中華ゲーム機「XU mini M」は、SoC に RockChip RK3562 を採用した 2.8インチの横型モデルです。手にフィットするコンパクトサイズでありながら、価格に対して高いスペックを誇ります。
XU mini M の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックしていきます。
メーカーが公表していたスペックが虚偽である可能性があります。
XU mini M の価格・販売ストア
XU mini M は、海外通販サイトを中心に広く販売しています。
カラーラインナップは、クリアブラック、オレンジ、グレーの3色。
・XU mini M
販売価格:48.45ドル(送料無料)
※記事執筆時の価格です。
XU mini M のスペック
XU mini M のスペックを詳しく見ていきます。
製品名 | XU mini M |
システム | Linux |
画面 | 2.8インチ、IPS、4:3、 解像度 640 × 480 |
SoC | RockChip RK3562 1.8GHz |
RAM | 1GB DDR4 |
ストレージ | microSDカード |
バッテリー容量 | 2600mAh |
インターフェース | USB Type-Cポート × 2 イヤホンジャック microSDカードスロット × 2 デュアルスピーカー |
大きさ | 129 × 64 × 19mm |
重さ | 120g |
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
メーカーが公表していたスペックが虚偽である可能性があります。
XU mini M のレビュー
AliExpressストアで購入した XU mini M をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点、欠点についても徹底解説します。
付属品
1. 収納ケース
2. ユーザーマニュアル(英語・日本語)
3. スクリーンプロテクター
4. 液晶クリーナー
5. USB Type-Cケーブル
6. ハンドストラップ
大きさ・重さ
大きさは 129 × 64 × 19mm、重さは 127g(実測値)です。
プラスチック筐体(ABS樹脂素材)で、『とても軽い』です。
通常サイズの横型ゲーム機よりも一回り小さく、持ち運びに便利です。
ビルドクオリティはややチープな印象を持ちます。
手のひらにフィットする丸みのあるフォルムが特徴です。
現在、カラーラインナップは全3色ですが、今後増える見込みです。
サイズ感
参考として、Miyoo A30 と ANBERNIC RG28XX を比較してみました。
いずれも公式発表されているスペックをベースにしています。
製品名 | 画面サイズ | 大きさ | 重さ |
Miyoo A30 | 2.8インチ | 127.5 × 57 × 16mm | 115g |
XU mini M | 2.8インチ | 129 × 64 × 19mm | 120g |
ANBERNIC RG28XX | 2.83インチ | 125 × 56.5 × 16.5mm | 123g |
縦幅と厚みがあるにも関わらず、重量はほとんど変わりません。
また、角のないやさしい丸みがあるフォルムで、持ちやすいサイズ感です。
インターフェース
インターフェースは、上部に USB Type-Cポートを2つ、音量調整ボタンを用意し、下部に電源ボタン、リセットボタン、イヤホンジャックを備えています。
本体のコントローラー下部には、デュアルスピーカーを搭載しています。
ボリューム出力は十分で、音質もそこそこ良好です。
左右には microSDカードスロットが2つ(内1つは Linuxベースのシステム起動用)用意されています。microSDカードを挿入しても完全には収まらず、0.5mm程度突出してしまうのは少し気になるかもしれません。
ワイヤレス通信機能や映像出力ポート、バイブレーション機能は非搭載です。
バッテリー容量は 2600mAh で連続3~5時間駆動です。
画面
最大輝度に優れた液晶ディスプレイを採用しています。
2.8インチ液晶ディスプレイ(4:3)、解像度は 640 × 480、画素密度は 286PPI です。
ガラスレンズの隙間がないフルラミネーションディスプレイを採用しています。
画面の輝度(cd/m2)を測定したところ、最大1060nit を記録しました。
ANBERNIC RG40XX H の約3.8倍で、Odin2 Mini を超える高い輝度です。輝度を 10~20% の範囲に設定すれば、明るさ過多にならず、発熱も抑えることができます。
解像度とアスペクト比については、定番のレトロゲームでは気になりませんが、画面比率 16:9 には適していないことに留意が必要です。
操作性
操作性については、賛否両論と評価します。
ABXYボタンサイズは 6.7mm、ストロークは 1.2mm で、メンブレンタイプのボタンは、軽めでスコスコとした押し心地が特徴です。
2.8インチモデルとしては、珍しく左右にアナログスティックを搭載しています。
すべてのボタンがマットな質感で、SELECT と STARTボタンが左右に独立した配置となっているのもポイントです。
通常サイズの横型ゲーム機よりもボタンサイズは一回り小さいです。アナログスティックも小型ですが、指にフィットする受け皿形状を採用しており、操作性を考慮した設計となっています。
ただし、アナログスティックの抵抗力が弱く、軽い力で傾くほど柔らかいです。
そのため、精密な操作が求められる場合には、操作に慣れる必要があるかもしれません。
角のないやさしい丸みがあるフォルムで、手のひらにフィットする持ち心地です。
LRボタンは横並び配置ですが、L2 / R2 ボタンの形状が斜めになっており、指先で押しやすいよう工夫されています。
通常サイズの横型ゲーム機に比べて操作性は劣るかもしれませんが、ボタン配置や左右のクリアランス、フォルムはコンパクトな横型ゲーム機に適したものとなっています。
システム
Linuxベースのシステム(独自OS)を採用しています。
わかりやすい初心者向けのシステムで、初めてのユーザーでも使いやすいです。
基本的な設定項目・使い方は以下のとおりです。
- Gボタン・・・ゲームメニュー表示
- オプション画面・・・各エミュ項目画面からGボタン
- microSD切り替え・・・オプション「TF CARD MANAGEMENT」
- L2 / R2ボタン・・・画面配置切り替え【NDS】
- L3ボタン・・・2画面・単画面切り替え【NDS】
- R3ボタン・・・タッチ操作【NDS】
- 右アナログスティック・・・タッチペン移動【NDS】
現状では各種設定やチューニングが制限されていて、使いにくい部分があります。
今後の機能拡張や改善に期待できる可能性があります。
また、有志による CFW(カスタムファームウェア)の開発も進んでおり、導入することでカスタマイズ性の向上や、システム全体が改善される見込みです。
・公式ファームウェア(Stock firmware)
http://magicx.team/
・カスタムファームウェア(plumOS_XU_MINI_M)
https://github.com/game-de-it/XU_MINI_M
エミュレーター性能
エミュレーター性能は、2.8インチモデルで高性能と評価します。
主要スペックに RockChip RK3562 を採用したモデルで、ANBERNIC RG353シリーズと同等の性能を実現しており、幅広いジャンルのゲームをスムーズに動作させることができます。
スペックシート上では、一般的なレトロゲームからプレイステーション、ニンテンドーDS が快適動作、NINTENDO64、PSP、ドリームキャストがそこそこ動作、セガサターンやゲームキューブも動作するパフォーマンスを提供します。
PSPエミュレーターは動作しますが、解像度やアスペクト比が最適ではありません。
一方で、ドリームキャストのエミュレーションはほぼ快適ですが、セガサターンの動作は厳しめです。
競合他社の Miyoo A30 や ANBERNIC RG28XX と比較してエミュレーター性能が優れています。現状では RG353シリーズに比べてパフォーマンスは劣りますが、ファームウェアのアップデートによって、各エミュレーターのパフォーマンス向上が期待されます。
まとめ
XU mini M は、コスパに優れたコンパクトな横型モデルです。
手のひらにフィットするサイズ感でありながら、価格に対して高いスペックを備えているのが特徴です。
総合評価としては『期待値以上、買い』と評価します。
主要スペックに RockChip RK3562 を採用しており、ANBERNIC RG353シリーズよりも安価で同等の性能が期待できます。また、競合他社の 2.8インチモデルと比較して、優れたエミュレーター性能を発揮できるのはポイントです。
通常サイズの横型ゲーム機に比べて操作性は劣るかもしれませんが、コンパクトなデザインにもかかわらず、左右にアナログスティックを搭載しており、持ちやすさや操作性に配慮した設計となっています。このような特徴がデメリットよりもメリットを大きくしています。
一方で、ワイヤレス通信機能を省くなどのコストカットをはかり、低価格を実現しています。
システムの完成度やビルドクオリティに課題が残りますが、価格を重視するユーザーには最適なモデルです。さらに、新しい本体カラーも登場予定で、選択肢が広がることが期待されます。
メーカーが公表していたスペックが虚偽である可能性があります。
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