Windows携帯ゲーム機「AYANEO 2」は、全面ガラス張りのオーバルデザイン、オーディオ振動システム SoundTAPMagic や高品質センサー、AYANEO最高水準のマスターコントローラーを採用した AMD Ryzen 7 6800U 搭載モデルです。
主要スペックは Windows 11 Home、7インチ(1920×1200、マルチタッチ)、AMD Ryzen 7 6800Uプロセッサ、AMD Radeonグラフィックス、メモリー16GB / 32GB LPDDR5 6400MHz、ストレージ容量 1TB / 2TB SSD を搭載しています。
AYANEO 2 の価格・販売ストア
AYANEO 2 は、Amazon、AYANEO日本公式サイト、ハイビーム公式オンラインストア、ハイビーム実店舗で取り扱いを開始しています。
カラーバリエーションは、全2色(スカイホワイト、スターリーブラック)です。
発売日は 2023年1月31日を予定しています。
・16GB / 1TBモデル
一般販売価格:213,000円
・32GB / 2TBモデル(スターリーブラックのみ)
一般販売価格:246,800円
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基本スペックそのまま、一部センサー・機能を省いた廉価モデルもあります。
AYANEO 2 のスペック
AYANEO 2 のスペックを詳しく見ていきます。
※AYANEO OS は、2023年夏に正式リリース予定です。
- ディスプレイ:7インチ、解像度 1920 × 1200、323PPI
マルチタッチ対応、ベゼルレス全面ガラス張り - OS:Windows 11 Home、AYANEO OS(※)
- CPU:AMD Ryzen 7 6800U
- GPU:AMD Radeon グラフィックス
- メモリー:16GB / 32GB(LPDDR5 6400MHz)
- ストレージ:1TB / 2TB(PCIe 4.0 M.2 2280 SSD)
- バッテリー:12450mAh PD対応
- I/Oポート:USB-C 4.0 ×2、USB 3.2 Type-Cポート、
microSDカードスロット、イヤホンジャック - 無線:Wi-Fi6、Bluetooth 5.2
- その他:立体音響スピーカー、デュアルジャイロスコープ、デュアルマイク、
振動モーター、SoundTAPMagic、RGBイルミネーション、指紋認証 - 大きさ:264.5 × 105 × 21.5~36.1mm
- 重量:660g
- 素材:ABS樹脂
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが保証はいたしかねます。
AYANEO 2 のレビュー
Windows携帯ゲーム機「AYANEO 2」をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、ゲーム動作確認、ベンチマークテスト、評価すべき点、欠点についても徹底解説します。
付属品
パッケージは重箱のような構成になっています。
一番上にはマニュアル(各種ボタン操作など)、本体開封時に使用するオープンツールが収められています。
最下部には USB Type-C変換アダプタ×2、ACアダプター、変換アダプタ(3種類)、ハンドルパッチ(4枚)、USB Type-Cケーブルが収められています。
ハンドルパッチは、AYANEO 2 左右側面にある ABS樹脂パーツです。
分解時に破損する可能性が高いパーツのようで、予備として付属しています。
大きさ・重さ
大きさは 264.5 × 105 × 21.5~36.1mm、重さは 655g。
正面は全面ガラス張り、PS Vita(PCH-1000シリーズ)を連想させる手に馴染みやすいオーバルデザインを採用しています。
実際に持ってみると重量バランスに優れているため思ったよりも軽く感じます。
ただし、ポータビリティには向いていないサイズ・重さです。
わかりやすく Steam Deck、Nintendo Switch と比較してみました。
いずれも実測値ではなく、公式発表されているスペックです。
製品名 | 画面サイズ | 大きさ | 重さ |
Steam Deck | 7インチ | 298 × 117 × 49mm | 669g |
AYANEO 2 | 7インチ | 264.5 × 105 × 21.5~36.1mm | 660g |
Nintendo Switch | 6.2インチ | 239 × 102 × 13.9~28.4mm | 398g |
最近になってリリースされた 7インチサイズとしては『一般的サイズ』です。
任天堂から発売された携帯型ゲーム機を基準に考えると、重さは 500g未満がストレスなく使える印象を持ちます。人によっては短時間のゲームプレイでもストレス・負担に感じる重さです。
インターフェース
インターフェースは、上部に USB4ポート、USB 3.2 Type-Cポート(充電・給電は非対応)、音量ボタン、電源ボタン一体型の指紋認証センサー。下部に USB4ポート、microSDカードスロット、イヤホンジャック、左右に立体音響スピーカーを用意。
microSDカードスロットは、特許取得のマグネット式カバーを採用しています。
上部・下部それぞれにマイク(ノイズキャンセル)を搭載したデュアルマイク設計です。
左右にはグリップがあり、Nintendo Switch相当のバイブレーション機能を搭載しています。
接続できるポートは限定されています。必要に応じて Bluetooth機器や専用クレードル、USBハブ、外付けGPU(eGPU)を活用しましょう。
左右のアナログスティックには、RGBイルミネーション機能を搭載しています。
専用アプリ AYA Space で ON/OFF、RGBカラー・照明効果を変更可能です。
背面左側には内蔵ファンの吸気口があり、上部の排気口へ放熱します。
静音タイプの冷却ファンを採用、高温時には風切り音が目立つ点には注意が必要です。
360度どこから見てもネジがないことも特徴です。
画面
全面ガラス張り・ベゼルレスの液晶ディスプレイは鮮明です。
7インチ液晶ディスプレイ(IPS、16:10)、解像度 1920×1200、画素密度 323PPI です。
マルチタッチスクリーンで、操作・感度、画面の明るさ(最大400nits)は良好です。
ネイティブランドスケープな液晶を搭載しており、画面の向きは「横」表示です。
デフォルトの解像度は 1920 × 1200、スケーリングは 175% です。
この状態だと正常に表示されないアプリがあるので、必要に応じて Steamビックピクチャーモードでの起動や、解像度・スケーリングの調整が必要です。
有機ELディスプレイ(AMOLED)と比較すると、黒み・色彩の描写にはやや劣りますが遜色がないレベルに高められています。全面ガラス張りのため、使うシチュエーションによっては画面が反射するので注意が必要です。
操作性
AYANEO最高水準のマスターオールラウンドコントローラーを搭載しています。
ドリフトなし、デッドゾーンなし、高精度がうたわれるホールジョイスティックの感度・操作性は優秀と評価します。専用アプリを使った感度調整も可能です。
LT/RTボタン(ホールトリガー)のストロークは 7.5mm で、レースゲームなど細かい入力が必要なゲーム操作に適しています。デュアルジャイロスコープによる操作にも対応しているのはポイントです。
ABXYボタンサイズは 7.7mm、ストロークは 1.5mm で押し心地は良好です。
携帯ゲーム機でありながら、通常サイズのゲーミングコントローラーと変わらない操作性を実現しています。
しっかりと両手でホールドできるグリップは評価ポイントですが、表裏ともに滑りやすい質感なのは賛否両論です。手汗などをかくと滑りやすくなるのでグリップテープなどで対策すると良いでしょう。
そのほかに、オーディオ振動システム SoundTAPMagic(音声を自動解析して振動に変換)を採用し、振動機能がないゲームタイトルでもフィードバックを体感できます。
もともと振動機能があるゲームタイトルでは、より臨場感あふれるフィードバックを体感できます。専用アプリ AYA Space のアシスタント画面で追加・有効化することで効果を発揮します。
LC/RCボタン には短押し・長押しの機能を割り当てることが可能です。
標準設定では、下記の機能が割り当てられています。
- LC短押し・・・オンスクリーンキーボード
- LC長押し・・・タスクマネージャー
- RC短押し・・・ESC
- RC長押し・・・タスクビュー
=ボタン同様に、専用アプリ AYA Space で割り当て・変更が可能です。
専用アプリ AYA Space
専用アプリ AYA Space がプリインストールされています。
スタートアップ起動が採用されており、マウス操作・短押し・長押し機能を動作させるうえで必須アプリです。
TDP設定(省電力、バランス、ゲーム、プロ(3W~33W))、解像度などの各種変更のほか、インストールしたゲームアプリなどの表示、コントローラー設定(バイブレーション強弱、キャリブレーション)などが可能です。
=ボタン、LC/RCボタンの機能を割り当て・変更できます。
割り当てできる機能は、「デスクトップを表示する」「スクリーンショット」「アプリをオフにする」「オンスクリーンキーボード」「ESC」「Steamを開く」「Xboxキー」「タスクビュー」「タスクマネージャー」の9つです。
LEDイルミネーションの ON/OFF、照明効果、RGBカラー、明るさを変更可能です。
初期に比べてシステムは安定していますが、それでも使い勝手が良いとはいえません。おかしな挙動も確認できるので、まだまだ改善が必要です。
ゲーム動作確認
手持ちのゲームタイトルが遊べるレベルに動作し、Ryzen 7 6800U の性能を実感できます。
解像度を 1280 × 800 に変更すれば、60FPS を超える快適なゲームプレイが可能です。
ゲーム解像度を下げた状態で高画質なスケールアップを実現できる機能『RSR(Radeon Super Resolution)』、水面や鏡、窓への映り込みなどのリアルな映像表現が可能な『レイトレーシング』に対応しています。
AMD Software: Adrenalin Editon はプリインストールされています。
RSR(Radeon Super Resolution)を有効化してディスプレイ解像度を 1920×1200 に設定、ゲームを起動してゲーム解像度を 1280 × 800 にぐっと下げることで RSR が機能します。
画面サイズが小さい Windows携帯ゲーム機にマッチした機能で、ゲーム解像度・処理負荷を下げて高画質・スケールアップにして FPS を高めたり、逆に処理負荷を少し上げてリアルで鮮明な映像を映し出すといった使い方を選択できます。
また、ライバルメーカーの Windows携帯ゲーム機の最大TDP設定値が 15W~28W に対して、AYANEO 2 は最大 33W に変更できます。記事執筆時点で Ryzen 7 6800U搭載機として、ゲームパフォーマンスに最も優れたモデルと評価します。
ストレージ状態
AYANEO 2 のストレージ容量は 1TB / 2TB です。
パーティションはそのまま、専用アプリ AYA Space、AMD製品向けソフトウェア AMD Software: Adrenalin Editon がプリインストールされています。
搭載されている OS は「Windows 11 Home」です。
日本語対応しているので、問題なく初期インストールを進められます。
AYANEO OS は、2023年夏に正式リリース予定です。
GPD製品(GPD WIN 2)で何度もSSD の換装をしていたところ、ライセンス認証ができなくなりました。問い合わせするのも時間がかかり面倒、新しい OS を購入するのは高すぎる。ローリスクハイリターンな格安ライセンスを手に入れろ![…]
本体の初期化
万が一のトラブルがあっても、初期化ユーティリティで解決できます。
下記手順を参考に進めてください。
- 電源オフを確認
- 「音量+ボタン」と「RCボタン」を押したまま、電源ボタンを押す
- しばらく待つと、初期化ユーティリティが起動
- 「チェックマーク」をタッチ
- 数分待てば完了
電源オンにしてから「F9キー」を押すと、初期化ユーティリティが起動します。
AYANEO 2 のベンチマーク
AYANEO 2 のベンチマーク結果を確認します。
設定・環境によっては変わることがあるので、あくまでも参考程度にとどめてください。
冷却能力
ベンチマークテストで負荷をかけた状態の温度を計測しました。
最大温度は 80度を超えましたが、一定時間経過後には 40度台で安定します。
ゲームプレイ時では、ほんのり体感的な温かさを感じます。
内蔵ファンの風切り音は、負荷がかかる際に一時的に大きくなります。
そのため、没入感があるゲームミュージックを楽しむにはイヤホンが必須となりそうです。
ストレージ速度(SSD)
AYANEO 2 に標準搭載されている M.2 2280 SSD のストレージ速度です。
Lexarブランドの PCIe 4.0規格の SSD(NM760)が搭載されています。
ストレージ速度(microSDカード)
microSDカードのストレージ速度です。
SanDisk Extreme PRO microSDXC UHS-Iカードを使用して測定しています。
バッテリー情報
AYANEO 2 のバッテリー状態です。
バッテリーの基本情報、容量、状態などの参考としてください。
ベンチマークテスト結果
AYANEO 2 のベンチマークテスト結果です。
『バランス(15W)』、『ゲーム(22W)』のベンチマークスコアを比較しています。
ベンチマークテストの解像度設定は 1920 × 1080 です。
ベンチマークテスト | バランス | ゲーム |
ドラゴンクエストX ベンチマーク 標準品質 フルスクリーン | 10021 | 11398 |
ドラゴンクエストX ベンチマーク 最高品質 フルスクリーン | 8749 | 9715 |
ドラゴンクエストX ベンチマーク 標準品質 ウィンドウ | 9458 | 10860 |
ドラゴンクエストX ベンチマーク 最高品質 ウィンドウ | 8752 | 9320 |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 標準品質 | 7256 | 7721 |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 標準品質 ノートPC | 7266 | 7785 |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 高品質 | 4875 | 5391 |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 高品質 ノートPC | 5741 | 6412 |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 最高品質 | 4375 | 5016 |
PCMARK 10 | 5757 | 6121 |
3DMARK Time SPY | 2002 | 2483 |
3DMARK Fire Strike | 5046 | 6095 |
3DMARK Night Raid | 19262 | 23304 |
CINEBENCH Release23 | 7703 | 9669 |
CINEBENCH Release23(Single Core) | 1435 | 1499 |
連続稼働時間
AYANEO 2 の連続稼働時間の測定結果です。
測定にはベンチマークテスト BBench を使用しています。
- ディスプレイの明るさは 50%
- ボリューム 50%
- スリープしない
- 無線LAN / Bluetooth:ON
- 電源プラン「バランス」
- TDP設定「バランス(15W)」
上記の測定条件で、強制休止までの時間を計測したところ、計測結果は5時間55分でした。
重ためのゲーミング使用に限定した場合では、約1~2時間と見て良いでしょう。
処理の軽いゲームや作業で3~4時間といった感じです。
消費電力と供給電力の関係を考えると、モバイルバッテリーでの運用は厳しいです。
電源が確保できる環境での使用を推奨します。
まとめ
AYANEO 2 は、AYANEOシリーズの『フラッグシップレベル』に位置するモデルです。
全面ガラス張りのオーバルデザイン、SoundTAPMagic や高品質センサー(デュアルジャイロセンサーなど)、最高水準のマスターコントローラーを採用したモデルです。
一般的な携帯ゲーム機よりも優れた高精度をうたうゲームコントローラーの操作性・持ちやすさを実現しており、振動機能がないゲームタイトルでも SoundTAPMagic によるフィードバックを体感できるのは評価ポイントです。類を見ない総合的なビルドクオリティの高さは注目です。
ゲーミング体験としては、これまでに登場した Windows携帯ゲーム機にはない機能を備えています。一般的な有名ゲーミングコントローラーレベルでの操作性、ゲームプレイ中のフィードバック(振動機能)、立体音響スピーカーの組み合わせは最適解といえます。
それだけに惜しいのはオーバルデザイン表面の滑りやすさです。
表面は全面ガラス、裏面もネジがないつるりとした質感なので、手汗などをかくと滑りやすさが気になります。万が一に備えてグリップテープを貼るなどの対策が必要です。
20万円超えという価格帯は『Windows携帯ゲーム機史上最高級モデル』です。
それだけに、Windows携帯ゲーム機の付加価値を最大限に追求・ロマンを追い求めたい人向けと評価します。デメリットが許容できるのなら、これ一択で間違いありません。
AMD Ryzen 7 6800U を搭載したモデルが続々と登場しています。
価格・スペック、重要視するポイントを整理したうえで、AYANEO 2 を検討してみてください。
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