中華ゲーム機「ANBERNIC RG503」は、RG351シリーズよりも優れた RockChip RK3566 を搭載、PS Vita(PCH-1000)相当の 4.95インチ有機ELディスプレイを採用したモデルです。
ANBERNIC RG503 の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能、初期設定・使い方をご紹介します。評価すべきところ、欠点についても詳しくチェックします。
ANBERNIC RG503 の価格・販売ストア
ANBERNIC RG503 は、海外通販サイトを中心に広く販売しています。
カラーバリエーションは、ブルー、グレー、ブラックの3色。
ANBERNIC RG503
一般販売価格 19,299円
ANBERNIC公式ストアにおける販売価格が最安値です。
定期的にセール価格にて販売しています。
ANBERNIC RG503 のスペック
ANBERNIC RG503 のスペックを詳しく見ていきます。
- システム:Open source linux system(JELOS)
- ディスプレイ:4.95インチ有機ELディスプレイ、16:9
- 解像度:960×544
- CPU:RockChip RK3566 (1.8GHz)
- GPU:Mali-G52 2EE
- RAM:1GB LPDDR4
- ストレージ:microSDカード(最大256GB)
- 大きさ:187 × 84.5 × 25mm
- 重さ:235g
- バッテリー容量:3500mAh
- ワイヤレス通信:Wi-Fi 2.4GHz/5GHz、Bluetooth4.2
- インターフェイス:USB Type-C×2、microSDカードスロット×2、
イヤホンジャック、miniHDMI - その他:スピーカー(ステレオ)、振動モーター
- 素材:プラスチック(ABS樹脂素材)
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが保証はできかねます。
ANBERNIC RG503 のレビュー
メーカー提供を受けた ANBERNIC RG503 をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、エミュレーター性能、初期設定・使い方にいたるまでを徹底解説します。
付属品
ガラスフィルム、液晶クリーナー、マニュアル(中国語・英語)、USB Type-Cケーブルが付属します。
大きさ・重さ
本体の大きさは 187 × 84.5 × 25mm、重さは 237g(実測値)です。
プラスチック(ABS樹脂素材)の筐体で、大きさに対して『軽い』のが特長です。
PS Vita(PCH-1000)相当の 4.95インチ有機ELディスプレイを搭載し、大きさ・重さについても PS Vita 相当なのはポイントです。
これまでに発売された ANBERNIC製品、PSVita を含め比較してみました。
いずれも実測値ではなく、公式発表されているスペックです。
製品名 | 画面サイズ | 大きさ | 重さ |
PS Vita(PCH-1000) | 5インチ | 182 × 83.5 × 18.6mm | 260g |
PS Vita(PCH-2000) | 5インチ | 183.6 × 85.1 × 15mm | 219g |
RG552 | 5.36インチ | 198.1 × 85.6 × 20mm | 355g |
RG503 | 4.95インチ | 187 × 84.5 × 25mm | 235g |
RG351MP | 3.5インチ | 146 × 76 × 18.5mm | 266g |
中華ゲーム機としては、大画面ディスプレイでありながら軽量モデルと評価します。
ビルドクオリティはややチープな印象を受けますが、画面が大きく・軽いモデルを探している人にピッタリです。
インターフェース
インターフェースは、上部に USB Type-C×2(内1つは給電ポート)、miniHDMIポート、3.5mmイヤホンジャック。
下部に microSDカード×2(内1つは Linuxベースのシステム起動用)、RESETボタン、Fボタン、左右にステレオスピーカーを用意。
左側には電源ボタン、右側には音量ボタンを用意しています。
ワイヤレス通信機能は Wi-Fi 2.4GHz/5GHz、Bluetooth4.2 をサポートしています。
ただし、技適未取得機器なのでドングル接続しての利用を推奨します。
画面
ANBERNIC RG503 の有機ELディスプレイを高く評価します。
4.95インチ有機ELディスプレイ(16:9)、解像度 960×544、画素密度 223PPI です。
マルチタッチスクリーン機能のない PS Vita相当の有機ELディスプレイを搭載しています。
有機ELディスプレイの特性(焼き付き、色むらなど)については賛否両論ありますが、黒がはっきりとした美しい色彩の描写、応答速度の速さを体感できます。
操作性
操作性・押し心地については『やや難あり』です。
ABXYボタンサイズは 7.8mm、ストローク 1.5mm で、これまでどおりです。
アナログスティック、十字キーの操作性は良好ですが、よく利用する Fボタンの配置・操作性は悪いです。隣り合わせに配置された RESETボタンを誤って押す危険性があります。
また、ABXYボタンの押し心地に改善が必要です。
例えば、Bボタンを押しながら Aボタンを押すような操作で、ボタンを押す角度によって引っ掛かり、うまく操作できないことがあります。そのため、ボタン側面が摩耗により削れます。
丸みを帯びた形状でグリップもあり、持ちやすさは良好です。
ANBERNIC製品で広く採用された滑り止めパッドは廃止され、代わりに本体筐体素材そのままの滑り止めグリップが採用されています。
システム
Linuxベースのシステムである JELOS を採用しています。
エミュレーター機能がメインですが、動画・音楽向けの高機能メディアプレイヤー KODI、ゲームストリーミング MoonLight などを楽しめます。
そのほかにも FUNCTION SETTINGS で、「キーテスト」「システム復旧」「BURST機能」(特定ボタンに連射機能を付与)する機能などを用意しています。
ANBERNIC製品はユーザー数が多くスケールメリットが高いので、将来的なオンラインバージョンアップや CFW(カスタムファームウェア)が期待できます。
エミュレーター性能・所感
エミュレーター性能は RG351シリーズより優秀です。
主要スペックに RockChip RK3566 を採用したモデルで、RG351シリーズで少し重ためだったエミュレーター、ゲームタイトルの動作改善が見込めます。
動作するエミュレーターは一般的なレトロゲームをはじめ、スーパーファミコン、プレイステーション、ニンテンドーDS までが快適動作、NINTENDO64、PSP、ドリームキャストがそこそこ動作、セガサターンも動作するスペックを搭載しています。
特に画面サイズが大きくなったことで、ニンテンドーDS が遊びやすくなりました。
L2/R2ボタンの画面切替表示だけでなく、上・下画面を横並び表示でも視認できます。
標準搭載の公式ファームウェアの完成度は低く課題とされていましたが、CFW(カスタムファームウェア)で改善されています。遊べるレベルで動作するエミュレーターは増えましたが、エミュレーターやゲームタイトルによっては設定変更が必要です。
ANBERNIC RG503 の使い方・初期設定
ANBERNIC RG503 の使い方・初期設定を詳しく解説します。
基本的な使い方はこれまでにリリースされた製品と変わりません。
エミュレーター・ゲームタイトルによっては細かな設定・変更や試行錯誤が必要です。
システムメニューを日本語化
一番はじめに行うのはメインシステムの「日本語化」です。
下記の手順を参考に進めてください。
- ANBERNIC RG503 の電源ON
- STARTボタンを押してシステムメニューを表示
- 「SYSTEM SETTING」を選択
- LANGUAGE を「JAPANESE」に変更して BACK
- 「QUIT」を選択
- 「RESTART SYSTEM」を選択
- 再起動後にシステムが日本語化
ホットキーリスト・ファンクションキー
各メニューのホットキーリスト・ファンクションキー一覧です。
- A:決定
- B:キャンセル
- Y:FAVORITES追加・削除
- SELECT:クイックメニュー表示
- START:システムメニュー表示
- L/R:ゲームメニュー移動
- 音量上下:音量調整
- F+上下:音量調整
- F+左右:保存スロット選択
- F+L1:クイックロード
- F+R1:クイックセーブ
- F+L2:ゲーム速度UP
- F+R2:FPS表示
- F+B:ゲームメニュー表示
- F+START:ゲーム終了
- F+音量:明るさ調整
データ移行方法
ゲームイメージのデータ移行方法は2種類です。
一つは microSDカードを取り出して移行する方法、もう一つはワイヤレス通信を利用したデータ移行方法です。詳しくは次の記事を参考に進めてください。
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必ず自身で吸い出したものを使用してください。
ファームウェアのアップデート方法
ANBERNIC RG503 は、ワイヤレス通信によるアップデートに対応しています。
下記手順を参考に進めてください。
- STARTボタンを押してシステムメニューを表示
- 「アップデートとダウンロード」を選択
- 「アップデート開始」を選択
- 更新作業後に再起動して完了
カスタムファームウェア(CFW)の導入方法
ANBERNIC RG503 のカスタムファームウェア(CFW)の導入方法はこちらです。
使いやすさ、エミュレーター性能の向上を期待できます。
ANBERNIC RG503 のカスタムファームウェア(CFW)の導入方法を解説します。使いやすさ、エミュレーター性能の向上が期待できます。ファームウェアをダウンロード最新のファームウェアをダウンロードしま[…]
まとめ
ANBERNIC RG503 は、エミュレーター性能を向上し、有機ELディスプレイを採用したモデルです。クラウドゲーミングや外部接続を意識したワイヤレス通信機能を搭載しています。
総合評価としては「期待値を上回る・買い」と評価します。
RG351シリーズを上回るスペックに、黒がはっきりとした色彩の有機ELディスプレイは評価ポイントです。ポケットサイズとはいえない大きさですが軽量で持ちやすい筐体形状が特徴です。
一方では、操作性・押し心地の悪さが気になります。
Fボタンの配置・操作性の悪さは ANBERNIC RG552 そのまま、特定ボタンの押し心地の悪さはゲームプレイ時に気になります。標準ファームウェアの問題については、CFW(カスタムファームウェア)で改善されています。
ANBERNIC RG503 の購入を検討している方は、価格が安くなってきた ANBERNIC RG552 をあわせて検討することをおすすめします。
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