Polyjet方式で造形された外装シェルでゲームボーイマクロを作った！実用レベルではない理由

ストラタシス社の Polyjet方式（光造形インクジェット方式）で造形されたフェイスプレートを使ったゲームボーイマクロを製作しました。

このフェイスプレートはオリジナル以上の質感・感触、持ちやすさを実現していることがわかります。しかし、精巧さを重視するあまり、精度が高すぎて製作するのが難しいという面を持ったフェイスプレートです。

一般家庭向けではない高級３Dプリンターで造形されたフェイスプレートを使って製作したゲームボーイマクロの作り方、仕上がり具合、注意点などをご紹介していきます。

オリジナル品質を超えた精巧なフェイスプレート

ニンテンドーDS Lite を改造して作られるゲームボーイマクロの完成度は、フェイスプレートで決まると言っても過言ではありません。

完成度が高いゲームボーイマクロの製作は困難
オリジナルの外装シェルを削り、パテで加工して、塗装するといった作業が必要になり初めから完成度が高いゲームボーイマクロを製作するのは困難です。

そういった面倒な作業を簡略化できるフェイスプレートが、海外ストアでいくつか販売されていますが、オリジナル品質を超えたフェイスプレート「Nintendo DS Lite Gameboy Macro Polyjet 3D Printed Faceplate Shell」を使って製作していきます。

ゲームボーイマクロの製作は難しくない

ゲームボーイマクロの製作はそれほど難しくはありませんが、はんだ作業が必須で非常に小さなパーツ（330Ω 抵抗器）も含まれている点には注意しましょう。

ゲームボーイマクロの一般的な作り方については、こちらを併せて参考にしてみてください。

液晶ディスプレイからタッチパネルを外す

Polyjet方式で造形されたフェイスプレートは、ニンテンドーDS Lite の下画面を加工なしに装着することはできません。ここでは作り方の補足として液晶ディスプレイからタッチパネルを外す方法を解説していきます。

ニンテンドーDS Lite のタッチパネルは液晶ディスプレイに接着されています。
デザインナイフを刺してスキマを作り持ち上げれば簡単に外せます。

あまり深くデザインナイフを差し込むと液晶ディスプレイを傷つけてしまう可能性があるので注意してください。

フェイスプレートは精巧だけど製作に難あり

TampaBayCamera から発表された Nintendo DS Lite Gameboy Macro Polyjet 3D Printed Faceplate Shell は、精巧で完成度が高いフェイスプレートです。

しかし、フェイスプレートの精巧さを追求するあまり、ゲームボーイマクロの完成度を考えていないように思えます。コンプリートキットを使って作業を進めてきましたが、スリムスピーカー、基板の収まり具合が致命的に悪いです。

スリムスピーカーを設置する場所は確保されていますが所定の位置に収まらず、基板と接触してショートするのでカプトンテープなどでの絶縁は必須です。

また、基板の収まりも悪いので、十字キー、ABボタンなどの沈みも深く、ゲームボーイマクロとしての実用性は低い仕上がりとなっています。

海外ストアで取り扱っているガラスレンズを装着できる場所を確保されています。
BOXY PIXEL や Obirux で販売しているガラスレンズがおすすめです。

ゲームボーイマクロの完成度としては「C級品」

ゲームボーイマクロの出来上がりの完成度を ABC評価した場合、Polyjet方式で造形されたフェイスプレートは「C級品」です。フェイスプレートだけで見れば質感・色味・感触は一級品でほかを圧倒しています。

ただし、残念ながらゲームボーイマクロの仕上がり具合・完成度を意識していないせいか、コンプリートキットに含まれているスリムスピーカーや、メイン基板の収まりも悪く、その結果、実用性には向いていません。期待値が高かっただけに非常に残念です。

自作をしないで最高の品質を求める人は Obirux カスタムモデル（オーダー待ち）を、自作ができる人は BOXY PIXEL のフェイスプレートがおすすめです。

Source：TampaBayCamera