あの神機と言われたGPD WINこうして完成した。クラウドファンディングから一般販売されるまで。

国内・国外を問わず、好評価を得ている「GPD WIN
GPD社(gamepad digital)から発表されたゲームコンソール「GPD WIN」。

ご存知のとおり、国内・国外問わず、多くの方から一定の好評価を得られている製品ですが、購入した方の中には、この製品の歴史を知らない方も多くいるようです。
そこで「GPD WIN」はこうして作られてきたという様子をご紹介していきます。

はじまり

2016年1月28日、GPD社(gamepad digital)より新製品「GPD WIN」の開発計画が発表されました。今までにもGPD社からは、GPD Q9、GPD Q89、GPD G7、GPD XDといったAndroidを搭載したゲームコンソールが発売されてきましたが、新製品として発表された「GPD WIN」は、GPD社として初めてのWindows10を搭載したゲームコンソールとなります。

発表された当時の製品仕様(スペック)
SoC:Intel Atom x5-Z8500 / Z8550 quad-core Cherry Trail processor
System Memory:4GB RAM
Storage:64GB eMMC flash (It could change to 32 or 128GB however) + micro SD slot up to 128GB
Display:5.5″ capacitive touch screen; 1280×720 resolution; Corning Gorilla Glass 3; In-Cell technology.
Video Output:micro HDMI
Audio Output:micro HDMI + 3.5mm headset jack
Connectivity:WiFi and Bluetooth
USB:1x MicroUSB port, 1x USB 3.0 host
Battery:6000 mAh non-removable Li-Po battery, good for 6 to 8 hours of online games.
Size:155mm x 94mm x24mm、300g

クラウドファンディングで資金調達を開始、そして大成功!

2016年2月末、海外クラウドファンディング「Indiegogo」で資金調達を開始しました。
目標調達金額:$100,000、出資コースは1台:$299、10台:$2,890となっていて、市場販売価格(予定)1台:$499と比べると、$200近く安い設定価格での出資募集となります。

GPD Q9、GPD Q89、GPD G7、GPD XDといった、Androidを搭載したゲームコンソールをすでに発売していたという実績・評判もあり、2016年3月初旬には目標調達金額:$100,000を達成しました。最終的には目標達成金額に対して、535%の$719,623を達成し、大成功となりました。

その後、日本国内クラウドファンディングサイト「Makuake」、海外クラウドファンディング(中国)「京东金融(JD.com)」でも出資募集が開始されていくことになります。すべてのクラウドファンディングで目標調達金額を大幅に超える調達金額を達成することになります。

複数のクラウドファンディングで出資募集を開始することに対して、不安を感じる出資者もいましたが、クラウドファンディングを行っている製品では、このような形態をとることも多いので、あまり問題視はされませんでした。

開発計画が順調に進捗!よりよく改善されていくスペック!

GPD社の開発計画は順調に進捗していくことになります。開発進捗状況の情報公開も頻繁にされていくことになり、日を追うごとに出資者の期待は高まる一方となります。

なかでも当初予定されていたスペックが出資者からのフィードバックを受けて、よりよく改善されていく様子はまさに「神対応」という感じでした。しかし、残念ながら放熱問題などを理由でスペックダウンとなってしまった仕様も存在することも事実です。

802.11b/g/nの他に802.11a、5GHzに対応することを決定

WiFiチップを変更することにより、802.11b/g/nの他に802.11a、5GHzに対応しました。

Bluetooth4.1を搭載することに決定

メタルシェルへ変更することを決定

放熱問題を解決するためにメタルシェルへ変更することを決定しましたが、効果が薄いということで実現には至りませんでした。

内蔵ファンを搭載することを決定

しかし、放熱対策を行うための内蔵ファンを設置する場所がなかったので、左スピーカーが無くなることになりました。

ヒートシンクがアルミ製から銅製へ変更

放熱問題を解決するために、ヒートシンクをアルミ製から銅製へ変更することに決定しました。放熱効果が見込めないということでフィンが取り除かれました。

CPUをアップグレードすることに決定。

当初の予定ではZ8500を搭載するということでしたが、より性能が高いZ8550に変更することになりました。その後、さらに性能が高いZ8700または、Z8750を搭載することに決定しましたが、これが後に問題を起こすことになります。

バッテリー容量の増加、内蔵ファンON/OFFスイッチ、各種入力モード切替の追加などの発表があり、全体をみれば最初に公開された仕様(スペック)を上回る製品が完成したことになります。

最終的な製品仕様(スペック)
CPU:Intel Cherry Trail X7-Z8700(一部モデルはZ8750)
メモリー:4GB DDR3L
ストレージ:64GB eMMC(システム領域含む)
液晶サイズ:5.5インチ
解像度:1280×720(IPS)
スピーカー:内蔵(左スピーカーは無し)
マイク:内蔵
無線:IEEE 802.11 b/g/n/a
有線:非対応
3G:非対応
Bluetooth:対応
I/Oポート:Type-C、MiniHDMI、MicroSDスロット、イヤホンジャック、内蔵スピーカー、マイク
バッテリー:6700mAh
本体サイズ:約155mm×96mm×23.5mm
本体重量:約365g
付属品:USBケーブル、アダプター、保証書

遂に出荷が開始される! しかし・・・。

2016年9月初旬に初期ロットを出荷できるとアナウンスしていましたが、ほぼ計画どおりに「GPD WIN」は完成し、2016年9月中旬から初期ロットが出荷されることになりました。

出資者の誰もが、最初に資金調達を開始したクラウドファンディングサイト「Indiegogo」の出資者から出荷されると夢見てきましたが、実際に最初に出荷されたのは「京东金融(JD.com)」からでした。

そのことについては、まだ許せるという出資者も多くいましたが、「京东金融(JD.com)」出荷分以降のCPUについては、Z8750ではなく、Z8700に変更して出荷するという発表があり、大きな反感を買うことになりました。

最終的には、Z8750の供給問題があるので調達が難しく、放熱問題が発生するので搭載するのを見送ったという内容をGPD社は発表することになり、出資者の多くが当初の仕様(スペック)を上回る製品になったのだから、ということで諦めるかたちになりました。

その後、Z8750を搭載している「GPD WIN」は一部ではプレミア価格となっていましたが、そこまで体感できるほどの差はないこと、初期出荷分には不具合が多く確認されたこと、将来的に行われるBIOS・ファームウェアのアップデートに不安が残ることもあり、現在では落ち着いています。

一部の国内・国外通販サイトで販売が開始される。

多くのクラウドファンディング製品でもみられることですが、出資者全員にリターン報酬として「GPD WIN」が提供される前に、一部の国内・国外通販サイトで販売が開始されました。その結果、クラウドファンディングで、早期出資をした方(先行組)ならまだしも、遅くに出資をした方(後発組)の場合は、一般販売の方よりも手元に届くのが大幅に遅れる自体となりました。

そうなると、早期に出資をした方(先方組)は「GPD WIN」が早く届いたから良かった!と思うかもしれませんが、ここでも大きな落とし穴がありました。

出資者のトラッキングコード・本名が公開される。

約束された出荷日を過ぎても、GPD社から出荷をしたという発表もなく、多くの出資者が不安になり、クラウドファンディングサイトのコメント欄で問い合わせを行うことになりました。

その結果、GPD社から出荷を知らせるトラッキングコード(追跡番号)が記載されているExcelファイルが公開されることになりましたが、そこにはトラッキングコード(追跡番号)のほかに、出資者の本名が記載されていました。(出資者からの指摘があり、すぐに対応されました)

技適マーク(技術基準適合証明等のマーク)取得

日本国内で法律に触れることなく使用するためには、技適マークを取得している必要がありますが、「GPD WIN」の初期ロットについては技適マークが付いていないものが出荷されていました。

大手メーカーを除き、中華製スマートフォン、タブレットには、技適マークを取得されていない製品が多いですが、「GPD WIN」は日本クラウドファンディングサイト「Makuake」で出資募集をしているということもあり、プロジェクト実行者(緑屋電気株式会社)を中心に技適マーク取得を前向きに意識していくことになります。

現在、「GPD WIN」には、本体底部に技適マークが印字されているものが出荷されていますが、一部の国内・国外通販サイト・クラウドファンディングで出荷されたモデルについては技適マークの印字がされていないものがあります。緑屋電気株式会社からの出荷分については、技適マークが印刷されたシールを貼り付けての出荷となりました。

Windowsライセンス認証

同梱されているプロダクトキーで認証を行うと「このWindowsのエディションでは使用できませんでした Error code 0x004c003」と表示され認証できないという問題、Microsoftに問い合わせを行ったところ「企業向けのライセンスであり、無効なライセンスである」という回答がされた、といった問題が多数のユーザーから報告されています。

このWindowsライセンス認証問題については様々な憶測・意見が考えられていますが、無効のライセンスであることを、GPD社に報告・問い合わせをすることにより、新たなプロダクトキーの発行がされ対応されることになっています。

多くの方の支持を得る製品として認められる

クラウドファンディングサイトで出資募集を行っていた当時は、GPD社の製品を紹介・プロモーションするようなサイト・ブログはほとんどありませんでした。しかし、出資者や、国内・国外通販サイトでの製品出荷がはじまり、クチコミで「GPD WIN」の好評価が広まりにつれて、情報系サイト・ブログでの紹介が活発になってきました。

また、ご存知のとおり「GPD WIN」はどのようなゲームタイトルも快適に動作させることができるゲームコンソールではないし、もとは中華製デバイスと呼ばれるカテゴリに位置づけられている製品なので、出荷される時期を判別できるような品番も記載されていなければ、個体差があるのも当たり前、不具合があったり、問題が発生した場合には自分の力で解決する必要があります。

しかし、いまでは「GPD WIN」という単語で検索を行えば、あなたが求める情報を容易に手に入れることができるほどに情報が整備され、問題を解決できる方法を見つけることができるようになっているのではないでしょうか。そういったことからも、多くの方の支持を得ることができ、様々なユーザーに認められる製品として完成しました。

ユーザーからのフィードバックは生かされいく

2017年1月10日以降の出荷分については、マイナーチェンジモデルを出荷していくことがGPD社から発表されています。大きくは、操作ボタン(十字キー、A,B,X,Yボタン)に使われているシリコンパッド部品の品質向上、キーボードのメタルドーム部品を改良したことにより、キー入力時の押し心地、入力応答速度向上、ゲームパッドの反応速度の向上などがあげられています。また、搭載されているBIOS、ファームウェアについても随時アップグレードされています。

2017年2月に海外クラウドファンディング「Indiegogo」で、新たに 7インチでキーボード・トラックポイント付き、Windows10搭載の超小型PC「GPD Pocket」の出資募集を開始することがGPD社より発表されました。この製品は、GPD WINでの経験や、ユーザーからのフィードバックを参考にして、開発が計画されたものになります。

今後もGPD社はユーザーが求める製品を、開発し続けていこうという前向きな姿勢を見せています。たとえその時に要望がかなうことがなくても、次の製品で生かされる可能性もあることから、GPD社に協力していくことが必要だと考えられます。

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