ゲームプラットフォーム Steam を提供する Valve が携帯型ゲーミングPC「Steam Deck」を発表しました。これまで PCゲームを遊ぶことを前提とした携帯型ゲーム機はニッチ市場という認識がありましたが、これからは巨大市場に成長していきそうです。
Steam Deck の大きな特徴は「価格の安さ」と「スペックの強さ」です。
販売価格は 399ドルからと安く、まったく新しいZen2/RDNA2アーキテクチャーの AMD製APU、搭載メモリは 16GB LPDDR5、SteamOS 搭載という強さをもっています。Windows を含むほかの OS を搭載できる柔軟さがあるところもポイントです。
Steamゲームにフォーカスした「Steam Deck」
Valve が発表した携帯ゲーム機だけあって、Steam にフォーカスした筐体に仕上がっています。
セールスポイントでは、最新の AAAタイトルも快適に動作、快適なゲーミング操作、多くの周辺機器との接続といった魅力的なアピールをしています。
Steam Deck を使うまでのプロセスは明確そのものです。
巨大なプラットフォームを持つ Valve ならではの強みが発揮されています。
基本スペックそのままに、ストレージと特典が異なる3つのモデルが発売されます。
特にこだわりがなければ、64GBモデル(eMMC)で十分といった感じがしますが、一番の売れ筋は最上位モデルの 512GBモデル(高速NVMe SSD)になりそうです。
周辺機器も充実していきそう
Steam Deck は入出力ポートを備えたドッキングステーションを別売り予定です。
ネームバリューがある新製品だけに、公式以外のサードパーティ製アクセサリーが充実が期待できそうです。
Valve公式が『Steam Deck は PC です。』と発言しています。
一般的な周辺機器を利用したオフィス環境、ゲーミングデバイスを接続した快適なゲームプレイを実現させることも容易となりそうです。発売後にユーザーコミュニティによる情報交換も盛んに行われるでしょう。
巨大プラットフォームのユーザー数を生かした戦略
Steam Deck の競合製品としては、GPD WIN3、AYA NEO、ONEXPLAYER などが挙げられます。細かなスペック・付加価値まで含めると一長一短なポイントはありますが、Steam Deck の販売価格には勝てません。巨大プラットフォームの圧倒的なユーザー数を生かした戦略を前にどのように戦っていくのか注目です。
Steam Deck が SteamOS のみ対応であれば棲み分けができたかもしれませんが、『Windows を含むほかの OS にも対応』となると、比較対象・競合製品となるのは間違いないでしょう。
画面サイズ、大きさ、重さを比較すると次のようになります。
見た感じポータビリティに欠ける大きさ・重さであることがわかります。
製品名 | 画面サイズ | 大きさ | 重さ |
ONEXPLAYER | 8.4インチ | 288 × 131 × 21mm | 820g |
Steam Deck | 7インチ | 298 × 117 × 49mm | 669g |
AYA NEO | 7インチ | 255 × 106 × 20mm | 650g |
GPD WIN3 | 5.5インチ | 198 × 92 × 27mm | 560g |
Steam Deck は 2021年12月に北米・欧州を中心に出荷を開始、日本を含むそれ以外の地域は 2022年に出荷を予定しています。
ただし、厳格な転売対策がされており、予約保証金として5ドル先払い、一人1台まで、2021年6月以前に Steam購入履歴があることなどが含まれている点には注意しましょう。
Source:Steam Deck
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