中華ゲーム機「Retroid Pocket 3+」は、Unisoc Tiger T618 採用のメイン基板を刷新しただけでなく、ストレージ容量、RAM、バッテリー容量も強化したアップグレードモデルです。
主要スペックは Android 11、4.7インチ(1334 × 750)、Unisoc Tiger T618プロセッサ、RAM 4GB LPDDR4X、ストレージ容量 128GB eMMC、バッテリー容量 4500mAh を搭載しています。
Retroid Pocket 3+ の価格・販売ストア
Retroid Pocket 3+ は、公式ストアや海外通販サイトで販売しています。
カラーバリエーションは、全8色(ブラック、インディゴ、オレンジ、16 BIT(SNES、スーパーファミコン)、レトロ、クリアブルー、クリアパープル)です。
・Retroid Pocket 3+ 通常カラー(全6色)
販売価格:149ドル(送料別途)
・Retroid Pocket 3+ クリアカラー(全2色)
販売価格:154ドル(送料別途)
Retroid Pocket 3+ のスペック
Retroid Pocket 3+ のスペックを詳しく見ていきます。
通常モデル(Retroid Pocket 3)と異なる部分は太字にしています。
- システム:Android 11
- ディスプレイ:4.7インチ、16:9、タッチスクリーン
- 解像度:1334 × 750、画素密度 326ppi
- CPU:Unisoc Tiger T618 2.0GHz
- GPU:Mail G52 MC2 850MHz
- RAM:4GB LPDDR4X
- ストレージ:128GB eMMC
- 外部ストレージ:microSD(最大1TB)
- 大きさ:184.7 × 81.4 × 14.5mm(最厚部 24.2mm)
- 重さ:235g
- バッテリー容量:4500mAh
- ワイヤレス通信:Wi-Fi(2.4G / 5G)、Bluetooth 5.0
- インターフェース:USB Type-C、microHDMI、イヤホンジャック、
- microSDカードスロット
- その他:マイク、ステレオスピーカー、バイブレーション機能
- 素材:プラスチック(ABS樹脂素材)
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが保証はいたしかねます。
Retroid Pocket 3+ のレビュー
中華ゲーム機 Retroid Pocket 3+ をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点、欠点についても徹底解説します。
一部の主要スペック以外は、通常モデルと変わりません。
付属品
ガラスフィルム、マニュアル(英語のみ)、USB Type-Cケーブルが付属します。
大きさ・重さ
本体の大きさは 184.7 × 81.4 × 14.5~24.2mm、重さ 236g(実測値)です。
プラスチック(ABS樹脂素材)の筐体で『軽い』です。
本体形状は『横型モデル』で、大きさは通常モデル(Retroid Pocket 3)と同じ。
新たにクリアカラー2色を加え、カラバリがさらに豊富になりました。
画面サイズが近い携帯型ゲーム機の大きさ・重さを比較してみました。
いずれも実測値ではなく、公式発表されているスペックです。
製品名 | 画面サイズ | 大きさ | 重さ |
PS Vita(PCH-2000) | 5インチ | 183.6 × 85.1 × 15mm | 219g |
Retroid Pocket 3+ | 4.7インチ | 184.7 × 81.4 × 14.5mm | 235g |
Nintendo Switch Lite | 5.5インチ | 208 × 91.1 × 13.9mm | 275g |
ANBERNIC RG505 | 4.95インチ | 189 × 87 × 18mm | 286g |
総合的なビルドクオリティは『高い』と評価します。
クリアパープルの本体カラーは、実際には思ったよりも「暗め」で、基板の透け具合よりも外装シェルの内部造形が目立ってしまっているのは残念ポイントです。
通常カラーの質感と異なり、クリアカラーの質感はややザラつきがあります。
インターフェース
通常モデル(Retroid Pocket 3)と同じ仕様です。
インターフェースは、本体上部に SELECT / STARTボタン、microHDMI、電源ボタン。下部には microSDカードスロット、USB Type-Cポート、イヤホンジャック、左右にステレオスピーカーを用意しています。
左側には音量調整ボタン。右側には Homeボタンを設置しています。
その他に、マイク、バイブレーション機能、ワイヤレス通信(Wi-Fi 2.4G / 5G、Bluetooth 5.0)を備えています。
本体背面には放熱排気口がありますが、内蔵ファンは非搭載です。
使用していて特にストレスを感じることはありませんが、長時間使用していると体感的に温かさを感じます。背面中央下部の表面温度は 39~43度になりました。
通常モデル(Retroid Pocket 3)と比べて 2~4度ほど高めの表面温度ですが、シチュエーションにもよりますが体感的には「ほんのり温かくなる」くらいで気にする必要はありません。
画面
液晶ディスプレイは鮮明と評価します。
4.7インチ液晶ディスプレイ(16:9)、解像度:1334 × 750、画素密度 326PPI です。
液晶ディスプレイとガラスレンズの隙間がないフルラミネーションディスプレイを採用しています。
解像度・アスペクト比に関しては賛否両論です。
エミュレーターやゲームタイトルによっては、画面端切れ・ベゼルが気になります。
通常モデル(Retroid Pocket 3)と同じ液晶パネルです。
操作性
操作性・押し心地については、一部のボタンレイアウトを除き良好と評価します。
ABXYボタンサイズは 6.7mm、ストロークは 1mm で誘導性ゴムスイッチ、十字キーはドームスイッチを採用しています。
十字キー、ABXYボタンの形状・大きさは PS Vita にほぼそのままのクローンです。
L1/R1ボタン、L2/R2ボタンは、アナログトリガーではなくマイクロスイッチを採用しています。
本体が薄くグリップがないためホールド・持ちやすさは、それほど良くありません。また、一部ボタンレイアウト(SELECT / STARTボタン、Homeボタン)については賛否両論です。
タッチ操作を物理ボタンに割り当てられるリマッピング機能は便利です。
ゲーム起動後に画面右側からスワイプ操作で表示されるメニューの「Key adapter」から設定します。
オーバーレイ表示されるボタンを好みの位置に合わせて、対象となるボタンを押すだけで設定完了です。ゲーム途中であっても何度も設定変更が可能で、専用アプリを必要としません。
そのほかにも、マウスモード(Virtual mouse)といった操作も実現しています。
システム
システムは Android 11 搭載、Google Playストアに標準対応です。
初期セットアップ時に導入するエミュレーターアプリの種類、 UI(RP3 Launcher、AOSP Launcher)を選択可能です。
「日本語ロケール」も用意しています。
初期セットアップ時、設定画面で「日本語」に設定できます。
エミュレーターを中心に遊ぶという人は、フロントエンドの導入をおすすめします。
詳しい導入手順については、こちらの記事を参考に進めてください。
フロントエンド「Daijishō」は、エミュレーター導入からテーマの変更、ゲームタイトルのボックスアートとメタデータを自動的にスクレイピングする機能を搭載したインターフェースです。Android向けに開発された Daiji[…]
エミュレーター性能
エミュレーター性能は ANBERNIC 353シリーズよりも優れており、Powkiddy X18S、ANBERNIC RG505 と同等です。実測したところ Antutuベンチマークスコアは 23万点台で、標準モデル(Retroid Pocket 3)より向上しています。
動作するエミュレーターは一般的なレトロゲームをはじめ、プレイステーション、ニンテンドーDS、NINTENDO64、PSP、ドリームキャスト、セガサターンが快適動作。ゲームキューブ、Wii、3DS、PS2 の一部ゲームタイトルが動作するといった感じです。
体感的にも通常モデル(Retroid Pocket 3)よりも動作するゲームタイトルは多いです。
ただ、過信は禁物で、大幅にエミュレーター性能が向上したわけではありません。動作が重い一部のゲームタイトルが、ゲームプレイできるレベルになると評価するのが妥当です。
Androidゲーム機全般にいえることですが、エミュレーターアプリの充実・出来が良いという利点はありますが、システムレベルでわずかに物理ボタンの入力遅延があります。繊細な操作・タイミングを必要としなければ特に気にする必要はありません。
ゲームタイトルの動作確認などについては、こちらを参考にすると良いでしょう。
有志によりゲームリスト、エミュレーターの設定方法が日々更新されています。
ゲームアプリ
ゲームアプリ『原神』は、グラフィック画質は「最低~低」で動作します。
若干のカクつきは見られるものの、ゲームプレイ自体は可能なレベルです。
ただし、原神などの重めのスマホゲームを遊ぶことを想定している方にはおすすめしません。
ライト・ミドルで遊べるようなスマホゲームアプリを遊ぶのに適しています。
Steam Link や Xbox Game Pass によるリモートプレイやクラウドゲーム(PCゲーム)は快適に遊べます。通信環境・回線速度が十分であれば問題なくゲームプレイが可能と評価します。
ただし、画面サイズは中華ゲーム機としては大きなサイズですが、4.7インチと小さく・文字などの視認性も悪いため、遊べるゲームタイトルを選びます。
初期設定・使い方
基本的な使い方・設定方法は Retroid Pocket 2+ から変わりません。
詳しい手順については、こちらの記事を参考に進めてください。
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まとめ
中華ゲーム機 Retroid Pocket 3+ は、通常モデルのアップグレードモデルです。
本体の大きさ・重さ、インターフェースはそのままに、主要スペックを強化することにフォーカスしたモデルです。
総合評価としては「期待値どおり」と評価します。
Unisoc Tiger T618プロセッサ、RAM 4GB LPDDR4X、ストレージ容量 128GB eMMC、バッテリー容量 4500mAh を搭載。新たにクリアカラー2色を加えた全8色のカラーバリエーションの豊富さは評価ポイントです。
基本スペックは、通常モデル(Retroid Pocket 3)と比べて向上しています。
エミュレーター性能は期待値どおりですが、大幅にエミュレーター性能が向上したわけではありません。通常モデルを持っているユーザーは『買い替えは非推奨』と評価します。
直近で販売された ANBERNIC製品(RG353M)と比べると操作性は劣りますが、画面の大きさに対して、本体サイズは薄く・軽いモデルです。エミュレーター性能もそこそこ、バッテリー持ちも向上、リモートプレイやクラウドゲームにも活躍できる中華ゲーム機と評価します。
関連ページリンク
Retroid Pocket 3+
販売価格:149ドル~154ドル(送料別途)
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