初代ゲームボーイのバックライトキットが、IPS液晶交換キットになってさらなる進化を遂げています。画面の鮮明さ・視野角が広くなっただけではなく、カラー8色切り替え、明るさ調整機能も搭載しています。
従来のバックライト化よりも改造方法は簡単・お手軽
その為、ゲームボーイの改造をしたことがない初心者にもおすすめできるカスタマイズです。
誰でも『かっこいいゲームボーイ』が作れるようにカスタムパーツのご紹介もしていきます。
実際に作業を行ったうえでの IPS液晶交換キットの取り付け方法・ポイント、バージョン違いによる比較、メリット・デメリットなどを含めて徹底解説していきます。
有名カスタムパーツと IPS液晶交換キットで作るカスタムゲームボーイ
従来の初代ゲームボーイのバックライト化は、STN反射式モノクロ液晶に接着されている反射材をはがして、偏光フィルムをはさみ込み、単純に照らすという仕組みでした。
初心者には反射材をはがすのは難しく、うまくできるかどうかで完成度の良し悪しが決まります。IPS液晶交換キットは、ゲームボーイ基板・液晶ディスプレイそのものを交換する仕組みなので技術的な知識・コツは必要ありません。
改造するうえでのポイントさえ押さえておけば、誰でも簡単に改造できます。
この記事に書かれている通りに進めれば「かっこいいゲームボーイ」が作れるようになるので安心してください。
改造パーツをそろえよう
初代ゲームボーイを単純に IPS化したいのであれば、必要なパーツは IPS液晶交換キットだけです。IPS液晶交換キットは V2、V3 といったバージョン違いが存在しています。
これから購入するのであれば、液晶のゆらぎ・ボタン感度が向上した IPS液晶交換キット V3 の購入がおすすめです。 はんだ作業・外装シェル加工が面倒だという人は、スピーカー取付モデル・加工済み外装シェルを購入すれば組み立てるだけで完成します。
実際に使った有名カスタムパーツ
初代ゲームボーイの外装シェルはそのまま使えますが、30年以上前に発売された製品だけに小傷・経年劣化が見られます。安価な中華製パーツでも十分かもしれませんが、せっかく作るのであれば高品質なパーツで制作してみませんか。
有名カスタムストアである RetroModding、HandheldLegend、RetroSix のカスタムパーツを使ってカスタムゲームボーイを制作するのがおすすめです。
実際にカスタムゲームボーイに実装したパーツリストはこちらです。
ボタン類は Game Boy DMG 2-Part Buttons のクリア、ブラックを組み合わせてキャンディボタンとして仕上げています。ガラスレンズは最高品質(厚さ・頑丈)を採用しています。
- Game Boy Shell|RetroModding
- Game Boy DMG Silicone Button Pads|RetroModding
- Game Boy Battery Contacts|RetroModding
- Game Boy DMG Buttons Standar|Handheld-Legend
- Game Boy DMG Glass Screen Tempered|Handheld-Legend
- Game Boy DMG 2-Part Buttons|Handheld-Legend
- CleanPower Regulator Board|RetroSix
- Game Boy Original IPS Screen Bracket|RetroSix
ゲームボーイを分解しよう
初代ゲームボーイの分解には、特殊ドライバー(Y字)が必要です。
ほかの任天堂製品を分解する際にも使う工具なのでそろえておきましょう。
最近では Nitendo Switch 分解工具が一式セットになったものが販売されています。
今後も定期的にメンテナンス・改造をしたいと考えている人は、価格は高くても精度・品質重視の工具を購入することをおすすめします。
IPS液晶交換キットの種類を確認しよう
初代ゲームボーイの IPS液晶交換キットは進化しています。
緑色の基板が V2、黒色の基板が V3 で、付属する液晶ディスプレイも異なります。
バージョンアップしたことで、ボタン感度の向上、液晶ディスプレイのゆらぎなどが改善されています。特にフラッシュカートリッジのステートセーブ・ロードなどでは液晶ディスプレイのゆらぎ・ブレの違いが実感できます。
2つのバージョンでは取付方法には違いがあり、その部分についても解説していきます。
ゲームボーイシェルを加工しよう
IPS液晶交換キットを初代ゲームボーイに取り付けるには、外装シェル加工が必要です。
上画像のピンクマーク部分を加工していきます。
外装シェルの加工が面倒だという人には、有名カスタムブランド RetroSix が独自開発した高品質な IPS専用外装シェルがおすすめです。
ゲームボーイ/ゲームボーイカラーの IPS液晶交換キットが、さらなる進化を遂げて登場しています。今となっては、ゲームボーイのバックライト化は専門的な知識や、はんだ作業が必要ないので、誰でも簡単に改造できます。さらなる進化を[…]
表面の外装シェル加工位置は、全部で4カ所です。
液晶ディスプレイの邪魔になる3カ所だけでも十分ですが、コントラスト調整部の左右を1mm 削ることが推奨されています。
平らになっていないと液晶ディスプレイが正しく取り付けられません。
裏面の外装シェル加工箇所は、全部で2カ所です。
まずは、コントラスト調整部2mm 突起を完全に削ります。
次に電池ボックスの左側の1カ所を削ります。
この部分を削っておくと、十字キーの誤動作・誤操作を防止できるようです。
IPS液晶交換キットを取り付けよう
それでは IPS液晶交換キットを取り付けていきます。
液晶ディスプレイと液晶基板(小)を取り付け、フラットケーブルを差し込みます。
すべての工程でいえることですが、フラットケーブルの差し込み向きは間違えないように注意しましょう。必ず接触部(金属部)が基板面になるように取り付けます。
ブラケットを使うと位置調整が楽ちん
IPS液晶交換キットの一番面倒な作業が IPS液晶ディスプレイの位置調整です。
この作業はブラケットを使うと簡単にできます。
上画像の左側が中華ストアのブラケット、右側が RetroSix のブラケットです。
どちらも使用目的は同じですが、クリアシェルを使う場合には見た目が大きく変わってくるので注意が必要です。
左側が中華ストアのブラケット取り付けイメージ、右側が RetroSix のブラケット取り付けイメージです。比べてみると見た目の違いがわかると思います。
クリアシェルに取り付けるのであれば、ブラケット面積が少なく、クリア素材で目立ちにくい RetroSix のブラケットがおすすめです。クリアシェルに装着しないのであれば、中華ストアのブラケットでも十分です。
私が使用したのは RetroSix のブラケットは V2 でしたが、現在は V3 に進化しています。
ブラケットはあくまでも位置調整の補助ツールとして使うことをおすすめします。
取り付けイメージを確認しよう
IPS液晶交換キットのバージョンによって取り付け方法が変わります。
左側が V2、右側が V3 で、液晶ディスプレイは表面シェル天井部にぴったりとくっつけて取り付けます。
ブラケットを使っていても取り付け後に微妙に位置ズレることがあるので、取り付け後はカプトンテープなどでしっかりと固定します。
IPS液晶基板(大)を固定して、フラットケーブル・ネジ6カ所を取り付けます。
必ずフラットケーブルの接触部(金属部)が基板側になるように取り付けます。
先に IPS液晶基板(大)に太めのフラットケーブルを差し込み、その後に画像のように本体裏面の基板にフラットケーブルを差し込めば作業は完了です。
この差し込み作業が苦手な人もいるようですが、フラットケーブルの差し込み位置をあわせて、ググっと指の腹で押し込む感じで取り付けます。
コントラストボタン近くのネジ止め(左真ん中のネジ)は、きつくしめすぎるとコントラストボタンを押し込んだ際に元の位置に戻らなくなることがあるので注意しましょう。
IPS液晶交換キットのメリット・デメリット
IPS液晶交換キットのメリットは、専門的な知識・コツが必要なく初心者でも手軽に改造ができること、ゲームボーイの液晶ディスプレイ性能が大幅に向上することです。
デメリットは消費電力が増えたこと、スピーカーからのノイズが発生することです。
従来のバックライト化、プロサウンド化などでは目立たなかった現象が、IPS液晶交換キット V2、V3 のどちらでも確認できました。
この現象は RetroSix 電源モジュール、スピーカーを交換しても改善は見られませんでした。
音質を重視するようなチップチューンには IPS液晶交換キットは向いていないように思えます。
メリットがデメリットを上回る
IPS液晶交換キットにはデメリットはあるものの、メリットの方が上回ります。
もともと初代ゲームボーイのバッテリー持ちは良いので、消費電力が増えているものの大きな問題にはなりません。
ノイズについても、音量を大きくしてゲームプレイをしている状態であれば、神経質な人でないかぎりは問題にならないように感じます。
IPS液晶交換キットの使い方は簡単で、コントラストダイヤルを押し込むことで、ゲームタイトルや気分にあわせて液晶ディスプレイカラー(全8色)を変えられます。ダイヤルを回すことで明るさ調整も可能です。
IPS液晶交換キットでゲームボーイは生まれ変わる
1989年に発売された初代ゲームボーイのパーツは確実に経年劣化しています。
外装シェル、ボタン、シリコンパッド、スピーカーの交換、IPS液晶交換キットを導入することで “現代版” のゲームボーイに生まれ変わります。
IPS液晶交換キットは V2 から V3 に進化していますが、液晶ディスプレイは汎用品が使われているのでサイズが合っておらず、外装シェル加工も必要です。
これから V4、V5 と進化していくことで、サイズピッタリの液晶ディスプレイが誕生し、加工フリーになる可能性が高いです。
オーソドックスなカスタムパーツはそのまま使えるので、新しいカスタムパーツが誕生するごとに気軽にアップグレードできる楽しさがあります。改造の難易度も下がってきているので気軽にチャレンジしてみてください。
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