中華ゲーム機「Retroid Pocket 5」レビュー|シリーズ最高スペック!有機EL&Snapdragon 865搭載機

Retroid Pocket 5 レビュー

中華ゲーム機「Retroid Pocket 5」は、人気の Retroid Pocketシリーズのフルサイズモデルです。SoC に Qualcomm Snapdragon 865、5.5インチ有機ELディスプレイ(AMOLED)を搭載しています。基本スペックの高さと価格が魅力の Androidゲーム機です。

Retroid Pocket 5 の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックします。

Retroid Pocket 5 について

Retroid Pocket 5 に関する情報をまとめたページです。
プレセール開始日に公式ストアで購入した実機を使用しています。
提供品の有無にかかわらず、コンテンツの内容には一切影響していません。

価格・販売ストア

Retroid Pocket 5 価格・販売ストア

Retroid Pocket 5 は、公式ストアや海外通販サイトで販売されています。
カラーラインナップは、ブラック、ホワイト、GC、16Bit の全4色。

Retroid Pocket 5 カラーラインナップ

人気商品の次世代モデルということもあり、注目度は抜群です。
海外通販サイト AliExpress でもリリース予定です。

・Retroid Pocket 5
 販売価格:219ドル(送料別途)

製品仕様とスペック

Retroid Pocket 5 のスペックについて詳しく見ていきます。
Retroid Pocket Mini との異なるポイントは太字にしています。

製品名Retroid Pocket 5
画面5.5インチ、有機EL(AMOLED)
解像度 1920 × 1080、16:9
400PPI、マルチタッチ
OSAndroid 13 / Linux
SoCQualcomm Snapdragon 865
RAM8GB LPDDR4X
ストレージ128GB UFS 3.1
バッテリー5000mAh
インターフェース

USB Type-Cポート
イヤホンジャック
microSDカードスロット
ステレオスピーカー
バイブレーション
アクティブ冷却ファン
RGBライトエフェクト

ワイヤレス通信Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1
大きさ199.2 × 78.5 × 15.6mm
重さ280g
素材ABS樹脂素材

免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。

Retroid Pocket 5 のレビュー

Retroid Pocket 5 をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点や欠点についても徹底解説します。

付属品

Retroid Pocket 5 付属品

1.ユーザーマニュアル(英語)
2.USB Type-Cケーブル

大きさ・重さ

Retroid Pocket 5 大きさ・重さ

大きさは 199.2 × 78.5 × 15.6mm、重さは 275g(実測値)です。
プラスチック筐体(ABS樹脂素材)を採用し、サイズに対して軽量なモデルです。

表面にはオールガラスが採用されており、光沢のある高品質な印象です。
さらりとしたマットな質感も特徴で、成形精度や組み立て精度も高く仕上がっています。
一方で、カラーによっては皮脂や汚れが目立つかもしれません。

フルサイズモデル

Retroid Pocket 5 モデル

Retroid Pocketシリーズの正式な後継モデルです。
同日に発売された Retroid Pocket Mini との大きな違いは、本体サイズとデザインが異なる点にあります。

また、Retroid Pocket 5 は視認性に優れた 5.5インチ有機ELディスプレイを搭載し、Android 13 を採用しています。さらに、RAM や バッテリー容量が強化されたフルサイズモデルとなっています。

サイズ感

Retroid Pocket 5 サイズ感

参考として、PS Vita(PCH-2000)や Nintendo Switch を並べてみました。
Retroid Pocket 5 のサイズ感がよくわかります。

Retroid Pocket 5 の最薄部は 15.5mm ですが、グリップがある最厚部は約23mm ほどあります。ポケットにも収まるサイズ感で、ポータビリティに優れています。

Retroid Pocket 5 サイズ感

また、Androidゲーム機の AYN Odin2 Mini と AYANEO Pocket S も並べてみました。
AYN Odin2 Mini より少し大きめですが、画面占有率が高いサイズ感に仕上がっています。

また、小型・軽量モデルである Retroid Pocket Mini と比較して、最薄部と最厚部がさらに薄くなっており、重さも実測値で約50g しか差がないのもポイントです。

インターフェース

Retroid Pocket 5 インターフェース

インターフェースは、Retroid Pocket Mini と変わりません。
上部に電源ボタンと音量ボタン、下部に microSDカードスロット、イヤホンジャック、USB Type-Cポートが配置されています。

本体正面の左右にはデュアルフロントスピーカーが備わっており、ボリュームも十分、音質もクリアで高音質です。残念ながら、映像出力端子(miniHDMI)は非搭載です。※USB Type-C に DP出力機能はあり。

Retroid Pocket 5 インターフェース

ワイヤレス通信機能として、Wi-Fi 6 および Bluetooth 5.1 を搭載しています。
また、バイブレーション機能やマイクもサポートしています。

Retroid Pocket 5 RGBライトエフェクト

アナログスティック周りには RGBライトエフェクトが搭載されています。
クイック設定パネルから LED のオン・オフ、輝度、RGBカラーの変更が可能です。

Retroid Pocket 5 インターフェース

背面には内蔵ファンの吸気口があり、背面側の排気口へ熱を放出します。
Retroid Pocket Mini とは異なる静音タイプのアクティブ冷却ファンが搭載されており、長時間のゲームプレイでも快適に楽しめます。

騒音計で計測したところ、デバイスから 50cm離れた位置での騒音レベルは最小で測定不能、最大で 34dB です。風切り音は聞こえるものの、全体的にはかなり静かです。

画面

Retroid Pocket 5 画面

5.5インチの有機ELディスプレイ(AMOLED)を搭載しています。
アスペクト比は 16:9 で、解像度は 1920 × 1080、画素密度は 400PPI です。マルチタッチスクリーンで、鮮明で色彩豊かな表示が可能です。

ネイティブがポートレート(縦長)な液晶であり、リフレッシュレートは 60Hz です。
液晶とガラスレンズの隙間がないフルラミネーションディスプレイを採用しています。

Retroid Pocket 5 画面

明るさと輝度(cd/m2)を測定したところ、最大661nit を記録しました。
タッチスクリーンの操作感度(シングルタッチ・マルチタッチ)の平均値は 60Hz、呼び出しレートは平均 102Hz です。また、タッチ操作の反応が鈍い画面位置などもありません。

はっきりとしたコントラストの高さと、優れた最大輝度が特徴です。
屋内のみならず日光下でも十分な視認性を発揮します。

最大輝度は Retroid Pocket Mini より低く、色温度も若干異なります。
汎用性に優れた解像度の有機ELディスプレイを採用しているのがポイントです。ただし、定番レトロゲームの一部では画面比率 16:9 には適していないことに留意が必要です。

操作感

Retroid Pocket 5 操作感

基本的な操作感は、Retroid Pocket Miniとは若干異なります。
ABXYボタンサイズは 7.3mm、ストロークは 1.0mm で、メンブレン方式を採用しています。また、方向ボタンはドームスイッチを使用されています。

アナログスティックにはホール効果センサーが搭載されています。
経年劣化や摩耗によるドリフト現象(触れていないのに入力される不具合)が発生しにくい仕様です。

Retroid Pocket 5 操作感

ABXYボタンはパチパチとした音がやや大きめで気になる一方、方向ボタンはしっかりと底打ち感がある押し心地です。さらに、L1 / L2ボタンはどの方向からも押せる設計で、L2 / R2ボタンにはアナログトリガーが採用されています。

左側には Selectボタン、方向ボタン、アナログスティック、ホームボタンが配置されています。右側には Startボタン、ABXYボタン、アナログスティック、Backボタンが配置されています。

Retroid Pocket 5 押し心地

また、アナログスティックは左右対称に配置されています。
対角線上の配置が好みでない方や、レトロゲームを遊ぶのに適したレイアウトになっています

本体サイズに合わせたグリップ形状のため、握り心地や持ちやすさは良好です。どちらかといえばグリップを握るというより、包み込むように手に収まる感じがあります。

Retroid Pocket 5 持ち心地

Retroid Pocket Mini よりも、フィット感は向上しており、テクスチャー加工されたグリップは滑りにくく、L / Rボタンも大きなサイズに変更されているため、押しやすいのも特徴です。

ただし、ABXYボタンや方向ボタンに対してアナログスティックの位置が近くに配置されているため、方向ボタンや ABXYボタンからアナログスティックへ指を移動する際、またボタンを押す際にアナログスティックに触れてしまうことがあります。

Retroid Pocket 5 デッドゾーン

アナログスティックのデッドゾーンもほとんど感じられず、可動域も広めです。
特に可動域に顕著に気になるところもなく、測定結果も良好です。

Androidゲーム機全般として、エミュレーターアプリの種類が豊富という利点はありますが、入力遅延を感じやすい傾向があるようです。ただし、繊細な操作・タイミングを必要としなければ特に気にする必要はないでしょう。

システム

Retroid Pocket 5 システム

システムは Android 13 を搭載しており、Google Playストアに対応しています。
プリインストールされているアプリは必要最小限で、エミュレーターアプリの導入や設定を自身で行う必要があります。

初期セットアップ時、設定画面で「日本語」に設定できます。また、ホームアプリは標準の『Androidデスクトップ』と独自UI の『ハンドヘルドデスクトップ』を選択可能できます。

Retroid Pocket 5 設定

画面上部から引き出せるパネル「クイック設定パネル」では、画面の明るさ調整や自動回転のロック、パフォーマンスや内蔵ファンモードの切り替え、ホバーアイコンのオン/オフなどの切り替えが可能です。

エミュレーターを使用する際、ナビゲーションボトムバーが邪魔になることがあります。
そのような場合は、「システム」→「ジェスチャー」→「ジェスチャーナビゲーションの設定」からナビゲーションヒントをオフにすると良いでしょう。

Retroid Pocket 5 リマッピング

ホバーアイコンをオンにすると、ゲーム起動後に画面右側からスワイプ操作でメニューを表示できます。リマッピング機能である「ボタンアダプテーション」を設定すれば、タッチ操作を物理ボタンに割り当てられます。

Retroid Pocket Mini よりもシステムバージョンが新しい(Android 13)ため、ゲームアプリの互換性は高くなっています。いくつかのバグは OTAアップデートで修正される予定です。
基本的なスマホ操作(Android)を知っていれば、特に問題なく操作できるでしょう。

エミュレーター性能

Retroid Pocket 5 エミュレーター

エミュレーター性能は、Retroid Pocket Mini と同等です。
Qualcomm Snapdragon 865 を搭載しており Androidゲーム機としては高性能です。実測したところ Antutuベンチマークスコア(V10)は 84万点台を記録しました。

動作するエミュレーターは、一般的なレトロゲームに加え、動作が厳しいとされる PSP、セガサターン、ゲームキューブ、Wii、3DS、PS2、PS Vita についても動作するため、幅広いゲームを遊ぶことができます。

Retroid Pocket 5 エミュレーター性能

競合製品である Qualcomm Snapdragon 8 Gen 2 搭載の AYANEO Pocket S や AYN Odin2シリーズには性能面では劣るものの、従来モデル(Retroid Pocket 4 Pro)と比較すると動作は軽快で、一部のエミュレーター(Wii U など)や特定のゲームタイトルを除き、期待値どおりのパフォーマンスを発揮します。

エミュレーター性能は、スペックシート上では MediaTek Dimensity 1100 を搭載した Retroid Pocket 4 Pro よりも若干高く評価されています。ただし、それ以上に Snapdragon を採用したことにより、各エミュレーターアプリへの対応が広がり、汎用性が向上している点も特徴です。

現在、有志によるゲームタイトルの動作確認やエミュレーターの設定方法について情報更新が進行中です。情報が公開され次第、お知らせします。

ゲームアプリ

Retroid Pocket 5 ゲームアプリ

デバイス負荷が高めのゲームアプリ『原神』や『鳴潮』、『ゼンレスゾーンゼロ』は、グラフィック設定を「中~高」でスムーズに動作します。

ボタンアダプテーションを使用する場合は、標準設定のままではアナログスティック動作がもたついたり引っ掛かりがあると感じる場合があります。必要に応じてアナログスティックのビューモードで X軸・Y軸の感性を調整すると良いでしょう。

Retroid Pocket 5 クラウドゲーミング

さらに、Steam Link や Xbox Game Pass を活用してリモートプレイやクラウドゲーム(PCゲーム)も楽しめますが、快適なプレイには通信環境や回線速度が十分であることが前提です。

ポータブルゲーミングPC と比較すると、画面サイズは 5.5インチとやや小さめです。
ゲームタイトルによっては文字などの視認性がやや劣る場合がありますが、クラウドゲームなどにも対応できるモデルといえるでしょう。

まとめ

Retroid Pocket 5 レビュー

Retroid Pocket 5 は、人気の Retroid Pocketシリーズのフルサイズモデルです。
Retroid Pocket Mini と比較して基本スペックやシステムが向上しており、総合的にバランスのとれたパフォーマンスを提供しています。

フルサイズでありながら、重量も 200g台と軽量で、持ち運びにも優れています。
視認性に優れた 5.5インチ有機ELディスプレイを(AMOLED)搭載し、システムに Android 13 を採用しています。さらに、RAM や バッテリー容量が強化されているのもポイントです。

メリット
デメリット
  • Snapdragon 865
  • システム(Android 13)
  • 本体サイズ・重さ
  • 有機EL(AMOLED)
  • 放熱対策・冷却能力
  • Google Playストア対応
  • RGBライトエフェクト
  • キーマッピング
  • カラーラインナップ
  • 価格
  • 操作感△
  • ボタン音
  • 皮脂・汚れが目立つ
  • 指紋認証非搭載
  • 技適未取得機器

一方で、AYANEO Pocket S や AYN Odin2シリーズと比較すると、エミュレーター性能や付加価値(システムや指紋認証機能など)の面で、価格とのバランスを検討する必要があります。また、Retroid Pocket Mini と比較すると、画面サイズが大きく、高解像度であるため、さまざまな利用シーンに対応できる汎用性の高さが特徴です。

アナログスティックの位置や ABXYボタンの押し音が大きめで気になる点はありますが、DIYオプション(別売り)や個性的なカラーラインナップ、デザインを楽しめる点は魅力的です。基本スペックと価格のバランスが良く、多様なエミュレーターで活躍できるモデルと評価します。

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