中華イヤホンといえば多くのドライバーを搭載したハイブリッドイヤホンが有名ですよね。
多ドラ・ハイブリッドのイヤホンは好みが分かれることが多いのですが、評価の高い「KZ ZAX」に興味を持ったの購入してみました。
最近では片側2~4ドライバーを搭載したハイブリッドイヤホンが多くリリースされていますが、久しぶりに片側8ドライバーの “多ドラ” らしいサウンドを実感させられる中華イヤホンに出会いました。
“高級なイヤホンは買えないけれど、安価で良い音質・解像度のイヤホンを楽しみたい” を方針に、KZ ZAX をレビューしていきます。
KZ ZAX の価格・販売ストア
KZ ZAX は海外通販サイト・国内通販サイトで広く販売されています。
販売価格は 6,000円~7,500円で、本体カラーはブラック、シルバーの2色です。
片側8ドライバー搭載のハイブリッドイヤホンがこの価格なのは衝撃的です。
日本国内価格よりも、海外通販サイトの方が比較的安価ですが、気軽に購入するならアマゾン、最安値を狙うのなら AliExpress がおすすめです。
KZ ZAX をチェック
KZ ZAX はエントリーモデルではなく、一歩先行くミドルレンジなモデルです。
もはや定番のクリアなプラスチック素材に、金属製フェイスプレート(亜鉛合金)を組み合わせ、万人受けするハウジング形状に設計されています。
一般的なサイズ感のハウジングに片耳8ドライバー(ダイナミックドライバー1基、バランスド・アーマチュア型ドライバー7基)が搭載されており、クリアなプラスチック素材の外側からも、びっしりと並べられたドライバーが確認できます。
見てわかるとおりデザインは良いのですが、フェイスプレートにスリット・プラスチック素材にベント(穴あけ)があり、通常のイヤホンを比べると音漏れしやすい構造になっています。
付属品は “標準以下” のセット
付属品は 2Pin(TFZタイプ)コネクタケーブル、マニュアル、イヤーピース(S/M/L)のみです。下手するとエントリーモデルのイヤホンよりも物足りなく、この価格帯の付属品と考えれば “標準以下” といった感じです。
ただし、それだけ付属品を充実させていないということは、イヤホン本体に予算をかけていることがわかります。この部分についてはイヤホンメーカーを評価できる・信用できるという印象を持ちました。
片側8ドライバー搭載なのにコンパクトサイズ
多くのドライバーユニットを搭載したイヤホンは、ドライバーを詰め込むだけの空間を確保するためにイヤホン本体が大きくなる傾向があります。しかし、KZ ZAX のハウジングは通常サイズと同等か、それよりも小さなコンパクトサイズです。
多くのプロダクトを生み出してきた経験があるだけに装着感は良好です。
付属のイヤホンケーブル(2Pin、TFZタイプ)は、シェア掛けしやすいようにケーブルのクセが付けられています。別売りのイヤホンケーブルと比べると取り回しが良いとはいえないので、そのまま使うことをおすすめできません。
KZ ZAX の音質・解像度
最も気になる KZ ZAX の音質・解像度をチェックしていきます。
箱出しすぐの音質・音域ではなく、エージングを 30時間以上してからの感想です。
その時間を満たしていない時点でのレビューです。
音場の広がり、ズシンとくる重低音を楽しめる
KZ ZAX のドライバー構成は、低音域にダイナミックドライバー1基、中音域にバランスド・アーマチュア2基、中高音域にバランスド・アーマチュア4基、高音域にバランスド・アーマチュア1基(1DD+7BA)が搭載されています。
片側2~4ドライバーを搭載したイヤホンよりも、 “多ドラ” らしさを実感できます。多ドラでも問題となる音のまとまりも良く、きらびやかで豊かな高音から精緻な鼓動を刻むような低音まで、評判どおり気持ちのいいサウンドを鳴らしてくれます。
音の傾向としては低音域・高音域が強調されたドンシャリ系ではあるのの、高音域よりも低音域しっかり、全体的に派手さ・明るさ・鮮明さを実現しています。普段からフラット傾向なイヤホンを愛用しているためか、箱だしすぐの重低音の響きが苦手でしたが、エージングすることにより全体的なまとまり・バランスは向上します。
久しぶりに多ドラを実感できたイヤホン
総合評価としては、鳴らしやすい・多ドラを実感できるミドルレンジモデルです。
KZ ZAX は鳴らしやすいイヤホンなので、出力不足な DAP、スマホなどでも迫力あるサウンドを実現できます。片耳8ドライバーを搭載しているのにもかかわらず、ボーカルの定位感、音場の広がり・まとまり、臨場感もうまくチューニングされています。
カラーバリエーションはブラック・シルバーの2色、クリアなプラスチック素材に金属製フェイスプレート(亜鉛合金)の組み合わせですが、スリット・ベントなどがあり音漏れしやすい構造になっています。使うシーン・音量には十分に気を付けた方が良いでしょう。
自然でフラット傾向なサウンドを好み人は聴き疲れしてしまう可能性がありますが、普段から派手さ・明るさといった変化・味付けを楽しめるドンシャリ系のハイブリッドイヤホンを好んで使っている人には、多ドラが実感できる KZ ZAX はおすすめです。
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