
ポータブルゲーミングPC「GPD WIN 5」は、圧倒的なパワーを誇る Ryzen AI Max+ 395 を搭載し、着脱式バッテリーに対応。さらに、120Hz の可変リフレッシュレート(VRR)に対応した 7インチのネイティブランドスケープ液晶を採用したモデルです。
GPD WIN 5 の価格、スペック、特徴、使用感、ベンチマークテスト結果についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックします。
GPD WIN 5 について
GPD WIN 5 に関する情報をまとめたページです。
サンプル機を貸し出していただきましたが、コンテンツの内容には一切影響していません。
価格・販売ストア

GPD WIN 5 国内正規版は、国内の通販サイトで予約販売中です。
発売日は 2025年12月下旬を予定しています。
以下は、国内正規販売店デントオンラインショップの販売価格です。
国内サポートを受けられる安心感を重視するユーザーにおすすめです。
・385 / 32GB / 1TBモデル
販売価格:263,000円
・395 / 32GB / 2TBモデル
販売価格:303,000円
・395 / 64GB / 4TBモデル
販売価格:363,000円
アマゾン、デントオンラインショップ、ハイビーム公式オンラインストア、およびハイビーム実店舗にて、先行予約販売を順次受け付けています。
早期予約特典が付いてくるキャンペーンを実施中です。
正規販売店の Amazonストアでも同じ特典が付属します。
製品仕様とスペック
GPD WIN 5 国内正規版のスペックを詳しく見ていきます。
| 製品名 | GPD WIN 5 | |
| ディスプレイ | 7インチ 解像度 1920 ×1080 16:9 10点マルチタッチ VRR可変リフレッシュレート 120Hzリフレッシュレート | |
| OS | Windows 11 Home | |
| CPU | Ryzen AI Max+ 385 | Ryzen AI Max+ 395 |
| グラフィクス | Radeon 8060Sグラフィックス | Radeon 8050Sグラフィックス |
| メモリ | 32GB | 32GB / 64GB |
| ストレージ | 1TB M.2 2280 SSD (PCI Express 4.0 x4接続) | 2TB / 4TB M.2 2280 SSD (PCI Express 4.0 x4接続) |
| インターフェース | USB4ポート USB 3.2 Gen2 Type-Cポート USB 3.2 Gen2 Type-Aポート mini SSDスロット microSDカードスロット イヤホンジャック | |
| センサー・その他 | ゲームコントローラー 光学式マウスセンサー 指紋認証一体型電源ボタン ステレオスピーカー マイク 振動モーター RGBライトエフェクト 6軸ジャイロスコープ アクティブ冷却 | |
| ワイヤレス通信 | Wi-Fi 6E Bluetooth 5.3 | |
| バッテリー | 内蔵バッテリーなし 着脱式バッテリー対応 | |
| 大きさ | 267 × 111.6 × 24.21mm | |
| 重さ | 565g 915g(バッテリー含む) | |
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
GPD WIN 5 のレビュー
GPD WIN 5(Ryzen AI Max+ 395 / 64GB / 2TB)をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作感、ベンチマークテスト、評価すべき点や欠点について解説します。
付属品

1. マニュアル(日本語を含む)
2. イジェクトピン
3. バッテリー接続ケーブル
4. DCアダプター(180W)
5. DC充電ケーブル
6. 着脱式バッテリー

本体にはバッテリーが内蔵されておらず、着脱式バッテリーを装着して使う仕様です。
装着して電力を供給できるほか、専用ドック(別売り)を利用して充電することも可能です。
大きさ・重さ

大きさは 267 × 111.6 × 24.21mm、重さは 590g(実測値)です。
着脱式バッテリー(実測値 354g)を装着すると、合計で約944g になります。
スペック上は重量がありますが、実際に手にするとバランスが良く、体感的にはそれほど重く感じません。
サイズや重量を考えると携帯性はそれほど高くありませんが、この性能をこの大きさに収めているのは評価ポイントです。ビルドクオリティはしっかりしており、ボタンの質感も良好です。
サイズ感

参考として、Steam Deck と Nintendo Switch を並べてみました。
サイズ感はちょうど中間あたりで、全体のバランスは良好です。
ただし、Nintendo Switch を基準にすると、GPD WIN 5 の重さは 500g以上あるため、人によっては短時間のプレイでもやや負担に感じる場合があります。
インターフェース

インターフェースは、上部に USB4ポート、DC電源ジャック、USB 3.2 Gen 2 Type-Aポート、イヤホンジャックが配置されています。下部には USB 3.2 Gen 2 Type-Cポート、Mini SSDスロットを備えています。
本体正面下部にはデュアルステレオスピーカー、音量調整ボタンを配置しています。
さらに、指紋認証一体型電源ボタンに加え、光学式マウスセンサーも備えています。

本体右側には microSDカードスロット を搭載。
ワイヤレス通信は Wi-Fi 6E と Bluetooth 5.3 に対応しています。
また、6軸ジャイロスコープ、マイク、バイブレーション機能 も備えています。
RGBライト機能はありませんが、バイパス充電にも対応(USB Type-C で給電の場合は、条件を満たしているアダプタか要確認)しています。

背面両側と下部には内蔵ファンの吸気口があり、上部の排気口へ放熱します。
アクティブ冷却ファンは自動制御に対応しています。
騒音計で実測したところ、デバイスから 50cm離れた位置での騒音レベルは最大50dB とやや気になる印象です。ただし、一般的なゲーミングノートPC と比べると静かといえるでしょう。
画面

120Hzの可変リフレッシュレート(VRR)に対応した 7インチディスプレイです。
ネイティブランドスケープ液晶を採用しており、解像度は 1920 × 1200、アスペクト比は 16:9 で、ROG Allyシリーズと同等のスペックを実現しています。
リフレッシュレートは、60Hz または 120Hz に変更可能です。
ディスプレイに関しては、有機EL(OLED)を望む声もありましたが、ネイティブ・ランドスケープ表示 と 可変リフレッシュレート(VRR) を優先した結果、現行の構成が採用されたようです。

画面の輝度(cd/m2)を測定したところ、最大535nit を記録しました。
屋内で十分に視認できる明るさですが、屋外ではやや見にくい明るさです。
デフォルト(推奨値)の解像度は 1920 × 1080、スケーリングは 150% です。
また、この設定ではウィンドウごとの表示領域が広めになるため、アプリによってはレイアウトが崩れることがあります。必要に応じてスケーリングの設定を見直すとよいでしょう。
操作感

GPD WINシリーズで最高水準のゲームコントローラーを搭載しています。
ABXYボタンは 8.6mm、ストロークは 1.8mmほど。主要ボタンはメンブレン方式で、静電容量式スティックに加え、ホール効果センサーを備えた LT / RTボタンを採用しています。
PS Vita のボタンを一回り大きくしたようなデザインを採用しており、方向ボタンはしっかりとした底打ち感のある押し心地です。電源ボタンには 指紋認証機能 が搭載されており、サイズも大きく認識精度が高いのもポイントです。

全体のスタイルは『GPD WIN 4』に近いものの、キーボードやスライド式構造を省いた横型モデルとなっており、この点については賛否が分かれそうです。その一方で、マウスモードの切り替えやキーボード呼び出しボタン、光学式マウスセンサーなど、操作面は充実しています。
静電容量式スティックの操作感は非常に良好です。
実測では、入力間の平均値は 0.97ms、ポーリングレートは 1028Hz を記録しました。これは、PC接続時の Xboxコントローラーを大きく上回る精度と反応速度です。

一方で、LT / RTボタンの突起部分が指に当たる感触があり、ABXYボタンはパチパチとした音があります。静音性を重視するユーザーにとっては、やや気になるポイントかもしれません。
背面にはカスタマイズボタンのほか、トリガーストップも備えています。
LT / RTボタンの押し込みを浅めに調整でき、素早い反応が求められる FPS などにも対応できます。個人的には、もう少し深めのストロークがあっても良かったと感じました。

背面に着脱式バッテリーを装着した場合、単純に重さや厚みが増すことになります。
寝ながらのプレイや長時間の携帯利用にはあまり向いていません。
また、背面側の吸気口をふさぐ構造となるため、フル稼働時には下部の吸気口だけで十分な冷却効率が維持できるか、やや不安は残ります。ただし、バッテリ―駆動の最大TDP を考えると問題ないと考えて良さそうです。

その問題の解決策として、バッテリー接続ケーブルが用意されています。
バッテリーを装着しない状態であれば、SteamDeck よりも軽量になるため、取り回しやすさや長時間のゲームプレイでも疲れにくくなります。

実際の使用シーンでは、ケーブルを巻いて収納したり、引っ張ったりすることも想定されるため、断線しないように取り扱いには注意が必要です。接続ケーブルの品質や耐久性については、今後の製品版で改善される予定です。
電源が確保できる環境であれば、DCアダプターでの運用が可能です。
GPD WIN 5 の最大性能を発揮できるだけでなく、バッテリー使用に伴う煩わしさやトラブルを避けることができます。
専用アプリ

専用アプリ『WinControls』で各ボタンの設定・変更、カスタマイズが可能です。
バイブレーション機能の有無(強・弱・オフ)も設定できます。
それ以外に特筆すべき機能はなく、シンプルで直感的な設定画面です。
製品出荷時には機能が追加されている可能性があります。

TDP(Thermal Design Power)の変更は、アプリ『MotionAssistant』を使います。
簡単に設定できる専用アプリの提供はなく、ユーザーフレンドリーではありません。
ユーザー自身で自由に変更・設定が可能で、熟知している人向けといえそうです。
そのほかに Power Control Panel、Playnite などのサードパーティ製アプリを使うことを推奨しています。
BIOS(TDP など)の設定方法については、マニュアルに記載されています。
専用アプリや付属マニュアルは、公式ストアよりダウンロードできます。
・https://www.gpd.hk/gpdwin5firmwaredriver
ゲーム動作

ゲームプレイに関しては、高性能なゲーミングPC とは異なる『別ジャンル』ですが、これまでに登場したポータブルゲーミングPC にない圧倒的なゲーム体験を可能としています。GeForce RTX 4060モバイル版を超える性能を発揮します。
『RSR(Radeon Super Resolution)』や『FSR(FidelityFX Super Resolution)』という機能を使用することで、ゲーム解像度を下げつつも高画質なスケーリングを実現できます。また、低レイテンシーでフレーム生成を可能とする『AFMF(AMD Fluid Motion Frames)』といった機能も活用できます。

これらの機能は、小型のポータブルゲーミングPC向けに最適で、ゲームの解像度や処理負荷を下げつつ、高画質やスケールアップを行い、FPS を向上させることが可能です。また、処理負荷をわずかに上げてリアルで鮮明な映像を楽しむこともできます。
リフレッシュレートは 120Hz で、ネイティブランドスケープの可変リフレッシュレート(VRR)をサポートした液晶ディスプレイを採用しているためアドバンテージがあります。

VRAM は変更可能(標準設定 16GB)で、メモリークロック周波数は最大 8000MHz です。
TDPを25W に設定した場合でも、サイバーパンク2077 やエルデンリング、ARMORED CORE VI、Starfield、黒神話:悟空などの AAAゲームタイトルが十分に動作するパフォーマンスを発揮します。
バッテリー駆動時の最大TDPは 35W、DCアダプター接続時は最大 85W(瞬間最大120W) に対応しています。バッテリーの持ち時間(約7時間程度)を考慮すると、15〜25W前後 での動作がおすすめです。一方で、DCアダプター接続時は、50〜65W程度 に抑えることで、発熱とパフォーマンスのバランスが良いと感じました。
ストレージ容量

GPD WIN 5 のストレージ状態です。
パーティションが分割されており、専用アプリ『MotionAssistant』と、AMD製品向けソフトウェア『AMD Software: Adrenalin Edition』がプリインストールされています。
搭載されている OS は「Windows 11 Home」です。
日本語に対応しており、問題なく初期インストールを進められます。
GPD製品(GPD WIN 2)で何度もSSD の換装をしていたところ、ライセンス認証ができなくなりました。問い合わせするのも時間がかかり面倒、新しい OS を購入するのは高すぎる。ローリスクハイリターンな格安ライセンスを手に入れろ![…]
本体の初期化
万が一のトラブルがあっても、初期化ユーティリティで解決できます。
下記の手順を参考に進めてください。
- 電源オフを確認
- 電源ボタンを押す
- Tabキーを連打します。
- Boot メニューが表示されたら「Start」をタッチします。
- しばらく待つと完了です。
GPD WIN 5 のベンチマーク

GPD WIN 5 のベンチマーク結果を確認します。
設定・環境によっては変わることがあるので、参考程度にとどめてください。
冷却能力

ベンチマークテストで負荷をかけた状態の温度を計測しました。
これまでに登場した GPD WINシリーズ最高の冷却能力を備えています。(室温22度、TDP70W の測定時に確認)
負荷がかかる状況でも、操作などで手が触れる部分でもほとんど温度を感じることはありませんでした。冷却ファンの風切り音は大きめなので、没入感のあるゲームミュージックを楽しむにはイヤホンが必須です。
ストレージ速度(SSD)

GPD WIN 5 に標準搭載されている M.2 2280 SSD のストレージ速度です。
片面 PCIe 4.0規格の SSD(KIOXIA EXCERIA PLUS G3 SSD)が搭載されています。
ストレージ速度(microSDカード)

microSDカードのストレージ速度です。
SAMSUNG EVO Plus A2 V30 microSDXC UHS-Iカードを使用して測定しています。
ベンチマークテスト結果
TDP設定は『30W』と『70W』の 2パターンで計測を行いました。
ベンチマークテストの解像度設定は、いずれも 1920 × 1080 です。
解像度と拡大/縮小率は、各ベンチマークテストの設定値と一致させています。
| ベンチマークテスト | 30W | 70W |
| ファイナルファンタジーXV 軽量品質 | 10027 | 16356 |
| ファイナルファンタジーXV 標準品質 | 7771 | 12323 |
| ファイナルファンタジーXV 高品質 | 5504 | 8519 |
| PCMARK 10 | 7782 | 8644 |
| 3DMARK Time SPY | 5581 | 10059 |
| 3DMARK Fire Strike | 13314 | 23547 |
| 3DMARK Night Raid | 41386 | 63946 |
| 3DMARK Wild Life | 37521 | 64577 |
| 3DMARK Port Royal | 3149 | 5483 |
| 3DMARK Steel Nomad | 1209 | 2000 |
| 3DMARK Speed Way | 1118 | 1926 |
| CINEBENCH Release23 | 18100 | 28643 |
| CINEBENCH Release23(Single Core) | 2045 | 2038 |
まとめ

GPD WIN 5 は、圧倒的パワーを誇る Ryzen AI Max+ 395 を搭載したポータブルゲーミングPC です。120Hz対応の 7インチ、ネイティブランドスケープ液晶を採用し、可変リフレッシュレート(VRR)にも対応。さらに、着脱式バッテリーを備え、持ち運びやメンテナンス性にも優れています。
その性能は GeForce RTX 4060 モバイル版を上回るとされ、最新の AAAタイトルも快適にプレイできます。ポータブルサイズでありながら、これまでの携帯型ゲーミングPC では到達できなかったレベルのゲーム体験を実現しています。
また、ローカル環境での LLM(大規模言語モデル)実行 にも十分対応できるため、ゲーム用途に限らず、AI開発やクリエイティブな作業にも活躍の場が広がりそうです。
一方で、ゲーミングに振り切った設計で、これまでのシリーズで搭載されてきた物理キーボードは思い切って排除。その分、最大 TDP 85W(瞬間最大 120W)まで引き出し可能で、冷却性能やコントローラー精度も大幅に強化されています。
残念ながら今回のレビューでは Mini SSD の検証はできませんでしたが、専用アプリや BIOS 設定が必要な点など、初心者向けとは言いにくい部分もあります。誰にでも扱いやすいというよりは、最高クラスの性能を携帯機で体験したい上級ユーザー向けの一台と評価します。
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