中華ゲーム機「ANBERNIC RG Nano」は、ゲームボーイ風の縦型デザインと洗練された金属筐体を持つ極小サイズのモデルです。iPod nano(第6世代)の画面と Linuxシステムを採用しており、キーホルダーサイズで持ち運びに便利です。
ANBERNIC RG Nano の価格、スペック、特徴、操作性、エミュレーター性能についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックしていきます。
ANBERNIC RG Nano の価格・販売ストア
ANBERNIC RG Nano は、海外通販サイトを中心に広く販売しています。
カラーバリエーションは、全3色(レッド、ブルー、パープル)です。
・64GBモデル
一般販売価格 9,199円(送料別途)
セール価格 8,299円
・128GBモデル
一般販売価格 10,299円(送料別途)
セール価格 9,399円
ANBERNIC公式ストアにおける販売価格が最安値です。
ANBERNIC RG Nano のスペック
ANBERNIC RG Nano のスペックを詳しく見ていきます。
- システム:Linuxベースシステム(OpenDingux)
- ディスプレイ:1.54インチ IPS、1:1、タッチスクリーンなし
- 解像度:240 × 240
- CPU:Allwinner V3s(1.2GHz)
- RAM:64MB DDR2
- ストレージ容量:microSDカード
- 大きさ:71 × 43 × 17mm
- 重さ:75g
- バッテリー容量:1050mAh
- ワイヤレス通信:なし
- インターフェイス:USB Type-C
- その他:モノラルスピーカー
- 素材:金属筐体(アルミニウム合金)
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
ANBERNIC RG Nano のレビュー
メーカー提供を受けた ANBERNIC RG Nano をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点や欠点についても徹底解説します。
付属品
1. マニュアル(中国語・英語)
2. キーホルダー
3. USB Type-Cケーブル
4. USB-C 3.5mmヘッドフォンジャックアダプタ
専用ケース
ANBERNIC RG Nano専用ケースも別売りで販売されています。
ハンバーガーのようなカラーリングで、本体とケーブルを収納できます。
大きさ・重さ
本体の大きさは 71 × 43 × 17mm、重さは 75g(実測値)です。
金属製(アルミニウム合金)の筐体を採用しており、サイズに比べて重たいです。
最大のセールスポイントは『とにかく小さい』ことです。
堅牢性は確保されていますが、サイズにマッチした軽さをアピールするのであれば、プラスチック筐体を採用しても良かったかもしれません。
初代ゲームボーイと比較すると、その小ささがよくわかります。
手のひらにすっぽりと収まる小さなゲーム機なのが魅力です。
次に極小サイズのゲーム機と並べてみました。
左からゲームギアミクロ、ANBERNIC RG Nano、Visual Memory Console です。
総合的なビルドクオリティは『高い』と評価します。
金属筐体ならではの高級感ある質感と、ゲームボーイ風の縦型デザインは所有欲を満たします。
極小ながらもしっかり作られており、好感が持てます。
インターフェース
インターフェースは、上部に USB Type-Cポート、下部にストラップホール、モノラルスピーカーがあります。また、右側には 電源ボタンと microSDカードスロットが用意されています。
スピーカー音声は、サイズに似合わず音量高めで、音割れもありません。
ワイヤレス通信機能やバイブレーション機能は非搭載です。
背面には凸凹ラインの筋があり、滑り止め効果があります。
ただし、側面にややエッジがあること、本体は熱を持ちやすいため注意が必要です。
付属のキーホルダーは、フックで本体に取り付けるタイプです。
コンセプトは面白いのですが、本体の重さに対する耐久性に心配があります。
引っ張る力には多少は強くても、ねじる力が加わると破損しそうです。
画面
1.54インチ液晶ディスプレイ(1:1)、解像度は 240 × 240、画素密度は 220PPI です。
液晶ディスプレイとガラスレンズの間に隙間がないフルラミネーションディスプレイを採用しています。
このディスプレイは、Apple社が販売していた iPod nano(第6世代) の画面サイズや解像度と同じです。極小サイズのゲーム機としては、大きな画面と高解像度のモデルと評価できます。
そうはいっても、画面サイズも小さく、解像度も低いため、ゲームプレイには向いていません。また、画面の解像度に合わせて縮尺を無視した表示はされませんが、表示できない部分は画面外に見切れます。
操作性
持ちやすさや操作性は『良くない』と評価します。
ABXYボタンサイズは 4.9mm と極小であり、ストロークも 1.3mm と軽めです。
十字キーは軸がなく、すべてのボタンを指先でポチポチと操作する感じです。
特に L / Rボタンは押すとカチカチと高い音が鳴ります。ANBERNIC製品の中でも、音が非常に目立つ部類です。画面サイズや操作性に関しては、本体サイズとトレードオフの関係といえます。
システム
Linuxベースのシステム(OpenDingux)を採用しています。
また、FunKey OS との互換性もあります。
シンプルで使いやすい初心者向けのユーザーインターフェースが特徴です。
ただし、実装されているボタン数が少ないため、ファンクションキーを多用する操作が必要があります。また、いくつかバグ(USBアダプタ交換時など)があるのはマイナスポイントです。
電源ボタンを長押しで強制終了しても、自動的にステートセーブされ、再起動時にゲームを再開できる仕様です。また、一定時間操作をしないと、ビープ音が2回鳴って終了します。音量をオフにすれば鳴らないようになりますが、注意が必要です。
・公式ファームウェア ダウンロードリンク
クリーンな環境、システムを破損してしまった際にご利用ください。
https://drive.google.com/drive/folders/14OV2m8jJFuc9VvGuwDCopSwyHl1op5Lj
・Funkey OS ベースのカスタムファームウェア ダウンロードリンク
互換性がある Funkey OS の CFW です。
https://github.com/game-de-it/FunKeyOS-game_de_it
エミュレーター性能
昔ながらのレトロゲームに特化したエミュレーター性能です。
Allwinner V3s を採用したモデルで、一般的な中華ゲーム機よりも性能は劣っています。
しかし、キーホルダー型のゲーム機としては高性能です。
動作するエミュレーターは、ファミコンシリーズ、ゲームボーイシリーズ、プレイステーションなどが遊べるレベルとされており、手軽にレトロゲームを楽しめるモデルです。
スペックに対して、動作するゲームタイトルが多い点は評価できます。
ただし、遊べるエミュレーターやゲームタイトルは限られます。
ゲームボーイやファミコン、ゲームギアなどのレトロゲームを楽しむには適していますが、ゲームボーイアドバンスやプレイステーションを遊ぶには不向きです。アスペクト比を調整しても、画面表示が非常に小さくなり、一部が見切れてしまうためです。
時計
システムを起動すると、すぐに表示されるのは『時計』です。
キーホルダーをコンセプトに実装された機能と考えられますが、正確性にも不安があるため実際に利用するシチュエーションはなさそうです。
下記の手順を参考に進めてください。
- STボタン:時間をセット
- 電源ボタン:指定時間で電源オフ
- STボタン:メインメニューを表示
起動時の時計アプリを止めるスクリプトが公開されています。
興味がある人は自己責任で導入してみてください。
Anbernic RG nano. Contribute to game-de-it/RGnano developmen…
音楽プレーヤー
DAP(Digital Audio Player)としての機能を備えています。
USB-C 3.5mmヘッドフォンジャックアダプタを使った有線接続をサポートしています。
ただし、プレイヤーとして問題があり、あくまでも『おまけ機能』といえます。
音質については、特筆すべきことはなく、可もなく不可もなくといった感じです。
ハイレゾ音源(WAV、FLACなど)の再生や、埋め込まれたアートワークの表示も可能です。
音質を向上させたい場合は、USB-DAC を接続して使うことをおすすめします。
また、無線接続で音楽を楽しみたい場合は、Bluetoothトランスミッターの接続も考慮してください。
使い方
システムメニューの日本語化
システムの「日本語化」です。
下記の手順を参考に進めてください。
- L/Rボタンで「settings」に移動
- LANGUAGE を「Japanese」に変更
- STボタンを押す
- 完了
データ転送
データ転送方法です。
下記の手順を参考に進めてください。
- 本体とパソコンを USB接続
- 電源ボタンを押す
- メニューから「MOUNT USB」を選択
- Aボタンを2回押す
- microSDカード(システム、データ)が表示
- データ転送
- 完了(EJECT USB を選択)
基本操作
各メニューのホットキーリスト、ファンクションキーの一覧です。
すべてのエミュレーターや表示画面で動作するものではありません。
- SE+A:音量UP
- SE+Y:音量DOWN
- SE+X:明るさUP
- SE+B:明るさDOWN
- SE+上:スクリーンショット
- SE+下:アスペクト比
- SE+左:ズームアウト
- SE+右:ズームイン
- SE+L+R:システム状態の表示
- 電源短押し:簡易メニュー表示
- 電源長押し:電源オン・オフ
ゲーム中に終了しても、レジューム機能があるので途中からのゲームプレイが可能です。
まとめ
ANBERNIC RG Nano は、極小サイズのゲームボーイ風デザインが特徴です。
洗練された金属筐体を採用しており、所有欲を満たすモデルです。
総合評価としては『超小型ゲーム機好き・コレクター向け』と評価します。
レトロゲームに特化したエミュレーター性能を備えていますが、極小サイズのため画面の視認性や操作性は犠牲になっています。ただし、キーホルダー型ゲーム機としては画面の大きさや解像度、筐体品質がトップレベルです。
一方で、アナウンスされていた音楽プレーヤーや時計機能は実用性に欠けます。
ゲームを楽しむという目的よりも所有欲を満たすためのゲーム機といえます。そもそも、こういったゲーム機に快適さを求めるのは無粋です。メリットに重点を置くことが重要です。
ぎりぎり1万円以下で気軽に購入できる価格ではありませんが、どこにでも持ち運べるポータビリティに優れた超小型ゲーム機と評価します。キーホルダー型のテトリスにハマった層にはストライクな商品といえそうです。
関連ページリンク
ANBERNIC RG Nano
一般販売価格:9,199円から(送料別途)
プレセール価格:8,299円から(2023年6月15日 午後7時まで)
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