中華ゲーム機「TRIMUI SMART」は、重さ100g のポータビリティに優れたサイズで、独自UI採用・性能は最小限、ワイヤレス通信機能を搭載し、定番クラシックシックゲームを遊ぶことにフォーカスしたモデルです。
TRIMUI SMART の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能、初期設定・使い方をご紹介します。評価すべきところ、欠点についても詳しくチェックします。
TRIMUI SMART の価格・販売ストア
TRIMUI SMART は、海外通販サイトを中心に広く販売をしています。
販売価格はざっくり調べると、9,499円~15,000円といった価格帯です。
2022年10月15日以降に出荷予定です。
カラーバリエーションは、全4色(ホワイト、ブルー、イエロー、パープル)。
TRIMUI SMART のスペック
TRIMUI SMART のスペックを詳しく見ていきます。
- システム:Linuxベースシステム(Tina Linux)
- ディスプレイ:2.4インチ IPS、4:3
- 解像度:240 × 320
- CPU:Allwinner S3(1.5Ghz)
- RAM:128MB LPDDR3
- ストレージ容量:8GB eMMC / microSDカード
- 大きさ:110 × 58 × 15mm
- 重さ:100g
- バッテリー容量:1200mAh
- ワイヤレス通信:Wi-Fi4(2.4G)、Bluetooth4.0
- インターフェイス:USB Type-C(給電用)、モノラルスピーカー
microSDカードスロット - 素材:プラスチック
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが保証はいたしかねます。
TRIMUI SMART のレビュー
メーカー提供を受けた TRIMUI SMART(試作機)をレビューします。
基本的な特徴、インターフェース、操作性、エミュレーター性能を徹底解説します。
大きさ・重さ
本体の大きさは 110 × 58 × 15mm、重さは 99g(実測値)。
プラスチック(ABS樹脂素材)筐体で『軽い』です。
本体筐体・ボタンは造形色、カードサイズ大の軽量モデルです。
一般的な中華ゲーム機の半分以下の重さはポータビリティに優れています。
参考として似たような形状・一般的モデルの製品と比較してみました。
いずれも実測値ではなく、公式発表されているスペックです。
製品名 | 画面サイズ | 大きさ | 重さ |
GAME GEAR micro | 1.15インチ | 80 × 43 × 20mm | 35g(電池なし) |
TRIMUI SMART | 2.4インチ | 110 × 58 × 15mm | 100g |
ANBERNIC RG351MP | 3.5インチ | 145 × 73 × 18mm | 267g |
総合的なビルドクオリティは『ややチープ』と評価します。
堅牢でしっかりした作りではあるものの、チープな印象は否めません。
インターフェース
インターフェースは、上部に電源スイッチ、下部に USB Type-C(給電用)、microSDカードスロットを備えたシンプル構造です。
本体正面の右下に、モノラルスピーカー(シングル)を用意しています。
ステレオスピーカーには劣りますが、従来モデル(TRIMUI MODEL S)のような音割れはありません。
バイブレーションは非搭載です。
本体左下には落下防止用のストラップホールを備えています。
ワイヤレス通信機能は Wi-Fi 2.4GHz、Bluetooth4.0 をサポートしています。
ただし、技適未取得機器ではないので取り扱いに注意が必要です。
画面
TRIMUI SMART の画面は『普通』と評価します。
2.4インチ液晶ディスプレイ(4:3)、解像度 240 × 320、画素密度は 167PPI です。
ポータビリティに優れたミニサイズなので、画面サイズが小さく、文字などの視認性が悪いです。サイズに対して鮮明と評価しますが、一般的な中華ゲーム機より解像度が低く・劣ります。
操作性
操作性・持ちやすさは『良好』と評価します。
ABXYボタンサイズは 7.0mm、ストロークは 0.5mm でドームスイッチを採用、L / Rボタンには マイクロスイッチを採用しています。
操作性に関しては一般的、ボタンの押し心地はやや硬めといった印象です。
押す角度によっての引っ掛かりもなく、ミニサイズながらフィット感は良好です。
システム
独自UI を備えた Linuxベースシステム(Tina Linux)を採用しています。
試作品ということもあり、システムの完成度は『低い』と評価します。
音量を最低にしてもスピーカーからの音は消えなかったり、ステートセーブは機能してもロードが機能しない、イヤホンを Bluetooth接続しても、ゲームタイトル起動と同時にスピーカー出力されるといった不具合が確認されています。
アプリ(APP)に関しても未実装、CPU周波数は最大 1536MHz に変更することが可能です。
製品版でシステム改善されることを期待します。
エミュレーター性能・所感
従来モデル(TRIMUI MODEL S)よりエミュレーター性能は優れています。
主要スペックに Allwinner S3 を採用したモデルで、一般的な中華ゲーム機に劣る性能です。
動作するエミュレーターは、ゲームボーイ、ファミコンなどの一般的なレトロゲームで、スーパーファミコン、プレイステーションが動作するスペックを搭載しています。
従来モデルと比べると、スペックが向上したことでスーパーファミコン、プレイステーションで動作改善が見られます。軽めのゲームタイトルであれば、そこそこ遊べます。
ただし、L2 / R2ボタンがないこと、一部のエミュレーター・ゲームタイトルで画面のチラつきや崩れ、遅延、音の途切れなどが発生するので割り切り・取捨選択が必要です。
スペック、操作性・持ちやすさは向上していますが、システムが不完全なために活かしきれていません。現時点(試作機)では、従来モデル(TRIMUI MODEL S)とエミュレーター性能に大差は感じられませんでした。
使い方・初期設定
TRIMUI SMART の基本的な使い方は、 TRIMUI MODEL S と変わりません。
詳しくは次の記事を参考に進めてください。
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まとめ
TRIMUI SMART は、従来モデル(TRIMUI MODEL S)よりも優れたスペックを備えた小型モデルです。定番クラシックゲームを遊ぶことにフォーカスした中華ゲーム機です。
総合評価としては『期待値以下・買うべきでない』と評価します。
重さ 100g のポータビリティに優れたサイズ、形状を工夫することで操作性・持ちやすさ、豊富なカラーバリエーション、ワイヤレス通信機能(Wi-Fi・Bluetooth 4.0)を搭載したことは評価ポイントです。
一方では、従来モデル(TRIMUI MODEL S)よりもスペックアップしていますがエミュレーター性能は限定的です。本体サイズが小さいために、操作時にスピーカー穴をふさいでしまうこと、画面サイズが小さいので視認性が悪いというデメリットがあります。
試作機ということもあり、システムが不完全で正しい評価ができていない部分(ワイヤレス通信機能、エミュレーター性能)もありますが、製品版ではシステムを改善して本来のポテンシャルを発揮できることを期待したいです。
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