中華イヤホンブランド NICEHCK が絶対の自信を持つフラッグシップモデル「NICEHCK Lofty」を発売しました。ピュアベリリウム振動板を採用したサウンドは “絶対王者” という、ちょっと過大な触れ込みで注目を集めています。
一般的に高級イヤホンに採用されているピュアベリリウム振動板が安価で楽しめるということもあり、初回入荷分は即完売、本格志向なサウンドを楽しみたい人向けのイヤホンです。
NICEHCK6周年の集大成であるフラッグシップモデル、高級イヤホンにも引けを取らないパフォーマンスを絶賛する NICEHCK Lofty をレビューしていきます。
フラッグシップモデル「NICEHCK Lofty」
中華イヤホンブランドを代表する NICEHCK が、10.1mm ピュアベリリウムダイアフラム採用のダイナミックドライバーイヤホン「NICEHCK Lofty」をリリースしました。
販売価格はおよそ3万円(27,000~29,999円)です。
軽量な金属素材であるベリリウムは、ほかの金属にみられない高剛性・高速な音の伝播から音響機器の振動板として広く採用されており、歪みの少ない優れた音響性能で有名です。数十万クラスの高級イヤホンに採用されることが多い素材の1つとして知られています。
NICEHCK Lofty の比較対象は、SIMPHONIO VR1、HIFIMAN RE2000、FAudio Major、DITA Dream、beyerdynamic XELENTO、FiiO fd5 が挙げられており、NICEHCK の絶対的な自信を持つイヤホンといえるでしょう。
NICEHCK Lofty をしっかりチェックしていく
中華イヤホンブランド NICEHCK が絶対の自信を持つ「NICEHCK Lofty」をレビューしていきます。香港Hi-Fiサークル品評会でも高評価を受けた NICEHCK Lofty の付属品、ハウジング、音質・解像度などをチェックしていきます。
NICEHCK Lofty の付属品
付属品は、マニュアル、合格証、連絡カード、6N単結晶銅(純度99.9999%)ケーブル、本革コードクリップ、イヤホンケース、2種類のイヤーピース(S、M、L)が付属します。
船跡波が美しいフェイスプレート
NICEHCK Lofty のカラーバリエーションは、ローズゴールド、グレーの2色です。
私が購入したのはグレーで、色味としてはシルバーといった感じです。
アルミニウム合金製ハウジングの重さは片側8g、NICEHCK Lofty のフェイスプレートは特別設計された船跡波が描かれています。手触り・フィット感は良好、立体感のある凹凸と陰影のみで美しさを実現しているのが特徴です。コレクションとしての所有欲を満たします。
ライト~ミドルユーザー向けの安価なイヤホンと比べると、フラッグシップモデルだけあって作りこみ・ビルドクオリティが高いイヤホンです。
NICEHCK Lofty の音域・解像度
最も気になる NICEHCK Lofty の音域・解像度をチェックしていきます。
箱出しすぐの音声に加え、エージングを 100時間以上してからの感想です。
あくまでも付属イヤホンケーブル、イヤーピースセットでの評価です。
100時間以上のエージングを推奨
箱出しすぐの音声は弱ドンシャリ気味なもっさりとした面白みがないサウンドです。
『100時間以上のエージングを推奨』していることから、時間をかけてゆっくり待つことに。
こういう変化を楽しむ時間もイヤホンの醍醐味ですが、本音としては初回出荷分から調整済みのものを販売して欲しかったところ。ただし、NICEHCK Lofty の奥深さを楽しめると考えれば一興です。
NICEHCK Lofty には、標準で 6N単結晶銅(純度99.9999%)が採用されています。
どちらかといえば低音重視のイヤホンケーブルなので、高音を重視するのであれば純銀ケーブルがおすすめです。イヤーピースとあわせて好みの組み合わせを見つけてください。
時間をかけてポテンシャルを引き出すイヤホン
100時間以上のエージングをこなした NICEHCK Lofty の音域・解像度は、ウワサされていたピュアベリリウム振動板の特徴とは少し異なる感じに仕上がりました。美音系のサウンドではなく、どちらかといえば中低音にメインの暖かみがあるウォーム系イヤホンです。
高音域については、比較対象とされるピュアベリリウム振動板を採用した KBER Believe のような煌びやかさ・明瞭さは感じられません。刺さりは一切なく・クセもなく綺麗、レスポンスが良く聴きやすい。やや辛口に評価すると、もう少し個性・存在感が欲しいところ。
中音域については、しっかり綺麗に出ていて低音域とのバランスが取れています。
普段使いとしてフラット系のイヤホンを愛用しているせいか、どことなく味付けされた残響音が感じられますが自然に聴くことができます。中音域を中心にデザインされただけあって、特に男性ボーカル曲との相性は良好です。
低音域については、エージングすることでもっさりした感じはなくなり、ずっしりとした音場広め・厚めの低音をはっきりと感じられます。派手さ・変化といった味付けはないものの、しっかり低音のビートキック、バスドラム、ベースにパンチがあるところに好感が持てました。
数十万円台の高級イヤホンに挑戦した NICEHCK の意気込みを感じられるフラッグシップモデル NICEHCK Lofty は、時間をかけてゆっくりとポテンシャルを引き出し育てていくイヤホンに感じられます。
個人的には先入観・期待値高めで購入したイヤホンのため、箱出しすぐのもっさりとした音質が衝撃的でしたが、エージング後の総合評価は高いイヤホンだと評価します。派手さ・個性は主張していないものの、得意不得意もなく、どんなジャンルの曲でも平均点以上に楽しめるフラッグシップモデルです。
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