Windows携帯ゲーム機「AYANEO AIR」レビュー|超薄型軽量 398g・有機ELモデル

Windows携帯ゲーム機「AYANEO AIR」は、超軽量薄型 398g を実現したモデルです。
AYANEOシリーズとしては初となる有機ELディスプレイ、LEDイルミネーション機能、LC/RCボタン、microSDカードスロットを搭載しています。

主要スペックは Windows 11 Home、5.5インチ(1920×1080)、AMD Ryzen 5 5560Uプロセッサ、AMD Radeonグラフィックス、メモリー16GB LPDDR4x 4266Mhz、ストレージ容量 512GB SSD を搭載しています。

AYANEO AIR の価格・販売ストア

AYANEO AIR は、UMPC専門店 ハイビームで販売しています。
カラーバリエーションは、オーロラホワイト、ポーラブラックの2色。

・AYANEO AIR スタンダード
 一般販売価格 137,700円
 定期的に開催されるセールに注目!

スペックが異なる4つのモデルを販売中です。

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AYANEO AIR のスペック

AYANEO AIR スタンダード のスペックを詳しく見ていきます。

  • ディスプレイ:5.5インチ 有機EL、解像度 1920 × 1080、マルチタッチ対応
  • OS:Windows 11 Home 64bit
  • CPU:AMD Ryzen 5 5560U
  • GPU:AMD Radeonグラフィックス
  • RAM:16GB LPDDR4x 4266Mhz
  • ストレージ:512GB M.2 2280 SSD
  • バッテリー:7350mAh、28Wh、PD対応
  • I/Oポート:USB Type-C×2、microSDカードスロット、イヤホンジャック
  • 無線:Wi-Fi6、Bluetooth 5.2
  • その他:デュアルチャンネルスピーカー、デュアルジャイロスコープ、
  • 指紋認証サポート、振動モーター
  • 大きさ:224 × 89.5 × 26mm(最薄部:約18mm)
  • 重量:398g

免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが保証はできかねます。

AYANEO AIR のレビュー

Windows携帯ゲーム機「AYANEO AIR スタンダード」をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、ベンチマークテスト、エミュレーター性能、評価すべき点、欠点についても徹底解説します。

付属品

開封したボックス上側には、各種マニュアル一式が収納されています。
マニュアルは、英語・中国語表記のみです。

ボックス下側には、USB Type-C変換アダプタ × 2、ACアダプタ、変換アダプタ(3種類)、USB Type-Cケーブルが収められています。

大きさ・重さ

AYANEO AIR の大きさは 224 × 89.5 × 26mm、重さは 398g
『AIR』という名に相応しく、最軽量の Windows携帯ゲーム機です。(執筆時点)

本体筐体(ABS樹脂素材)のビルドクオリティは文句なしの品質と評価します。
美しい本体上部のグラデーションカラーは必見です。

似たような形状、重さの製品を比較してみました。
いずれも実測値ではなく、公式発表されているスペックです。

製品名 画面サイズ 大きさ 重さ
AYANEO AIR 5.5インチ 224 × 89.5 × 26mm 398g
Nintendo Switch 6.2インチ 239 × 102 × 13.9mm 398g
Nintendo Switch Lite 5.5インチ 208 × 91.1 × 13.9mm 275g
ONEXPLAYER mini 7インチ 262 × 107 × 35mm 619g

画面サイズは異なりますが、Nintendo Switch より小さく・同じ重さです。
任天堂から発売された携帯型ゲーム機を基準に考えると、重さは 500g未満がストレスなく使える印象を持ちます。

現時点で、この基準を達成した Windows携帯ゲーム機は、AYANEO AIR と ANBERNIC WIN600 の2製品だけです。

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インターフェース

インターフェースは、上部に USB Type-Cポート、音量ボタン、電源ボタン一体型の指紋認証センサー。下部に microSDカードスロット、イヤホンジャック、USB Type-Cポート、左右にデュアルチャンネルスピーカーを用意。

microSDカードスロットが搭載されたのは評価ポイントです。
内蔵ストレージの補助デバイスのほか、ちょっとしたファイル移行などの利用シーンが期待できます。

左右にはグリップがあり、しっかりとホールドできます。
接続できるポートは限定されているので、必要に応じて Bluetooth機器や専用クルードル、USBハブを活用しましょう。

左右のアナログスティック周りに LEDイルミネーション機能を搭載しました。
LEDイルミネーションは、専用アプリ AYA Space で ON/OFF、RGBカラー、照明効果を変更可能です。

背面右側には内蔵ファンの吸気口があり、上部の排気口へ放熱します。
静音タイプの冷却ファンを採用、高温時には風切り音が目立つ点には注意が必要です。

画面

AYANEO AIR の有機ELディスプレイ(AMOLED)を高く評価します。
5.5インチ有機ELディスプレイ(16:9)、解像度 1920×1080、画素密度 404PPI です。
マルチタッチスクリーンで、操作・感度、画面の明るさ(輝度)は良好です。

黒がはっきりとした美しい色彩の描写、応答速度の速さを体感できます。
液晶ディスプレイの黄ばみ・青みもなく、色補正や調整は必要ありません。
通常使用の輝度は 40%~50% で十分といった感じです。

操作性

AYANEO AIR の操作性・持ちやすさは優れています
AYANEO NEXTシリーズには劣りますが、本体サイズは小さいながらもしっかりとホールドできます。

ABXYボタンサイズは 7mm、ストロークは 1.5mm で押し心地は良好。LT/RTボタンはアナログトリガーを採用しています。Nintendo Switchシリーズよりも操作性・持ちやすさは良いと評価します。

右側には 無地の大きめな AYAボタン、少し小さめの=ボタンを配置。
AYAボタンは長押しで専用アプリ AYA Space画面、短押しで簡素な AYA Quick Tool表示に対応。=ボタンは短押しの機能を専用アプリ AYA Space で割り当て・変更が可能です。

左側には Xboxコントローラーボタンと同等機能を持つ ビューボタン、メニューボタンが配置されています。ゲーミングにフォーカスした作りになっています。

LC/RCボタン には短押し・長押しの機能を割り当てることが可能です。
標準設定では、下記の機能が割り当てられています。

  • LC短押し・・・オンスクリーンキーボード
  • LC長押し・・・タスクマネージャー
  • RC短押し・・・ESC
  • RC長押し・・・タスクビュー

=ボタン同様に、専用アプリ AYA Space で割り当て・変更が可能です。

専用アプリ AYA Space

専用アプリ AYA Space がプリインストールされています。
スタートアップ起動が採用されており、マウス操作・短押し・長押し機能を動作させるうえで必須アプリです。

TDP設定(省電力、バランス、ゲーム、プロ(8W~15W))、解像度などの各種変更のほか、インストールしたゲームアプリなどの表示、コントローラー設定(バイブレーション強弱、キャリブレーション)などが可能です。

=ボタン、LC/RCボタンの機能を割り当て・変更できます。
割り当てできる機能は、「デスクトップを表示する」、「スクリーンショット」、「アプリをオフにする」、「オンスクリーンキーボード」、「ESC」、「Steamを開く」、「Xboxキー」、「タスクビュー」、「タスクマネージャー」の9つです。

LEDイルミネーションの ON/OFF、照明効果、RGBカラー、明るさを変更可能です。
AYANEO NEXTシリーズで実装されたジェスチャー機能(クイックオープニングコントロール機能)は省略されています。

スマホアプリ AYA Space も登場し、ユーザビリティの向上が進められています。
まだまだ不具合(アップデート失敗、解像度変更など)も確認されており、完成度が高いとはいえないのが現状です。

ゲーム動作確認

最新のゲームタイトルも動作しますが、最低・推奨システム要件ありきです。
遊ぶゲームタイトルに合わせた画面設定(テクスチャクオリティ、品質、解像度など)の変更が必須です。

ゲームタイトル 設定、FPS
モンスターハンターライズ:サンブレイク ゲーム(12W)、中:58~61FPS
原神 ゲーム(12W)、中:40~60FPS
ELDENRING ゲーム(12W)、中:20~33FPS
Cyberpunk 2077 ゲーム(12W)、中:20~29FPS
DEATH STRANDING ゲーム(12W)、標準:26~30FPS
Bloodstained: Ritual of the Night バランス(8W)、シネマ:45~52FPS
Stray ゲーム(12W)、低:20~38FPS
NieR:Automata ゲーム(12W)、中:30~43FPS
Hades バランス(8W)、55~60FPS

FPS数値は、MSIアフターバーナーの測定値を記載しています。
解像度は 1280 × 720 にて動作確認しています。

ストレージ状態

AYANEO AIR のストレージ容量は 512GB です。
パーティション分割はされておらず、専用アプリ AYA Space がプリインストールされています。

搭載されている OS は「Windows 11 Home」です。
日本語対応しているので、問題なく初期インストールを進められます。

本体の初期化

万が一のトラブルがあっても、初期化ユーティリティで解決できます。
下記手順を参考に進めてください。

  1. 電源オフを確認
  2. 「音量+ボタン」と「RCボタン」を押したまま、電源ボタンを押す
  3. しばらく待つと、初期化ユーティリティが起動
  4. 「チェックマーク」をタッチ
  5. 数分待てば完了
初期化ユーティリティの起動方法が変更されています。
これまでの AYANEOシリーズとは操作手順が異なります。

スピーカー音声の改善方法

内蔵されているスピーカーが「逆相接続」となっているモデルが存在します。
立体音響のように聴こえる場合、該当している可能性が高いです。

「原音と比べて変」、「イコライザー風に聞こえる」という場合は要注意です。
下記手順を参考に進めてください。

  1. Equalizer APO をダウンロード
    https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/equalizerapo/
  2. インストール途中で「Speakers」にチェック
  3. インストール終了後に再起動
  4. 「Configuration Editer」を起動
  5. 左最下部の「緑プラスマーク」をクリック
  6. 「Basic filters」項目を選択
  7. 「Copy(Copy between channels)」を選択
  8. 「緑L」から「赤L」までドラッグ&ドロップ
  9. 矢印をダブルクリックして「-1」と入力
  10. 完了
逆相接続(Out of Phase)かどうかは、動画でも確認できます。
Youtube:speaker polarity check test tone

AYANEO AIR のベンチマーク

AYANEO AIR のベンチマーク結果を確認します。
設定・環境によっては変わることがあるので、あくまでも参考程度にとどめてください。

冷却能力

ベンチマークテストで負荷をかけた状態の温度を計測しました。
最大温度は 80度を超えましたが、一定時間経過後には 50度台で安定します。
放熱対策・冷却能力については、AYANEOシリーズの中では劣る印象です。

ゲームプレイでは、体感的に温かさを感じます。
グリップ部分はさほど気になりませんが、それ以外の表面温度は 36~50度近くになりました。
表面温度が最も高くなるのは、画面左上から左アナログスティック辺りです。

内蔵ファンの風切り音は、負荷がかかる際に一時的に大きくなります。
そのため、没入感があるゲームミュージックを楽しむにはイヤホンが必須となりそうです。

ストレージ速度(SSD)

AYANEO AIR に標準搭載されている M.2 2280 SSD のストレージ速度です。
高速なものを採用しています。

ストレージ速度(microSDカード)

microSDカードのストレージ速度です。
最大100MB/秒のカードリーダーを搭載しています。
SanDisk Extreme PRO microSDXC UHS-Iカードを使用して測定しています。

バッテリー情報

AYANEO AIR のバッテリー状態です。
バッテリーの基本情報、容量、状態などの参考としてください。

ベンチマークテスト結果

AYANEO AIR のベンチマークテスト結果です。
標準設定の『ゲーム(12W)』、高性能設定の『プロ(15W)』、解像度 1280 × 720 に設定したうえでのベンチマークスコアを比較しています。

ベンチマークテスト ゲーム(12W) プロ(15W)
ドラゴンクエストX ベンチマーク 標準品質 フルスクリーン 13384 14194
ドラゴンクエストX ベンチマーク 最高品質 フルスクリーン 11030 12687
ドラゴンクエストX ベンチマーク 標準品質 ウィンドウ 12835 13760
ドラゴンクエストX ベンチマーク 最高品質 ウィンドウ 11219 12312
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 標準品質 6807 7407
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 標準品質 ノートPC 6751 7300
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 高品質 4287 4826
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 高品質 ノートPC 5278 5855
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 最高品質 3803 4407
PCMARK 10 4885 5168
3DMARK Time SPY 943 1090
3DMARK Fire Strike 2336 2759
3DMARK Night Raid 9652 11207
CINEBENCH Release23 5287 6164
CINEBENCH Release23(Single Core) 1238 1269

連続稼働時間

AYANEO AIR の連続稼働時間の測定結果です。
測定にはベンチマークテスト BBench を使用しています。

  • ディスプレイの明るさは 50%
  • ボリューム 50%
  • スリープしない
  • 無線LAN / Bluetooth:ON
  • 電源プラン「バランス」
  • AYA Space設定「バランス(8W)」

上記の測定条件で、強制休止までの時間を計測したところ、計測結果は3時間6分でした。
ゲーミング使用に限定した場合では、設定ありきで1~2時間と見て良いでしょう。

バッテリー残量 0%から満充電までの所要時間は1時間35分でした。
消費電力と供給電力の関係を考えると、モバイルバッテリーでの運用は厳しいです。
電源が確保できる環境での使用を推奨します。

まとめ

AYANEO AIR 最大の特長は『AIR』の名に恥じない本体サイズ・重さです。
『Nintendo Switch より小さく・重さは同じ』で、500g超が当たり前だった Windows携帯ゲーム機に一石を投じたモデルです。

超軽量 398g でありながら、有機ELディスプレイ(AMOLED)、LEDイルミネーション機能、LC/RCボタン、microSDカードスロットといった新機能を搭載。また、本体上部の美しいグラデーションカラーを含めた本体のビルドクオリティの高さ、Nintendo Switchライクな操作性・持ちやすさは評価ポイントです。

メリット
デメリット
  • 超薄型軽量 398g
  • 有機ELディスプレイ
  • ビルドクオリティ高
  • 操作性・持ちやすさ
  • LEDイルミネーション
  • LC / RCボタン
  • microSDカードスロット
  • 価格
  • バッテリー持ち
  • 画面サイズ・解像度
  • 放熱対策・冷却能力
  • クリアでない音質

一方で、ポータビリティは向上したものの、バッテリー持ちはこれまでの Windows携帯ゲーム機相当です。また、画面サイズに対して解像度 1920×1080 を生かせるゲームタイトルが限定されること、体感的な発熱温度が気になる冷却能力、こもったような音質は残念ポイントです。

これから日本国内でも予約開始された Steam Deck の出荷や、AYANEOシリーズの次世代モデルの登場が控えています。価格・スペックを十分に理解したうえで、ライバル機を圧倒する『超薄型軽量』を求める人向けの最適なデバイスと評価します。

バッテリー持ちが気になる人は、バッテリーを増量した AYANEO AIR Pro を用意しています。
大きさ・重さは増しますが、こちらもあわせて検討してみてください。

ハイビーム 公式オンラインストア

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