
Androidゲーム機「AYANEO Pocket ACE」は、ポータビリティに優れた横型モデルです。画面サイズは 4.5インチ、SoC に Snapdragon G3x Gen 2プロセッサを採用。コンパクトながら、同社の AYANEO Pocket S や EVO に匹敵する高いパフォーマンスを備えています。
AYANEO Pocket ACE の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能やパフォーマンスについてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックします。
AYANEO Pocket ACE について
AYANEO Pocket ACE に関する情報をまとめたページです。
サンプル機を貸し出していただきましたが、コンテンツの内容には一切影響していません。
価格・販売ストア

AYANEO Pocket ACE は、国内正規版の販売が開始されています。
カラーラインナップは、シャドーダンスブラック、ライトブレードホワイト、レトロパワー(限定カラー)の全3色です。
アマゾン、AYANEO日本公式サイト、ハイビーム公式オンラインストア、およびハイビーム実店舗にて取り扱いされています。2025年7月上旬から下旬にかけて発送予定。
・12GB / 256GBモデル
販売価格:84,800円
・16GB / 1TBモデル
販売価格:99,980円
製品仕様とスペック
AYANEO Pocket ACE 国内正規版のスペックについて詳しく見ていきます。
製品名 | AYANEO Pocket ACE |
画面 | 4.5インチ、IPS 解像度 1620 × 1080、3:2 マルチタッチ |
OS | Android 13 |
SoC | Snapdragon G3x Gen 2 |
RAM | 12GB / 16GB LPDDR5X |
ストレージ | 256GB / 1TB |
インターフェース | USB Type-Cポート microSDカード |
その他 | Masterコントローラー |
ワイヤレス通信 | Wi-Fi 7、Bluetooth 5.3 |
バッテリー | 6000mAh |
大きさ | 176 × 82.5 × 18.4mm |
重さ | 310g |
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
AYANEO Pocket ACE のレビュー
AYANEO Pocket ACE をレビューします。
基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点や欠点についても徹底解説します。
付属品

1. マニュアル(本体、専用アプリなど)
2. 検品合格証
3. USB Type-Cケーブル
大きさ・重さ

大きさは 176 × 82.5 × 18.4mm、重さは 311g(実測値)です。
全面ガラスとプラスチックを組み合わせた筐体で、右下に配置されたボタンの配色が個性的なアクセントとなっています。
同サイズの Androidゲーム機に比べると、やや重さを感じやすいものの、全体的なビルドクオリティは高く、成形や組み立ての精度も良好です。また、経年劣化を防ぐための UVコーティング加工も施されています。
サイズ感

参考として、PS Vita(PCH-2000)や Nintendo Switch を並べてみました。
一般的な携帯ゲーム機と比べるとやや厚みはありますが、サイズ感はコンパクトです。
任天堂の携帯型ゲーム機を基準に考えると、重さが 500g未満であればストレスなく使える印象を持ちます。この基準を AYANEO Pocket ACE は満たしています。
インターフェース

インターフェースは、上部に音量ボタンと電源ボタン一体型の指紋認証センサーが配置されています。下部には USB Type-Cポートがあり、左右にはデュアルステレオスピーカーを備えています。
また、オーディオ振動システム SoundTAPMagic(Sound Vibration)やボタン振動を採用しています。スピーカーの音量・音質ともに優れており臨場感もありますが、イヤホンジャックは非搭載です。

また、本体の右側には microSDカードスロットが用意されています。
ワイヤレス通信機能としては、Wi-Fi 7 および Bluetooth 5.3 に対応しています。
そのほか、6軸ジャイロスコープ、バイブレーション、マイクもサポート。
マスターコントローラー(ホールジョイスティック&ホールトリガー)を採用しています。

本体下部には内蔵ファンの吸気口があり、上部の排気口を通じて効率的に放熱します。
静音性に優れたアクティブ空冷システムを搭載していますが、動作モードによっては風切り音がやや目立つ場合があります。
騒音計を使用して実測した結果、デバイスから 50cm離れた位置での騒音レベルは 30dB~最大44dB と、一般的な範囲内に収まっています。ファンモードをオートに設定すると、風切り音はほとんど気になりません。
画面

4.5インチのベゼルレス液晶ディスプレイを搭載しています。
全面ガラス張り・ベゼルレスの液晶ディスプレイが特徴で、アスペクト比は 3:2 で、解像度は 1620 × 1080、画素密度は 433PPI です。
ネイティブがポートレート(縦長)な液晶であり、リフレッシュレートは 60Hz です。
5点マルチタッチスクリーンで、鮮明で色彩豊かな表示が可能です。

画面の明るさと輝度(cd/m2)を測定したところ、最大517nit を記録しました。
タッチスクリーンの操作感度(シングルタッチ・マルチタッチ)の平均値は 60Hz、呼び出しレートは平均 120Hz です。また、タッチ操作の反応が鈍い画面位置などもありません。
画面は非常に鮮明で、主にレトロゲームのエミュレーター体験を最大限に引き出すことを目的に設計されています。そのため、画面比率 16:9 には適していない点に留意が必要です。
操作感

AYANEO独自のマスターコントローラーを搭載しています。
独自の美学が感じられるデザインが特徴で、ABXYボタンは直径7.6mm、ストロークは1.0mmとなっています。主要な操作ボタンには、メンブレン方式が採用されています。
方向ボタンとABXYボタンの押し心地は、いずれも底打ち感が軽く、ボタンの高さも適切で、全体的に好印象です。ただし、パチパチとした押し音がやや大きめで、気になる場面もあります。

左側には SELECTボタン、方向ボタン、アナログスティックが配置されています。
下部には VIEWボタン、TURBOボタン(パフォーマンス切替)が用意されています。
TURBOボタンは、スライドするたびに Saving → Balance → Streaming → Game → Max の順にローテーションで切り替わります。また、この設定は AYA Quick Tool でも変更可能です。

右側には STARTボタン、ABXYボタン、アナログスティックが配置されています。
下部にはボタンの配色が個性的なアクセントになっている AYAボタン、=ボタンが配置されています。
アナログスティックとトリガー(L2 / R2ボタン)は 経年劣化や摩耗によるドリフト現象(触れていないのに入力操作が行われる不具合)が発生しにくいホール効果センサーを搭載しています。

本体サイズに対してやや重さを感じる点や、スティックのサイズが AYANEO Pocket MICRO と同様に小さめである点については、好みが分かれそうです。
グリップがない厚みのある形状ですが、持ちやすいデザインになっています。
アナログスティックの高さが控えめな設計で操作感は良好です。

アナログスティックのデッドゾーンや可動域は最適化されています。
AYANEO Pocketシリーズで見られた、スティック軸のわずかなズレも改善されており、精度の高い操作が可能です。
Androidゲーム機全般にいえることですが、入力遅延を感じやすい傾向があります。
ただし、繊細な操作やタイミングが求められるゲームでなければ、それほど気になるものではありません。

=ボタンと LC / RCボタンには、ナビゲーションバーの機能が割り当てられています。
以下の機能が割り当てられています。
- =ボタン・・・ホームに戻る
- LCボタン・・・マルチタスク
- RCボタン・・・戻る
システム

基本的なシステムは AYANEO Pocketシリーズ共通です。
ホームアプリには独自インターフェースの『AYAHome』が標準採用されています。
その他にも AYASpace や Quickstep にホームアプリを変更することもできます。
よく使用するアプリは、Yボタンを押して「Add to Homepage」を選択することで、AYAHome の最上部(クイックスタート)に表示させることができます。

AYAボタンを長押しすることで専用アプリ『AYASpace』が起動します。
また、短押しで簡素な AYA Quick Tool が表示され、直近に使用した最大4つのアプリが下部にタスク表示されます。
システムは日本語に設定しても、メニュー表示や項目は英語のままです。
そのため、こういった製品を初めて使用する方には分かりづらいかもしれません。

AYASpace では、ゲームパフォーマンスやインジケーター表示、各種コントローラー設定、ウィジェット機能などを手軽に変更できます。
コントローラーを使って操作することはできますが、ゲームアプリ起動時などは連動して誤操作する可能性があるため、タップ操作を行う方が良いでしょう。

専用アプリ『AYASetting』が用意されており、ユーザー登録、CPU や GPU のパフォーマンス、システムの OTAアップデートなどを行うことが可能です。AYASpace や既存の設定アプリと重複する項目があり、使い勝手には課題があります。
リマッピング機能を使うことで、タッチ操作を物理ボタンで操作できます。
ゲームアプリ起動後に、AYA Quick Tool の Controller項目の Key Mapping をオンにして、Configuration Now を選択することで起動できます。
エミュレーター性能

エミュレーター性能は、Androidゲーム機としてはトップレベル(記事執筆時点)です。
Snapdragon G3x Gen2 を搭載しており、Antutuベンチマークスコア(V10)は 172万点台を記録しています。また、パフォーマンスモードの設定によりスコアに違いが見られます。
動作するエミュレーターは一般的なレトロゲームをはじめ、動作が厳しいとされているセガサターン、PSP、ゲームキューブ、Wii、3DS、PS2、PS Vita のゲームタイトルが高解像度かつフルスピードで実行可能です。WiiU や Switch、PS3 は動作するゲームタイトルを選びます。

同社の AYANEO Pocket S や EVO とほぼ同等のパフォーマンスを発揮します。
ただし、一部のエミュレーター(Wii U など)やゲームタイトルについては、動作が顕著に遅くなったり、操作が不安定になることが確認されています。
ただし、使用するエミュレーターやゲームタイトルによっては、解像度やアスペクト比の問題から画面表示が課題となり、エミュレーターの性能を十分に活かしきれない場面がある点には留意が必要です。
ゲームアプリ

デバイス負荷が高めのゲームアプリ『原神』や『鳴潮』、『ゼンレスゾーンゼロ』などは、グラフィック設定を「最高」で動作します。洗練されたグラフィックの美麗さや快適さを楽しむことができます。
パフォーマンスモードを「Gaming」以上に設定することで、フレームレートの向上(最大60fps)が期待できます。アナログスティックの操作も最適化されており、操作も非常にスムーズです。

さらに、Steam LinkやXbox Game Passを活用することで、リモートプレイやクラウドゲーム(PCゲーム)も楽しめます。ただし、快適にプレイするには、通信環境や回線速度が十分であることが前提となります。
また、画面サイズは 7インチ未満のため、文字などの視認性について課題があります。
ゲームアプリやクラウドゲームを重視するのであれば、同社の AYANEO Pocket S や EVO を選択するのが適しているでしょう。
まとめ

AYANEO Pocket ACE は、Snapdragon G3x Gen2 を搭載した Androidゲーム機です。
ポータビリティに優れたコンパクトなサイズ感で、エミュレーターをフルスピードで快適に動作させることを前提に設計されています。
AYANEO Pocketシリーズの中では、中型の横型モデルに位置づけられます。
重量は 300g台と軽量でありながら、スペックの高さが際立っており、携帯性との優れたバランスを実現しています。全面ガラス張りの洗練されたデザインも、大きな魅力のひとつです。
一方で、グリップのない厚みのある形状や、画面の解像度・アスペクト比、最大フレームレート(最大60fps)については賛否が分かれており、一概に評価しにくい面もあります。ただし、総合的な操作性や実際のゲーム体験は快適で、個人的には十分な満足感があります。
大画面を必要とせず、高いスペックと携帯性を重視したいというニーズにぴったりのモデルです。付加価値やビルドクオリティの高さを考えると価格はやや高めですが、それに見合う魅力を備えたモデルと評価します。
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