
中華ゲーム機「ANBERNIC RG557」は、前モデル(RG556)の後継モデルです。
SoC に MediaTek Dimensity 8300、5.48インチ有機ELディスプレイ(AMOLED)を搭載しています。ANBERNIC史上最高スペックの Androidゲーム機です。
ANBERNIC RG557 の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックします。
ANBERNIC RG557 について
ANBERNIC RG557 に関する情報をまとめたページです。
レビュー用にサンプルを提供してもらいましたが、コンテンツの内容には影響していません。
「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」を利用したうえで公開しています。
価格・販売ストア

ANBERNIC RG557 は、公式サイトを中心に広く販売しています。
カラーラインナップは、クリアパープル、ホワイトの全2色。
・ANBERNIC RG557
一般販売価格:37,499円(送料別途)
プレセール価格:35,299円(送料別途)
記事執筆時点で、公式ストアにおける販売価格が最安値です。
製品仕様とスペック
ANBERNIC RG557 のスペックを詳しく見ていきます。
製品名 | ANBERNIC RG557 |
画面 | 5.48インチ、有機EL(AMOLED) 解像度 1920 × 1080 402PPI、マルチタッチ |
OS | Android 14 |
SoC | MediaTek Dimensity 8300 |
RAM | 12GB LPDDR5X |
ストレージ | 256GB UFS4.0 microSDカード(最大2TB) |
バッテリー | 5500mAh |
インターフェース | USB Type-Cポート |
ワイヤレス通信 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3 |
大きさ | 223 × 89 × 15~25mm |
重さ | 347g |
素材 | ABS樹脂素材 |
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
ANBERNIC RG557 のレビュー
ANBERNIC RG557 をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点や欠点についても徹底解説します。
付属品

1. スクリーンプロテクター
2. 液晶クリーナー
3. ユーザーマニュアル(中国語・英語)
4. USB Type-Cケーブル

別売りの収納ケース(ストラップ付き)が用意されています。
イエローとレッドのカラーリングが目を惹く(マク〇ナルドのような)デザインです。
しっかり本体を保護したい人は、同時購入がおすすめです。
大きさ・重さ

大きさは 223 × 89 × 15~25mm、重さは 338g(実測値)です。
プラスチック筐体(ABS樹脂素材)で、重さは『標準』です。
前モデル(RG556)の本体形状と重さを、そのまま踏襲しています。
コーティングのないマットな質感ながら、成形精度や組み立て精度は高いです。
ちなみに、本体カラーのクリアパープルはつるつるとした質感です。
サイズ感

参考として、PS Vita(PCH-2000)や Nintendo Switch を並べてみました。
Nintendo Switch よりも Switch Lite に近いサイズ感です。

続いて、Retroid Pocket 5 と AYN Odin2 Portal を並べてみました。
ほぼ同じ画面サイズの Retroid Pocket 5 と比べると、大きく感じられるサイズ感です。
本体サイズのわりには重量を感じさせない形状ですが、持ちやすさを重視したグリップが付いているため、持ち運びにはやや不向きです。
インターフェース

上部に音量調整ボタンと電源ボタン、下部にはイヤホンジャック、USB Type-Cポート(1080P映像出力対応)、microSDカードスロット、左右にデュアルスピーカーが配置されています。

ワイヤレス通信機能として、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3 を搭載しています。
その他に、マイク、バイブレーション機能、6軸ジャイロセンサーを備えています。

アナログスティック周りに 1600万色の RGBライトエフェクトが搭載されています。
システム設定から LED のオン・オフや輝度調整、RGBカラー・エフェクトの変更が可能です。

背面には内蔵ファンの吸気口があり、上部の排気口へ放熱します。
冷却能力に優れた静音タイプのアクティブ冷却ファンが搭載されており、長時間のゲームプレイでも快適に楽しめます。
騒音計で測定したところ、デバイスから 50cm 離れた位置での騒音レベルは最小で計測不能、最大で 35db です。風切り音は Retroid Pocket 5 と同じくらいです。
画面

5.48インチの有機ELディスプレイ(AMOLED)を搭載しています。
アスペクト比は 16:9 で、解像度は 1920 × 1080、画素密度は 402PPI です。
10点マルチタッチスクリーンで、鮮明で色彩豊かな表示が可能です。
ネイティブがポートレート(縦長)な液晶であり、リフレッシュレートは 60Hz です。
黒さがはっきりと美しい色彩で表現され、高速な応答速度を体感できます。

明るさと輝度(cd/m2)を測定したところ、最大780nit を記録しました。
タッチスクリーンの操作感度(シングルタッチ・マルチタッチ)の平均値は 61Hz、呼び出しレートは平均 121Hz です。また、タッチ操作の反応が鈍い画面位置などもありません。
有機ELディスプレイのベゼルレスが主流になりつつある中で、本体カラーと異なるベゼルが目立つことや、画面の色彩調整(キャリブレーション)機能が見当たらない点が気になりました。
はっきりとしたコントラストの高さと、優れた最大輝度が特徴です。ただし、定番レトロゲームの一部では画面比率 16:9 には適していないことに留意が必要です。
操作感

操作感については、前モデル(RG556)と違いはありません。
ABXYボタンサイズは 7.6mmで、1.4mm のストロークで、L1 / R1ボタンはマイクロスイッチ、それ以外のボタンはすべてメンブレン方式を採用しています。
アナログスティックは静電容量式、トリガーにはホール効果センサーが搭載されています。
方向ボタンと ABXYボタンは光沢ボタンで、それ以外はマットな質感のボタンです。

ボタンの押し感や反発、ストローク量は ANBERNIC標準仕様と判断しました。
また、L2 / R2ボタンにはアナログトリガーが採用されています。
方向ボタンや ABXYボタンなどのボタン音は気になりませんが、L1 / R1ボタンのメカニカルなカチカチ音はやや気になります。ANBERNIC製品の標準仕様よりスティックは小さめです。

主要ボタンはどれも指すべりが良く、指先の摩耗が少ないのでスムーズな操作を可能にします。ただその分、指先の定位を意識する必要があるので、素早い操作が求められる場面では注意が必要です。

総合的な操作感は快適ですが、本体のグリップを含め、指が触れる部分やボタンにテクスチャー加工がされていないので、手汗をかくと少し滑りやすくなります。
ただし、標準的なモデルよりも握りやすく大きめなグリップが付いているため、滑りやすさについては神経質に考える必要はありません。

アナログスティックのデッドゾーンもほとんど感じられず、可動域も広めです。
特に可動域に顕著に気になるところもなく、測定結果も良好でした。
Androidゲーム機はエミュレーターアプリが豊富な反面、入力遅延を感じやすい傾向があります。ただし、繊細な操作が求められないゲームなら特に問題はないでしょう。
システム

ANBERNIC の Androidゲーム機共通のシステム構成を採用しており、Android 14 を搭載し、Google Playストアに対応しています。標準的なエミュレーターアプリも最初から入っているので、すぐに遊び始めることができます。

ホームアプリは標準の『Quickstep』と独自UI の『RGLauncher』を用意しています。
RGLauncher は本体左側の「ゲームモードボタン長押し」または「クイック設定パネル」から起動できます。

画面上部から引き出せるパネル「クイック設定パネル」では、画面の明るさ調整や自動回転のロック、パフォーマンスモードの切り替え、入力やリマッピング機能、冷却ファンの設定、RGBライトエフェクトの編集などが可能です。
Ambient Light項目を短押しで、簡易的なエフェクトモードの変更、長押しすることで輝度調整やカラーなどの詳細設定ができます。

リマッピング機能である「Keymapp」を設定すれば、タッチ操作を物理ボタンに割り当てられます。可動域やデッドゾーンの調整は設定の「Handheld Game Console Settings」から変更できます。
OTAアップデートにも対応しており、アップデートでの細かなバグの修正にも対応しています。必要に応じてエミュレーターアプリやサードパーティ製アプリの導入をお勧めします。
エミュレーター性能

エミュレーター性能は、ANBERNIC史上最高スペック(記事執筆時点)です。
主要スペックに MediaTek Dimensity 8300 を搭載しており Androidゲーム機としては高性能です。実測したところ Antutuベンチマークスコア(V10)は 130万点台を記録しました。
動作するエミュレーターは、動作が厳しいとされる PSP、セガサターン、ゲームキューブ、Wii、3DS、PS2、PS Vita についても動作するため、幅広いゲームを快適に遊ぶことができます。

競合製品である AYANEO Pocket S や AYN Odin2シリーズには性能面では劣りますが、Retroid Pocket 5 と比較すると、スペック上の数値ほど差を感じないところもあります。一部のエミュレーター(Wii U 以上)や特定のゲームタイトルを除き、十分にパフォーマンスを発揮します。
一般的に Snapdragon搭載機の方が対応するエミュレーターアプリの動作が良いのは事実ですが、ANBERNIC RG557 は、設定やフレームレートの調整に頼らずフルスピードで動作するゲームタイトルが多く、特に気にする必要はないと感じました。
ゲームアプリ

デバイス負荷が高めのゲームアプリ『原神』や『鳴潮』、『ゼンレスゾーンゼロ』は、グラフィック設定を「高~最高」で動作します。
内蔵ストレージも標準で 256GB あるので、遊ぶゲームを厳選すれば microSDカードを使わずに運用することも十分可能です。キーマッピング(keymapp)機能を使えば、ゲームコントローラーに対応していないゲームアプリでも快適にプレイできます。

さらに、Steam Link や Xbox Game Pass を活用してリモートプレイやクラウドゲーム(PCゲーム)も楽しめますが、快適なプレイには通信環境や回線速度が十分であることが前提です。
ポータブルゲーミングPC と比較すると、画面サイズは 7インチ以下で小さめです。
ゲームタイトルによっては文字などの視認性がやや劣る場合がありますが、クラウドゲームなどにも対応できるモデルといえるでしょう。
まとめ

ANBERNIC RG557 は、ANBERNIC史上最高スペック(記事執筆時点)の Androidゲームです。
前モデル(RG556)の本体形状と重さを踏襲しつつ、MediaTek Dimensity 8300 を搭載し、RAM 12GB、ストレージ 256GB とスペックの高さが際立ちます。
サイズ感は Nintendo Switch Lite に近く、重量も 300g台と軽めです。
コントラストが高く美しい色彩が表現できる 5.48インチ有機ELディスプレイ(AMOLED)を搭載し、システムには Android 14 を採用。エミュレーター性能も大幅に強化されているのが大きなポイントです。
操作感については、前モデル(RG556)と大きな違いはありません。
テクスチャー加工がないため手汗をかくと少し滑りやすいのが気になりますが、標準的なゲームコントローラー並みのグリップがあるおかげで持ち心地は良好です。操作感も総合的に見ると評価できます。
ただし、アナログスティックのヘッド部分が既存製品よりも小さいため、操作感にわずかな違いを感じる場面があります。特に、既存製品に慣れているユーザーにとっては、その操作性に賛否が分かれるかもしれません。
競合他社製品(AYANEO Pocketシリーズや AYN Odinシリーズ)と比べても、エミュレーター性能や付加価値の面では価格とのバランスで十分に健闘しています。Wii U以上のエミュレーターを遊ぶには Snapdragon搭載機に劣る部分が目立ちますが、全体としてはコストパフォーマンスに優れた選択肢と評価します。
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ANBERNIC RG557
販売価格:37,499円(送料別途)
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