中華ゲーム機「Retroid Pocket 4 Pro」は、人気の Retroid Pocketシリーズの最新モデルで、SoC に MediaTek Dimensity 1100 を搭載し、システムに Android 13 を採用した Androidゲーム機です。基本スペックと操作性が従来モデルと比較して大きく向上しています。
Retroid Pocket 4 Pro の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックしていきます。
Retroid Pocket 4 Pro の価格・販売ストア
Retroid Pocket 4 Pro は、公式ストアや海外通販サイトで販売しています。
カラーバリエーションは、全6色(16BIT、ブラック、16BIT US、ウォーターメロン、アイスブルー、クリスタル)です。
スペックが異なる2モデルを販売しています。
・Retroid Pocket 4(通常版)
販売価格:149ドル(送料別途)
・Retroid Pocket 4 Pro(Pro版)
販売価格:199ドル(送料別途)
Retroid Pocket 4 Pro のスペック
Retroid Pocket 4 Pro のスペックを詳しく見ていきます。
通常版とプロ版の2モデルをリリースしています。
製品名 | Retroid Pocket 4 通常版 | Retroid Pocket 4 Pro プロ版 |
システム | Android 11 | Android 13 |
画面 | 4.7インチ、IPS液晶 16:9、タッチスクリーン 1334 × 750、画素密度 326ppi | |
SoC | MediaTek Dimensity 900 | MediaTek Dimensity 1100 |
GPU | Mali-G68 MC4 | Mali-G77 MC9 |
RAM | 4GB LPDDR4X | 8GB LPDDR4X |
ストレージ | 128GB UFS 3.1 | |
バッテリー容量 | 5000mAh | |
インターフェース | USB Type-Cポート (プロ版 1080P映像出力) microHDMI、イヤホンジャック microSDカードスロット ステレオスピーカー バイブレーション アクティブ冷却ファン | |
ワイヤレス通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2 | |
大きさ | 184.8 × 82.6 × 15.8mm | |
重さ | 261g | |
素材 | ABS樹脂素材 |
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
Retroid Pocket 4 Pro のレビュー
Retroid Pocket 4 Pro をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点、欠点についても徹底解説します。
付属品
1. マニュアル(英語のみ)
2. スクリーンプロテクター
3. USB Type-Cケーブル
大きさ・重さ
大きさは 184.8 × 82.6 × 15.8mm、重さは 266g(実測値)です。
プラスチック筐体(ABS樹脂素材)で、重さは『標準』です。
Nintendo Switch Lite より小さく・軽いサイズ感で、成形精度や組み立て精度も高いです。
表面コーティングはありませんが、滑りにくい粗面なテクスチャがポイントです。
参考として、PS Vita、Nintendo Switch を比較してみました。
いずれも実測値ではなく、公式発表されているスペックです。
製品名 | 画面サイズ | 大きさ | 重さ |
PS Vita(PCH-2000) | 5インチ | 183.6 × 85.1 × 15mm | 219g |
Retroid Pocket 4 Pro | 4.7インチ | 184.8 × 82.6 × 15.8mm | 261g |
Nintendo Switch | 6.2インチ | 239 × 102 × 13.9mm | 398g |
Nintendo Switch LIte | 5.5インチ | 208 × 91.1 × 13.9mm | 275g |
今回購入したカラーは『16bit』で、スーパーファミコンカラーです。
ABXYボタンはプリント塗装ではなく、2色成形ボタンです。
インターフェース
インターフェースは、本体上部に 電源ボタン、音量調整ボタン、microHDMI(Pro版は 1080P出力)。下部には microSDカードスロット、イヤホンジャック、USB Type-Cポート、左右にステレオスピーカーを用意しています。
SELECT / STARTボタン、HOME / BACKボタンは本体正面に設置しています。
その他に、マイク、バイブレーション機能、ワイヤレス通信(Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2)を備えています。
背面には内蔵ファンの吸気口があり、上部の排気口へ放熱します。
冷却能力に優れた静音タイプのアクティブ冷却ファンが搭載されています。
騒音計を使用して実測した結果、デバイスから 50cm 離れた位置での騒音レベルは最大で 40dB です。ファンモードをオンにした際の甲高い風切り音は、やや気になる印象です。
画面
液晶ディスプレイは鮮明と評価します。
4.7インチ液晶ディスプレイ(16:9)、解像度:1334 × 750、画素密度 326PPI です。
液晶ディスプレイとガラスレンズの隙間がないフルラミネーションディスプレイを採用しています。
ネイティブがポートレート(縦長)な液晶であり、リフレッシュレートは 60Hz です。
タッチスクリーンの操作感度(シングルタッチ・マルチタッチ)の平均値は 127Hz、呼び出しレートは平均 64Hz です。また、タッチ操作のスクリーン感度がやや鈍いです。
画面の明るさを輝度(cd/m2)を測定したところ、最大423nit を記録しました。
明るさはスマホ相当で、屋内では十分に視認できるレベルです。
解像度・アスペクト比に関しては賛否両論です。
エミュレーターやゲームタイトルによっては、画面端切れ・ベゼルが気になります。
従来モデルの Retroid Pocket 3シリーズと同じ液晶パネルを採用しています。
操作性
Retroid Pocketシリーズ最高の操作性と評価します。
ABXYボタンサイズは 7.3mm で、ストロークは 1.2mm でメンブレン方式を採用しています。また、十字キーはドームスイッチを使用しています。
従来モデルと比較して ABXYボタンはわずかに大きく(2S と FLIP と同じ)なり、押し心地も向上しています。L1 / R1ボタンはマイクロスイッチで、L2 / R2ボタンにはアナログトリガーを採用しています。
左側には十字ボタン、アナログスティック、HOME / BACKボタンがあり、右側には ABXYボタン、アナログスティック、SELECT / STARTボタンが配置されています。
従来モデルで問題視されていた SELECT / STARTボタン、HOME / BACKボタンについては、コントローラー側に配置されており、使いやすさが向上しています。
アナログスティックにはホールセンサーが搭載されており、経年劣化や摩耗によるドリフト現象が発生しにくいパーツを採用しています。アナログスティックの形状や可動域は AYN Odin 2 と同等のようです。
グリップがないため、ホールド・持ちやすさはそれほど良くありません。
ただし、アナログスティックの先端部分にくぼみがあることや、滑りにくい粗面、テクスチャー加工された L1 / R1ボタン、L2 / R2ボタンでグリップ感が向上しています。
アナログスティックのデッドゾーンもほとんど感じられず、可動域も広めです。
特に可動域に顕著に気になるところもなく、測定結果も良好です。
システム
システムは Android 13 を搭載しており、Google Playストアに対応しています。
プリインストールされているアプリは必要最小限で、エミュレーターアプリの導入や設定を自身で行う必要があります。
初期セットアップ時、設定画面で「日本語」に設定できます。また、ホームアプリは標準の『Androidデスクトップ』と独自UI の『RP4 Pro デスクトップ』を選択可能できます。
画面上部から引き出せるパネル「クイック設定パネル」では、画面の明るさ調整や自動回転のロック、パフォーマンスモードの切り替え、内蔵ファンの調整、ホバーアイコンのオン/オフなどの切り替えが可能です。
ホバーアイコンをオンにすると、ゲーム起動後に画面右側からスワイプ操作でメニューを表示できます。リマッピング機能である「ボタンアダプテーション」を設定すれば、タッチ操作を物理ボタンに割り当てられます。
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エミュレーター性能
エミュレーター性能は、Retroid Pocketシリーズで最高レベル(記事執筆時点)です。
実測したところ、Antutu のベンチマークスコアは 56~62万点台です。
また、通常版と Pro版では搭載されている SoC が異なります。
動作するエミュレーターは一般的なレトロゲームをはじめ、動作が厳しいとされているセガサターン、PSP、ゲームキューブ、Wii、3DS が快適動作。PS2、PS Vita のゲームタイトルがそこそこ動作するといった感じです。
競合他社から販売されている既存の Androidゲーム機とパフォーマンスを比較すると、Pimax Portal Retro とほぼ同等で、AYANEO Pocket AIR や AYN Odin 2 には劣ります。
参考として、各種エミュレーターの解像度は、PPSSPP で 3x(1080P)、ArtherSX2(NetherSX2)で 1x~2x、Dolphin で 2x、Vita3K で 2x で平均FPS30~で動作します。このあたりは、期待値どおりと見て良いでしょう。
Androidゲーム機全般にいえることですが、エミュレーターアプリの充実・出来が良いという利点はありますが、入力遅延を感じやすい傾向があります。ただし、繊細な操作・タイミングを必要としなければ特に気にする必要はありません。
ゲームタイトルの動作確認などについては、こちらを参考にすると良いでしょう。
有志によりゲームリスト、エミュレーターの設定方法が日々更新されています。
ゲームアプリ
ゲームアプリ『原神』は、グラフィック画質は「中~高」で快適動作します。
本体の熱を感じることもなく、アクティブ冷却ファンの効果を実感できます。
マインクラフト、Call of Duty Mobile、フォートナイトなども快適に楽しめます。さらに High Performanceモードに設定すればフレームレート向上も期待できます。必要に応じて右アナログスティックのビューモードの調整(X軸・Y軸の感性など)を行うと良いでしょう。
また、Steam Link や Xbox Game Pass によるリモートプレイやクラウドゲーム(PCゲーム)も楽しむことができますが、通信環境や回線速度が十分であることが前提となります。
ただし、画面サイズは中華ゲーム機としては大きなサイズですが、4.7インチと小さく・文字などの視認性も悪いため、遊べるゲームタイトルを選びます。
初期設定・使い方
基本的な使い方・設定方法は Retroid Pocket 2+ から変わりません。
詳しい手順については、こちらの記事を参考に進めてください。
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まとめ
Retroid Pocket 4 Pro は、MediaTek Dimensity 1100 を搭載した Androidゲーム機です。
Retroid Pocketシリーズ史上、最高のゲームパフォーマンスに加え、従来モデルで課題とされていたボタン配置の変更や操作性についても大幅に向上しています。
総合評価としては『期待値どおり・買い替え推奨』と評価します。
従来モデルよりも総合的な基本スペックや操作性は大幅に向上しており、これまでに寄せられたユーザーフィードバックをうまく昇華したモデルと評価します。
特に操作性に関しては、ボタンサイズは Retroid Pocket 2S / FLIP の大きめサイズに変更、アナログスティックにはホールセンサーを搭載、L2 / R2ボタンにはアナログトリガーを採用し、これまでにない操作感を実現しています。もちろん、タッチ操作を物理ボタンに割り当てるリマッピング機能にも対応しています。
また、エミュレーター性能のパフォーマンス向上も実感できるだけでなく、既存のゲームアプリにも対応できるスペックを備えています。それ以外にも、画面サイズの小ささが課題となりますが、クラウドゲーム(PCゲーム)を楽しむことも可能です。
標準で選択できるエミュレーターアプリの種類やバージョンによっては、ゲームタイトルに応じた設定変更が求められるシチュエーションもありますが、使い勝手の良い本体サイズ、重量感、そして既存モデルから継承されたシステムの完成度を考慮しても、活躍できるモデルと高く評価します。
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Retroid Pcoket 4 / 4 Pro
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