
すべてのゲームボーイシリーズに対応した「Analogue Pocket」 が全世界で絶賛されています。Analogue社製品の大きな特長は、オリジナルのゲームカートリッジをそのまま使えること、エミュレータではなくハードウェアを再現した FPGAチップを使っていることです。
Analogue Pocket(アナログ ポケット) の特徴・機能、サイズ感、専用アクセサリー、使ってみて良かったことなどをご紹介していきます。
Analogue Pocket の価格・予約

Analogue Pocket は、公式ストアで予約を受け付けしています。
販売価格は 219.99ドルで、カラーバリエーションはホワイト・ブラックの2色です。
別売りアクセサリーとして、Analogue Dock、アダプター、ケーブル類などが販売されています。注文する際には一緒に注文することをおすすめします。
Analogue Pocket レビュー
Analogue Pocket をしっかりレビューしていきます。
Analogue Pocket のざっくりとした特徴はこんな感じです。
- 画面が大きく、めちゃくちゃ綺麗
- ゲームカートリッジがそのまま使える
- 多種多様なレトロ携帯ゲーム機互換機になる
- 据え置き機としても遊べる
- 信頼度が高い Analogue製品
付属品、大きさ・重さ、サイズ感、ファームウェア更新、実際の使い心地、アダプター、ドックにいたるまで徹底解説していきます。
パッケージ内容

Analogue社製品のパッケージは、黒を基調としたモノトーンで上質感あるものを採用。USB Type-Cケーブル、Analogueロゴステッカー、クイックスタートカードが付属します。
本体の大きさ・重さ

本体の大きさは 149.5 × 88.5 × 22mm、重さは 276g(どちらも実測値)です。
カラーバリエーションはブラック・ホワイトの2色。どちらも塗装ではなく造形色です。

初代ゲームボーイと変わらないサイズ感のように見えます。
実際には 本体の薄さ・重さ、画面の大きさ・鮮明さは大きく異なります。
初代ゲームボーイ(単三電池4本含む)に慣れていれば重さは気になりませんが、ほぼ同じ重さの Nintendo Switch Lite に比べると重心が異なるためか重さを感じます。
製品名 | 大きさ | 重さ |
Analogue Pocket | 149.5 × 88.5 × 22mm | 276g |
ゲームボーイ(初代) | 90 × 148 × 32mm | 220g(電池含まず) |
Nintendo Switch | 102 × 239 × 13.9mm | 398g |
Nintedo Switch Lite | 91.1 × 208 × 13.9mm | 275g |
画面サイズ・解像度
Analogue Pocket の液晶ディスプレイは、3.5インチ LCDスクリーン、解像度 1600 × 1440 ドット、ゴリラガラス、画素密度は驚愕の 615ppi です。
これまでに発売されたどの携帯型ゲーム機よりも、画素密度が高いので繊細な色・明るさを表現することに優れています。ゲームボーイシリーズのカスタムパーツ(IPS液晶交換キット)で問題視されている色にじみ・残像といった現象も発生しません。
製品名 | 画面サイズ・解像度 | 画素密度 |
Analogue Pocket | 3.5インチ・1600 × 1440 | 615ppi |
Nintedo Switch | 6.2インチ・1280 × 720 | 237ppi |
PS Vita | 5インチ・960 × 544 | 220ppi |
iPhone 13 Pro | 6.1インチ・2532 × 1170 | 460ppi |
画素密度が高い液晶画面を使って、画素密度が低いゲームボーイシリーズなどのドット・色合いを表現しています。簡単に表現するなら『めちゃくちゃくっきり・綺麗』です。
表示モード

Analogue Pocket には多彩な表示モードが用意されています。
例えばゲームボーイカートリッジでは、Analogueモードのほかに、ゲームボーイオリジナル表示、ゲームボーイポケット表示、ゲームボーイライト表示、ナイトモードとして最適なピンボールネオンマトリックス表示が用意されています。
この表示モードはシステム画面で設定できるだけでなく、Analogueボタン+左右ボタンで即時切替が可能です。ちなみに表示モードはカートリッジの種類に応じて選択されます。
カートリッジ互換性
ゲームカートリッジだけでなく、フラッシュカートリッジも動作します。
対応できないのは、差し込みできない特殊形状のカートリッジ(プレイやん)や、太陽センサーがあるカートリッジです。また、赤外線センサーは搭載されているものの、かなりシビアな反応となっているようです。
ただし、特殊センサーを搭載したゲームカートリッジでも、 IPSパッチを吸い出したゲームイメージに当てればフラッシュカートリッジで動作させることは可能です。
フラッシュカートリッジで種類外(例えば EverDrive GBA でゲームボーイカラー)のゲームタイトルを起動するとエミュレータのような動作・設定表示、スリープモードに対応していない点には注意が必要です。
実機と比べるとかなり反応しづらい感度です。
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インターフェース


本体正面に十字ボタン、ABXYボタン、SELECTボタン、メニューボタン、メニューボタン(Analogueロゴボタン)、STARTボタンを備え、本体背面のカートリッジスロットを囲むように L/Rボタンを用意しています。
また、本体左側に音量調整ボタン、電源ボタン、右側に microSDカードスロットに備え、左右にはステレオスピーカーを内蔵し、本体下部に USB Type-C、インジケーターランプ、赤外線トランシーバ、イヤホンジャック、すべてのゲームボーイシリーズにも接続できる通信ポートを用意しています。
外観・質感


Analogue Pocket の造形色が異なるだけで、ブラック・ホワイトの質感はどちらも同じです。
本体正面はフラットな作りではなく、液晶ディスプレイ全体が 1mm ほど盛り上がっています。
ブラックは皮脂やスリ傷が目立つカラーリングで、ホワイトは指汚れや経年劣化による変色が気になるカラーリングです。高級感があるのはホワイトですが、人によってはどちらもややチープなビルドクオリティに感じるかもしれません。
操作性

ゲームボーイシリーズ、任天堂らしい操作性・ボタンの押し心地を再現している印象です。
エミュレータではなくハードウェアを再現した FPGAチップを採用しているだけあって遅延はまったく感じられません。
画像を見てわかるように、ABボタンは丸みがあるゲームボーイスタイル、XYボタンはへこみがある海外版ファミコンスタイルな形状を採用しています。XYボタンを L/Rボタンとして機能(Mirror LR)させたり、ABボタンを入れ替え(Super GB)機能も用意しています。
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専用アクセサリー
Analogue Pocket 専用アクセサリーをご紹介していきます。
人気の高い Analogue Dock、Game Gear Adapter、Pocket Hard Case をチェックしていきます。
Analogue Dock

Analogue Pocket は携帯ゲーム機としてだけでなく、据え置き機としても遊べます。
Analogue Dock に装着するだけで、大画面で遊べるだけでなく、本体の給電・充電、外部コントローラーを接続することが可能です。まさに、Nintendo Switch のように遊べます。

Analogue Dock のインターフェースは、正面のインジケータランプと Analogue Pocket 装着コネクタが用意されており、背面に USBポートを2つ、ペアリングボタン、給電用の USB Type-C、HDMIポートを用意しています。

装着すると Analogue Pocket 画面は消えて、HDMI出力された画面に映像出力されます。
現時点で対応している外部コントローラーは Switchプロコン、一部の 8Bitdo製コントローラーに限定されています。
今後実施されるファームウェアのアップデートで、多くのゲームコントローラーに対応する予定です。Analogue Pocket を購入するのであれば、あわせ買いは必須といえる商品です。
専用アダプター

Analogue Pocket 専用アダプターは、ゲームギア、ネオジオポケット、Atari Lynx、TurboGrafx-16 を用意しており、現時点で発売されているのは Game Gear Adapter です。
すべてのゲームボーイシリーズのゲームカートリッジだけでなく、専用アダプターを装着することでこれまでに発売されたレトロ携帯ゲーム機をカバーできる優れモノです。

特にゲームギアは本体の経年劣化問題が深刻で、鮮明なディスプレイ、画面モードといった様々な付加価値があるゲームギア互換機となるのは魅力的です。リージョン切り替え(USA/Europe、Japan)についても V1.0A より対応済みです。
ゲームギアの古いゲームカートリッジは、経年劣化によりステッカー剥がれ・浮き上がっているものがあります。その状態でアダプターを装着すると悪化してしまう可能性が指摘されています。個人的には EVERDRIVE GG などのフラッシュカートリッジでの運用をおすすめします。

RetroSix から発売されているゲームギア専用コンバーター Master System Player などに接続すれば、海外版マスターシステムのゲームカートリッジを遊ぶことも可能です。
ゲームギアに装着したときと異なり、本体サイズ・バランスを無視したサイズ感になってしまう点は、トレードオフが求められます。こちらについても満足度が高い商品なので、是非とも本体と一緒に購入しましょう。
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ハードケース

Analogue Pocket をぴったりと収納できる Pocket Hard Case は、実用性よりも飾る目的のケースという意味合いが強いです。決まった位置(上下・表裏)でしか収納はできず、専用アダプターを装着したままでの収納もできません。
クリア素材ということでスレ傷や傷も目立ちやすい仕様となっているので、普段使いというよりも収納してコレクション・飾る目的として購入するのが良さそうです。
初期設定・使い方

Analogue Pocket の初期設定・使い方を解説していきます。
届いてから開封してやったこと、チュートリアル内容をご紹介していきます。
基本操作
チュートリアルで解説があった基本操作は次のとおりです。
- Aボタン:決定
- Bボタン:キャンセル/戻る
- Analogueボタン:メニュー表示
- Analogueボタン右ボタン:START
- Analogueボタン左ボタン:SELECT
- 音量ボタン:音量調整
- 音量ボタンUP+DOWN:音量ミュート
- Alnalogueボタン+音量ボタン:明るさ調整
- Analogueボタン+左右ボタン:表示モード切替
- 電源ボタン:スリープON/OFF、長押しで電源ON/OFF
- Analogueボタン+上ボタン:クイックセーブ
- Analogueボタン+下ボタン:クイックロード
Settings → Analogue OS → Beta → Quick Save/Load を ON で機能します。
ファームウェアアップデート

Analogue Pocket、Analogue Dock はファームウェアアップデートが必須です。
開封してまずやるべきことがファームウェアのアップデートです。
アップデートの手順は下記のとおりです。
- 公式サイトから対象デバイスを選択(Pocket or Dock)
- 対象ファームウェアをダウンロード
- microSDカードに保存(FAT32フォーマット必須)
- 電源を切った状態の Analogue Pocket / Dock に差し込む
- 電源ON でアップデート開始
- 数分待って完了
- microSDカードを抜きとる
現時点では発展途上といった感じで、すべての機能は実装されていません。
将来的には、プレイリストのライブラリ機能や、セーブステート状態の管理、対応コントローラーを追加予定です。
まとめ

Analogue社としては初の携帯型ゲームコンソールは、単純にゲームボーイシリーズだけに対応しているわけではありません。アダプターを装着すればゲームギア、ネオジオポケットカラー、Atari Lynx、などのゲームカートリッジにも対応、ドックに装着すれば Nintendo Switch のように携帯モードやテーブルモードに切り替え可能です。

エミュレータではなくハードウェアを再現した FPGAチップを使っており、レトロゲーマーが気にする遅延や残像は感じられず、携帯ゲーム機としては驚愕するような画面の鮮明さ・画素密度を実現した唯一無二のゲームコンソールに仕上げられています。
カートリッジスロットが浅く、グラつくという否定的な意見がありますが、すべてのゲームボーイシリーズのゲームカートリッジや専用アダプター装着などのクリアランス確保として必然であると考えられます。

ゲームカートリッジを専用アダプターに装着する際には、スキマが狭く丸みを帯びていない形状をしているため、経年劣化してステッカー剥がれ・浮き上がっている場合には悪化する可能性があり注意が必要です。この部分については、フラッシュカートリッジなどで運用することでカバーできます。

Analogue Dock に装着した際の携帯ゲーム機から据え置きゲーム機への切り替えは見事の一言で、スタンドして飾る美しさと実用性を兼ね備えています。ファームウェアのアップデートを進め、将来的には Bluetooth、2.4G、有線USB接続の最大4人プレイをサポート予定です。
その他にもシーケンサー/シンセサイザー/サンプラーがすべて揃った nanoloop(ナノループ)、ゲームボーイのゲームを作れる GB studio にも標準対応しています。現代の技術でハイブリッド&マルチに活躍できる至高の携帯ゲーム互換機と評価します。
今から予約すると到着までの時間はかかりますが、それだけの価値は十分にある商品です。
是非とも Analogue Pocket を体感してみてください。
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