中華ゲーム機「ANBERNIC RG556」は、有機ELディスプレイ(AMOLED)を採用した Androidゲーム機です。SoC に UNISOC Tiger T820 を搭載し、システムに Android 13 を採用したモデルです。持ちやすいグリップを備えたコントローラーも特徴です。
ANBERNIC RG556 の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックしていきます。
ANBERNIC RG556 の価格・販売ストア
ANBERNIC RG556 は、海外通販サイトを中心に広く販売しています。
カラーバリエーションは、全2色(ブラック、クリアブルー)です。
・ANBERNIC RG556
一般販売価格:27,999円(送料別途)
プレセール価格:26,499円(送料別途)
2024年3月5日以降に発送予定です。
公式ストアにおける販売価格が最安値です。
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ANBERNIC RG556 のスペック
ANBERNIC RG556 のスペックを詳しく見ていきます。
製品名 | ANBERNIC RG556 |
画面 | 5.48インチ、有機EL(AMOLED) 解像度 1920 × 1080 402PPI、マルチタッチ |
OS | Android 13 |
SoC | UNISOC Tiger T820 |
RAM | 8GB LPDDR4X |
ストレージ | 128GB UFS 2.2 |
バッテリー | 5500mAh(連続8時間駆動) |
インターフェース | USB Type-Cポート |
ワイヤレス通信 | Wi-Fi 5、Bluetooth 5.0 |
大きさ | 223 × 90 × 15~25mm |
重さ | 331g |
素材 | ABS樹脂素材 |
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
ANBERNIC RG556 のレビュー
メーカー提供を受けた ANBERNIC RG556 をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点や欠点についても徹底解説します。
付属品
1. ユーザーマニュアル(中国語・英語)
2. スクリーンプロテクター&液晶クリーナー
3. USB Type-Cケーブル
別売りの収納ケース(保護カバー)です。
本体に合わせたくぼみがあり、本体とケーブルを持ち運ぶのに便利です。
某ブランド風デザインについては賛否両論ありますが、持ち運ぶ機会がある場合は、本体と一緒に購入することをおすすめします。
大きさ・重さ
大きさは 223 × 90 × 15~25mm、重さは 346g(実測値)です。
プラスチック筐体(ABS樹脂素材)で、重さは『標準』です。
Nintendo Switch Lite に近い大きさで、成形精度や組み立て精度が高いです。
これまでに登場した中華ゲーム機の中でも、最も透明度の高いクリアシェルを採用しています。
サイズ感
参考として、PS Vita、Nintendo Switch を比較してみました。
いずれも実測値ではなく、公式発表されているスペックです。
製品名 | 画面サイズ | 大きさ | 重さ |
PS Vita(PCH-2000) | 5インチ | 183.6 × 85.1 × 15mm | 219g |
ANBERNIC RG556 | 5.48インチ | 223 × 90 × 15~25mm | 331g |
Nintendo Switch | 6.2インチ | 239 × 102 × 13.9mm | 398g |
任天堂から発売された携帯型ゲーム機を基準に考えると、重さは 500g未満がストレスなく使える印象を持ちます。この基準を ANBERNIC RG556 は満たしています。
競合他社の Androidゲーム機である AYN Odin2 や AYANEO Pocket AIR とほぼ同サイズですが、その中でも薄型・軽量なサイズ感です。
ポケットサイズに不向きな形状のため、ポータビリティにはやや難があります。
しかし、本体サイズに対して、重量感を感じさせない形状です。
インターフェース
インターフェースは、本体上部に 音量調整ボタン、電源ボタン。下部には イヤホンジャック、USB Type-Cポート、microSDカードスロット、左右にステレオスピーカーを用意しています。
USB Type-Cポートが中央配置ではないため、各社から販売されている汎用ドッキングステーション(Odin2 Super Dock、Steam Dock Proなど)に取り付けることはできません。
ゲームモードボタン、HOME・BACKボタン、SELECT / STARTボタンは本体正面に設置しています。その他に、マイク、バイブレーション機能、ジャイロセンサー、ワイヤレス通信(Wi-Fi 5、Bluetooth 5.0)を備えています。
左右のアナログスティック周りに LEDライトエフェクトが搭載されています。
カラー変更は備わっておらず、システム設定から LED のオン・オフと輝度調整、エフェクト変更が可能です。
背面には内蔵ファンの吸気口があり、上部の排気口へ放熱します。
冷却能力に優れた静音タイプのアクティブ冷却ファンが搭載されています。
騒音計を使用して実測した結果、デバイスから 50cm 離れた位置での騒音レベルは計測不可~最大で 37dB でした。ファンモードをオンにした際の風切り音も静かです。
画面
あくまで主観ですが、ANBERNIC製品の中で画面の美しさはトップクラスです。
アスペクト比は 16:9 で、解像度 1920×1080、画素密度 402PPI です。マルチタッチスクリーンで、操作感度や画面の明るさも良好です。
5.48インチの有機ELディスプレイ(AMOLED)を搭載しています。
ネイティブがポートレート(縦長)な液晶で、リフレッシュレートは 60Hz です。一般的な IPS液晶パネルよりも、黒さがはっきりと美しい色彩で表現され、高速な応答速度を体感できます。
個体差の可能性もありますが、画面の青みが少し気になりました。
気になる場合は、設定の『ディスプレイ』→『カラー&コントラスト』からキャリブレーション(色彩調整)が必要です。
画面の明るさを輝度(cd/m2)を測定したところ、最大482nit を記録しました。
明るさは充分で、屋内・屋外での視認も十分です。
タッチスクリーンの操作感度(シングルタッチ・マルチタッチ)の平均値は 120Hz、呼び出しレートは平均 60Hz です。また、タッチ操作の反応が鈍い画面位置などもありません。
操作性
本体サイズに対して、大きめでしっかり握れるグリップが付いています。
ABXYボタンサイズは 7.6mmで、1.7mm の深めのストロークで、L1/R1ボタンはタクトスイッチで、それ以外のボタンはすべてメンブレン方式を採用しています。
方向ボタンと ABXYボタンは光沢ボタンで、それ以外はマットな質感のボタンです。
ボタン側面の摩耗による削れや、押す角度による引っかかりはありません。
左側には ジョイスティック、方向ボタン、ゲームモードボタン、HOME・BACKボタンが配置されています。右側には ABXYボタン、アナログスティック、SELECT / STARTボタンが配置されています。
ツルツルとした方向ボタンは、操作時に指先の摩耗が少なく、スムーズな操作を可能にします。しかし、素早い操作が求められるようなシチュエーションでは、指先の定位がキープしにくくなり、滑りやすさが気になります。
また、透き通るようなツルツルした透明ボディは、グリップのせいか滑りは思った以上に気になりません。ただし、テクスチャ加工がないため、手汗をかきやすい方はべたつきが気になるかもしれません。
アナログスティックとアナログトリガー(L2/R2ボタン)にはホールセンサーが搭載されており、経年劣化や摩耗によるドリフト現象(触れていないのに入力操作が行われる不具合)が発生しにくいパーツを採用しています。L2/R2ボタンの反発はやや強めで、好みが分かれるところです。
アナログスティックのデッドゾーンもほとんど感じられず、可動域も広めです。
特に可動域に顕著に気になるところもなく、測定結果も良好です。
Androidゲーム機全般にいえることですが、エミュレーターアプリの充実・出来が良いという利点はありますが、入力遅延を感じやすい傾向があります。ただし、繊細な操作・タイミングを必要としなければ特に気にする必要はありません。
システム
システムは Android 13 を搭載しており、Google Playストアに対応しています。
複数のエミュレーターアプリが標準でプリインストールされています。
ホームアプリは標準の『Quickstep』と独自UI の『Game Mode』を用意しています。
ゲームモードは本体左側の「ゲームモードボタン」または「クイック設定パネル」から起動できます。
画面上部から引き出せるパネル「クイック設定パネル」では、画面の明るさ調整や自動回転のロック、パフォーマンスモードの切り替え、リマッピング機能、冷却ファンの設定、LEDライトのオン/オフなどが可能です。
LEDライトエフェクトの輝度調整やエフェクトを変更する場合は、Ambient Light項目を長押しすることで表示されるメニューで設定が可能です。
リマッピング機能である「Keymapp」を設定すれば、タッチ操作を物理ボタンに割り当てられます。原神などの主要なゲームアプリの操作はプリセットとして用意されています。
OTAアップデートにも対応しており、システムアップデートで細かなバグの修正が進められています。必要に応じてエミュレーターアプリやサードパーティ製アプリの導入をお勧めします。
アップデートで改善される予定です。
エミュレーター性能
エミュレーター性能は、ANBERNIC製品でフラッグシップ・最上位(記事執筆時点)です。
実測したところ、Antutu のベンチマークスコアは 45万点台で、ハイモードに変更しても大差はありません。
スペックシート上では、動作するエミュレーターは一般的なレトロゲームをはじめ、動作が厳しいとされているセガサターン、PSP、ゲームキューブが快適動作。Wii、3DS、PS2、PS Vita のゲームタイトルがそこそこ動作するといった感じです。
競合他社から販売している既存の Androidゲーム機と比較すると、Retroid Pocket 3+ を圧倒しており、Retroid Pocket 4シリーズや AYANEO Pocket AIR、AYN Odin2 には劣ります。一部のエミュレーター(PS2 や Vita3K など)の 3Dゲームタイトルでは、表示が乱れたり動作が不安定になることが確認されています。
参考として、各種エミュレーターの解像度は、PPSSPP で 2x~4x、ArtherSX2(NetherSX2)で 1x~1.5x(Vulkan)、Dolphin で 2x、Vita3K で 1x~2x(2Dゲーム)で平均FPS30~で動作します。エミュレーター性能は期待値どおりですが、美しい画面と相まって、ゲーム体験の満足度は高いです。
ゲームアプリ
ゲームアプリ『原神』は、グラフィック画質は「低」で快適動作します。
本体の熱を感じることもなく、アクティブ冷却ファンの効果を実感できます。
マインクラフト、Call of Duty Mobile、フォートナイトなども快適に楽しめます。さらに ハイモードに設定すればフレームレート向上も期待できます。主要なゲームアプリは、プリセットを設定することで快適に操作可能です。
また、Steam Link や Xbox Game Pass によるリモートプレイやクラウドゲーム(PCゲーム)も楽しむことができますが、通信環境や回線速度が十分であることが前提となります。
画面サイズは 5.48インチで、解像度は 1920 × 1080 です。これにより、一般的なポータブルゲーミングPC と同様のゲーム体験を楽しめます。ただし、画面サイズは7インチ未満なので、文字などの視認性についてはトレードオフが必要です。
初期設定・使い方
基本的な使い方・設定方法は Androidデバイスと共通です。
ここでは一般的なボタン操作、キーマップの方法をご紹介します。
基本操作
- D-Pad、アナログスティック:移動
- A、Y、START、タッチ:選択
- B:キャンセル
- A長押し、SELECT:メニュー表示
- ゲームモードボタン:フロントエンド起動
- HOME・BACKボタンを短押し:戻る
- HOME・BACKボタンを長押し:ホーム
- 音量ボタン:音量調整
キーマップ
タッチ操作を物理ボタンに割り当てられるリマッピング機能です。
下記の手順を参考に進めてください。
- 画面上部からクイック設定パネルを表示
- 「Key mapping」を長押し
- 自分好みの配置に設定する
- 「Switch」をタップ
- 「×」 をタップ
キーマップを無効にするには、再度「Switch」をタッチしてください。
まとめ
ANBERNIC RG556 は、UNISOC Tiger T820 を搭載した Androidゲーム機です。
エミュレーター性能は、ANBERNIC製品で『フラグシップ・最上位』であり、持ちやすいグリップを搭載したコントローラー(ホールジョイスティック、ホールトリガー)で、Nintendo Switch lite に近いサイズ感が特徴です。
ANBERNIC製品の中でもトップクラスの美しい色彩と描写を誇る、5.48インチの有機ELディスプレイ(AMOLED)は素晴らしく、アクティブ冷却ファンの静音性や放熱能力も優れていると評価します。
表面コーティングがないツルツルした透明ボディは、しっかり握れるグリップが付いているため、滑りは思った以上に気になりません。一方で、光沢ボタンを採用しているためか、素早い操作が求められるようなシチュエーションでは、指先の定位がキープしにくくなり、若干滑りやすく感じます。
エミュレーター性能は期待値どおりですが、既存のゲームアプリやクラウドゲーミング(PCゲーム)を想定した使い方では、一般的なポータブルゲーミングPC と同様に活躍できるスペックを備えています。タッチ操作を物理ボタンに割り当てるリマッピング機能はプリセットも用意されており使いやすいです。
競合他社のハイエンド機に比べるとパワー不足は否めませんが、有機ELディスプレイ(AMOLED)の鮮明さ、300g台の軽量な本体サイズに加え、操作性に優れたカジュアルゲーマー向けのコントローラーを採用したバランスに優れたモデルと評価します。
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ANBERNIC RG556
一般販売価格:27,999円(送料別途)
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