
中華ゲーム機「ANBERNIC RG477V」は、ANBERNIC史上最高クラスのスペックを誇る縦型 Androidゲーム機です。全画面ガラス仕様の 4.7インチ LTPSディスプレイ(120Hz)と、SoC に MediaTek Dimensity 8300 を搭載しています。
ANBERNIC RG477V の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックします。
ANBERNIC RG477V について
ANBERNIC RG477V に関する情報をまとめたページです。
レビュー用にサンプルを提供してもらいましたが、コンテンツの内容には影響していません。
※販売ストアによっては、権利者の許可を得ていないゲームが含まれている可能性があります。ご利用の際は、ご自身の責任でご確認ください。
価格・販売ストア

ANBERNIC RG477V は、公式サイトを中心に広く販売されています。
カラーラインナップは ブラック、レトログレーの全2色。
・ANBERNIC RG477V
販売価格:35,499円~41,899円(送料別)
予約価格:32,299円~38,699円(送料別)
製品仕様とスペック
ANBERNIC RG477V のスペックについて詳しく見ていきます。
| 製品名 | ANBERNIC RG477V |
| システム | Android 14 |
| 画面 | 4.7インチ液晶ディスプレイ 解像度 1280 × 960 LTPS、4:3 マルチタッチ リフレッシュレート120Hz |
| SoC | MediaTek Dimensity 8300 |
| RAM | 8GB / 12GB LPDDR5X |
| ストレージ | 128GB / 256GB microSDカード(最大2TB) |
| バッテリー容量 | 5500mAh 8時間駆動 |
| インターフェース | USB Type-C イヤホンジャック microSDカードスロット デュアルスピーカー 振動モーター アクティブ冷却ファン |
| ワイヤレス通信 | WiFi 6E Bluetooth 5.3 |
| 大きさ | 153 × 105 × 15~23mm |
| 重さ | 334g |
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
ANBERNIC RG477V のレビュー
ANBERNIC RG477V(12GB / 256GBモデル)をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点や欠点についても徹底解説します。
付属品

1. マニュアル(中国語・英語)
2. USB Type-Cケーブル

別売りで収納ケースも用意されています。
本体をしっかり保護しながら持ち運びたい方は、あわせて購入することをおすすめします。
大きさ・重さ

大きさは 153 × 105 × 15〜23mm、重さは 340g(実測値)です。
プラスチック筐体(ABS樹脂)を採用した標準的な重さのモデルで、体感的には Newニンテンドー3DS LL(約329g)に近い重量感です。
表面にはオールガラスが採用されており、高品質なデザインが特徴です。
カラーによっては皮脂や汚れが目立つかもしれませんが、成形精度や組み立て精度は高い仕上がりです。
本体カラー「ブラック」は、ディスプレイと筐体の一体感が美しく、全体的に洗練された印象を受けます。あわせて、START / SELECT ボタンに採用されたパネルライトも映え、デザイン面でのアクセントとして存在感を放っています。
サイズ感

参考として、初代ゲームボーイ や Analogue Pocket を並べてみました。
画面サイズが大きい分、横幅はやや広めですが、厚みは抑えられています。
ポケットサイズというよりは、バッグに入れて持ち運ぶのにちょうどいいサイズ感です。
これまでに登場した歴代の縦型モデルと比べると、サイズ感はおおむね同等ですが、段差の少ないフラットなフォルムがより際立っています。
インターフェース

インターフェースは、上部に USB Type-Cポート、下部にはイヤホンジャックを備え、左右にデュアルスピーカーを配置しています。
デュアルスピーカーは手でふさがりにくい配置で、音量・音質ともに十分です。
ただし、厳しめに見ると下部スピーカーということもあって、クリアさ重視の人は好みが分かれるかもしれません。

左側にファンクションキーと microSDカードスロット、右側に音量ボタンと電源ボタンを備えています。
ワイヤレス通信機能として、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3 を搭載しています。
その他に、マイク、バイブレーション機能、6軸ジャイロセンサーを備えています。

アナログスティック周りに RGBライトエフェクトを搭載しています。
システム設定から LED のオン・オフや輝度調整に加え、RGBカラーやエフェクトの変更が可能です。
また、START / SELECT にはパネルライトが採用されています。
カラーの変更はできませんが、LEDの常時点灯・オフ・押したときのみ点灯といった挙動を設定できます。

バッテリー容量 5500mAh(急速充電対応)で、バッテリー持ちは 3~6時間ほどといったところです。また、冷却能力に優れた静音タイプのアクティブ冷却ファンが搭載されています。
体感的にも本体が温かくなるような発熱は見られませんでした。
デバイスから約 50cm 離れた位置で測定したところ、最小時は騒音計が反応しないほど静かでした。最大時は「キーン」という高音寄りの風切り音が確認できますが、全体的としては標準的な範囲(33dB)です。
画面

リフレッシュレート 120Hz の4.7インチ LTPSディスプレイを搭載しています。
全面ガラス張り・ベゼルレスの液晶ディスプレイが特徴で、アスペクト比は 4:3 で、解像度は 1280 × 960、画素密度は 340PPI です。
中華ゲーム機(Androidゲーム機を含む)の縦型モデルとしては、表面にオールガラスを採用した初めてのモデルとなります。
10点マルチタッチに対応したスクリーンで、鮮明で色彩豊かな表示が可能です。

表示遅延がほとんど感じられない『ANBERNIC RG477M』と同じパネルが採用されています。
ネイティブでポートレート(縦長)な液晶であり、リフレッシュレートは最大 120Hz です。
リフレッシュレートは、Auto / 60Hz / 90Hz / 120Hz の中から選択可能です。
明るさと輝度(cd/m2)を測定したところ、最大553nit を記録しました。
リフレッシュレート 120Hz 選択時のタッチスクリーンの操作感度(シングルタッチ・マルチタッチ)の平均値は 125Hz、呼び出しレートは平均 232Hz です。

定番レトロゲームにおけるオリジナルの解像度、倍率、表示解像度は以下のとおりです。
ANBERNIC RG476H(解像度 1280 × 960)での表示イメージの参考にしてください。
| 製品名 | オリジナル | 倍率 | 表示解像度 |
| ゲームボーイアドバンス | 240 × 160 | 5倍 | 1200 × 800 |
| プレイステーション | 320 × 240 | 3倍 | 1280 × 960 |
| セガサターン | 320 × 240 | 4倍 | 1280 × 960 |
| PSP | 480 × 272 | 2倍 | 960 × 544 |
| ドリームキャスト | 640 × 480 | 2倍 | 1280 × 960 |
| プレイステーション2 | 640 × 480i | 2倍 | 1280 × 960 |
| PS Vita | 960 × 544 | 1倍 | 960 × 544 |
解像度とアスペクト比については、定番のレトロゲームでは気になりませんが、PSP(16:9)などには適していないことに注意が必要です。
操作感

操作感は良好で、全体的にしっかりと作り込まれている印象です。
ABXYボタンサイズは 7.6mmで、ストロークは 1.4mmとしっかり、LRボタンやメニューボタン等はマイクロスイッチ、それ以外の主要ボタンはすべてメンブレン方式を採用しています。
ホール効果センサー搭載のスティックに加えて、システム側でボタンレイアウトを変更できるため、プレイヤーの好みに合わせて調整できるのもポイントです。

全面オールガラスに加え、方向ボタンにはマットな質感のボタン、ABXYボタンには指滑りのよい光沢ボタンが採用されています。ボタン側面の摩耗による削れや、押す角度によっての引っ掛かりもありません。
方向ボタンや ABXYボタン、LRボタンについてもボタン音はほとんど気になりません。
コントローラーに静音性を重視するユーザーにとっては、扱いやすく好印象な仕上がりといえるでしょう。

グリップ形状はありませんが、背面にはさらりとしたテクスチャー加工が施されています。
LRボタンにかかる指の収まりもよく、押し心地も良好なため、長時間のプレイでも疲れにくい印象です。
ただし、LRボタンはアナログトリガーではないため、レースゲームなどの細かな入力を求める用途にはやや不向きです。また、スティックの可動域や高さは適切ですが、個人的には、数ミリ低めのスティック、もしくは凹面タイプであれば良かったと感じました。

アナログスティックのデッドゾーンもほとんど感じられず、可動域も広めです。
可動域にも特に気になるところはなく、測定結果も良好でした。
Androidゲーム機全般として、エミュレーターアプリの種類が豊富という利点はありますが、入力遅延を感じやすい傾向があるようです。ただし、繊細な操作・タイミングを必要としなければ特に気にする必要はないでしょう。
システム

システムには Android 14 を搭載しており、Google Play ストアにも対応しています。
ANBERNIC の Androidゲーム機共通のシステム構成を採用しており、標準的なエミュレーターアプリも最初から入っているので、すぐに遊び始めることができます。

ホームアプリは標準の『Quickstep』と独自UI の『RGLauncher』を用意しています。
RGLauncher は本体左側の「ファンクションボタン長押し」または「クイック設定パネル」から起動できます。

画面上部から引き出せるパネル「クイック設定パネル」では、画面の明るさ調整や自動回転のロック、入力やリマッピング機能、冷却ファンの設定の編集などが可能です。

AI機能アプリ『ANBERNIC AI』を用意しています。
画像生成・リアルタイム翻訳・会話形式での質疑応答 などに対応しています。特にリアルタイム翻訳は、リマッピング機能と組み合わせることで使い勝手が大きく向上し、ゲーム中でもスムーズに活用できる点が便利です。
OTAアップデートにも対応しており、アップデートでの細かなバグの修正にも対応しています。必要に応じてエミュレーターアプリやサードパーティ製アプリの導入をおすすめします。
ベンチマーク

各種ベンチマークテストの結果は以下のとおりです。
・Antutu(V11)のスコア
総合:1653319
CPU:488110、GPU:308082
・Geekbench 6 のスコア
CPU:シングルコア 1472、マルチコア 4711
GPU:9527
・3DMark のスコア
Steel Nomad Light:1335
Solar Bay:5328
エミュレーター性能

エミュレーター性能は、『RG557』や『RG477M』と同クラスです。
主要 SoC には MediaTek Dimensity 8300 を搭載しており、記事執筆時点で ANBERNIC史上最高クラスといえる性能を備えています。
スペックシート上では、動作が厳しいとされる PSP、セガサターン、ゲームキューブ、Wii、3DS、PS2、PS Vita についても動作するため、幅広いゲームを快適に遊ぶことができます。さらに、Wii U や Switch 向けタイトルも一部動作しますが、PS3 の動作は厳しい感じです。

競合製品である AYANEO Pocket S や AYN Odin2 シリーズと比べると、純粋な性能面では一歩譲るものの、Wii U 以上の一部エミュレーターや特定のタイトルを除けば、十分に実用的なパフォーマンスを発揮します。
一般的に Snapdragon搭載機のほうがエミュレーターアプリとの相性が良いとされますが、設定やフレームレート調整に大きく頼らずとも、フルスピードで動作するタイトルが多く、実用面ではあまり気にする必要はないと感じました。
必ずご自身で吸い出したものを使用してください。
ゲームアプリ

デバイス負荷が高めのゲームアプリ『原神』や『鳴潮』、『ゼンレスゾーンゼロ』についても、グラフィック設定を「高~最高」に設定した状態で動作します。
内蔵ストレージは標準で 256GBモデルも用意されているため、遊ぶゲームを厳選すれば microSDカードを使わずに運用することも十分可能です。また、キーマッピング機能を活用すれば、コントローラー非対応のゲームアプリでも快適にプレイできます。

さらに、Steam Link や Xbox Game Pass を利用したリモートプレイ、クラウドゲーム(PCゲーム)も楽しむことができます。ただし、画面サイズは 7インチ未満のため、文字の視認性や操作性についてはトレードオフが求められます。
まとめ

ANBERNIC RG477V は、ANBERNIC史上最高クラスのスペックを誇る縦型 Androidゲーム機です。Dimensity 8300 を搭載した高い処理性能に加え、全画面ガラス仕様の 4.7インチ LTPSディスプレイ(120Hz)、START / SELECTボタンのパネルライトという構成は、これまでの縦型モデルにはない差別化ポイントとなっています。
操作感や静音性、冷却性能といった基本的な作り込みもされており、レトロゲームから比較的高負荷なエミュレーター、さらに最新の Androidゲームアプリまで、幅広い用途を 1台でカバーできます。また、性能やビルドクオリティにも妥協を感じさせません。
一方で、4:3 画面ゆえに PSP など 16:9 タイトルとの相性や、LRトリガーがアナログではない点など、用途によっては割り切りが必要な部分もあります。また、価格帯もエントリーモデルとはいえず、高性能な縦型モデルを求めるユーザー向けといえるでしょう。
総合的に見ると、ANBERNIC歴代の縦型モデルの中でも、よりフラットで洗練されたデザインを備え、RG557 や RG477M クラスの性能やビルドクオリティを重視したいユーザーにとって、RG477V は完成度の高いモデルと評価できます。
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