1990年にセガ・エンタープライゼスから発売された携帯型ゲーム機『ゲームギア』は、ここ最近になってリペア・カスタムパーツが販売されるなど活況を見せています。
その中で、ゲームギアを PC-98風に大変身させた人物が現れました。
令和のゲームギア・サステナビリティ向上戦士を自称する ギア太郎(@GGEAR_TARO)さんは、PC-9800シリーズをコンセプトにしたカスタムゲームギア「GG-98」を完成させました。
カスタムパーツ選定から作り方までを簡潔にご紹介していきます。
PC-98風ゲームギア「GG-98」の作り方
PC-98風ゲームギア「GG-98」の作り方を簡潔に解説していきます。
このカスタムモデルはギア太郎さんが考案したもので、ゲームギアのリペア・カスタムパーツ、市販パーツがうまく取り入れられています。
同じモノを製作するのはもちろん、カスタム方法の参考にしてみても良いでしょう。
ゲームギア改造に必要なパーツについては、ステップごとにご紹介していきます。
動作確認済みのゲームギアが必要
カスタムモデルを作るには動作確認済みのゲームギアが必要です。
修理をしていないゲームギアは奇跡的に動作することがあっても必ず不具合が発生します。
メンテナンス済みのゲームギアを用意してからカスタマイズを進めてください。
修理をしていないゲームギアは、奇跡的に動作することはあっても、いずれ動かなくなります。その理由は、本体基板をはじめとするサウンド基板、電源基板が経年劣化による不具合に悩まされているためです。一般的にアルミ電解コンデンサの寿[…]
ゲームギアのパワーランプを交換する
ゲームギア標準の電源を入れると赤色パワーランプが点灯します。
PC98風に近づけるために、緑色パワーランプに交換します。
楽天市場で販売している「uxcell 発光ダイオード LEDライト 緑 40個入り 7.5x7x2.5mm スクエア ヘッド グリーン LED」を実装しています。交換方法の手順は、次のとおりです。
- ゲームギア基板からパワーランプを取り除く
- スクエアヘッドグリーンLED を基板に挿し込む
- 根本まで入ったら基板を裏返す
- 突き出た根本の足を、はんだで固定します
- 余った足を短く切る
- 外装シェル(表面)を LED が納まるように加工
電源起動音を実装する
ゲームギア標準では起動音がありません。
PC-98風の電源起動音「ピポッ」音を再現します。
搭載するモジュールはこちらです。
人気商品のため在庫切れの際は「再入荷のお知らせを受け取る」を忘れずに。
実装方法の手順は、次のとおりです。
- BEEP on USB 基板の両端に配線
- ゲームギア基板に配線
- BEEP on USB を外装シェル表面下に配置(上画像)
- グルーガン、カプトンテープなどで固定
1ASIC なら「C68」、2ASIC なら「C31」へ配線してください。
ゲームギアをPC-98風に塗装する
ゲームギアを PC-98風に塗装します。
外装シェル、電池カバー、ボタンなどをお好みに応じて塗装してください。
必要な塗料・カスタムパーツは、次のとおりです。
日電式国民標準機 九八弐壱色スプレーは、PC-98風を実現するために必要不可欠な塗料です。
PC-98風に仕上げる塗装手順は、次のとおりです。
必ず喚気が良い環境で塗布作業を行ってください。
- 外装シェルから必要最低限の金属パーツを取り外す
- 外装シェル、電池カバー、ボタン類を分ける
- 中性洗剤(台所洗剤)で十分に洗浄・乾燥
- ミッチャクロンを塗布・乾燥
- 九八弐壱色を塗布・乾燥を繰り返す(2~3回)
- 高耐久ラッカーを塗布・乾燥
電池ボックス内部は、電池カバーを取り付ければ見えません。
こだわりがなければ塗装しなくても大丈夫です。
塗料でスピーカー穴がふさがったときは、つまようじなどで加工してください。
ゲームギアのガラスレンズを PC-98風に交換する
ゲームギアのガラスレンズを PC-98風に仕上げます。
PC-98風フォントを使用しており、SEGAロゴは白ストライプ装飾しています。
ただ、この作業はガラス加工業者へのデザイン入稿、塗装が必要となるためハードルは高めです。必要なパーツ・塗料はこちらです。
PC-98風ガラスレンズを製作工程は、次のとおりです。
- ガラスレンズの入稿データを制作
- ガラス加工業者(オーダーガラス板.COM)へ見積依頼
- 塗布しない部分をマスキング
- 塗布・乾燥を行う(先に解説した外装シェル塗装を参考)
レーザーカッター、カッティングマシンなどをお持ちの器用な人は、デザインを反転させて貼り付け加工することでデザインを寄せることも可能です。
PC-98風ゲームギア「GG-98」が完成
令和のゲームギア・サステナビリティ向上戦士を自称する ギア太郎(@GGEAR_TARO)さんが、PC-98風カスタムゲームギア「GG-98」を完成させました。
一般的なゲームギアのカスタマイズとして知られているのは、リペアパーツ交換、電源・サウンド基板交換、バックライト化(TFT液晶 or IPS液晶)といった感じで、ゲームボーイのカスタムモデルに比べると遅れています。
GG-98 は、PC-98風の外装シェル塗装、ガラスレンズ加工に加え、LED交換、ピポッ起動音を実現するなど、これまでにないカスタマイズを実装した先行モデルに仕上げられています。
ゲームボーイシリーズと比べるとゲームギアの改造難易度は高く、敬遠されがちです。
まだまだポテンシャルを秘めた携帯ゲーム機であることは間違いないゲームギア、試行錯誤して自分だけのカスタムモデルを完成させてみてください。
Source:ギア太郎のGame Gear gallery
2020年後半からゲームギアのカスタムパーツが続々と登場しています。メイン基板を除く、外装シェル、ガラスレンズ、ボタン、ラバーパッド、メタルパーツ、スピーカー、サウンド基板、電源基板、LCD/TFT液晶交換キットなどが販売されてい[…]