中華ゲーム機「GKD Plus Classic」は、ゲームボーイ風の縦型デザインに洗練された金属筐体を備え、SoC に RockChip RK3566 を採用した Linuxベースの中華ゲーム機です。
GKD Plus Classic の価格、スペック、特徴、操作性、エミュレーター性能についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックしていきます。
GKD Plus Classic の価格・販売ストア
GKD Plus Classic は、公式ストアで販売されています。
カラーバリエーションは、全2色(スカイブルー、スペースグレー)です。
・GKD Plus Classic(スカイブルー)
販売価格:179ドル(送料別途)
・GKD Plus Classic(スペースグレー)
販売価格:197ドル(送料別途)
カラーによって価格は異なりますが、スペックに違いはありません。
スペースグレーの価格表示を間違えている可能性が高いです。
GKD Plus Classic のスペック
GKD Plus Classic のスペックを詳しく見ていきます。
- システム:Linuxbベース(Lovely Child、Emulation Station)
- ディスプレイ:3.5インチ、4:3
- 解像度:640 × 480、画素密度 229ppi
- SoC:RockChip RK3566 1.8GHz
- GPU:Mail G52 2EE 850MHz
- RAM:1GB LPDDR4
- ストレージ:microSDカード(32GB)
- バッテリー容量:3000mAh
- ワイヤレス通信:Wi-Fi、Bluetooth
- インターフェース:USB Type-C、イヤホンジャック、
microSDカードスロット × 2 - その他:ステレオスピーカー、バイブレーション
- 大きさ:未公開
- 重さ:未公開
- 素材:金属筐体(アルミニウム合金)
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
GKD Plus Classic のレビュー
中華ゲーム機 GKD Plus Classic をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点、欠点についても徹底解説します。
付属品
1. 専用ハード収納ケース
2. マニュアル(中国語・英語)
3. スクリーンプロテクター、液晶クリーナー
4. 保証書
5. USB Type-Cケーブル
大きさ・重さ
本体の大きさは 143 × 86.7 × 16.5~25.6mm で、重さは297g(実測値)です。
金属製(アルミニウム合金)の筐体で『重たい』です。
デザイン性に優れた金属筐体で、完成度が非常に高いです。
初代ゲームボーイに単三電池4本を含めた重量よりも軽量ですが、同サイズの中華ゲーム機と比較しても 100g以上の重量感があります。
同じような形状の製品と比較してみました。
以下は公式発表されているスペックでの比較です。(GKD Plus Classic を除く)
製品名 | 画面 | 大きさ | 重さ |
Analogue Pocket | 3.5インチ | 149.5 × 88.5 × 22mm | 276g |
GKD Plus Classic | 3.5インチ | 143 × 86.7 × 25.6mm | 297g |
初代ゲームボーイ | 2.45インチ | 148 × 90 × 32mm | 220g(電池含まず) |
ANBERNIC RG353V | 3.5インチ | 126 × 83 × 21mm | 180g |
総合的なビルドクオリティは『高い』と評価します。
金属筐体ならではの高級感ある質感、角がなく丸みがある洗練されたデザインが特徴です。
これまでに登場した縦型モデルと比較しても、筐体品質はトップレベルです。
インターフェース
インターフェースは、上部に microSDカードスロット × 2(内1つは Linuxベースのシステム起動用)、電源ボタンを備え、下部にストラップホール、USB Type-Cポート、イヤホンジャックがあります。
左側には L3 / R3ボタン、右側には音量ボタンを用意しています。
バイブレーション機能に加え、ステレオスピーカーを搭載しています。
スピーカーの設置位置は背面下部で、スピーカーの音割れが気になります。
インジケーターランプは表面の上部とコントローラー中央にあります。それぞれバッテリー残量と給電・充電の状態を確認できます。
ワイヤレス通信機能は Wi-Fi、Bluetooth をサポートしています。
ただし、システムの機能が一部省略されており、ワイヤレス通信機能は完全には使えません。
上部にスリットが用意されているのは、金属筐体の影響による電波感度の劣化を防ぐためです。
バッテリーカバーを外すことで、内蔵バッテリーにアクセスできます。
クリアランスに余裕があるため、より大容量なバッテリーと交換できそうです。
画面
3.5インチ液晶ディスプレイ(4:3)で、解像度は 640 × 480、画素密度は 229PPI です。
画面上部にインジケーターランプを用意しているため、ベゼル幅が大きく、画面占有率は低めです。
最大輝度やコントラストは不足もなく、十分といった印象です。
液晶ディスプレイとガラスレンズの隙間がほぼないフルラミネーションディスプレイを採用しているため、反射面が少なく、高コントラストでクリアな映像を実現しています。
操作性
操作性・押し心地、持ちやすさは良好と評価します。
ABXYボタンサイズは 8mm、ストロークは 1.6mm。ANBERNIC 353V と同等で押し心地は柔らかめです。ボタンを押す角度の引っ掛かりはありませんが、ボタン側面が摩耗によってすり減っているのが確認されました。
ゲームボーイカラーをやや大きくした形状で持ちやすく、高品質アナログスティック(Hall joystick)は操作性に優れています。両手で持っている場合には、ストレスなくゲームプレイができます。
L1 / R1ボタン、L2 / R2ボタンは、適切な高さと角度で設置されています。
指にフィットする形状で、押し間違いをすることなく、操作性も良好です。
また、横持ちでも遊べるように、アナログスティックの押し込みボタン(L3 / R3ボタン)のほかに、左側面にも L3 / R3ボタンがあります。ただし、横持ちで遊ぶことはないため、ニンテンドーDSエミュレーターの画面切り替え以外にはほとんど使い道はありません。
以前に発売されたアナログスティックが分離構造の GKD Mini Plus と比較すると、本体形状やアナログスティックが改善され、L / Rボタン周りも一新されて使いやすくなりました。
システム
Linuxベースのシステムを採用した、デュアルブートシステムを採用しています。
標準では Emulation Station が優先起動しますが、お好みに応じて切り替え可能です。
中華ゲーム機に慣れている人は、Emulation Station が使いやすく感じるかもしれません。
先に発売された GKD Mini Plus と異なり、いくつかシステムが改善されています。
- 電源ボタンを押すと『Emulation Station』が起動
- 電源ボタンを押して Aボタンを押すと『Lovely Child』が起動
ただし、ワイヤレス通信機能は接続できますが、システム上の機能をほとんど有していません。
また、電源ボタンを押すことでスリープモードに入り、もう一度押すことでスリープモードを解除できますが、一定時間後のスリープ解除時にフリーズすることが確認できました。
エミュレーター性能
エミュレーター性能は、RG353シリーズと同等です。
主要スペックに RockChip RK3566 を採用したモデルで、特筆すべき点はありません。
動作するエミュレーターは一般的なレトロゲームをはじめ、スーパーファミコン、プレイステーション、ニンテンドーDS までが快適に動作し、NINTENDO64、PSP、ドリームキャストはそれなりに動作します。また、セガサターンやゲームキューブも動作するスペックを搭載しています。
PSPエミュレーターも動作しますが、解像度やアスペクト比が適していません。また、ドリームキャストはほぼ快適に動作しますが、セガサターンの動作は厳しいです。一部のエミュレーターにはシェーダーやオーバーレイ表示(ベゼルデザイン)が適切に設定されている点が評価ポイントです。
先に発売され不人気だった GKD Mini Plus と比較すると、エミュレーター動作時の不具合(セーブやロードができない、特定のエミュレーターが短時間で落ちるなど)は改善されているので、動作環境を満たしているエミュレーターを遊ぶのに適しています。
使い方・初期設定
システムメニューの日本語化
Emulation Station の「日本語化」です。
下記の手順を参考に進めてください。
- 電源オン
- STARTボタンを押してシステムメニューを表示
- 「UI SETTING」を選択
- LANGUAGE を「JAPANESE」に変更
- 「BACK」を選択
- メッセージが表示されるので「YES」
- 完了
データ転送
Emulation Station 使用時のデータ転送方法です。
下記の手順を参考に進めてください。
- Emulation Station を起動
- 本体とパソコンを USB接続
- microSDカード(システム、データ)が表示
- データ転送
- 完了
基本操作
各メニューのホットキーリスト、ファンクションキーの一覧です。
すべてのエミュレーター、表示画面で動作するものではありません。
Emulation Stationメニュー
- F1:メニュー表示
- F2+音量ボタン:輝度調整
- F1+F2:ゲーム終了
- F2+Select:ゲームリセット
- F2+上下:ボリューム調整
- F2+左右:シェーダー変更
- F2+R1:FPS表示
- F2+L3:ステートセーブ
- F2+R2:ステートロード
- F2+A:ポーズ
- F2+B:スクリーンショット
- F2+R3:倍速
Lovely Childメニュー
- F1:メニュー表示
- F2+音量ボタン:輝度調整
- F1+F2:ゲーム終了
- F2+Select:ゲームリセット
- F2+上:アスペクト比
- F2+下:画面の回転
- F2+左:フィルター変更
- F2+右:スケーリング変更
- F2+R3:倍速
- F2+L3:ステートセーブ
- F2+R2:ステートロード
- Select+D-PAD:画面余白を削除
まとめ
GKD Plus Classic は、縦型の中華ゲーム機で、ゲームボーイ風のデザインが特徴です。
ANBERNIC RG353シリーズと同等のスペックを持ち、洗練された金属筐体が採用されています。
総合評価としては「玄人向け・推奨しない」と評価します。
RockChip RK3566 を採用したモデルで、エミュレーターの性能は期待どおりで目新しい点はありません。ただし、縦型モデルとしてはトップレベルの筐体品質を誇り、持ちやすさや操作性においては高く評価できます。
先に発売され不人気だった分離構造の GKD Mini Plus の名残りが残っており、マニュアルやファンクションキーは使いまわしがされています。システムについても改善がみられるものの、前作ユーザーからのフィードバックに基づいた改善点が反映しきれていません。
クラウドファンディング開始当初は 2023年1月に出荷予定とされていましたが、実際には4月中旬以降にずれ込みました。また、同等以上のスペックを持つ中華ゲーム機が現在では登場しているため、金属筐体の縦型モデルという特徴以外では、選択肢としては微妙なポジションにあると評価します。
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販売価格:179~197ドル(送料別途)
・GKD Plus Classic|公式ストア
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