
Androidゲーム機「AYANEO Pocket DS」は、Qualcomm Snapdragon G3x Gen 2プロセッサを搭載し、上下2つのタッチスクリーン(OLED と LCD)を備えた、ニンテンドー3DS を思わせる 2画面モデルです。
AYANEO Pocket DS の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックします。
AYANEO Pocket DS について
AYANEO Pocket DS に関する情報をまとめたページです。
クラウドファンディングサイト Indiegogo で出資した実機です。
提供品の有無にかかわらず、コンテンツの内容には一切影響していません。
価格・販売ストア

AYANEO Pocket DS 国内正規版は、日本国内で販売されています。
カラーラインナップはシャドーブラック、スターリーイエロー、レトログレーの全3色。
アマゾン、AYANEO日本公式サイト、ハイビーム公式オンラインストア、およびハイビーム実店舗にて取り扱いされています。2025年12月上旬から発送予定。
・AYANEO Pocket DS
販売価格:88,500円~133,000円
先行価格:84,075円~126,350円
製品仕様とスペック
AYANEO Pocket DS のスペックについて詳しく見ていきます。
| 製品名 | AYANEO Pocket DS |
| メイン画面 | 7インチ、OLED |
| サブ画面 | 5インチ、LCD |
| OS | Android 13 |
| SoC | Snapdragon G3x Gen2 |
| RAM | 8GB / 12GB / 16GB LPDDR5X 8533 |
| ストレージ | 128GB / 256GB / 512 GB / 1TB UFS4.0(128GB は UFS3.1) |
| インターフェース | USB Type-Cポート microSDカードスロット |
| その他 | ゲームコントローラー SoundTAPMagic ステレオスピーカー 6軸ジャイロセンサー 振動モーター アクティブ冷却ファン 電源ボタン一体型指紋認証 |
| ワイヤレス通信 | Wi-Fi Bluetooth 5.3 |
| バッテリー | 8000mAh |
| 大きさ | 179.8 × 101.8 × 25~34.4mm |
| 重さ | 540g |
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
AYANEO Pocket DS のレビュー
AYANEO Pocket DS(16GB / 512GBモデル)をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点や欠点についても徹底解説します。
付属品

1. マニュアルカード
2. 合格証
3. USB Type-Cケーブル

クラウドファンディングの出資特典は下記のとおりです。
1. マウスパッド
2. スクリーンプロテクター
3. 専用ハードケース
大きさ・重さ

大きさは 179.8 × 101.8 × 25~34.4mm、重さは 530g(実測値)。
CNC金属天板とプラスチック筐体を採用し、重さを感じやすいものの、ニンテンドー3DS を思わせるデザインで、所有欲を満たす仕上がりです。
さらりとしたマットな質感も特徴で、成形精度や組み立て精度も高い水準です。
一方で、カラーによっては皮脂や汚れが目立つかもしれません。
サイズ感

参考として、Newニンテンドー3DS LL と並べてみました。
Newニンテンドー3DS LL よりも大きく、重量感もしっかりあります。

続いて、AYN Thor と比較してみました。
最近登場した 2画面Androidゲーム機の中でも、AYANEO Pocket DS は最重量クラスに位置するモデルです。
任天堂の携帯型ゲーム機(Switch 2 を除く)を基準に考えると、500gを超える重量の AYANEO Pocket DS は、人によっては長時間プレイでストレスを感じやすい重さといえます。
インターフェース

上部には USB Type-Cポート(映像出力対応) を備え、下部には microSDカードスロット を配置。
さらに、コントローラー下部には 指紋認証一体型の電源ボタン と 音量ボタン、本体左右には デュアルスピーカー が搭載されています。

ワイヤレス通信機能として、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.3 を搭載しています。
その他に、マイク、バイブレーション機能、6軸ジャイロセンサーを備えています。
ただし、RGBライトやイヤホンジャックは非搭載です。

シームレスですが、やや固めのヒンジ構造を採用しています。
ディスプレイの開く角度の最大値は 180度です。

CNC金属天板にはメーカーロゴがありますが、目立たずシンプルな仕上がりです。
飽きがこないデザインで、長く使える印象を受けます。

背面には内蔵ファンの吸気口があり、背面側の排気口から熱を放出します。
アクティブ冷却ファンを搭載しており、長時間のゲームプレイでも快適に楽しめます。
騒音計で計測したところ、デバイスから50cm離れた位置での騒音レベルは、最小で測定不能、最大で42dBでした。風切り音は全体的に標準的なレベルです。
画面

デュアルスクリーン構成(メイン画面 7インチ+サブ画面 5インチ)を搭載しています。
メイン画面(1920 × 1080、16:9)は有機EL(OLED、4:3)、サブ画面(1024 × 768)はLCD です。
どちらもネイティブでポートレート(縦長)表示に対応したディスプレイで、メイン画面は 10点マルチタッチ、リフレッシュレートは最大165Hz。サブ画面は 5点マルチタッチ で、リフレッシュレートは最大60Hz となっています。
メイン画面の明るさと輝度(cd/m2)を測定したところ、最大1094nit を記録しました。
タッチスクリーンの操作感度(シングルタッチ・マルチタッチ)の平均値は 63Hz、履歴全体の平均移動速度は 117Hz です。

メイン画面とサブ画面の輝度調整は、それぞれ独立して行うことができます。
ただし、メイン画面は発色の鮮やかさやコントラストが際立っている一方、サブ画面は LCD のため、2画面で並べて表示すると色味の差がはっきりと分かります。
また、Home screen dimming(標準設定ON)の状態では、サブ画面の輝度を設定していても、再起動のたびに設定値は変わらないまま明るさだけが最大値になる現象が確認されています。
※システムアップデートで改善される可能性あり
画面サイズやアスペクト比こそ異なるものの、用途に応じて柔軟に使い分けられる 高い汎用性は大きな魅力のひとつです。ただし、サブ画面が有機EL(OLED)ではない点や、システム面で改善が求められる部分があるのは残念に感じました。
操作感

基本的な操作感は良好ですが、重心がやや後ろ寄りなのが気になる印象です。
ABXYボタンのサイズは 7.9mm、ストロークは 1.0mm。方向ボタンを含め、いずれも耐久性に優れたドームスイッチが採用されています。
ホール効果センサーを備えたトリガー(LT / RTボタン)やポーリングレート 1000Hz の TMRスティックを採用しており、コントローラー周りにこだわりが感じられます。

方向ボタンや ABXYボタンはいずれも底打ち感があり、クラムシェル型に合わせた高さも適切で、全体的に好印象です。押した際のボタン音も控えめで、静音性を重視するユーザーにも好まれる仕上がりになっています。
また、メイン画面のみを表示させた際には、サブ画面がタッチパッド代わりとして機能します。スティック操作に加えて、ノートPCのように指でカーソルを動かすマウス操作ができる点も、このデバイスならではの便利なポイントです。

コントローラーと画面が直接触れないよう工夫されたレイアウトになっていますが、操作性の面では少し気になる点もあります。スティックはややくぼんだ位置にあるため、操作していると指がコーナーにぶつかりやすい印象があります。
さらに、画面の開く角度によっては LB / RB ボタンや LC / RC ボタンを押す際にメイン画面が干渉し、指を差し込むスペースが狭く窮屈に感じる場面もありました。

グリップ感がしっかりしていて、本体そのものは手に馴染む形状です。
ただし、画面を開いた状態で持つと重心がやや後ろ寄りになるため、全体としては重量を感じやすい傾向があります。
クラムシェル型なので、操作感や持ち心地、本体の厚みなどはどうしても割り切りが必要です。気になる部分はあるものの、全体的な操作感は良好という印象です。

アナログスティックのデッドゾーンもほとんど感じられません。
可動域についても顕著に気になるところもなく、測定結果も良好でした。
Androidゲーム機全般として、エミュレーターアプリの種類が豊富という利点はありますが、入力遅延を感じやすい傾向があるようです。ただし、繊細な操作・タイミングを必要としなければ特に気にする必要はないでしょう。
システム

基本的なシステムは AYANEO Pocketシリーズ共通です。
ホームアプリには独自インターフェースの『AYAHome』が標準採用されています。
その他にも AYASpace や Quickstep にホームアプリを変更することもできます。
サブ画面に特化したインターフェースも搭載されており、より効率的な操作が可能となっています。画面下部のスクリーンボタンと AYANEOボタンを押すことで、サブ画面で画面表示の変更、タスク管理、各種コントロールなど各種設定を変更できます。

また、パフォーマンス設定、システムの OTAアップデートなどを一括管理できます。さらに、イコライザー機能を備えているため、サウンドを自分好みに調整することも可能です。
記事執筆時点では、サブ画面まわりのシステムに不安定な部分や誤表示があり、完成度はまだ発展途上といった印象です。とはいえ、基本機能はしっかり安定して動作しており、日常的な利用で特別困るような場面はありませんでした。
補足
AYANEO製品でよく見られる問題として、コントローラーが無効(電源ボタンと音量ボタン以外のすべてのボタンが反応しない)になる現象があります。

デバイスを再起動や工場出荷状態へのリセット、利用可能なアップデートの適用など、基本的な対処をすべて試しても改善しない場合には、次の方法を試す必要があります。
- 本体をスリープさせる(電源ボタン短押し)
- 『・・・ボタン』を押しながら、電源ボタンを短押し
- アプリ『AYASetting』を起動
- 「System Update」を開く
- 「Controller Firmware」を実行
- キャリブレーションを実行
- 完了
キャリブレーション:AYASetting → Controller Joystick → Calibration
エミュレーター性能

エミュレーター性能は、同社の『AYANEO Pocket S』とほぼ同じレベルです。
Snapdragon G3x Gen 2プロセッサを搭載しており、AnTuTuベンチマークスコア(V11)では 193万点台を記録しています。
動作するエミュレーターは幅広く、一般的なレトロゲームに加え、セガサターン、PSP、ゲームキューブ、Wii、3DS、PS2、PS Vita のタイトルを高解像度かつフルスピードで実行可能です。また、Switch 向けタイトルも一部動作します。

競合の AYN Thor より高いパフォーマンスを発揮しつつ、同社の AYANEO Pocket S2 Pro にはわずかに届かない、といった位置づけです。ただ、2画面構成ならではの使い方ができるため、独自のエミュレーター体験を楽しめる点は大きな魅力といえます。
ただし、一部のエミュレーター(DS、3DS、Wii U など)では動作遅延や不安定さが見られることもあり、2画面構成に最適化されたエミュレーターやバージョンを導入する必要がある点には注意が必要です。
必ずご自身で吸い出したものを使用してください。
ゲームアプリ

デバイス負荷の高いゲームアプリ『原神』や『鳴潮』、『ゼンレスゾーンゼロ』なども、グラフィック設定を「最高」にして快適に動作します。美麗なグラフィック表現とスムーズな描画を存分に楽しむことができます。

ポータブルゲーミングPC と同等の画面サイズと操作性を実現しており、さらにリフレッシュレートは最大165Hz に対応しています。Steam Link や Xbox Game Pass を利用したリモートプレイやクラウドゲーム(PCゲーム)でも十分に活躍できます。
2画面モードにすれば、2つの異なるアプリを同時に起動できるため、攻略サイトや動画などを参考にしながらゲームを進めることが可能です。
まとめ

AYANEO Pocket DS は、Snapdragon G3x Gen 2 を搭載した 2画面クラムシェル型Androidゲーム機で、7インチ OLED と 5インチ LCD を備えたデュアルスクリーンが最大の特徴です。大画面と独自の操作性により、エミュレーター・ゲームアプリのどちらでも高いパフォーマンスを発揮します。
ホール効果センサートリガーやポーリングレート 1000Hz 対応の TMRスティック、サブ画面をタッチパッドとして使えるなど独自の操作性が魅力です。さらに、165Hz対応のメイン画面やクラウドゲームとの相性の良さ、折りたたみ構造による携帯性なども評価できます。
一方で、本体重量は 530g と重めで、画面を開いた状態では重心が後ろ寄りになるため、長時間プレイでは疲れやすい傾向があります。また、メインとサブ画面の発色差や仕様の違い、サブ画面まわりのシステム挙動の不安定さなど、完成度にまだ改善の余地も感じられます。
総合的には、2画面構成を活かした遊び方や新しい体験を求める方に強く刺さる一台で、ユニークな機能と操作性を評価できるなら、十分に魅力ある選択肢となります。一方で、携帯性や手軽さを重視するユーザーには、事前の検討が必要なモデルともいえます。
関連ページリンク
Androidゲーム機「AYN Thor」は、AYN Technologies が発表した2画面クラムシェル型モデルです。Qualcomm Snapdragon 865 または Snapdragon 8 Gen 2 プロセッサを搭[…]
Androidゲーム機「ONEXSUGAR SUGAR1」は、折りたたみ式の2画面(デュアルスクリーン)構造と Snapdragon G3 Gen 3プロセッサを採用し、横型モデルから 2画面縦型モデルへと切り替えられるギミックを[…]
Androidゲーム機「AYANEO Pocket DS 国内正規版」の販売が開始されました。Qualcomm Snapdragon G3x Gen 2プロセッサを搭載し、上下2つのタッチスクリーンを備えた、ニンテンドー3DS を[…]
ANBERNICの新型ゲーム機「ANBERNIC RG DS」の販売が開始されています。2025年11月2日 午後7時から発売開始、公式ストアにおける一般販売価格は 15,899円(送料別)です。プレセール期間中は、一般販売価格よ[…]
Androidゲーム機「Retroid Pocket 6」の販売が開始されています。公式ストアにおける販売価格は 229ドル(送料別)からですが、プレオーダー価格は 20ドルオフの 209ドルからです。販売再開日は 2025年11[…]







