1990年に発売された携帯型ゲーム機 ゲームギアは、ほとんどが正常に起動することはなく、コンデンサ、トランジスタの不良、電源ボードなどの破損・摩耗に悩まされています。
すでに問題解決方法として、コンデンサ交換、リペアパーツなどの情報が出回っていますが、そのなかでも LCD/TFT液晶交換キットは非常に難易度が高いカスタマイズだと知られています。
その LCD/TFT液晶交換キットの改造が “わずか1時間” で完了できる夢のようなキットが登場しました。しかも、バッテリー持ちは2倍、今までになかった輝度調整機能まで付いています。
LCD/TFT交換キット「MAGIC SCREEN」が登場
ゲームギアの LCD/TFTキットは、大きく3つが販売されています。
世界的に有名な McWill GameGear LCD-Mod 、日本国内では GGLCD(こちらは IPS液晶)、海外通販サイトでは McWillクローンが広く販売されています。
RetroKAI.store から発表された「Magic Screen」は、ゲームギア(オリジナル)よりも消費電力が少なく・バッテリー持ちは2倍、改造の難易度も初心者~中級者向け、これまでの LCD/TFT液晶交換キットで搭載されていなかった輝度調整機能まで付いています。
ゲームギア本体から従来の STN液晶、冷陰極管バックライト、一部コンデンサなどを除去するところまで同じですが、それ以降のプロセスが簡略化されています。
2ASIC(VA0)、1ASIC(VA1)のどちらにも対応しているようなので、Magic Screen を使ったカスタムモデルが今後は主流となってきそうです。併せて、最適化された新しいサウンドカード、電源ユニットを搭載すれば現代版ゲームギアとして蘇ります。
ちなみに RetroKAI.store からは、2つのサウンドカードが発売されています。
おすすめは TANTALUM CAPACITORS で、一般的なコンデンサよりも最大寿命が長く(30年~40年)、劣化しにくい特長を備えています。
オリジナルそのまま「Adaptative Backlight」も登場
そして、もう1つの製品についてもご紹介していきます。
ゲームギアには STN液晶を採用されていて、冷陰極管バックライトで照らすことで映像を映し出しています。しかし、経年劣化に伴い液晶の明るさが弱くなり見づらくなっていたり、バックライトが点灯しないという不具合が発生しています。
この問題を解決すべく登場したのが「Adaptative Backlight」で、当時の STN液晶はそのままに、冷陰極管バックライトの代わりに4段階の輝度調整を備えた LED を搭載することができるキットです。しかも、バッテリー持続時間はオリジナルの3倍とかなり長持ちします。
ただし、当たり前のことですが STN液晶はそのままなので、LCD/TFT液晶と比べると鮮明さ・輝度・残像感などに大きな改善は見られません。あくまでもオリジナルそのままの雰囲気を大切にしたいユーザー向けのアイテムです。
RetroKAI.store から LCD/TFT液晶交換キットの Magic Screen と、従来の STN液晶を生かした Adaptative Backlight が登場しています。好みに応じて使い分けしてみるのも面白いと思います。
Source:RetroKAI.store
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