
携帯型ゲーム互換機「ModRetro Chromatic」は、ゲームボーイとゲームボーイカラーを忠実に再現した FPGAチップを搭載した高級仕様モデルです。また、オリジナルのゲームカートリッジや周辺機器にも対応しています。
ModRetro Chromatic の価格、動作環境、サイズや特徴、使用感についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックします。
ModRetro Chromatic について
ModRetro Chromatic に関する情報をまとめたページです。
オキュラスVR の創業者として知られるパルマー・ラッキー氏によって、設立された ModRetro がリリースした携帯型ゲーム機です。
公式ストアで購入した初回ロット(Preorder First-Edition)を使用しています。
提供品の有無にかかわらず、コンテンツの内容には一切影響していません。
価格・販売ストア

ModRetro Chromatic は、公式ストアや海外ストアで販売されています。
カラーラインナップは、インフェルノ、リーフ、バブルガム、ボルト、ウェーブ、ミッドナイトの全6色。

初回ロット(Preorder First-Edition)は完売しています。
海外ストア GameStop限定モデルのみ販売が行われています。
・ModRetro Chromatic
販売価格:199ドル(送料別途)
また、日本国内での販売はありません。
動作環境

ModRetro Chromatic は以下のカートリッジの動作を確認しています。
- ゲームボーイカートリッジ
- ゲームボーイカラーカートリッジ
- MODRETROカートリッジ
フラッシュカートリッジ(EverDrive)での動作も確認できました。
ゲームボーイアドバンスカートリッジは非対応です。
ModRetro Chromatic のレビュー
ModRetro Chromatic をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、システム、使用感、さらに評価すべき点や欠点についても徹底解説します。
付属品

1. テトリス(無料同梱)
2. 単三電池3本
カートリッジ

一緒に別売りのカートリッジを購入しました。
内容物は以下のとおりでした。
1. ゲームカートリッジ
2. チャーム(ボーナス)
3. 取扱説明書
チャームは、本体に取り付けるための装飾品です。
手持ちのダンパーで吸出しを行いましたが、吸い出すことはできませんでした。
どうやら特殊なフォーマット加工が施されているようです。
大きさ・重さ

大きさは 132 × 76 × 30mm、重さは 181g(実測値)です。
ゲームボーイカラー本体と単三電池2本を含む重さと同等です。
ただし、単三電池(23g)3本を含む本体重量は合計250g とやや重ため。
重さが気になる場合は、USB Type-C での給電使用がおすすめです。
サイズ感

ModRetro Chromatic と ゲームボーイカラー(IPS改造)を並べてみました。
サイズ感は、ゲームボーイカラーとほぼ同じとみて良いでしょう。
本体やボタンの形状に違いがありますが、非常にビルドクオリティの高い互換機です。ゲームボーイやゲームボーイカラーのオリジナルティを彷彿とさせるデザインなのも特徴です。
インターフェース

インターフェースは、上部に赤外線センサー(IRリンク)と電源スイッチ、下部にイヤホンジャック、LEDインジケーター、USB Type-Cポート、スピーカーが配置されています。

本体左側には通信ポート、右側にはメニューボタンと音量ダイヤルを備えています。また、左右にはストラップやチャーム用の取り付け穴も用意されています。

背面の上部には、ゲームボーイ、ゲームボーイカラー、MODRETROのカートリッジに対応したカートリッジスロットが配置され、下部には電池ボックスが設けられています。

電池ボックスには単三電池3本を収納できます。
また、単三電池での駆動以外に、 USB Type-Cポートからの給電にも対応しています。
将来的には、バッテリーパックの登場も予定されています。
画面

2.56インチのカスタム IPSディスプレイを搭載しています。
ゲームボーイカラーのディスプレイのピクセル構造やレイアウト、解像度(160 × 144)、独特な色合いを再現しています。
ダイヤモンドの次に硬く、透明度の高いサファイヤクリスタルガラスを採用しており、優れた耐久性と美しい画面表示を実現しています。また、バックライト付きで、太陽光下でも十分に視認できる点も大きな特徴です。(明るさと輝度(cd/m2)を測定したところ、最大818nit を記録)

ゲームボーイカラーにある電源LED は画面上にはありません。
USB Type-C接続中や電池残量が少ないときには、底面の LEDインジケーターが点灯するように変更されています。
ゲームボーイカラーの画面を充実に再現することに特化しています。
Analogue Pocket と比べると、画面サイズや解像度、表示エミュレートの違いがあり、当時のノスタルジックな雰囲気を楽しめる色合いに仕上がっています。

ゲームボーイソフト用のカラーフィルターを 14パターン用意しています。
以下のボタンを押しながら、電源スイッチを入れることで機能します。
カラーフィルター | ボタン |
ブラウン | 上 |
ブルー | 左 |
パステル | 下 |
グリーン | 右 |
レッド | 上 + A |
ダークブルー | 左 + A |
オレンジ | 下 + A |
ダークグリーン | 右 + A |
ダークブラウン | 上 + B |
グレースケール | 左 + B |
イエロー | 下 + B |
ネガティブ | 右 + B |
DMG1 | 右 + A + B |
DMG2 | 左 + A + B |
システム

本体右側のメニューボタンを押すことで、システム設定を表示します。
バッテリー状態や画面表示、コントローラーの説明、システム情報を確認できます。
ゲーム内の進行中の状態を保存するステートセーブやロード機能は非搭載で、オリジナルそのままの正攻法で遊ぶことに限定されています。

ファームウェアのアップデートには、更新ユーティリティ「MRUpdater」を使用します。
Windows 10 / 11、macOS 12以降に対応し、Linux にも対応する予定です。
・更新ユーティリティ「MRUpdater」
https://modretro.com/pages/downloads/#mrupdater
以下のホットキーも用意しています。
明るさの調整はシステム設定からも変更可能です。
アクション | ボタン |
ゲームリセット | B + A + スタート + セレクト |
コアリセット(※) | メニュー + B + A + スタート + セレクト |
明るさ調整 | メニュー + 左・右 |
※エミュレータションコアおよびゲームプレイをリセットします。
使用感

マグネシウム合金製シェルを採用し、手に取ると金属特有の冷たさを感じます。
サイズ感はゲームボーイカラーに近いものの、背面の電池ボックスの丸みがなく、初代ゲームボーイを思わせる形状になっており、持ち心地にはわずかな違いがあります。
画面の映像は、サファイヤクリスタルの透明感とともに、ゲームボーイカラーの色合いを忠実に再現しており、非常に鮮明です。また、バックライトの明るさや輝度が十分なため、室内だけでなく日光下でも視認性が高く、満足度は非常に高い仕上がりとなっています。

操作感についても全体的に良好です。
電源スイッチはやや硬め、十字キーやスタート・セレクトボタンはマットな質感で、ABXYボタンは光沢のある仕上がりとなっています。オリジナルよりも一回り大きく設計されています。
ボタンの押し心地は、柔らかなゴムのクッション性はなく、やや強めの反発感が特徴で、パチパチとした音がやや目立ちます。クリスマス前に到着し、毎日2時間ほど使用してみたところ、ボタン表面に若干の摩耗・擦れが見られました。

スピーカー音量はオリジナルより大きく、イヤホン音声の音量はオリジナルより小さいです。
電池残が少なくなると自動的にバックライトがオフになり、USB Type-Cポートでの給電にも対応しています。
また、MODRETROカートリッジの右上はオリジナル同様、切り欠き形状になっていますが、これはあくまでデザインです。電源スイッチをスライドさせてもロック機能はありません。ゲームボーイアドバンスカートリッジには非対応です。
オリジナルのゲームボーイカラーの再現性に注力しており、使い心地からも Analogue Pocket とは違った独自のプロダクトであることが実感できます。
まとめ

ModRetro Chromatic は、ゲームボーイとゲームボーイカラーを忠実に再現したFPGAチップ搭載の高級モデルです。オリジナルのゲームカートリッジや周辺機器にも対応しています。
ゲームボーイカラー互換機のプレミアムモデルです。
マグネシウム合金シェルと頑丈なサファイアクリスタルガラスを採用し、PBT半結晶ポリマー製のボタンなど、高耐久と経年劣化に配慮した仕上がりが特徴です。
一方で、Analogue Pocket に近い価格帯ながら、画面解像度やシステムの汎用性(カートリッジ対応やステートセーブ機能など)では劣るものの、本体の質感やパーツ品質、ゲームボーイカラーの忠実な再現性においては優れており、明確なコンセプトの違いが感じられます。
今後、新作の MODRETROカートリッジやバッテリーパックの登場が予定されていますが、初回ロットはすでに完売済みです。さらに、追加生産の予定がないとアナウンスされています。2025年には新たな発表を控えており、今後の展開に期待が高まります。
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