
中華ゲーム機「Retroid Pocket Flip 2」は、人気の Retroid Pocketシリーズの折りたたみモデルです。前モデルに比べて基本スペックが大幅に向上し、新たに有機ELディスプレイ(AMOLED)を採用しています。操作性やデザイン性にも優れたクラムシェル型の Androidゲーム機です。
Retroid Pocket Flip 2 の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックします。
Retroid Pocket Flip 2 について
Retroid Pocket Flip 2 に関する情報をまとめたページです。
プレセール開始日に公式ストアで購入した実機を使用しています。
提供品の有無にかかわらず、コンテンツの内容には一切影響していません。
価格・販売ストア

Retroid Pocket Flip 2 は、公式ストアで販売されています。
カラーラインナップは、ブラック、アイスブルー、GC、16Bit US の全4色。

人気シリーズのアップグレードモデルで、スペックの異なる 2モデルを販売中です。
海外通販サイト AliExpress でもリリース予定です。
・Retroid Pocket Flip 2
販売価格:199ドル~229ドル(送料別途)
製品仕様とスペック
Retroid Pocket Flip 2 のスペックについて詳しく見ていきます。
製品名 | Retroid Pocket Flip 2 | |
画面 | 5.5インチ、有機EL(AMOLED) 解像度 1920 × 1080、16:9 400PPI、マルチタッチ 開度最大180度 | |
OS | Android 13 | |
SoC | Qualcomm Snapdragon 865 | MediaTek Dimensity 1100 |
RAM | 8GB LPDDR4X | |
ストレージ | 128GB UFS 3.1 | |
バッテリー | 5000mAh | |
インターフェース | USB Type-Cポート | |
ワイヤレス通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2 |
大きさ | 140.5 × 89.5 × 24.4mm | |
重さ | 300g | |
素材 | ABS樹脂素材 | |
発送時期 | 2025年4月中旬 | 2025年4月末 |
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
Retroid Pocket Flip 2 のレビュー
Retroid Pocket Flip 2(SD865モデル)をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点や欠点についても徹底解説します。
付属品

1. ユーザーマニュアル(英語)
2. USB Type-Cケーブル
3. 合格証
大きさ・重さ

大きさは 140.5 × 89.5 × 24.4mm、重さは 309g(実測値)です。
プラスチック筐体(ABS樹脂素材)を採用し、ニンテンドー3DS LL よりも本体サイズは小さいものの、画面は大きく、さらに軽量なのが特徴です。
さらりとしたマットな質感も特徴で、成形精度や組み立て精度も高く仕上がっています。
本体カラーの GC と 16Bit US は、レトロゲーム機を思わせる配色が特徴です。
サイズ感

参考として、ニンテンドー3DS と並べてみました。
3DS よりも二回りほど小さく、3DS LL と比べてもややコンパクトなサイズ感です。

続いて、Retroid Pocket 5 と並べてみました。
同じ画面を採用していますが、体感的には Retroid Pocket Flip 2 の方が、やや大きく感じられるサイズ感です。
クラムシェル型なので、折りたたむことでコンパクトになり、持ち運びの利便性が向上します。
外出先でも遊ぶ機会が多いユーザーには最適なモデルです。
インターフェース

インターフェースは、背面に内蔵ファンの排気口があり、正面に microSDカードスロット、USB Type-Cポート、イヤホンジャックを備えています。
本体正面の左右にはデュアルフロントスピーカーが備わっており、ボリュームも十分、音質もクリアで高音質です。残念ながら、映像出力端子(miniHDMI)は非搭載です。※USB Type-C に DP出力機能はあります。

右側には音量ボタン、右側には ストラップホールが配置されています。
ワイヤレス通信機能として Wi-Fi 6 および Bluetooth 5.1(SD865モデル)を搭載しています。

アナログスティック周りには RGBライトエフェクトが搭載されています。
クイック設定パネルから LED のオン・オフ、輝度、RGBカラーの変更が可能です。

特定の位置に固定されるヒンジ構造を採用しています。
ディスプレイの開度は 2段階式で、開く角度の最大値は 178度です。
ヒンジの強度については、前モデルよりしっかりした印象を受けます。
ただし、試用期間の都合上、レビューでは耐久性についての評価はしていません。

正面天板のデザインについては、賛否が分かれそうです。
個人には、ゴミが入りにくい溝なしのフラットなデザインのほうが好みでした。

背面には内蔵ファンの吸気口があり、背面側の排気口へ熱を放出します。
静音タイプのアクティブ冷却ファンが搭載されており、長時間のゲームプレイでも快適に楽しめます。冷却能力は前モデルよりも大きく改善しています。
騒音計で計測したところ、デバイスから 50cm離れた位置での騒音レベルは最小で測定不能、最大で 40dB です。風切り音は全体的には標準です。
画面

Retroid Pocket 5 と同じ有機ELディスプレイ(AMOLED)を搭載しています。
5.5インチの有機ELディスプレイ(16:9)、解像度は 1920 × 1080、画素密度は 400PPI です。
マルチタッチスクリーンで、鮮明で色彩豊かな表示が可能です。
ネイティブがポートレート(縦長)な液晶であり、リフレッシュレートは 60Hz です。
液晶とガラスレンズの隙間がないフルラミネーションディスプレイを採用しています。

明るさと輝度(cd/m2)を測定したところ、最大653nit を記録しました。
タッチスクリーンの操作感度(シングルタッチ・マルチタッチ)の平均値は 61Hz、呼び出しレートは平均 101Hz です。また、タッチ操作の反応が鈍い画面位置などもありません。
前モデルより画面サイズは大きくなり、より視認性が増しています。
はっきりとしたコントラストの高さと、優れた最大輝度が特徴です。
屋内のみならず日光下でも十分な視認性を発揮します。
汎用性に優れた解像度の有機ELディスプレイを採用しているのがポイントです。ただし、定番レトロゲームの一部では画面比率 16:9 には適していないことに留意が必要です。
操作感

基本的な操作感は良好ですが、Retroid Pocket 5と比べると劣る印象です。
ABXYボタンサイズは 7.3mm、ストロークは 1.0mm で、メンブレン方式を採用しています。また、方向ボタンはドームスイッチを使用しています。
アナログスティックにはホール効果センサーが搭載され、左右対称に配置されています。
対角線上の配置が好みでない方や、レトロゲームを遊ぶのに適したレイアウトになっています。

ABXYボタンのパチパチとした音は Retroid Pocket 5 よりも控えめです。
方向ボタンはしっかりと底打ち感がある押し心地で、L1 / L2ボタンはどの方向からも押せる設計で、L2 / R2ボタンにはアナログトリガーが採用されています。
アナログスティックは、滑り止めグリップのあるタイプに変更されています。
また、方向ボタンと ABXYボタンは前モデルと異なり、アナログスティックに対して内寄りの配置となっているため、持ち方や手の大きさによっては、不自然に感じるかもしれません。

本体サイドを手のひらにフィットさせて持つと、L1 / R1ボタンはまだしも、L2 / R2ボタンはその形状のせいか、突起部分が指に当たるような感触があります。
また、本体を閉じると自動でスリープモードに入り、開くとスリープモードが解除されます。
状態がわかるように、外側にインジケーターランプがあれば便利だと感じました。

底面は、グリップのないフラットなデザインです。
個人的には、ニンテンドー3DS LL のようにコーナーを含め全体的に丸みのある形状であれば、より快適な持ち心地になったのではと感じます。前モデルの方が、その点では近い印象でした。
クラムシェル型の特性上、操作感や持ち心地、本体の厚みという点ではトレードオフが求められます。スティック操作がメインのゲームを遊ぶかどうかによっても、評価は大きく分かれそうです。

アナログスティックのデッドゾーンもほとんど感じられず、可動域も広めです。
特に可動域に顕著に気になるところもなく、測定結果も良好です。
Androidゲーム機全般として、エミュレーターアプリの種類が豊富という利点はありますが、入力遅延を感じやすい傾向があるようです。ただし、繊細な操作・タイミングを必要としなければ特に気にする必要はないでしょう。
システム

システムは Android 13 を搭載しており、Google Playストアに対応しています。
プリインストールアプリについては、初期設定時にエミュレーターアプリの選択を行い、各種設定は自身で行う必要があります。
設定画面で「日本語」に設定できます。また、ホームアプリは標準の『Androidデスクトップ』と独自UI の『ハンドヘルドデスクトップ』を選択可能できます。

画面上部から引き出せるパネル「クイック設定パネル」では、画面の明るさ調整や自動回転のロック、パフォーマンスや内蔵ファンモードの切り替え、ホバーアイコンのオン/オフなどの切り替えが可能です。
エミュレーターを使用する際、ナビゲーションボトムバーが邪魔になることがあります。
そのような場合は、「システム」→「ジェスチャー」→「ジェスチャーナビゲーションの設定」からナビゲーションヒントをオフにすると良いでしょう。

ホバーアイコンをオンにすると、ゲーム起動後に画面右側からスワイプ操作でメニューを表示できます。リマッピング機能である「ボタンアダプテーション」を設定すれば、タッチ操作を物理ボタンに割り当てられます。
システムの使いやすさは、Retroid Pocketシリーズ共通です。
基本的なスマホ(Android)操作を知っていれば、特に問題なく操作できるでしょう。
エミュレーター性能

エミュレーター性能は、Retroid Pocket 5 や Retroid Pocket Mini と同等です。
Qualcomm Snapdragon 865 を搭載しており Androidゲーム機としては高性能です。実測したところ Antutuベンチマークスコア(V10)は 83万点台を記録しました。
動作するエミュレーターは、動作が厳しいとされる PSP、セガサターン、ゲームキューブ、Wii、3DS、PS2、PS Vita についても動作するため、幅広いゲームを遊ぶことができます。下位モデルは「Retroid Pocket 4 Pro」相当です。

競合製品である AYANEO Pocket S や AYN Odin2シリーズには性能面では劣るものの、従来モデル(Retroid Pocket 4 Pro)と比較すると動作は軽快で、一部のエミュレーター(Wii U など)や特定のゲームタイトルを除き、期待値どおりのパフォーマンスを発揮します。
また、下位モデルの MediaTek Dimensity 1100 に比べて、上位モデルの Qualcomm Snapdragon 865 の方が対応するエミュレーターアプリの幅が広く、汎用性が高まっている点も特徴です。
現在、有志によるゲームタイトルの動作確認やエミュレーターの設定方法について情報更新が進行中です。情報が公開され次第、お知らせします。
ゲームアプリ

デバイス負荷が高めのゲームアプリ『原神』や『鳴潮』、『ゼンレスゾーンゼロ』は、グラフィック設定を「中~高」でスムーズに動作します。
最近はゲームコントローラーへの対応が進んでいますが、ボタンアダプテーションを使用する際は、必要に応じてアナログスティックのビューモードで X軸・Y軸の感度を調整すると良いでしょう。

さらに、Steam Link や Xbox Game Pass を活用してリモートプレイやクラウドゲーム(PCゲーム)も楽しめますが、快適なプレイには通信環境や回線速度が十分であることが前提です。
ポータブルゲーミングPC と比較すると、画面サイズは 5.5インチと小さめです。
ゲームタイトルによっては文字などの視認性がやや劣る場合がありますが、クラウドゲームなどにも対応できるモデルといえるでしょう。
まとめ

Retroid Pocket Flip 2 は、人気の Retroid Pocketシリーズの折りたたみモデルです。
前モデルと比較して、基本スペックやシステムが向上しており、新たに 5.5インチ有機ELディスプレイ(AMOLED)を刷新したことで、視認性にも優れたモデルです。
ニンテンドー3DS LLよりも本体サイズは小さいものの、画面が大きく、軽量なのが特徴です。
上位モデルのゲームパフォーマンスは、Retroid Pocket 5 や Retroid Pocket Mini と同等で、それでいてデザイン性に優れたクラムシェル型というのは最大のポイントです。
一方で、操作感や持ちやすさに関しては、Retroid Pocket 5 よりも劣る印象です。
アナログスティックと ABXYボタンの配置が前モデルと異なっていることや、手のひらにフィットさせて持った際に、LRボタンの指先へのフィット感がいまひとつなのが気になります。
ただし、前モデルで課題とされていた最大開度を含むヒンジ強度、スピーカーの音質、冷却能力といった問題はすべて改善されています。折りたたむことでコンパクトになるクラムシェル型は、汎用性や持ち運びやすさを重視するユーザーにとって、特に魅力的なモデルと評価します。
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