Androidゲーム機「Powkiddy X18S」は、ツボを押さえた仕様が魅力です。
Android 11、Unisoc Tiger T618、5.5インチ液晶ディスプレイ、解像度 1280 × 720 を搭載。ゲーミングで重要となる主要スペック・機能は採用、削れるところはコストカットした中華ゲーム機です。
Powkiddy X18S の価格、スペック、特徴・機能、エミュレーター性能、初期設定・使い方をご紹介します。評価すべき点、欠点についても詳しくチェックします。
「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」を利用したうえで公開しています。
Powkiddy X18S の価格・販売ストア
Powkiddy X18S は、国内外の通販ストアで広く販売しています。
販売価格はざっくり調べると 19,000円~23,999円といった感じです。
カラーバリエーションは、ホワイトのみです。
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Powkiddy X18S のスペック
Powkiddy X18S のスペックを詳しく見ていきます。
- システム:Android 11
- ディスプレイ:5.5インチ、IPS タッチスクリーン
- 解像度:1280 × 720
- SoC:Unisoc Tiger T618 オクタコア
- GPU:Mali G52
- RAM:4GB LPDDR4x
- ストレージ容量:64GB eMMC
- 大きさ:92 × 152 × 22.5mm
- 重さ:307g
- バッテリー容量:5000mAh
- ワイヤレス通信:Wi-Fi(2.4G/5G)、Bluetooth 5.0
- インターフェイス:USB Type-C、miniHDMI、イヤホンジャック、
マイク、microSDカードスロット(最大512GB) - 素材:プラスチック筐体
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが保証はできかねます。
Powkiddy X18S レビュー
海外通販サイト Banggood様より提供があった Powkiddy X18S をしっかりレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、エミュレーター性能、初期設定・使い方にいたるまでを徹底解説します。
付属品
マニュアル(中国語、英語)、USB Type-Cケーブルが付属します。
ACアダプターは付属していないので別途用意が必要です。
大きさ・重さ
本体の大きさは 92 × 152 × 22.5mm、重さは 307g です。(実測値)
筐体素材は ABS樹脂素材(プラスチック)、本体カラーはホワイトというよりグレージュ(グレー+ベージュ)です。
サイズ感は Nintendo 3DS より大きく、GPD WIN2 より小さなサイズです。
Nintendo 3DS LL と変わらないサイズ感と考えてもらえれば良いでしょう。
製品名 | 画面サイズ | 大きさ | 重さ |
GPD WIN2 | 6.2インチ | 99 × 162 × 25mm | 460g |
Powkiddy X18S | 5.5インチ | 92 × 152 × 23.5mm | 307g |
Nintendo 3DS | 3.53 / 3.02インチ | 74 × 134 × 21mm | 275g |
本体の最大開度は 150度くらいです。
全体的なビルドクオリティは低く、コストカットされている印象です。
良くいえば中華ゲーム機らしく、悪くいえばチープです。
インターフェース
Powkiddy X18S のインターフェースは、上部に microSDカードスロット、miniHDMI、USB Type-Cポート。下部にイヤホンジャック、左右にステレオスピーカーを用意。
ワイヤレス通信機能(Wi-Fi(2.4G/5G)、Bluetooth 5.0)、マイク、バイブレーション機能、ジャイロセンサーを搭載。本体コントローラー上部に、音量ボタン、リマッピングボタン、電源ボタン、ナビゲーションボタンを用意。
画面
Powkiddy X18S の液晶ディスプレイは鮮明ですが微妙です。
5.5インチ液晶ディスプレイ(16:9)、解像度 1280 × 720、画素密度 267PPIです。
タッチスクリーン操作・感度は良好、液晶ディスプレイとガラスレンズの隙間がないフルラミネーションディスプレイを採用している点は評価します。ただし、画面の明るさ(輝度)が暗めで、明るさを最大にしても一般的なゲームデバイスのような変化を見込めません。
LEDイルミネーション
本体液晶ディスプレイ側のカバーに、LEDイルミネーションを搭載。
LEDは単色発光の ON/OFF、呼吸灯3モード、常時点灯 or 折りたたみ時に点灯といった機能を用意しています。
明るさも控えめな LEDイルミネーションなので、普段使いにも良いでしょう。
設定画面から簡単に ON/OFF、点灯モード変更できるのはポイントです。
操作性・持ちやすさ
Powkiddy X18S の操作性・持ちやすさは賛否両論です。
ABXYボタンサイズは 7.8mm、ストロークは 1.1mm、十字キーも誘導性ゴム、L1/R1ボタンと L2/R2ボタンはタクトスイッチ、その他のボタンはドームスイッチを採用しています。
アナログスティックに押し込みボタンはなし、ABXYボタンは塗装色です。
操作性は好みが分かれるところですが、個人的に操作性・押し心地は他社製品と比較して悪いと評価します。
システム
Android 11 を搭載しており、HOMEアプリは一般的な Androidベースの Quickstep、独自の GameLauncher の2つを用意。公式サイトで配布しているファームウェアをアップデートすることで Google Play ストアにも対応しています。
標準では GameLauncher が採用されていて、設定項目(Setting)でワイヤレス通信、コントローラー(PS3/XBOXモード)、LEDイルミネーション、明るさ、壁紙、言語設定、詳細設定などに簡単にアクセスできる仕組みです。
従来モデル(Powkiddy X18)同様に、ゲームイメージをダウンロードできる総合エミュレーター Happy Chick(ワンダドロイド)がプリインストールされているのは減点ポイントです。また、オンラインバージョンアップ(OTA)に対応していながらも、機能していないように見受けられます。
エミュレーター性能
Powkiddy X18S のエミュレーター性能は優れています。
主要スペックは Android 11、Unisoc Tiger T618、RAM 4GB LPDDR4x という構成で、安価な中華タブレットに広く採用されている構成です。GPD XP には劣るものの、Retroid Pocket 2+ や RG552 よりも優れたスペックです。
AnTuTuベンチマークスコアだけで単純比較すると、従来モデルより5倍スコアが向上しています。ただし、スペック・エミュレータアプリの設定ありきの性能です。
一般的なレトロゲームからプレイステーション、NINTENDO64、PSP、ドリームキャスト、セガサターンなどはそこそこ快適に動作(~60FPS)しますが、ゲームキューブ、Wii、3DS、PS2 については一部ゲームタイトルが動作(~30FPS)します。
セガサターンや PS2 では BIOS・設定ありきの動作、ゲームキューブについては Dolphone MMJR が必須で、ゲームプレイできるレベルで動作するゲームタイトルは限られます。
重めのスマホゲームアプリ『原神』も、画質:最低~低であればプレイ可能です。
汎用性の高いリマッピング機能もあるので、ライト・ミドルで遊べるようなスマホゲームアプリ、エミュレーター、通信環境・回線速度ありきで Steam Link などのクラウドゲーミングを遊べます。
初期設定・使い方
Powkiddy X18S の初期設定・使い方を解説します。
最低限の知識として Googleストアで提供されているエミュレータアプリの使い方・基本を覚える努力が必要です。
ファームウェアの更新方法
初期状態で Google Play ストアが導入されていないのであればアップデートが必要です。
現時点では、オンラインバージョンアップ(OTA)未対応である点には注意してください。
下記の手順を参考に進めてください。
- Powkiddy公式サイト(アップデートリンク)を開く
- update.zip を右クリックして「ダウンロード」を選択
- 解凍せず microSDカード直下に保存
- 本体に microSDカードを挿す
- Setting → Advanced →「タブレット情報」を開く
- 「Local software update」を選択
- メッセージが表示はすべて「OK」を選択
- 3分~10分待って完了
リマッピングの方法
リマッピング機能を使うことで、画面タッチ操作をコントローラーに割り当てます。
下記の手順を参考に進めてください。
- 「Gボタン」を押す(電源ボタンの横です)
- 画面にボタンが表示されます
- 好きな場所にボタンを移動
- 「SAVE/HIDE」を押して完了
ゲームランチャー
レトロゲームのエミュレーターを中心に遊ぶのであれば、個人的にはフロントエンド「Pegasus Frontend」の導入をおすすめします。詳しい導入手順については、こちらの記事を参考に進めてください。
Pegasus Frontend は、あらゆる種類のエミュレーターを起動するためのグラフィカルフロントエンド・ユーザーインターフェイス(UI)です。ゲームタイトル閲覧などのカスタマイズ性と、ハイパフォーマンスに重点を置いて制作が進[…]
まとめ
Powkiddy X18S は、従来モデルのスペックを刷新したアップデートモデルです。
Android 11搭載、Unisoc Tiger T618 に刷新しており、エミュレーター性能は大幅に向上しています。
総合評価としては「買い」と評価します。
評価すべきは価格に対してスペックが高いことで、PS2エミュレーターまで動作可能です。一方では全体的なビルドクオリティが低く、削れるところはコストカットされている印象を持ちます。
全体的にチープな作りで、デザインや操作性に賛否両論がありますが、Nintendo 3DS LL サイズのクラムシェル型を採用しているのは魅力です。
デメリットに目をつぶれば、主要スペック・機能にフォーカスして遊べるエミュレーターやゲームアプリが多いゲームデバイスと評価できます。
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