中華ゲーム機「Trimui Brick」は、同社の横型モデル Trimui Smart Pro をベースにした縦型モデルです。斬新な LEDライトの演出や背面パーツのカスタマイズ性、そしてコンパクトで持ち運びに最適な小型軽量設計が特徴です。
Trimui Brick の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックします。
Trimui Brick について
Trimui Brick に関する情報をまとめたページです。
海外ストアで購入した実機を使用しています。
提供品の有無にかかわらず、コンテンツの内容には一切影響していません。
価格・販売ストア
Trimui Brikck は、海外通販サイトで広く販売されています。
カラーラインナップは、ブラック、ホワイト、レッド、パープルの全4色。
※レッドとパープルは後日発売予定とされています。
・Trimui Brick
販売価格:8,500円~14,000円
製品仕様とスペック
Trimui Brick のスペックについて詳しく見ていきます。
製品名 | Trimui Brick |
システム | Linux |
画面 | 3.2インチ液晶ディスプレイ、4:3 解像度 1024 × 768 |
SoC | Allwinner A133 Plus |
RAM | 1GB LPDDR4 |
ストレージ | 8GB eMMC、microSDカード |
バッテリー容量 | 3000mAh(5時間駆動) |
インターフェース | USB Type-Cポート イヤホンジャック microSDカードスロット デュアルスピーカー LEDライトエフェクト バイブレーション |
ワイヤレス通信 | Wi-Fi 4、Bluetooth 2.1 |
大きさ | 109.9 × 73.2 × 11.8~19.9mm |
重さ | 159g |
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
Trimui Brick のレビュー
Trimui Brick をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点や欠点についても徹底解説します。
付属品
1. マニュアル
2. 背面パーツ
3. USB Type-Cケーブル
通常は背面ボタンの交換パーツ2種類が付属します。
大きさ・重さ
大きさは 109.9 × 73.2 × 11.8~19.9mm、重さは 159g(実測値)です。
プラスチック筐体(ABS樹脂素材)を採用し、小型で軽量なモデルです。
Analogue Pocket を小型化したようなデザインが特徴です。
表面コーティングがないマットな質感で、成形精度や組み立て精度が高いです。
カラーによっては、皮脂や指紋はやや目立ちやすいです。
サイズ感
参考として、Miyoo Mini や ANBERNIC RG35XX を並べてみました。
Trimui Brickは、その中間サイズであることが確認できます。
小さすぎず、大きすぎない絶妙なサイズ感です。
ポケットに収まるコンパクトさで、持ち運びに便利なポータビリティの高さが魅力です。
インターフェース
インターフェースは、上部に USB Type-Cポート(外部デバイス接続用)、下部に microSDカードスロット、USB Type-Cポート、イヤホンジャックが配置されています。
本体正面の左右にはデュアルスピーカーが備わっており、ボリュームや音質も十分です。残念ながら急速充電に非対応で、映像出力端子(HDMI)も非搭載です。
左側には音量ボタン、右側には 電源ボタン、スライド式の Fnキーが備わっています。
ファンクションキー・ボタンは全部で3つあり、設定で機能を割り当て可能です。
ワイヤレス通信機能は Wi-Fi 4 と Bluetooth 2.1 に対応しています。
その他に、マイク、バイブレーション機能が搭載されています。
背面ボタンとプレートはカスタマイズが可能です。
標準では、形状や高さが異なる背面ボタンの交換パーツが付属します。
上に押し上げるだけで、簡単に背面ボタンを着脱することが可能です。
また、付属の背面パーツは販売ストアによって異なります。
LEDライトエフェクトが搭載されています。
背面上部のライトとボタンのほか、表面のファンクションボタンのオン、オフ、明るさ変更、カラー変更(要ファイル編集)が可能です。
バッテリー容量は 3000mAh(5時間駆動)で、LEDライトをオンにするとバッテリー寿命が短くなります。また、内蔵ファンは非搭載ですが、背面の金属製バックプレートから放熱をします。
画面
解像度が高めの 3.2インチ液晶ディスプレイを搭載しています。
アスペクト比は 4:3 で、解像度は 1024 × 768、画素密度は 400PPI です。
ガラスレンズとディスプレイの隙間がないフルラミネーションディスプレイを採用しています。
画面の輝度(cd/m2)を測定したところ、最大655nit を記録しました。
屋内のみならず日光下でも十分な視認性を発揮します。
最大輝度とコントラスが高いことが特徴です。
解像度とアスペクト比については、定番レトロゲームでは気になりませんが、画面比率 16:9 には適していないことに留意が必要です。
操作感
小型軽量モデルとしては、操作感は良好と評価します。
ABXYボタンサイズは 6.9mm、ストロークは 0.7mm で、主要なボタンはすべてドームスイッチを採用しています。
本体正面に配置された光る2つのボタンはファンクションボタンで、下段に並ぶボタンは左から順にメニューボタン、SELECTボタン、STARTボタンというレイアウトになっています。
低めのボタンと浅いストローク、適度な反発感が特徴で、底打ち感のある押し心地です。また、ボタン側面の摩耗による削れや、押す角度による引っ掛かりもなく、スムーズな操作性を実現しています。
背面ボタン(L1 / R1、L2 / R2)は、交換することが可能で、好みの形状や高さを選択できるのは斬新です。アナログスティックが非搭載ということもあり、定番のレトロゲーム向けのコントローラーです。
左アナログスティックの操作は十字キーで疑似的に行うことは可能ですが、挙動がおかしくなることがありシステムアップデートでの改善が求められます。
システム
Linuxベースのシステム(Tina)を採用しています。
初心者でもわかりやすいユーザーインターフェースを実装しています。
エミュレーター機能については『Games』項目で管理されており、さらに対応したPCゲームを楽しめる『Ports』項目も用意されています。また、LEDライトはメニュー項目やエミュレーターごとに切り替わる仕組みになっています。
ファンクションキーや RetroArchの設定、リモートプレイ用の Moonlight、PC接続設定などのツールは『Apps』項目に含まれています。また、画面の明るさや音量調整、テーマや言語設定などは『Settings』項目で管理することができます。
設定画面の『Fnkey setting』から、ファンクション機能を割り当てることが可能です。
疑似アナログスティックの切り替え、CPUパフォーマンスの変更、画面の明るさ調整、LEDライトのオン・オフ、連射機能などの設定が行えます。
いくつかのバグや不安定な挙動が確認されており、システムの改善が求められます。
必要に応じて、CrossMixOS を導入するのも選択肢の一つかもしれません。
エミュレーター性能
エミュレーターの性能は Trimui Smart Pro と同等のパフォーマンスです。
主要スペックに Allwinner A133 Plus を採用したモデルで、Miyoo Mini や RG35XX よりも優れており、RG353シリーズに近いエミュレーターやゲームタイトルの動作が期待できます。
動作するエミュレーターは、一般的なレトロゲームに加え、スーパーファミコン、プレイステーションが快適動作、ニンテンドーDS、PSP、ドリームキャストがそこそこ動作し、セガサターン、ゲームキューブも動作するスペックを搭載しています。
スペックに対して負荷が高めの PSP やドリームキャストについては、フレームスキップを設定することでプレイ可能なレベルで動作します。一方、セガサターンに関しては動作が厳しいため、推奨されていません。
また、FNキーをスライドさせることで、パワーセーブをオフにしてパフォーマンスを向上させることができますが、大幅な改善は期待できません。このモデルは、ゲームボーイアドバンスやスーパーファミコン、プレイステーションなどのゲームを楽しむのに適しています。
設定・使い方
基本的な使い方は付属マニュアルに書かれているので、迷うことはないはずです。
基本的なショートカットは、以下のとおりです。
- MENU:メニュー画面
- START+L1 / R1:明るさ調整
- SELECT+L1 / R1:音量調整
- 各メニューで STARTボタン:グリッド表示切替
- ゲーム中に R2ボタン:【NDS】タッチペン機能
まとめ
Trimui Brick は、同社の横型モデル Trimui Smart Pro をベースにした縦型モデルです。
斬新な LEDライトの演出や背面パーツを交換できるカスタマイズ性に加え、コンパクトで持ち運びに最適な小型軽量設計が特徴です。
主に定番レトロゲームを楽しむことに特化したモデルです。
Analogue Pocket を小型化したようなデザインや絶妙なサイズ感で、画面サイズに対して解像度が高く、最大輝度とコントラストに優れた鮮明な液晶ディスプレイを搭載しています。
一方で、アナログスティックは非搭載で、定番のレトロゲーム向けのコントローラーが採用されています。そのため、左アナログスティックの操作は十字キーで疑似的に行うことは可能ですが、PSP やドリームキャストのプレイにはあまり適していません。
小型軽量の縦型モデルとして、競合製品と比較すると、カタログスペック上では Miyoo Mini や ANBERNIC RG35XX よりも優れています。今後のシステムアップデート次第では、さらなるポテンシャルを発揮し、人気モデルになる可能性があると評価します。
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