中華ゲーム機「ANBERNIC RG405M」は、4インチ液晶ディスプレイに丸みがあるデザイン・金属筐体、RG353シリーズよりも優れた Unisoc Tiger T618 を搭載、システムに Android 12 を採用した Androidゲーム機です。
ANBERNIC RG405M の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能、初期設定方法、そして使い方についてご紹介します。また、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックしていきます。
ANBERNIC RG405M の価格・販売ストア
ANBERNIC RG405M は、海外通販サイトを中心に広く販売しています。
カラーバリエーションは、全2色(ブラック、グレー)です。
ANBERNIC RG405M
一般販売価格 23,299円(送料別途)
ANBERNIC公式ストアにおける販売価格が最安値です。
ANBERNIC RG405M のスペック
ANBERNIC RG405M のスペックを詳しく見ていきます。
- システム:Android 12
- ディスプレイ:4インチ IPS液晶ディスプレイ、タッチスクリーン
- 解像度:640 × 480(4:3)、画素密度 200ppi
- SoC:Unisoc Tiger T618 2.0GHz
- GPU:Mail G52 MC2 850MHz
- RAM:4GB LPDDR4X
- ストレージ:128GB eMMC
- 外部ストレージ:microSD(最大2TB)
- 大きさ:163 × 76 × 15.9mm
- 重さ:260g
- バッテリー容量:4500mAh
- ワイヤレス通信:Wi-Fi(2.4G / 5G)、Bluetooth 5.0
- インターフェース:USB Type-C、イヤホンジャック、microSDカードスロット
- その他:マイク、ステレオデュアルスピーカー、
バイブレーション、6軸ジャイロセンサー - 素材:アルミニウム合金
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
ANBERNIC RG405M のレビュー
メーカー提供を受けた ANBERNIC RG405M をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点や欠点についても徹底解説します。
付属品
1. スクリーンプロテクター
2. ユーザーマニュアル(中国語・英語)
3. 液晶クリーナー
4. USB Type-Cケーブル
大きさ・重さ
本体の大きさは 163 × 76 × 15.9mm で、重さは 261g(実測値)です。
アルミニウム合金の金属筐体を採用しているため、サイズに比べて重量感があります。
4インチ IPS液晶ディスプレイを採用したことで、本体サイズの横幅は少し大きくなりましたが、厚みや重さは RG351シリーズの金属筐体よりも小さく軽量です。
同等スペックで、似たような形状や縦型モデルの製品と比較してみました。
以下は公式発表されているスペックでの比較です。
製品名 | 画面サイズ | 大きさ | 重さ |
ANBERNIC RG505 | 4.95インチ | 189 × 87 × 18mm | 286g |
ANBERNIC RG405M | 4インチ | 163 × 76 × 15.9mm | 261g |
Retroid Pocket 3+ | 4.7インチ | 184.7 × 81.4 × 14.5mm | 235g |
総合的なビルドクオリティは『高い』と評価します。
Unisoc Tiger T618 を搭載した、『最小サイズ』の金属筐体を採用したモデルです。
プラスチック筐体と比較すると重たいですが、しっかりとした堅牢性が確保されています。チープさは一切なく、軋みやへこみ、スキマなどもなく完成度が高いのが特徴です。
インターフェース
インターフェースは、上部に USB Type-Cポート(給電・充電用)、音量ボタン、電源ボタンを備え、下部にイヤホンジャック、microSDカードスロット、左右にステレオデュアルスピーカーがあります。
バイブレーション機能、マイクのほか、6軸ジャイロスコープセンサーを搭載しています。
金属筐体自体がヒートシンクの役割を果たしているため、全体的な本体表面温度は 37度で、一部の本体表面温度は 38~39度近くになります。
ワイヤレス通信機能は Wi-Fi 2.4GHz / 5GHz、Bluetooth4.2 をサポートしています。
裏面パッド部にアンテナが配置されており、金属筐体の影響による電波感度の劣化を防ぐ構造を採用しています。
画面
ロゴなし・狭ベゼルのマルチタッチスクリーンを搭載しています。
4インチ液晶ディスプレイ(4:3)で、解像度 640 × 480、画素密度は 200PPI です。
タッチスクリーン操作の感度や発色は良好ですが、最大輝度も明るめといった印象です。
液晶ディスプレイとガラスレンズの隙間がほぼないフルラミネーションディスプレイを採用しているため、反射面が少なく、高コントラストでクリアな映像を実現しています。
体感的にも3.5インチよりも大きい画面サイズに感じられるのはメリットですが、PSPエミュレーターやゲームアプリ、リモートプレイやクラウドゲームには適さない解像度の低さとアスペクト比が気になります。
操作性
操作性・押し心地については評価ポイントです。
ABXYボタンサイズは 7.8mm、ストロークは 1.5mm で、ANBERNIC製品の標準仕様です。
押す角度によっての引っ掛かりもありませんが、摩耗によるボタン側面のすり減りが確認できました。
高品質アナログスティック(Hall joystick)は操作性に優れています。
厚さを軽減するため、L1/R1ボタン、L2/R2ボタンが横並びに配置されているのは残念ですが、本体サイズに適した使いやすい位置です。
ホーム/バックボタン、スタート、セレクトボタンの押し心地はやや硬めで、押したときのカチカチ音は大きめです。また、ABXYボタンには光沢のあるボタンが採用されており、本体カラーによって異なるボタン・印字カラーが採用されています。
コントローラーはジョイスティックを主体とした配置を採用しています。
本体形状やコントローラー配置については、操作性の好みが分かれるところです。
ボタン下のパッドを正しくフィットさせることで問題解決できるようです。
システム
システムは Android 12 を搭載し、Google Playストアに対応しています。
初期セットアップ時に英語・中国語のいずれかを選択すれば、自動で各種エミュレーターアプリや UI(ゲームフロントエンド)が導入されます。
また、OTAアップデートにも対応しているのは評価ポイントです。
日本語ロケールも選択できるので、初期セットアップ後に設定から「日本語」を選択できます。
画面上部から引き出せるパネル「クイック設定パネル」で、キーマッピングやゲームモード(ゲームフロントエンド)起動のオン/オフ、高性能モードやボタン配置(XBOX、Switch)の切り替えが可能です。
ワイヤレス通信機能の感度や接続に不具合が確認できましたが、アップデートで最新バージョンのシステムを導入することで改善されます。また、起動時のアニメーション音声は、オフにできない『仕様』となっています。
エミュレーター機として Androidゲーム機は、Linuxベースのシステムのような手軽さがないため、取捨選択して使う必要があります。
エミュレーター性能
エミュレーター性能は ANBERNIC 353シリーズよりも優れており、ANBERNIC RG505 や Retroid Pocket 3+ / Flip と同等です。実測したところ、Antutuベンチマークスコアは 22万点台で、高性能モードでも大差はありません。
動作するエミュレーターは一般的なレトロゲームをはじめ、プレイステーション、ニンテンドーDS、NINTENDO64、PSP、ドリームキャスト、セガサターンが快適に動作します。ゲームキューブ、Wii、3DS、PS2 については、一部ゲームタイトルが動作するといった感じです。
体感的にも動作するゲームタイトルは多いのですが、過信は禁物です。
大幅にエミュレーターの性能が向上したわけではなく、PS2 などの動作が重ためなエミュレーターや一部のゲームタイトルがやっと遊べるようになったと評価すべきです。
Androidゲーム機全般にいえることですが、エミュレーターアプリの充実や出来が良いという利点はあるものの、システムレベルでわずかに物理ボタンの入力遅延があります。ただし、繊細な操作・タイミングを必要としなければ特に気にする必要はありません。
エミュレーターを中心に遊ぶという人は、フロントエンドの導入をおすすめします。
詳しい導入手順については、こちらの記事を参考に進めてください。
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ゲームアプリ
ゲームアプリ『原神』は、グラフィック画質は「最低~低」で動作します。
若干のカクつきや画面の粗さが見られますが、ゲームプレイ自体は可能です。
ただし、原神などの重めのスマホゲームを遊ぶことを想定している方にはおすすめしません。
あくまでもエミュレーターを遊ぶための携帯型ゲーム機として認識しましょう。
また、Steam Link や Xbox Game Pass によるリモートプレイやクラウドゲーム(PCゲーム)も遊べます。ただし、通信環境や回線速度が十分であることが前提となります。
画面サイズが 4インチと小さく・解像度も低いため、視認性が悪く、遊べるゲームタイトルを選ぶ必要があります。エミュレーター以外のゲームアプリやクラウドゲーム(PCゲーム)には適していません。
初期設定・使い方
ANBERNIC RG405M の初期設定・使い方を解説します。
最低限の知識として Googleストアで提供されているエミュレータアプリの使い方・基本を覚える努力が必要です。
初期セットアップ
初回に電源ON にすると初期セットアップ画面が表示されます。
英語・中国語の2択のみなので、「English」を選択して Start Use ボタンを押します。
画面下部のインジケーターが 100% になったら、「Configuration setup is done, please click」を押して完了してください。
基本操作
- 電源ボタン(長押し):電源ON
- 電源ボタン(短押し):スリープON/OFF
- 音量ボタン:音量調整
- D-Pad、アナログスティック:移動
- A、START、Y、タッチ:選択
- SELECT:メニュー表示
- B:メニュー閉じる
- リターンボタン短押し:実行
- リターンボタン長押し:HOMEボタン
キーマッピング
タッチ操作を物理ボタンに割り当てられるリマッピング機能です。
下記の手順を参考に進めてください。
- 画面上部からクイック設定パネルを表示
- 「Key mapping」をタップ
- 自分好みの配置に設定する
- Save で設定保存
- × をタップすれば完了
『原神』をはじめとした人気ゲームアプリは、プリセットが用意されています。
「Config Manager」から使用したいプリセットを選択(Use)、Switch タブをタップして × をタップして閉じれば完了です。
画面上部から下方向へスワイプすることで表示できます。
ファームウェアアップデート
OTAアップデートに対応しています。
利用可能なアップデートがあると、自動的にアップデートを促す通知が表示されます。
下記の手順でも確認できます。
- プリインストールアプリ「アップデート」を起動
- 中央の「チェックする」を選択
- しばらく待つ
- アップデートファイルがあればダウンロード
- アップデート開始(10分~20分)
- 再起動(3~5分待ちます)
- 完了
まとめ
ANBERNIC RG405M は、4インチ液晶ディスプレイに丸みがあるデザイン・金属筐体、RG353シリーズよりも優れた Unisoc Tiger T618 を搭載、システムに Android 12 を採用した Androidゲーム機です。
総合評価としては「割り切りが必要」と評価します。
アルミニウム合金の金属筐体を含めた総合的なビルドクオリティは非常に高く、ロゴなし・狭ベゼルの 4インチ液晶ディスプレイ、高品質なアナログスティック(Hall joystick)を採用、スピーカー音質も良好なのは評価ポイントです。
RG353シリーズよりも優れたエミュレーター性能を搭載しているため、体感的にも遊べるゲームタイトルが増えています。また、システムも Google Playストアに対応し、日本語ロケールの選択や OTAアップデートにも対応しており、使いやすさも向上しています。
一方で、同等性能を持つ ANBERNIC RG505 や Retroid Pocket 3+ / Flip と比較して、画面サイズが小さく・解像度が低いため、エミュレーター以外のゲームアプリ、リモートプレイやクラウドゲームに割り切りが必要です。
単純に画面サイズが一回り大きくなった RG353シリーズの上位モデルとしてみるか、汎用性が高い Androidゲーム機としてみるかで評価が分かれます。販売価格はやや高めですが、Unisoc Tiger T618 を搭載した『最小サイズの金属筐体モデル』としては妥当と評価できそうです。
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