
- microSDカードの GAMESドライブの中身をすべてバックアップする
- ディスク管理を起動する(Windowsマークを右クリック→ディスク管理)
- 「GAMESドライブ」を右クリック→ボリュームを削除
- 「未割り当てドライブ」を右クリック→新しいシンプルボリューム
- microSDカードにバックアップしておいたファイル・フォルダを戻す
- 作成したドライブのプロパティから名前を GAMES に変更する
必ずバックアップしたうえで作成を進めてください。
中国語から日本語に変更する
配布されている EmuELEC は標準で「中国語」が設定されています。
スタートボタンを押してメインメニューを呼び出し、「系統設置」の言語を日本語に変更します。言語変更後に自動的に再起動されれば完了です。
基本的な使い方、設定方法について
GAMESドライブに ROMフォルダ(ゲームイメージ毎に異なる)にゲームイメージを保存して起動するだけで ZPG Pro のエミュレータで遊べます。
エミュレータ実行後のゲーム画面からの終了方法は、SELECTボタンと STARTボタンを2回 同時押しことでメインメニューに戻れます。
各種設定はメインメニューから変更・保存できます。
ZPG Pro 本体を終了するときは、STARTボタン or SELECTボタン を押して、SHUTDOWN SYSTEM を必ず選択して終了してください。直接電源ボタンを押して終了するとシステム破損します。(その場合、エラーメッセージと同時に音声・バイブレーションが起動します)
エミュレータ性能は高いが本領発揮できず
ZPG Pro のシステムは開発途中ということもあり本領発揮できていません。
ここ最近になって発売された ODROID-GO Advanceクローンな中華ゲーム機(RK2020、Powkiddy RGB10 など)と大きな違いはないので、動作できるエミュレータ・ゲームタイトルは同等になると見て良いでしょう。
初期導入されているシステム(TheRA)では、ドリームキャスト、プレイステーションなどの多くのエミュレータで動作不良が確認されましたが、EmuELEC を導入することでエミュレータ性能が向上します。
完成されたシステムが公開されるまでは、開発途中のシステム(TheRA、EmuELEC など)をこまめにアップデートする必要がありそうです。
発売するのは早すぎた中華ゲーム機
当初は個人プロダクトによる限定販売というプレミアムな中華ゲーム機として注目を集めた ZPG Pro ですが、フタを開けてみれば製造メーカーとタイアップして ZPGブランドとして正式発売されました。
中途半端な完成度、発売するのは早すぎた中華ゲーム機
初回出荷されたモデルはシステムが開発途中であり、ここ最近になって発売された中華ゲーム機よりも粗削りで洗練されていないシステムが目立ちます。対してビルドクオリティは高めという中途半端なゲームコンソールです。
ただ、ZPGブランドは LaoZhang氏をはじめとする中華ゲーム機マニア向けな趣向を理解できる後ろ盾があるので、もしかすると ODROID-GO Advanceクローンなゲームコンソールとしては最高傑作な中華ゲーム機になりうるかもしれません。
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