
中華ゲーム機「Powkiddy X35H」は、定番スペックを搭載した横型モデルです。
特筆すべきポイントは、独自の Powkiddy OS をシステムに採用したことと、パステル調のキャンディカラーを追加されたことです。
Powkiddy X35H の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックします。
Powkiddy X35H について
Powkiddy X35H に関する情報をまとめたページです。
レビュー用サンプルを提供してもらいましたが、コンテンツの内容には影響していません。
価格・販売ストア

Powkiddy X35H は、海外通販サイトを中心に広く販売されています。
カラーラインナップは全5色で、新色のキャンディカラーは一部ストア限定の取り扱いです。
・Powkiddy X35H
販売価格:72.99~89.99ドル(送料無料)
クーポンコード適用で販売価格より12%オフです。
クーポンコード(12%オフ): MC12
製品仕様とスペック
Powkiddy X35H を詳しく見ていきます。
製品名 | Powkiddy X35H |
システム | Linux |
画面 | 3.5インチ液晶ディスプレイ IPS 4:3、解像度 640 × 480 |
SoC | RockChip RK3566 |
RAM | 1GB LPDDR4X |
ストレージ | microSDカード |
バッテリー容量 | 3000mAh |
インターフェース | USB Type-C × 2 miniHDMI イヤホンジャック microSDカードスロット × 2 デュアルスピーカー |
ワイヤレス通信 | Bluetooth |
大きさ | 150 × 77 × 24mm |
重さ | 181g |
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
Powkiddy X35H のレビュー
Powkiddy X35H をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点や欠点についても徹底解説します。
付属品

1. マニュアル
2. 画面保護ガラス
3. 合格証
4. USB Type-Cケーブル
5. microSDカード
大きさ・重さ

大きさは 150 × 77 × 24mm、重さは 178g(実測値)です。
プラスチック筐体(ABS樹脂素材)で、標準的な重さといえます。

キャンディカラーは、柔らかな印象のパステルカラー調の配色が特徴です。
Miyoo Flip の人気カラー(ホワイト)と比較すると、やや色味は濃いめです。
商品ページでは左右アナログスティックもパステルカラーで掲載されていますが、実際の製品ではアナログスティックカラーはブラックとなっています。
サイズ感

PS Vita(PCH-2000)と Powkiddy X35H を並べてみました。
見た目はかなり小ぶりに見えますが、実際には一般的な 3.5インチの中華ゲーム機と同サイズです。コンパクトながらも、ポケットに収まりやすいサイズ感となっています。
インターフェース

インターフェースは、上部に USB Type-Cポート、miniHDMIポートを用意し、下部にmicroSDカードスロット、USB Type-Cポート(給充電)、イヤホンジャックを備えています。

また、下部に配置されたスピーカーはデュアルスピーカーを搭載しています。
ボリューム出力は十分で、音質も比較的良好な部類といえそうです。

バッテリー容量は 3000mAh で連続5~6時間駆動です。
ワイヤレス通信機能として、Bluetoothをサポートしている仕様となっていますが、現時点では未実装です。また、Wi-Fi機能やバイブレーション機能については非搭載となっています。
画面

スタンダードな 3.5インチ液晶ディスプレイを搭載しています。
アスペクト比 4:3、解像度は 640 × 480、画素密度は 229PPI です。
また、ガラスレンズの隙間がないフルラミネーションディスプレイを採用しています。
画面の輝度(cd/m2)を測定したところ、最大341nit を記録しました。
明るさ自体は普通で、屋内では視認できますが、屋外での明るい環境では見にくい基準値です。
操作感

標準的なゲームコントローラーを搭載しています。
ABXYボタンサイズは 7.5mm、ストロークは 1.2mm で、中華ゲーム機としては標準仕様に近いものです。ボタン側面の摩耗による削れや、押す角度による引っ掛かりもありません。

メインボタンである方向ボタンや ABXYボタンはメンブレンタイプで、それ以外のボタンはカチカチとクリッキーな感触があるメカニカルな押し心地です。
アナログスティックの可動域や硬さは適切で、操作性は良好と評価できます。
方向ボタンの操作感についても、繊細な操作を求めるゲームでなければ特に気になることはありません。

また、LRボタンのクリッキーな押し心地は好印象ですが、カチカチというクリック音がやや高めで響きやすいため、静かな環境での使用時には注意が必要です。
手のひらにフィットする丸みを帯びた本体形状に加え、背面には浅めのグリップが設けられているため、握り心地や持ちやすさは良好です。
システム

Linuxベースの独自システム Powkiddy OS を採用しています。
わかりやすいユーザーインターフェースで、初めてのユーザーでも使いやすいです。
エミュレーター設定を含め、ユーザーが自由にカスタマイズできる項目は限定的です。
また、リリース当初のバージョンと比較すると、V1.7以降では操作性がやや向上しており、基本的な使用感は改善されています。

ただし、ファイル構成や安定性といった面では、依然として全体的に課題が残ります。
Powkiddy公式サイトからもファームウェアが提供されておらず、システムを破損してしまった場合の復旧手段が限られている点も懸念材料です。
カスタムファームウェア(CFW)の開発については、現時点では Androidベースの GammaOS がリリースされています。また、正式サポートはされていませんが、Linuxベースの ROCKNIX も利用できます。

▼ROCKNIX は R35S の導入方法をそのまま利用できます。
導入手順の Notes欄に記載がある「extlinux.conf」の編集を忘れずに。
・https://rocknix.org/devices/powkiddy/x35s/
また、特定メーカーの microSDカードでは起動に失敗することがあるため、信頼性が高い microSDカードを使用することをおすすめします。

エミュレーター性能

エミュレーター性能は RG353シリーズと同等です。
主要スペックに RockChip RK3566 を採用したモデルで、競合他社の ANBERNIC RG35Xシリーズと比較しても、より優れたパフォーマンスを発揮します。
動作するエミュレーターは一般的なレトロゲームをはじめ、スーパーファミコン、プレイステーション、ニンテンドーDS までが快適動作、NINTENDO64、PSP、ドリームキャストがそこそこ動作、セガサターン、ゲームキューブも動作するスペックを搭載しています。

実際に試遊した限りでは、スペックに対して負荷が高めのエミュレーター(PSP や ドリームキャストなど)に関しては、システムの詳細設定が制限されていることもあり、快適にプレイできるゲームタイトルは限定的です。
また、RK3566 を搭載した後発製品ではあるものの、独自システムである Powkiddy OS の最適化やカスタマイズ性の低さが、パフォーマンス面での足かせになっており、カスタムファームウェア(CFW)の導入が必須です。
まとめ

Powkiddy X35H は、定番スペックを搭載した横型モデルです。
安定した動作を期待できる RK3566 を搭載した後発製品であること、そして購入しやすい価格であることが魅力です。
独自の Powkiddy OS をシステムに採用したことと、パステル調のキャンディカラーを追加しています。また、定番のレトロゲームを気軽に楽しむには十分な仕様で、見た目にも遊び心が感じられるモデルです。
一方で、総合的な完成度については一定の改善が見られるものの、競合他社と比較するとやや劣る印象が残ります。また、システム面においてもカスタマイズ性の低さや、搭載スペックの性能を十分に引き出しきれていない点が課題となっています。
RK3566 を搭載したモデルは、これまでに多数リリースされており、エミュレーター性能に関しては大きな違いは見られません。そのため、価格帯やシステム(CFW)など、重視するポイントを抑えたうえで検討するのがおすすめです。
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