中華ゲーム機「Miyoo Flip」は、ゲームボーイアドバンスSPライクな折りたたみモデルです。3.5インチ液晶ディスプレイを搭載しており、デザインや配色は Miyooシリーズならではの魅力が詰まっています。
Miyoo Flip の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックします。
Miyoo Flip について
Miyoo Flip に関する情報をまとめたページです。
AliExpress公式ストアで購入した実機を使用しています。
提供品の有無にかかわらず、コンテンツの内容には一切影響していません。
価格・販売ストア
Miyoo Flip は、AliExpress公式ストアで販売されています。
カラーラインナップは、ホワイト、グレー、ブラック、イエローの全4色。
Miyooシリーズの最新モデルということもあり、注目度は抜群です。
現在も販売は継続されていますが、生産数が限られています。
・Miyoo Flip
販売価格:78ドル(送料無料)
製品仕様とスペック
Miyoo Flip のスペックを詳しく見ていきます。
製品名 | Miyoo Flip |
システム | Linux |
画面 | 3.5インチ、IPS、4:3 解像度 640 × 480 |
SoC | RockChip RK3566 |
RAM | 1GB LPDDR4 |
ストレージ | microSDカード |
バッテリー容量 | 3000mAh |
インターフェース | USB Type-Cポート × 2 イヤホンジャック microSDカードスロット miniHDMI シングルスピーカー |
ワイヤレス通信 | WiFi 5、Bluetooth |
大きさ | 82 × 80 × 20mm |
重さ | 165g |
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
Miyoo Flip のレビュー
Miyoo Flip をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点や欠点についても徹底解説します。
付属品
1. マニュアル
2. 画面保護フィルム
3. microSDカードリーダー
4. USB Type-Cケーブル
5. 収納ケース
6. microSDカード
大きさ・重さ
大きさは 82 × 80 × 20mm、重さは 169g(実測値)です。
プラスチック筐体(ABS樹脂素材)で、『普通』です。
ゲームボーイアドバンスSP のようなデザインを採用した折りたたみモデルです。
一番人気のホワイトは、柔らかな印象のパステルカラー調の配色が特徴です。
ゆめ可愛いデザインなのもポイントです。
サイズ感
左右にゲームボーイアドバンスSP と ANBERNIC RG35XXSP を並べてみました。
ゲームボーイアドバンスSP に近いサイズ感と見て良いでしょう。
ゲームボーイアドバンスSPよりわずかに小さい設計となっています。
折りたたむことができるポケットサイズで、持ち運びや収納に便利です。
インターフェース
インターフェースは、背面に miniHDMIポート、USB Type-Cポートを用意し、正面にイヤホンジャック、 USB Type-Cポート(給充電・データ転送用)を備えています。
本体のコントローラー中央部には、シングルスピーカーを搭載しています。
ボリューム出力は十分で、音質もそこそこ良好です。
左側には音量ボタンと microSDカードスロット、右側には microSDカードスロットと電源ボタンが配置されています。さらに、ワイヤレス通信機能として Wi-Fi 5 および Bluetooth 4.2 を搭載しています。
Bluetooth については、導入済みのファームウェアによって未対応の場合があります。
必要に応じて、アップデートを行うことでサポートされます。
カチカチと特定の位置に固定されるヒンジ構造を採用しています。
ディスプレイの開度は 3段階式で、開く角度の最大値は 183度です。
ヒンジ強度についてはあまり高くない印象を受けます。
長期間の使用や頻繁な開閉では、耐久性に不安を感じる場面があるかもしれません。
バイブレーション機能と外部コントローラーをサポートしています。
バッテリー容量は 3000mAh で、バッテリー持ちも良好です。
画面
ゲームボーイアドバンスSP(2.9インチ)よりも大きな画面です。
3.5インチ液晶ディスプレイ(4:3)、解像度は 640 × 480、画素密度は 229PPI です。
ガラスレンズの隙間がないフルラミネーションディスプレイを採用しています。
ANBERNIC RG35XXSP と比較して画面ベゼルが狭いため、同インチ数でありながら本体サイズに対して画面が大きく見えるのがポイントです。一方で、ヒンジ強度については、やや硬く、引っ掛かるような感触があるため、耐久性に懸念が残ります。
画面の輝度(cd/m2)を測定したところ、最大175nit を記録しました。
明るさは低めで、屋内では視認できても、屋外では見にくい基準値です。
Miyooシリーズの製品は全体的に輝度が低い傾向があります。
明るさレベルは ANBERNIC RG35XXSP よりやや劣り、Miyoo A30 を上回る水準です。なお、今後のファームウェアのアップデートによって改善される可能性もあります。
解像度とアスペクト比については、定番レトロゲームでは気になりませんが、PSP(16:9)には適していないことに留意が必要です。そのため、エミュレーターによっては、多少の調整が求められる場合があります。
操作感
ゲームボーイアドバンスSP に近づいた操作感を再現しています。
特に ABXYボタンサイズは 7.8mm、ストロークは 0.4mmと、ゲームボーイアドバンスSP に近いボタンサイズと押し心地を実現している点が特徴です。
また、コントローラー部分の厚みも 1.4mm程度しか違いがなく、持ち心地についてもゲームボーイアドバンスSP とほぼ変わらない設計となっています。底打ちがある押し感についても違和感はありません。
ゲームボーイアドバンスSP のようなボタンレイアウトを採用しています。
音量ボタンはスライド式ではなく、独立したプラス・マイナスボタンを押して調整します。また、ライトボタンの位置にはメニューボタンを配置しています。
左右のアナログスティックの操作感は、決して良好とはいえないものの、アナログスティック対応のエミュレーターやゲームをプレイするというニーズには対応しており、用途次第では実用的といえるでしょう。
主要ボタンは静音仕様のメンブレン方式を採用しており、ボタン側面の摩耗による削れや、押す角度によっての引っ掛かりもありません。特に操作に慣れは必要なく、直感的な操作を実現しています。
ゲームボーイアドバンスSP と変わらない小型サイズのため、やや窮屈に感じる部分もありますが、各種ボタンやアナログスティックが適切に配置されており、十分な操作性が確保されています。幅広いエミュレーターに対応したコントローラーに仕上げられています。
システム
Linuxベースのシステム(Miyoo UI)を採用しています。
わかりやすいユーザーインターフェースで、初めてのユーザーでも使いやすいです。
また、システム設定から EmulationsStation に変更することも可能です。
エミュレーター機能については、簡単に起動ができる『ゲーム』と RetroArchベースの中級者向け『RetroArch』が用意されています。対応しているエミュレーターは同じですが、動作や設定に若干の違いがあります。
現時点のファームウェアでは、片方(SD1)の microSDカードにシステムを、もう片方(SD2)にゲームデータを保存して利用できるようには設計されていません。
この点は、今後のアップデートでの改善が期待される部分かもしれませんが、有志によるスクリプトや CFW(カスタムファームウェア)の開発も進んでいます。公式のサポートを待つだけでなく、コミュニティによる工夫も魅力の一つといえるでしょう。
・Miyoo Flip Firmware|Miyoo公式サイト
エミュレーター性能
エミュレーター性能は RG353シリーズと同等です。
主要スペックに RockChip RK3566 を採用したモデルで、エミュレーター性能やゲーム動作は ANBERNIC RG35XXSP よりも優れたパフォーマンスを発揮します。
動作するエミュレーターは一般的なレトロゲームをはじめ、スーパーファミコン、プレイステーション、ニンテンドーDS までが快適動作、NINTENDO64、PSP、ドリームキャストがそこそこ動作、セガサターン、ゲームキューブも動作するスペックを搭載しています。
スペックに対して負荷が高めの PSP やドリームキャストも、十分にプレイ可能なレベルで動作します。また、フレームスキップを設定することで、さらに快適にプレイすることができます。
RK3566 を搭載した後発製品であることから、エミュレーター性能の安定性は十分と確保されています。さらに、左右アナログスティックを備えているため、対応するエミュレーターや幅広いゲームタイトルを楽しむことができます。
初期設定・使い方
基本的な使い方は付属マニュアルに書かれているので、迷うことはないはずです。
詳しい手順については、こちらの記事を参考に進めてください。
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補足として、UIの変更は「設定」項目内にある EmulationStation を使用して行えます。
元の UIに戻したい場合は、スタートボタンを押して「USE MIYOO UI」を選択することで切り替えることが可能です。
また、セーブデータに関わる RTC(リアルタイムクロック)は、プログラム内から設定できるため、時計関連の機能を活用したゲームプレイにも対応しています。
まとめ
Miyoo Flip は、ゲームボーイアドバンスSPライクな折りたたみモデルです。
デザインや配色には、Miyooシリーズ特有の魅力がしっかりと詰まっており、満足できる仕上がりとなっています。
スペックに関しては SoC に RK3566 を搭載した後発製品という位置づけで、ゲームボーイアドバンスSP よりも大画面を採用しながら、本体サイズや持ち心地をオリジナルに近づけた設計が特徴です。さらに、左右にアナログスティックを搭載しており、幅広いゲームに対応できる点も大きな魅力となっています。
一方で、スペックだけを見てしまうと、価格が高く感じられるかもしれません。
しかし、このモデルは、総合的な所有感や満足感といった付加価値を重視したユーザー向けといえます。スペック以上の体験や特別感を求める方に最適な選択肢です。
製品のリリース発表から大きく遅れての発売となったことや、生産数が限られているという問題は、依然として解消されていません。良い製品であるだけに、これらの課題が改善されれば、さらに高い評価を得られる可能性があるだけに惜しいところです。
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