中華ゲーム機「Retroid Pocket Mini」は、人気の Retroid Pocketシリーズの最新・軽量モデルです。SoC に Qualcomm Snapdragon 865、3.7インチ有機ELディスプレイ(AMOLED)を搭載しています。基本スペックの高さと価格が魅力の Androidゲーム機です。
Retroid Pocket Mini の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックします。
Retroid Pocket Mini について
Retroid Pocket Mini に関する情報をまとめたページです。
プレセール開始日に公式ストアで購入した実機を使用しています。
提供品の有無にかかわらず、コンテンツの内容には一切影響していません。
価格・販売ストア
Retroid Pocket Mini は、公式ストアや海外通販サイトで販売されています。
カラーラインナップは、サターン、オレンジ、ブラック、SFC、16Bit の全5色。
人気商品の最新・軽量モデルということもあり、注目度は抜群です。
海外通販サイト AliExpress でもリリース以来、売れ行きを伸ばしています。
・Retroid Pocket Mini
販売価格:199ドル(送料別途)
製品仕様とスペック
Retroid Pocket Mini のスペックについて詳しく見ていきます。
製品名 | Retroid Pocket Mini |
画面 | 3.7インチ、有機EL(AMOLED) 解像度 1280 × 960、4:3 432PPI、マルチタッチ |
OS | Android 10 |
SoC | Qualcomm Snapdragon 865 |
RAM | 6GB LPDDR4X |
ストレージ | 128GB UFS 3.1 |
バッテリー | 4000mAh |
インターフェース | USB Type-Cポート |
ワイヤレス通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1 |
大きさ | 165 × 77 × 16.5mm |
重さ | 215g |
素材 | ABS樹脂素材 |
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
Retroid Pocket Mini のレビュー
Retroid Pocket Mini をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点や欠点についても徹底解説します。
付属品
1. ユーザーマニュアル(英語)
2. USB Type-Cケーブル
大きさ・重さ
大きさは 165 × 77 × 16.5mm、重さは 225g(実測値)です。
プラスチック筐体(ABS樹脂素材)を採用し、小型で軽量なモデルです。
表面にはオールガラスが採用されており、光沢のある高品質な印象です。
さらりとしたマットな質感も特徴で、成形精度や組み立て精度も高く仕上がっています。
カラーリング
カラーラインナップが豊富で、個性的な見た目が楽しめます。
本体カラーだけでなく、ボタンにもアクセントカラーが用意されています。
その名のとおり『サターン』は、セガサターン(白サターン)をイメージした上品なホワイト仕様となっています。カラーによっては皮脂や指紋が目立つかもしれません。
サイズ感
参考として、PS Vita(PCH-2000)や Nintendo Switch を並べてみました。
Retroid Pocket Mini の小さなサイズ感がよくわかります。
Retroid Pocket Mini の最薄部は 16.5mm ですが、グリップがある最厚部は約25mm ほどあります。ポケットにも収まるサイズ感で、ポータビリティに優れています。
また、Androidゲーム機の AYN Odin2 Mini と AYANEO Pocket MICRO も並べてみました。
AYN Odin2 Mini より小さく、AYANEO Pocket MICRO より縦幅があるサイズ感です。
任天堂の携帯型ゲーム機を基準に考えると、重さが 500g未満であることは、ストレスなく使える目安になりますが、この基準を Retroid Pocket Mini は満たしています。
インターフェース
インターフェースは、上部に電源ボタンと音量ボタン、下部に microSDカードスロット、イヤホンジャック、USB Type-Cポートが配置されています。
本体正面の左右にはデュアルフロントスピーカーが備わっており、ボリュームも十分、音質もクリアで高音質です。残念ながら、映像出力端子(miniHDMI)は非搭載です。
ワイヤレス通信機能として、Wi-Fi 6 および Bluetooth 5.1 を搭載しています。
また、バイブレーション機能やマイクもサポートしています。
アナログスティック周りには RGBライトエフェクトが搭載されています。
クイック設定パネルから LED のオン・オフ、輝度、RGBカラーの変更が可能です。
背面には内蔵ファンの吸気口があり、上部の排気口へ熱を放出します。
冷却能力に優れた静音タイプのアクティブ冷却ファンが搭載されており、長時間のゲームプレイでも快適に楽しめます。
騒音計で計測したところ、デバイスから 50cm離れた位置での騒音レベルは最小で測定不能、最大で 36dB です。風切り音は聞こえるものの、全体的には静かです。
画面
3.7インチの有機ELディスプレイ(AMOLED)を搭載しています。
アスペクト比は 4:3 で、解像度は 1280 × 960、画素密度は 432PPI です。マルチタッチスクリーンで、鮮明で色彩豊かな表示が可能です。
ネイティブがポートレート(縦長)な液晶であり、リフレッシュレートは 60Hz です。
液晶とガラスレンズの隙間がないフルラミネーションディスプレイを採用しています。
明るさと輝度(cd/m2)を測定したところ、最大722nit を記録しました。
タッチスクリーンの操作感度(シングルタッチ・マルチタッチ)の平均値は 63Hz、呼び出しレートは平均 123Hz です。また、タッチ操作の反応が鈍い画面位置などもありません。
くっきりとしたコントラストの高さと最大輝度が高いことが特徴です。
屋内のみならず日光下でも十分な視認性を発揮します。
Retroid Pocket Mini は画面サイズに対して解像度が高いため、アスペクト比 16:9 のゲームも表示可能です。ただし、画面比率がマッチした Retroid Pocket 5 の方がより適しています。
操作感
手にしっかりフィットし、操作感は良好です。
ABXYボタンサイズは 7.3mm、ストロークは 1.0mm で、メンブレン方式を採用しています。また、方向ボタンはドームスイッチを使用されています。
アナログスティックにはホール効果センサーが搭載されています。
経年劣化や摩耗によるドリフト現象(触れていないのに入力される不具合)が発生しにくい仕様です。
ABXYボタンはパチパチとした音がやや大きめで気になる一方、方向ボタンはしっかりと底打ち感がある押し心地です。さらに、L1 / L2ボタンはどの方向からも押せる設計で、L2 / R2ボタンにはアナログトリガーが採用されています。
左側には Selectボタン、方向ボタン、アナログスティック、ホームボタンが配置されています。右側には Startボタン、ABXYボタン、アナログスティック、Backボタンが配置されています。
また、アナログスティックは左右対称に配置されています。
対角線上の配置が好みでない方や、レトロゲームを遊ぶのに適したレイアウトになっています。
本体サイズに合わせたグリップ形状のため、握り心地や持ちやすさは良好です。どちらかといえばグリップを握るというより、包み込むように手に収まる感じがあります。
背面には滑り止め用のテクスチャー加工が施されていないため、手汗をかきやすい方には滑りやすく感じる可能性があります。滑りを防ぐために、グリップテープを貼るなどの対策が必要になるかもしれません。
アナログスティックのデッドゾーンもほとんど感じられず、可動域も広めです。
特に可動域に顕著に気になるところもなく、測定結果も良好です。
Androidゲーム機全般として、エミュレーターアプリの種類が豊富という利点はありますが、入力遅延を感じやすい傾向があるようです。ただし、繊細な操作・タイミングを必要としなければ特に気にする必要はないでしょう。
システム
システムは Android 10 を搭載しており、Google Playストアに対応しています。
プリインストールされているアプリは必要最小限で、エミュレーターアプリの導入や設定を自身で行う必要があります。
初期セットアップ時、設定画面で「日本語」に設定できます。また、ホームアプリは標準の『Androidデスクトップ』と独自UI の『ハンドヘルドデスクトップ』を選択可能できます。
画面上部から引き出せるパネル「クイック設定パネル」では、画面の明るさ調整や自動回転のロック、パフォーマンスや内蔵ファンモードの切り替え、ホバーアイコンのオン/オフなどの切り替えが可能です。
エミュレーターを使用する際、ナビゲーションボトムバーが邪魔になることがあります。
そのような場合は、「システム」→「ジェスチャー」→「ジェスチャーナビゲーションの設定」からナビゲーションヒントをオフにすると良いでしょう。
ホバーアイコンをオンにすると、ゲーム起動後に画面右側からスワイプ操作でメニューを表示できます。リマッピング機能である「ボタンアダプテーション」を設定すれば、タッチ操作を物理ボタンに割り当てられます。
いくつかのバグは OTAアップデートで修正される予定です。
基本的なスマホ操作(Android)を知っていれば、特に問題なく操作できるでしょう。
エミュレーター性能
エミュレーター性能は、Retroid Pocket 5 と同等です。
Qualcomm Snapdragon 865 を搭載しており Androidゲーム機としては高性能です。実測したところ Antutuベンチマークスコアは 67万点台を記録しました。
動作するエミュレーターは、一般的なレトロゲームに加え、動作が厳しいとされる PSP、セガサターン、ゲームキューブ、Wii、3DS、PS2、PS Vita についても動作するため、幅広いゲームを遊ぶことができます。
競合製品である Qualcomm Snapdragon 8 Gen 2 搭載の AYANEO Pocket S や AYN Odin2シリーズには性能面では劣るものの、従来モデル(Retroid Pocket 4 Pro)と比較すると動作は軽快で、一部のエミュレーター(Wii U など)や特定のゲームタイトルを除き、期待値どおりのパフォーマンスを発揮します。
エミュレーター性能は、スペックシート上では MediaTek Dimensity 1100 を搭載した Retroid Pocket 4 Pro よりも若干高く評価されています。ただし、それ以上に Snapdragon を採用したことにより、各エミュレーターアプリへの対応が広がり、汎用性が向上している点も特徴です。
現在、有志によるゲームタイトルの動作確認やエミュレーターの設定方法について情報更新が進行中です。情報が公開され次第、お知らせします。
ゲームアプリ
デバイス負荷が高めのゲームアプリ『原神』や『鳴潮』、『ゼンレスゾーンゼロ』は、グラフィック設定を「中~高」でスムーズに動作します。
ボタンアダプテーションを使用する場合は、標準設定のままではアナログスティック動作がもたついたり引っ掛かりがあると感じる場合があります。必要に応じてアナログスティックのビューモードで X軸・Y軸の感性を調整すると良いでしょう。
さらに、Steam Link や Xbox Game Pass を活用してリモートプレイやクラウドゲーム(PCゲーム)も楽しめますが、快適なプレイには通信環境や回線速度が十分であることが前提です。
解像度は高いものの、画面サイズが 3.7インチと小さいため、文字などの視認性はやや劣ります。そのため、大画面で視認性が良く、画面比率がマッチしている Retroid Pocket 5 の方が、特にクラウドゲームなどにはより適した選択といえるでしょう。
まとめ
Retroid Pocket Mini は、人気の Retroid Pocketシリーズの最新・軽量モデルです。
基本スペックと価格が大きな魅力で、サイズ・性能・デザインのすべてでバランスのとれたパフォーマンスを提供しています。
手のひらサイズの小型でありながら、重量も 200g台と軽量で持ち運びにも優れています。
性能面でも従来モデルを上回る Snapdragon 865チップセットを搭載し、くっきりとしたコントラストと高い最大輝度を誇る 3.7インチ有機ELディスプレイ(AMOLED)を採用しているのもポイントです。
一方で、AYANEO Pocket S や AYN Odin2シリーズと比較すると、エミュレーター性能や付加価値(システムや指紋認証機能など)において、価格とのバランスを検討する必要があります。また、解像度は高いものの、アスペクト比は 4:3 であるため、利用シーンに応じて Retroid Pocket 5 を選択肢に含めるのが良いでしょう。
ABXYボタンの押し音は大きめで気になる点はありますが、豊富なカラーラインナップで個性的なデザインを楽しめるのも魅力的です。基本スペックと価格のバランスが良く、多様なエミュレーターで活躍できるモデルと評価されます。
関連ページリンク
Androidゲーム機「AYANEO Pocket S」は、システムに Android 13、SoC に Snapdragon G3x Gen2プロセッサ、画面サイズは 6インチを搭載した次世代のフラッグシップモデルです。超薄型デ[…]
Androidゲーム機「AYN Odin2 Mini」は、Odinシリーズ最軽量のコンパクトモデルで、SoC に Snapdragon 8 Gen 2プロセッサ、画面に 5インチの Mini LED を採用しており、主要スペックと[…]
中華ゲーム機「ANBERNIC RG406V」は、従来モデルである RG405V の後継機です。サイズはやや大きめですが、SoC に UNISOC Tiger T820、システムには Android 13 を搭載し、持ちやすいグリ[…]
中華ゲーム機「ZPG A1 Unicorn」は、正方形ディスプレイを採用した Androidゲーム機です。SoC に MediaTek Helio G99、システムには Android 13 を搭載。スペックに対して、価格がリーズ[…]
中華ゲーム機「Retroid Pocket 4 Pro」は、人気の Retroid Pocketシリーズの最新モデルで、SoC に MediaTek Dimensity 1100 を搭載し、システムに Android 13 を採用[…]