比較的リリース頻度が高い、低価格帯のエントリーモデルの中華イヤホン
その一角を担う Kinboofi 自社ブランドの新製品として「KBEAR LARK」が登場しました。
ライトユーザー向けのエントリーモデルに “期待は禁物” と思われがちですが、リリースされたばかりの KBEAR LARK は、フラット音質が好きな人にも受け入れやすい音質に仕上げられています。
ほとんどの商品名が型番であることが多い中華イヤホンの中で、野鳥のひばり(雲雀)という名を冠した KBEAR LARK をご紹介していきます。
ドンシャリなのに聴きやすい「KBEAR LARK」
中華イヤホンメーカーのオリジナルブランド Kinboofi(キンボファイ)は、コストパフォーマンスが高いイヤホン・ケーブルを発表していることで知られています。
Kinboofi 自社開発イヤホン「KBEAR LARK」は、その中でも割安な商品で、ダイナミック型ドライバー、 バランスドアーマチュアユニットを1基ずつ搭載したカナル型イヤホンです。
“高級なイヤホンは買えないけれど、安価で良い音質・解像度のイヤホンを楽しみたい”
を方針に、ご提供いただいた KBEAR LARK を読者目線でレビューしていきます。
KBEAR LARK をチェック
多くのイヤホンメーカーが参入するエントリーモデルは激戦地帯です。
差別化を図るために個性的なカラーバリエーションを採用したハウジングが多いのが特徴です。
KBEAR LARK はクリアなプラスチック素材に、金属製フェイスプレート(亜鉛合金)を組み合わせ、万人受けするハウジング形状に設計されています。カラーバリエーションは、パープル、ブラック、グリーンの全3色です。
ハウジングの重さは片側7g と少し重ため、側面に L/R の表記がプリント印字されています。
小さな空気穴がハウジング内側に2カ所ありますが、音漏れの心配はありません。
付属品は “標準レベル ” のセット
付属品は、2Pin(TFZタイプ)コネクタケーブル、マニュアル、イヤーピース(S / M / L)2セット、収納ポーチが付属します。個人的にはポーチをなしにして、ワンランク上のケーブルを付属して欲しかったところ。
この価格帯(3,000円~5,000円)の付属品は、あくまでも「おまけ」としての傾向が強く、どのメーカーも充実させたくても予算的にできないのが現実です。
ラグジュアリーなデザイン、良好な装着感
大手イヤホンメーカーの OEM製品の開発、自社ブランド製品といった幅広いニーズに合わせた多くのプロダクトを生み出してきた経験があるだけに KBEAR LARK の装着感は良好です。
付属のイヤホンケーブルは 2Pin(TFZタイプ)で、シュア掛けしやすいようにケーブルにクセが付けられています。価格を考えれば当たり前のことかもしれませんが、お世辞にも取り回しが良いケーブルとはいえません。あくまでも試聴用と割り切って使うのが良いでしょう。
KBEAR LARK の音質・解像度
最も気になる KBEAR LARK の音質・解像度をチェックしていきます。
箱出しすぐの音質・音域ではなく、エージングを 40時間以上してからの感想です。
定番のドンシャリ系イヤホンだけどフラット寄り
KBEAR LARK には、ダイナミック型ドライバー、バランスドアーマチュアユニットを1基ずつ搭載しています。エントリーモデルのカナル型イヤホンの定番パターンです。
この価格帯の中華イヤホンのほとんどが、低音・高音が強調された定番のドンシャリ系イヤホンが主流です。その中でもKBEAR LARK は フラット寄りでバランスが良い音質なので、ドンシャリ系が苦手という人でも受け入れやすいイヤホンです。
音の傾向としては低音・高音だけでなく中高音域の女性ボーカルまでバランスよくカバーされていて、聞き分けできるレベルに解像度も高いです。エージングすることで籠りがスッと無くなり、全体的にクリアで明瞭感あるフラット寄りのサウンドを引き出すことができます。
コストは余計にかかりますが、KBEAR LARK の十分なポテンシャルを最大限に引き出すためにもリケーブルは必須です。イヤホンケーブルは 2Pinタイプでも接続できますが、これから購入するのであれば TFZタイプを推奨します。
同価格帯のイヤホンと比べて総合評価は高い
総合評価としては性能・コスパに優れたエントリーモデルです。
低音・高音域が強調されて同じように聴こえてしまうドンシャリ系イヤホンではなく、音質に派手さ・変化は残しつつ、フラット寄りのバランスが取れた音質・解像度にチューニングされています。
カラーバリエーションは全3色で、クリアなプラスチック素材に、金属製フェイスプレート(亜鉛合金)を組み合わせたラグジュアリーなデザイン性の高さをみても、同価格帯のイヤホンと比べて総合評価は高いです。使いやすくコスパに優れているので、おそらく KBEARシリーズの人気モデルになるでしょう。
ただし、基本的にはドンシャリ系のイヤホンに、フラット寄りな味付けがされたような音質なので、万能型ではなくモニターサウンドとしての再現性は期待できません。どちらかといえば、じっくりと曲に向き合うというよりも、いつも聴いている曲の雰囲気を変えて楽しむのに最適なイヤホンです。
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