中華ゲーム機 No.1 の地位に君臨している RG350 を上回るスペックで注目されている期待の新星「RK2020」が登場しました。この中華ゲーム機の最大の注目ポイントは、ニンテンドー64、PSP、ドリームキャストも遊べるところです。
扱いづらく、初心者は買わないほうが良いゲームコンソール
はっきり言って、RK2020 は設定項目が多く、取り扱いが難しいので初心者向けではありません。性能はピカイチ、ユーザーインターフェースもわかりやすいのですが、マニア向けのゲームコンソールです。
つまづきやすいデータ送信、設定方法、操作方法などの使い方を、わかりやすく解説しながら実機レビューをしていきます。
性能はピカイチだけど、人を選ぶゲームコンソール
ODROID-GO Advance の性能・パフォーマンスを受け継ぎ、さらにはファームウェアまでも使えてしまう、そんな付加価値を高めた中華ゲーム機「RK2020」が本格的に始動しました。
エミュレータ性能のポテンシャルは RG350 を超え、スーパーファミコン、プレイステーションだけでなく、ニンテンドー64、PSP に加え、ドリームキャストまでもが遊べます。
ここ最近になって発売された中華ゲーム機の中でも取り扱いは面倒なので、誰でもカジュアルに遊べる万人受けするゲームコンソールではありません。この記事を読んで「できるかも!」と思った人だけに購入をおすすめします。
RK2020 の価格・販売店
中華ゲーム機 RK2020 は、海外通販サイト:AliExpress やアマゾンなどでの取り扱いが開始されています。プラスチック素材の通常モデルは 7,000円、金属筐体モデルが 11,000円といった感じです。性能に違いはないので好みで選択しましょう。
中華ゲーム機「RK2020」のスペック
ODROID-GO Advance をパワーアップさせた RK2020 のスペックを詳しく見ていきます。
中華ゲーム機で最も気になるポイントなので、しっかりとチェックしていきます。
付属品をチェック
RK2020 の付属品は、マニュアル、USB Type-Cケーブル、microSDカードリーダー、アナログパッドカバーです。マニュアルは英語表記で、各種ボタン類の説明のみで使い方などは記載されていません。
アナログパッドは、そのままの状態でも十分に使えますが、付属のアナログパッドカバーを取り付けた方が操作性は高まるので是非とも取り付けて遊んぶことをおすすめします。
多くの初心者は設定に悩んでしまうと考えられるので、簡単に使えるように設定・使い方については後ほど説明していきます。
中華ゲーム機「RK2020」をしっかりチェック!
それでは、RK2020 をしっかりチェックしていきます。
本体のサイズ感、大きさ・重さ、ディスプレイ、解像度、バッテリー持ち、データ転送方法、一般的な操作・使い方などの気になるポイントをチェックしていきます。
ODROID-GO Advance クローンな本体
中華ゲーム機 RK2020 は、韓国:Hardkernel社から発売された ODROID-GO Advance のクローンです。性能・スペックそのままに、プラスチック筐体の品質・付加価値を高めたゲームコンソールです。
本体上部には、USB、USB type-C、イヤホンジャック、電源ボタン。
下部には、microSDカードスロット、リセットボタンが配置されており、スピーカーは片側(右側)のみで、TV出力機能はありません。
ショートカットキーをおぼえよう
RK2020 には音量・明るさを調整するボタンやダイヤルはありません。
そのほかの操作についてもショートカットキー(ボタンの組み合わせ)で実行します。
一般的なショートカットキーを一覧にしてみました。参考にしてみてください。
- 音量の調整 : L2 + ↑ ↓ or SELECT + ↑ ↓
- 音量ミュート : L2 + R1
- 明るさ調整 : L2 + ← →
- ゲーム終了 : SELECT + START を2回押す
- ゲームメニュー : SELECT + X or R2 + L2
PSPエミュータでは SELECTボタンは強制終了ボタン、R2 がスタートボタン、STARTボタンが設定メニュー、音量調整は L2 + ↑ ↓ となります。
L/R ボタンはコントローラマッピング設定後のみ機能します。
初心者向けではない理由
最近の中華ゲーム機は、ファームウェア専用、ゲームイメージ保存用の2つの microSDカードスロットが標準的ですが、RK2020 には microSDカードスロットが一つしかありません。
データ転送によるシステム領域の破損、ファームウェアの不具合などが発生した場合には、ファームウェアの導入から ゲームイメージの転送までができるスキルが求められます。
また、OS に RetroArch を採用したことで、快適に遊ぶためにはエミュレータ・ゲームタイトルごとの細かな設定も必須です。それだけに、初心者向けのゲームコンソールではありません。
本体の充電は USB Type-C、USB はデータ転送用
本体の充電は USB-Type-C、USB は Wi-Fiドングル(無線LAN)を接続して使うデータ転送用 or 外部コントローラ接続用として用意されています。パソコンとケーブル接続するだけではデータ転送はできない点には注意が必要です。
おそらく多く人はここでつまづいてしまうと思うので、後ほど特別な知識がなくても、誰でも簡単にできるデータ転送方法を解説していきます。
ボタンの押しやすさ・操作性はどうなの
RK2020 のボタンの押し心地・操作性は一般的な中華ゲーム機クラスです。
アナログパッドの操作性を含め、特別に優れている点はありません。
ほかの中華ゲーム機で例えると LDK Gameシリーズのボタンの押し心地に近い感じです。
OS である RetroArch のユーザーインターフェースは直感的に操作ができて優れていますが、音量調整・明るさ調整ボタンなどはなく、多くの操作でショートカットキーが必要となる点は面倒です。
バッテリー持ちは優れている
RK2020 のバッテリー内蔵タイプですが、バッテリーの持続時間は長いです。
明るさ・音量(中)で実測した感じで、およそ3~5時間ほどの持続時間でした。
※エミュレータ・ゲームタイトルによって時間が異なります。
一般的な中華ゲーム機よりもバッテリー持続時間は長いです。
外出先でバッテリーがなくなったとしても、USB Type-C で充電ができるので安心です。
中華ゲーム機「RK2020」の大きさをチェック!
RK2020 の本体の大きさは 145 × 66 × 21 mm、重さは 147g です。
中華ゲーム機の中では小さくて軽いゲームコンソールです。
中華ゲーム機 No.1 人気の RG350 の大きさ 145 × 73 × 14 mm、重さ 160g と比べてみると、本体サイズは小さく・軽い感じです。
ほかの中華ゲーム機と比べてどうなのか
高級路線に特化した中華ゲーム機 RG350M と比べてみると、画面の見やすさ・鮮明さ、操作性、使いやすさという点では RK2020 は勝てません。
ODROID-GO Advance クローンというコンセプトに固執するあまり、誰でも手軽に遊べるゲームコンソールとして完成形まで落とし込まれていません。
対応するエミュレータ・ゲームタイトルのバリエーションは増えているものの、総合的な使いやすさが失われているように感じます。どちらかといえば細かな設定・チューニングがしたいマニア向けのゲームコンソールです。
データ転送はアプリを使えば簡単
RK2020 で一番ネックとなるのが、ゲームイメージのデータ転送です。
本体とパソコンをケーブル接続、microSDカードをパソコンに挿しても認識しません。
いろいろと方法はありますが、一番手軽で簡単なアプリを使った方法で進めていきます。
特別な専門的な知識がなくても、データ転送ができるのでおすすめです。
大まかな手順はこんな感じです。
- Linux File Systems for Windows をダウンロード
- インストールして実行
- RK2020 の microSDカードをパソコンに接続
- microSDカードの romsフォルダに ゲームイメージを保存
- ファイル転送が終わったら Unmount して終了
Linux File Systems for Windows を実行したら、PC の「デバイスとドライブ」から、通常のドライブのように microSDカードにアクセスできます。
次に大切な補足説明を解説していきます。
10日間の試用期間があるけど
Linux File Systems for Windows には 10日間の試用期間があります。
「試用期間を過ぎたら使えなくなるの?」と心配する人もいるかと思いますが、ファイルの転送速度が遅くなるだけでそのまま使えます。
試用期間の10日間のうちに、必要なゲームイメージを転送しておき、後は必要な差分ファイルだけを追加していけば困ることはありません。
microSDカードが壊れる・フォーマットできない
Linux File Systems for Windows では、Mount(上画像)されている状態であれば、通常のドライブのように microSDカードのファイル転送・削除などができます。
しかし、この状態のままでは microSDカードのフォーマットはできません。
必ず Unmount状態になっていることを確認してから実行してください。
Unmountボタンを押すと、上画像のようにメッセージが Mount に変化します。
そして、「 :( 残念ながら接続してません・・・」とメッセージが表示されます。
この状態になっていないと microSDカードのフォーマットは失敗します。
また、microSDカードを抜いてしまうとシステム破損するので注意してください。
初期設定を確認
公式ストア(RK CONSOLE)で購入した RK2020 には、商品説明で記載がなかったゲームイメージが多数収録されていることが確認できました。ゲームイメージは所有しているゲームタイトルから吸い出したものを使用してください。
OS が RetroArch ということで、特別に設定するような項目はありません。
エミュレータによっては、コントローラマッピングを設定しないと特定のボタンが機能しない点には注意が必要です。
電源を OFF にするときは、電源ボタンを押して切ってはいけません。
STARTボタン or SELECTボタンからメニュー画面を呼び出して、SHUTDOWN SYSTEM から終了してください。
ファームウェアの導入手順はおぼえておこう
中華ゲーム機を遊ぶのに必須となるのがファームウェアの導入方法です。
これを知らないと、システム破損をしてしまった場合には直すことができません。
ファームウェアの導入方法は、ほかの中華ゲーム機と変わりません。
GitHub から EmuELEC-OdroidGoAdvance.arm-X.X-odroidgo2_VXX.img.gz (Xは数字)をダウンロード・解凍して導入を進めてください。
トラブルを避けるためにも、現状(3.5)のまま使うことをおすすめします。
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システムを破損してしまった場合
ファームウェアの導入に失敗などをしてシステムを破損してしまった、どうやっても新しい microSDカードにシステムを構築できないという人は、RK2020 のシステム(ファームウェア)が導入された microSDカードを購入しましょう。
あまりおすすめできる方法ではありませんが、最終手段の問題解決として利用しましょう。
肝心のエミュレータ性能はピカイチ
中華ゲーム機 RK2020 のエミュレータ性能・パフォーマンスは圧倒的です。
ほかの中華ゲーム機ができることは当たり前、ニンテンドー64、PSP、ドリームキャストのゲームタイトルも快適に動作します。
ゲームタイトルよってはフレームレートが一時的に 25~30まで低下することが確認できたものの、ほとんどのゲームタイトルでは 60フレームで動作します。
コントローラマッピング設定は必須
ニンテンドー64、PSP、ドリームキャストのゲームタイトルを遊ぶにはコントローラマッピング設定は必須です。
例えば、PSPエミュレータではコントローラマッピング設定をしないと L/Rボタンが機能しません。PSPエミュレータ起動後に STARTボタンで設定画面を呼び出し、Settings → Controls → Control mapping で L/Rボタンの割り当てが必要です。
解像度がもう少し高ければ良かった
RK2020 の解像度は 320 × 480 です。RG350 の解像度 320 × 240 と比べると高く、RG350M の解像度 640 × 480 と比べると低いです。
RK2020 の解像度では、RPGゲームのようなテキストが小さなゲームタイトルでは、文字がつぶれて読めなくなります。ただし、テキストが大きかったり、テキストが関係ないゲームタイトルであれば問題にはなりません。
エミュレータ側の設定で解像度を変更すれば、改善はできるものの気休め程度にしかならないのが現状です。せめて RG350M クラスの解像度があれば高評価だっただけに残念です。
エミュレータ性能は高いけど、万人受けしない
中華ゲーム機 RK2020 は、エミュレータ性能・パフォーマンスは RG350 を圧倒するものの、操作性・使いやすさという点では “難あり” なゲームコンソールです。
最近では、設定も簡単でカジュアルに使える中華ゲーム機が増えてきただけに、エミュレータごとの設定・手順が複雑で硬派な RK2020 は万人受けはしないモデルだといえるでしょう。
ただ、ほかの中華ゲーム機では動作が難しい ニンテンドー64、PSP、ドリームキャストが思った以上にキビキビと動作する点は、中華ゲーム機の “新時代” が到来した感じがします。
RG350 を使うにも手こずった経験がある人には、RK2020 を使いこなすのは難しいように感じます。ファイル転送・ファームウェアの導入手順がスムーズにできる人・問題を自己解決できる人だけが購入することをおすすめします。
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