ポータブルゲーミングPC「AOKZOE A1 Pro」レビュー|8インチ、AMD Ryzen7 7840U搭載機

ポータブルゲーミングPC「AOKZOE A1 Pro」は、 AMD Ryzen 7 7840U を搭載した『世界初の8インチ ポータブルゲーミングPC』です。現行モデル(AOKZOE A1)の優れた点を維持しつつ、性能と機能をアップグレードしています。

主要スペックは Windows 11 Home、8インチ(1920×1200)、AMD Ryzen 7 7840Uプロセッサ、AMD Radeonグラフィックス、メモリ 16GB / 32GB LPDDR5X 6400MHz、ストレージ容量 1TB / 2TB SSD を搭載しています。

AOKZOE A1 Pro の価格・販売ストア

AOKZOE A1 Pro は、ハイビーム公式オンラインストア、ハイビーム実店舗で取り扱います。
本体カラーは、クォンタムブルーとルナホワイトの2色です。

スペックが異なる3つのモデルを予約販売中です。
発売日は 2023年8月上旬を予定しています。

・16GB / 1TBモデル
 販売価格:119,800円

・32GB / 1TBモデル
 販売価格:149,800円
 予約価格:139,800円(6月26日まで)

・32GB / 2TBモデル
 販売価格:159,800円
 予約価格:149,800円(6月26日まで)

2023年6月26日まで限定で先々行予約キャンペーンで、32GBモデルが1万円オフです。

AOKZOE A1 Pro のスペック

AOKZOE A1 Pro のスペックを詳しく見ていきます。
現行モデル(AOKZOE A1)と異なる部分は赤字にしています。

クラウドファンディング版と日本国内版では、一部スペックが異なります。
日本国内版では、メモリ16GBモデルが追加され、64GBモデルの販売はありません。

製品名 AOKZOE A1 PRO
画面 8インチ(解像度 1920 × 1200、283PPI)
マルチタッチ対応
OS Windows 11 Home
CPU AMD Ryzen 7 7840U
グラフィックス AMD Radeon 780M グラフィックス
RDNA3 2700Mhz
メモリ 16GB LPDDR5X 7500Mhz 32GB LPDDR5X 7500Mhz
ストレージ 1TB 1TB / 2TB
インターフェース USB4、USB 3.0、USB 3.1
microSDカードスロット、イヤホンジャック
その他

ゲームコントローラー、デュアルステレオスピーカー、
ジャイロスコープ、振動モーター、マイク
RGB LEDライトエフェクト、キックスタンド

ワイヤレス通信 Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2
バッテリー 17100mAh(65Wh)
大きさ 285 × 125 × 21mm
重さ 約729g
カラー ホワイト・ブラック

免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。

AOKZOE A1 Pro のレビュー

ポータブルゲーミングPC「AOKZOE A1 Pro」をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、ゲーム動作確認、ベンチマークテスト、評価すべき点、欠点についても徹底解説します。

AOKZOE A1 Pro(32GB / 2TBモデル)試作機のレビューです。
製品版とは一部仕様・機能が変更となる可能性があります。

パッケージ

イメージカラーのグリーンをアクセントにした外箱(パッケージ)です。
現行モデル(AOKZOE A1)と同じデザインです。

付属品

1. マニュアル
2. 100W対応の電源アダプター
3. USB Type-Cケーブル
4. 保証書(国内保証1年)

大きさ・重さ

大きさは 285 × 125 × 21~40mm、重さは 731g(実測値)
ポータブルゲーミングPC としては重く、ポータビリティには向いていないサイズです。
大きさや重さ、独創的なデザインは、現行モデル(AOKZOE A1)と同じです。

実際に持ってみると、重量バランスに優れているため思ったよりも軽く感じます。
本体筐体(ABS樹脂素材)のビルドクオリティは優れていると評価します。

わかりやすく Nintendo Switch、Steam Deck と比較します。
いずれも実測値ではなく、公式発表されているスペックです。

製品名 画面サイズ 大きさ 重さ
Nintendo Switch 6.2インチ 239 × 102 × 13.9mm 398g
AOKZOE A1 8インチ 285 × 125 × 21~40mm 729g
Steam Deck 7インチ 298 × 117 × 49mm 669g

任天堂から発売された携帯型ゲーム機を基準に考えると、重さは 500g未満がストレスなく使える印象です。人によってはストレス・負担に感じるサイズ感です。

インターフェース

インターフェースは、上部に USB 3.0ポート、USB4ポート、イヤホンジャック、音量ボタン、電源ボタンがあります。下部には USB 3.1ポート、microSDカードスロット、左右にデュアルステレオスピーカーを備えています。指紋認証は非搭載です。

左右にはグリップがあり、バイブレーション機能が搭載されています。
ワイヤレス通信は、Wi-Fi 6E と Bluetooth 5.2 にアップグレードしています。

左右のグリップ下部には RGB LEDライトエフェクトを搭載しています。
専用アプリを使用して、LED の ON/OFF、RGBカラー、照明効果を変更できます。

背面にはキックスタンドが備わっており、最大で約60度まで開きます。
これにより、YouTube や Netflix などの動画試聴に最適です。

背面中央には内蔵ファンの吸気口があり、上部の排気口へ放熱します。
静音タイプの冷却ファンを採用し、回転数を自動制御または手動制御が可能です。

画面

8インチ液晶ディスプレイ(IPS、16:10)、解像度 1920×1200、画素密度 283PPI です。
マルチタッチスクリーンで、操作・感度、画面の明るさ(最大350nits)は良好です。

ネイティブランドスケープな液晶ではなく、画面の向きは「横(反対向き)」表示です。
外部ディスプレイを接続すれば、作業用としては十分に使用できる作業領域を確保できます。

ポータブルゲーミングPC としては、大きな画面を採用しています。
Steam Deck よりも没入感があり、本体サイズに比べて画面占有率が高いのも特徴です。

また、解像度が1080p以上であることは重要です。これにより、一部のゲームタイトルで画面が見切れたり、表示が正しくないという不便さを避けることができます。(ただし、ネイティブランドスケープではないことに留意してください)。

デフォルトの解像度は 1920×1200 で、スケーリングは 200% で、文字も大きく視認性は優れています。ただし、この状態だと正常に表示されないアプリがあるので、必要に応じて Steamビックピクチャーモードで起動したり、解像度・スケーリングを調整する必要があります。

操作性

一般的なコントローラーを握るかのように、本体をしっかりとホールドできます。
ABXYボタンサイズは 8.7mm と大きめで、ストロークは 1.2mm で軽めです。各種ボタンはメンブレン、LT/RTボタンはアナログトリガーを採用しています。

左右のアナログスティックは、どちらもホールセンサーが搭載されており、ドリフト現象(触れていないのに入力操作が行われる不具合)が発生しにくいパーツを採用しています。

通常はゲームコントローラーとして機能しますが、キーボードボタンを長押しすることでマウスモードに切り替わり、マウス操作として機能します。また、TURBOボタンは、専用アプリの呼び出しボタンとして機能します。

また、HOMEボタンはファンクションキーとしての機能も備えています。
下記の機能が割り当てられています。

  • HOMEボタン短押し:デスクトップ画面切り替え
  • HOMEボタン長押し:Xbox Game Bar表示
  • HOMEボタン+キーボードボタン:Ctrl + Alt + DELキー
  • HOMEボタン+TURBOボタン:全画面スクリーンショット

AOKZOE は One-Netbook社の関連企業で、ONEXPLAYER ほぼそのままの操作性を実現しています。ONEXPLAYER で培ってきた技術やユーザーフィードバックが活かされています。

ただし、持ち方によっては Aボタンや Xボタンを押す際には、指を立てて押さないとアナログスティックに触れてしまったり、キーボード入力がソフトウェアキーボードに依存することについては賛否があります。

専用アプリ

専用アプリ「OneXConsole」は、TURBOボタンで起動します。
TDP(Thermal Design Power)設定、CPU最大ステータス、ファンの回転数、バイブレーションの強弱、解像度、RGB LEDライトエフェクトなどを設定・変更できます。

TDP のデフォルト設定は 15W で、最大28W まで変更可能です。
4W から 28W まで 1W刻みで調整が可能で、ユーザー自身で簡単に変更・設定ができます。

ワンクリックスタートは、初回起動時は RTSS(RivaTuner Statistics Server)、HWiNFO のダウンロード案内を表示します。インストール後に起動すると RTSS と HWiNFO を起動して各種モニタリング、フレームレート制限などを変更・設定できます。

タスクトレイアイコンから OneXConsole を右クリックして表示されるコンテキストメニューから、RSR のワンタッチ有効化などの設定変更が可能です。

また、下部にある OneXConsoleアイコンでランチャー機能を呼び出し(TURBOボタンを長押しでも可能)、Mem Reductアイコンで任意のタイミングでメモリ領域を解放できます。

ゲーム動作確認

最新のゲームタイトルも動作しますが、最低・推奨システム要件ありきです。
ゲーム設定を見直すことで、60FPS を超える快適なゲームプレイが可能です。

『RSR(Radeon Super Resolution)』という機能を使用することで、ゲーム解像度を下げつつも高画質なスケーリングを実現できます。また、『レイトレーシング』にも対応しており、水面や鏡、窓などのリアルな映像表現が可能です。

RSR(Radon Super Resolution)を有効化してディスプレイ解像度を 1920×1200 に設定、ゲームを起動してゲーム解像度をぐっと下げる(ディスプレイ解像度より低くする)ことで RSR が機能します。

この機能は小さな画面のポータブルゲーミングPC に適しており、ゲーム解像度や処理負荷を下げつつ高画質やスケールアップを行い、FPS を向上させることが可能です。また、処理負荷をわずかに上げてリアルで鮮明な映像を実現するといった使い方も選択できます。

ただし、搭載メモリがボトルネックとなっており、AMD Ryzen 7 7840U のポテンシャルを活かしきれていません。また、6800U を搭載した機種と比較して性能向上率は約20%程度であり、体感的な差を感じることができるゲームタイトルは限られます。

VRAM の割り当てが固定の 6GB となっていますが、将来的なシステムアップデートにより変更可能になれば、パフォーマンスの向上が期待できます。

ストレージ状態

AOKZOE A1 Pro 国内正規版のストレージ容量は 1TB / 2TB です。
パーティション分割されておらず、専用アプリがプリインストールされています。

搭載されている OS は「Windows 11 Home」です。
日本語対応しているので、問題なく初期インストールを進められます。

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本体の初期化

万が一のトラブルがあっても、初期化ユーティリティで解決できます。
下記手順を参考に進めてください。

  1. 電源オフを確認
  2. 電源ボタン押す
  3. 「HOMEボタン」(左下ボタン)と「音量+ボタン」を同時押し
  4. Bootメニューが表示される
  5. キーボードボタンを長押し(ランプ点灯する)
  6. 十字キーで「UEFI OS」を選択
  7. 「STARTボタン」で決定
  8. 「System Recovery」をタッチ
  9. 「Start」をタッチ
  10. しばらく待つと完了
バッテリー残量が 60% 以上でないと実行できません。
ただし、給電をしながらであれば実行可能です。

AOKZOE A1 Pro のベンチマーク

AOKZOE A1 Pro のベンチマーク結果を確認します。
設定・環境によっては変わることがあるので、あくまでも参考程度にとどめてください。

冷却能力

ベンチマークテストで負荷をかけた状態の温度を計測しました。
最大温度は 90度近くになりましたが、一定時間経過後には 40度台で安定します。

ゲームプレイ・負荷がかかる状態でも体感的な温かさは感じません。
内蔵ファンの風切り音は負荷がかかる際に一時的に大きくなるので、没入感があるゲームミュージックを楽しむにはイヤホンが必須となりそうです。

ストレージ速度(SSD)

AOKZOE A1 Pro に標準搭載されている M.2 2280 SSD のストレージ速度です。
従来モデル(AOKZOE A1)より高速な PCle4.0規格の SSD が搭載されています。

ストレージ速度(microSDカード)

microSDカードのストレージ速度です。
メーカーからは最大 300MB/秒がアピールされています。
SAMSUNG EVO Plus A2 V30 microSDXC UHS-Iカードを使用して測定しています。

バッテリー情報

AOKZOE A1 Pro のバッテリー状態です。
バッテリーの基本情報、容量、状態などの参考としてください。

ベンチマークテスト結果

標準設定の『15W』、高性能設定の『28W』のベンチマークスコアを比較しています。
ベンチマークテストの解像度設定は、いずれも 1920 × 1080 です。

ベンチマークテスト 15W 28W
ドラゴンクエストX ベンチマーク 標準品質 フルスクリーン 11669 12685
ドラゴンクエストX ベンチマーク 最高品質 フルスクリーン 10116 11257
ドラゴンクエストX ベンチマーク 標準品質 ウィンドウ 11120 12425
ドラゴンクエストX ベンチマーク 最高品質 ウィンドウ 9523 10660
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 標準品質 6864 7583
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 標準品質 ノートPC 6787 7729
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 高品質 4591 5474
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 高品質 ノートPC 5403 6520
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ 最高品質 4226 5380
PCMARK 10 6051 6688
3DMARK Time SPY 2381 3000
3DMARK Fire Strike 5436 6896
3DMARK Night Raid 19892 23971
CINEBENCH Release23 8769 12730
CINEBENCH Release23(Single Core) 1658 1777

駆動時間

AOKZOE A1 Pro の駆動時間の測定結果です。
測定にはベンチマークテスト BBench を使用しています。

  • ディスプレイの明るさは 50%
  • ボリューム 50%
  • スリープしない
  • 無線LAN / Bluetooth:ON
  • 電源プラン「バランス」
  • TDP設定「15W」

上記の測定条件で、強制休止までの時間を計測したところ、計測結果は4時間53分でした。
重ためのゲーミング使用に限定した場合では、設定ありきで1~2時間と見て良いでしょう。
処理の軽いゲームや作業で3~4時間といった感じです。

消費電力と供給電力の関係を考えると、モバイルバッテリーでの運用は厳しいです。
電源が確保できる環境での使用を推奨します。

まとめ

AOKZOE A1 Pro は、 AMD Ryzen 7 7840U を搭載した世界初の8インチ ポータブルゲーミングPCです。現行モデル(AOKZOE A1)の優れた点を維持しつつ、性能と機能をアップグレードしています。

大きな特徴は、Steam Deckとほぼ同じサイズと重さでありながら、視認性に優れた8インチの画面を搭載していることです。操作性の良さに加え、長時間のゲームプレイでも気にならない冷却能力と、重量バランスの良さから軽量に感じられるのも魅力です。

メリット
デメリット
  • 画面サイズ・解像度
  • 操作性・持ちやすさ
  • 放熱対策・冷却能力
  • LEDライトエフェクト
  • PCle4.0規格 SSD搭載
  • microSDカードスロット
  • キックスタンド
  • 専用アプリ
  • 価格
  • 大きさ・重さ
  • PC操作
  • 指紋認証 非搭載

気になる点としては、指紋認証によるセキュアなログインは非搭載であり、ポータビリティに優れていないことです。また、比較的に販売価格は安く、基本性能に優れていますが、搭載メモリのメモリークロック(LPDDR5X 6400MHz)は、競合他社の製品と比べて劣っています。

AMD Ryzen 7 7840U を搭載したモデルは、GPD、AYANEO、ONEXPLAYER などの各社から続々とリリース予定です。価格やスペック、重要視するポイントを整理して検討を進めてください。

搭載メモリの仕様に変更がありました。
製品版はメモリークロック 6400MHz から 7500MHz に変更されます。

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