
Androidゲーム機「AYANEO Pocket S2 Pro」は、Qualcomm Snapdragon G3 Gen 3プロセッサを搭載し、画面サイズは 6.3インチ(2560 × 1440)、バッテリー寿命の向上やゲームパフォーマンスが強化されたハイエンドモデルです。
AYANEO Pocket S2 Pro の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能やパフォーマンスについてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックします。
AYANEO Pocket S2 Pro について
AYANEO Pocket S2 Pro に関する情報をまとめたページです。
サンプル機を貸し出していただきましたが、コンテンツの内容には一切影響していません。
価格・販売ストア

AYANEO Pocket S2 Pro 国内正規版は、日本国内で販売されています。
カラーラインナップは、オブシディアンブラック、アイスソウルホワイト、レトロパワー(限定カラー)の全3色。
アマゾン、AYANEO日本公式サイト、ハイビーム公式オンラインストア、およびハイビーム実店舗にて取り扱いされています。2025年9月下旬から発送予定。
・16GB / 512GBモデル
販売価格:108,000円
・16GB / 1TBモデル
販売価格:118,000円


製品仕様とスペック
AYANEO Pocket S2 Pro 国内正規版のスペックについて詳しく見ていきます。
製品名 | AYANEO Pocket S2 Pro |
画面 | 6.3インチ、ベゼルレス IPS 解像度 2560 × 1440、16:9 466PPI、マルチタッチ |
OS | Android 14 |
SoC | Snapdragon G3 Gen 3 |
RAM | 16GB LPDDR5X |
ストレージ | 512GB / 1TB UFS 4.0 |
インターフェース | USB Type-Cポート microSDカード |
その他 | Masterコントローラー |
コントローラー | 十字ボタン / 8方向ボタン 着脱可 2色造形ボタン |
ワイヤレス通信 | Wi-Fi 7、Bluetooth 5.3 |
バッテリー | 10000mAh 60W PD急速充電 |
大きさ | 228.8 × 91 × 15.9mm |
重さ | 440g |
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
AYANEO Pocket S2 Pro のレビュー
AYANEO Pocket S2 Pro をレビューします。
基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点や欠点についても徹底解説します。
付属品

1. マニュアル
2. USB Type-Cケーブル
3. 交換ボタン(8方向ボタン)
4. キープラー(引抜工具)
大きさ・重さ

大きさは 228.8 × 91 × 15.9mm、重さは 440g(実測値)です。
金属フレームとプラスチック素材を組み合わせた筐体で、やや重量感があります。
表面にはオールガラスが採用され、手触りの良い金属フレームと背面のプラスチックカバーが一体となった高級感のあるデザインが特徴です。
同サイズの Androidゲーム機と比べるとやや重さは感じやすいものの、全体のビルドクオリティは最高峰の仕上がりです。
サイズ感

参考として、PS Vita(PCH-2000)や Nintendo Switch を並べてみました。
AYANEO Pocket S2 Pro のサイズ感がよくわかります。

従来モデル(AYANEO Pocket S)と比べると、画面サイズが若干大きくなり、それに伴ってサイズ感も増しています。
任天堂の携帯型ゲーム機を基準に考えると、重さが 500g未満であればストレスなく使える印象を持ちます。この基準を AYANEO Pocket S2 Pro は満たしています。
インターフェース

インターフェースは、上部に指紋認証一体型の電源ボタン、音量ボタンが配置されており、下部には microSDカードスロット、イヤホンジャック、USB 3.2 Type-Cポートがあります。
本体下部の左右にはデュアルステレオスピーカーが搭載されており、従来モデルの AYANEO Pocket S よりもクリアで臨場感あるサウンドを実現しています。また、オーディオ振動システム SoundTAPMagic を採用しています。

右側にはパフォーマンス切替ボタンがあり、押すたびに Saving → Balance → Streaming → Game → Max の順にローテーションで切り替わります。また、この設定は AYA Quick Tool でも変更可能です。
ワイヤレス通信機能として、Wi-Fi 7 および Bluetooth 5.3 に対応しています。
また、6軸ジャイロスコープやバイブレーション、マイクもサポートしています。

左右のアナログスティック周りには RGBライトエフェクトが搭載されています。
LED のオン・オフや輝度調整、RGBカラーおよび照明効果の変更が可能です。

本体下部には内蔵ファンの吸気口があり、上部の排気口を通じて効率的に放熱します。
静音性に優れたアクティブ空冷システムが搭載されていますが、本体の温度が手に伝わることなく快適に使用できます。
騒音計を使用して実測した結果、デバイスから 50cm離れた位置での騒音レベルは 30dB~最大46dBです。最大値では風切り音は気になるものの、ファンモードをオートに設定すればほとんど気になりません。
画面

6.3インチ(IPS HD TrueColor)ディスプレイを搭載しています。
全面ガラス張り・ベゼルレスの液晶ディスプレイが特徴で、アスペクト比は 16:9 で、解像度は 2560 × 1440、画素密度は 466PPI のマルチタッチスクリーンです。
ネイティブでポートレート(縦長)な液晶であり、リフレッシュレートは 60Hz です。
横画面表示が標準設定で、自動回転機能は制御されています。

明るさと輝度(cd/m2)を測定したところ、最大679nit を記録しました。
タッチスクリーンの操作感度(シングルタッチ・マルチタッチ)の平均値は 60Hz、呼び出しレートは平均 92Hz です。また、タッチ操作の反応が鈍い画面位置などもありません。
1440P版の高解像度は、Wii や PS2 などのエミュレーターを楽しむのに最適です。
3倍以上の解像度を縮尺せずに再現できるのがポイントです。ただし、定番レトロゲームの一部では画面比率 16:9 には適していないことに注意が必要です。
操作感

持ち心地や操作感は従来モデル AYANEO Pocket S よりも向上しています。
ABXYボタンは直径 7.3mm、ストロークは 1.0mm で、主要な操作ボタンにはメンブレン方式を採用しています。
アナログスティックには TMR電磁式のミディアムジョイスティックを、トリガーにはリニアホール方式を採用しており、精度の高い入力と耐久性を両立しています。

十字ボタンと ABXYボタンはいずれも底打ち感が軽く、高さも適切で全体的に好印象です。ただし、ABXYボタンはパチパチとした押し音が若干気になるかもしれません。
十字ボタンの定位がしっかりとした操作感やスティックの可動域は、従来モデル(AYANEO Pocket S)よりも明確に改善されており、入力精度やレスポンスの面で確かな進化を感じます。特に格闘ゲームやクラシック系タイトルでは、その違いが操作のしやすさとしてはっきり表れます。

プロ版では 2色成形ボタンを採用し、十字ボタンは 8方向ボタンに交換可能です。
また、従来モデル(AYANEO Pocket S)に比べるとアナログスティックがやや小型化されており、全体のデザインや操作感にも違いが感じられます。
スティックのサイズに関しては、従来モデルのほうが手に馴染む印象でした。
長時間プレイしていると微妙な違いが操作感に影響し、従来モデルの方がより自然に親指を動かせるように感じます。

デザイン面では、従来モデル(AYANEO Pocket S)の特徴を継承しつつ、側面は丸みを帯びた形状へと変更され、LRボタンには滑り止めのテクスチャ加工が施されています。これにより、握りやすさと LRボタンの操作感が一段と向上しています。
一方で、やや重量があるため、持ち上げたまま長時間プレイすると重さを感じやすい点は注意が必要です。とはいえ、グリップのないデザインでありながら手にフィットする形状となっているため、安定感はしっかり確保されています。

アナログスティックのデッドゾーンや可動域は最適化されています。
スティック軸のわずかなズレもほぼ感じられず、測定結果も良好でした。
Androidゲーム機はエミュレーターアプリが豊富な反面、入力遅延を感じやすい傾向があります。ただし、繊細な操作を必要としないゲームなら特に問題はないでしょう。
システム

基本的なシステムは AYANEO Pocketシリーズ共通です。
ホームアプリには独自インターフェースの『AYAHome』が標準採用されています。
その他にも AYASpace や Quickstep にホームアプリを変更することもできます。
よく使用するアプリは、Yボタンを押して「Add to Homepage」を選択することで、AYAHome の最上部(クイックスタート)に表示させることができます。

AYAボタンを長押しすることで専用アプリ『AYASpace』が起動します。
また、短押しでシンプルな AYA Quick Tool が表示され、直近に使用した最大4つのアプリが下部にタスク表示されます。
システムは日本語に設定しても、いまだにメニュー表示や項目は英語のままです。
そのため、こういった製品を初めて使用する方には分かりづらいかもしれません。

AYASpace では、ゲームパフォーマンスやインジケーター表示、各種コントローラー設定、ウィジェット機能などを手軽に変更できます。
コントローラーを使って操作することはできますが、ゲームアプリ起動時などは連動して誤操作する可能性があるため、タップ操作を行う方が良いでしょう。

専用アプリ『AYASetting』が用意されており、ユーザー登録や CPU・GPU のパフォーマンス設定、システムの OTAアップデートなどを一括管理できます。さらに、イコライザー機能を備えているため、サウンドを自分好みに調整することも可能です。

リマッピング機能を使うことで、タッチ操作を物理ボタンで操作できます。
ゲームアプリ起動後に、AYA Quick Tool の Controller項目の Key Mapping をオンにして、Configuration Now を選択することで起動できます。
エミュレーター性能

エミュレーター性能は、Androidゲーム機としてはハイエンドクラス(記事執筆時点)です。
Snapdragon G3 Gen 3プロセッサを搭載しており、Antutuベンチマークスコア(V10)では 223万点台を記録しています。
動作するエミュレーターは幅広く、一般的なレトロゲームに加え、セガサターン、PSP、ゲームキューブ、Wii、3DS、PS2、PS Vita のタイトルを高解像度かつフルスピードで実行可能です。また、Wii U や Switch、PS3 向けタイトルも一部動作します。

同社の AYANEO Pocketシリーズの中でも最高峰のパフォーマンスを発揮し、設定やフレームレート調整に頼ることなく、圧倒的な圧倒的なスペックで快適に動作します。
従来モデル(AYANEO Pocket S)と比べても、性能向上は体感できるレベルです。
ただし、一部のエミュレーター(Wii U など)では動作遅延や操作の不安定さが見られることもあり、エミュレーター側の最適化が求められるタイトルについては今後のアップデートに期待したいところです。
必ず自身で吸い出したものを使用してください。
ゲームアプリ

デバイス負荷の高いゲームアプリ『原神』や『鳴潮』、『ゼンレスゾーンゼロ』なども、グラフィック設定を「最高」にして快適に動作します。美麗なグラフィック表現とスムーズな描画を存分に楽しむことができます。
パフォーマンスモードを「Gaming」以上に設定すれば、フレームレートの向上(最大60fps)が期待できます。アナログスティックの操作性も最適化されており、直感的で快適なプレイが可能です。

さらに、Steam Link や Xbox Game Pass を活用することで、リモートプレイやクラウドゲーム(PCゲーム)も楽しめます。ただし、快適にプレイするには、通信環境や回線速度が十分であることが前提となります。
ポータブルゲーミングPC に匹敵する画面サイズと操作性を備えており、さらに Snapdragon G3 Gen 3 を搭載してスペックが向上したことで、ゲームアプリやクラウドゲーム(PCゲーム)においても、これまで以上に十分な性能を発揮できます。
まとめ

AYANEO Pocket S2 Pro は、最新の Snapdragon G3 Gen 3 を搭載した Androidゲーム機です。
シリーズの中でも最上位に位置づけられるモデルで、従来機と比べて CPU は約30%、GPU は約28%の性能向上。重量級のタイトルやゲームアプリも余裕を持ってプレイできます。
デザインは従来の全面ガラスと金属フレームを継承しつつ、側面に丸みを加えることで、より洗練されたプレミアムな印象に仕上げられています。さらに、要望の多かったイヤホンジャックを搭載し、スピーカー音質も大幅に改善されており、より没入感の高いサウンド体験を実現しています。
その他にも TMR電磁ミディアムスティックやリニアホールトリガー、ワンタッチで切替可能なパフォーマンスボタン、質感と押し心地を改良した LRボタン、交換式ボタンなど、全体的な完成度が高められています。
一方で、本体サイズや重量、スティックの小径、高リフレッシュレートや有機ELディスプレイでない点は惜しい部分です。価格帯も高めに設定されていますが、処理性能・ビルドクオリティ・操作性の完成度を考えれば、十分に見合う内容といえます。
総合的な完成度とゲーム体験の快適さは群を抜いており、エミュレーター用途にとどまらずゲームアプリを本格的に楽しみたいユーザーにとって、最有力のフラッグシップ機と評価できます。
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