
中華ゲーム機「ANBERNIC RG476H」は、120Hzの高リフレッシュレートに対応した 4.7インチ LTPSスクリーンを搭載し、SoCには UNISOC Tiger T820 を採用した Androidゲーム機です。
ANBERNIC RG476H の価格、スペック、特徴、エミュレーター性能についてご紹介します。さらに、評価すべき点や欠点についても詳しくチェックします。
ANBERNIC RG476H について
ANBERNIC RG476H に関する情報をまとめたページです。
レビュー用にサンプルを提供してもらいましたが、コンテンツの内容には影響していません。
※販売ストアによっては権利者の許可を得ていないゲームが含まれている可能性があります。ご利用はご自身の責任でお願いします。
価格・販売ストア

ANBERNIC RG476H は、公式サイトを中心に広く販売されています。
カラーラインナップは、ブラック、インディゴ、レトログレーの全3色。
・ANBERNIC RG476H
一般販売価格:25,499円(送料別)
製品仕様とスペック
ANBERNIC RG476H のスペックを詳しく見ていきます。
製品名 | ANBERNIC RG476H |
画面 | 4.7インチ、LTPS 解像度 1280 × 960、4:3 マルチタッチ リフレッシュレート120Hz |
OS | Android 13 |
SoC | UNISOC Tiger T820 |
RAM | 8GB LPDDR5X |
ストレージ | 128GB microSDカード(最大2TB) |
バッテリー | 5000mAh |
インターフェース | USB Type-Cポート |
ワイヤレス通信 | Wi-Fi、Bluetooth 5.0 |
大きさ | 176 × 86 × 16mm |
重さ | 290g |
素材 | ABS樹脂素材 |
免責事項:スペック情報の正確性には細心の注意を払っていますが、保証はできません。
ANBERNIC RG476H のレビュー
ANBERNIC RG476H をレビューします。
付属品から基本的な特徴、インターフェース、操作性、システム、エミュレーター性能に加え、評価すべき点や欠点についても徹底解説します。
付属品

1. ユーザーマニュアル(中国語・英語)
2. USB Type-Cケーブル

別売りの収納ケース(ストラップ付き)が用意されています。
しっかり本体を保護したい人は、同時購入がおすすめです。
大きさ・重さ

大きさは 176 × 86 × 16mm、重さは 300g(実測値)です。
プラスチック筐体(ABS樹脂素材)で、重さは『標準的』です。
表面にはオールガラスが採用されており、高品質なデザインが特徴です。
カラーによっては皮脂や汚れが目立つかもしれませんが、成形精度や組み立て精度は高い仕上がりです。
サイズ感

参考として、PS Vita(PCH-2000)や ANBERNIC RG477M を並べてみました。
ANBERNIC RG476H のサイズ感がよくわかります。
金属筐体の ANBERNIC RG477M に近いサイズですが、軽量な作りとなっています。
カバンに入れて持ち運ぶにはちょうど良いサイズ感です。
インターフェース

上部に音量調整ボタンと電源ボタン、下部には microSDカードスロット、USB Type-Cポート(映像出力対応)、イヤホンジャック、左右にデュアルスピーカーが配置されています。

ワイヤレス通信機能として、Wi-Fi 5、Bluetooth 5.3 を搭載しています。
その他に、マイク、バイブレーション機能、6軸ジャイロセンサーを備えています。

アナログスティック周りに 1600万色の RGBライトエフェクトが搭載しています。
システム設定から LED のオン・オフや輝度調整、RGBカラー・エフェクトの変更が可能です。

背面には内蔵ファンの吸気口があり、上部の排気口へ放熱します。
冷却能力に優れた静音タイプのアクティブ冷却ファンが搭載されています。
騒音計を使用して実測した結果、デバイスから 50cm 離れた位置での騒音レベルは最大38dB と静かです。ファンモードをオンにした際の風切り音もかなり静かで気になりません。
画面

リフレッシュレート 120Hz の4.7インチ LTPSディスプレイを搭載しています。
全面ガラス張り・ベゼルレスの液晶ディスプレイが特徴で、アスペクト比は 4:3 で、解像度は 1280 × 960、画素密度は 340PPI です。
10点マルチタッチに対応したスクリーンで、鮮明で色彩豊かな表示が可能です。
表示遅延がほとんど感じられない『ANBERNIC RG Slide』や『ANBERNIC RG477M』と同じパネルが採用されています。

ネイティブでポートレート(縦長)な液晶であり、リフレッシュレートは最大 120Hz です。
リフレッシュレートは、Auto / 60Hz / 90Hz / 120Hz の中から選択可能です。
明るさと輝度(cd/m2)を測定したところ、最大605nit を記録しました。
リフレッシュレート 120Hz 選択時のタッチスクリーンの操作感度(シングルタッチ・マルチタッチ)の平均値は 124Hz、呼び出しレートは平均 242Hz です。

定番レトロゲームにおけるオリジナルの解像度、倍率、表示解像度は以下のとおりです。
ANBERNIC RG476H(解像度 1280 × 960)での表示イメージの参考にしてください。
製品名 | オリジナル | 倍率 | 表示解像度 |
ゲームボーイアドバンス | 240 × 160 | 5倍 | 1200 × 800 |
プレイステーション | 320 × 240 | 3倍 | 1280 × 960 |
セガサターン | 320 × 240 | 4倍 | 1280 × 960 |
PSP | 480 × 272 | 2倍 | 960 × 544 |
ドリームキャスト | 640 × 480 | 2倍 | 1280 × 960 |
プレイステーション2 | 640 × 480i | 2倍 | 1280 × 960 |
PS Vita | 960 × 544 | 1倍 | 960 × 544 |
解像度とアスペクト比については、定番のレトロゲームでは気になりませんが、PSP(16:9)などには適していないことに注意が必要です。
操作感

ANBERNIC製らしい安定した操作感が楽しめます。
ABXYボタンサイズは 7.5mmで、1.3mm のストロークで、LRボタンはマイクロスイッチ、それ以外のボタンはすべてメンブレン方式を採用しています。
アナログスティックとトリガーにはホール効果センサーが搭載されています。
経年劣化や摩耗によるドリフト現象(触れていないのに入力される不具合)が発生しにくい仕様です。

ボタンの押し感や反発、ストローク量は ANBERNIC標準仕様と判断しました。
ボタン側面の摩耗による削れや、押す角度によっての引っ掛かりもありません。
方向ボタンや ABXYボタンのボタン音はほとんど気になりませんが、LRボタンのメカニカルなカチカチ音が目立ちます。スティックは少し小ぶり(Switch Lite より小さい)で、高さのあるタイプが採用されています。

グリップやテクスチャー加工はありませんが、握り心地や持ちやすさは良好です。
どちらかといえば、包み込むように手に収まる感じがあります。
ただし、ABXYボタンや方向ボタンに対してスティックがやや高いため、ボタン操作の際や指をスティックへ移動する際に、意図せずスティックに触れてしまうことがあります。個人的には、数ミリ高さが抑えられたスティックであれば良かったと感じました。

ANBERNIC RG477M に近いボタンレイアウトを採用していますが、LRボタンは縦並びに配置されており、L2 / R2ボタンの操作感や押し心地は向上しています。
そのため、総合的な操作感は ANBERNIC RG477M に近い印象を受けます。
さらに本体も軽量なことから、長時間のプレイでも手が疲れにくく、快適に楽しめるのも大きな魅力です。

アナログスティックのデッドゾーンもほとんど感じられず、可動域も広めです。
特に可動域に顕著に気になるところもなく、測定結果も良好でした。
Androidゲーム機はエミュレーターアプリが豊富な反面、入力遅延を感じやすい傾向があります。ただし、繊細な操作を必要としないゲームなら特に問題はないでしょう。
システム

ANBERNIC の Androidゲーム機共通のシステム構成を採用しており、Android 13 を搭載し、Google Playストアに対応しています。標準的なエミュレーターアプリも最初から入っているので、すぐに遊び始めることができます。

ホームアプリは標準の『Quickstep』と独自UI の『RGLauncher』を用意しています。
RGLauncher は本体左側の「ゲームモードボタン長押し」または「クイック設定パネル」から起動できます。

画面上部から引き出せるパネル「クイック設定パネル」では、画面の明るさ調整や自動回転のロック、パフォーマンスモードの切り替え、入力やリマッピング機能、冷却ファンの設定の編集などが可能です。

リマッピング機能である「Keymapp」を設定すれば、タッチ操作を物理ボタンに割り当てられます。可動域やデッドゾーンの調整は設定の「Handheld Game Console Settings」から変更できます。

AI機能アプリ『ANBERNIC AI』を用意しています。
画像生成やリアルタイム翻訳、会話形式での質疑対応などに対応しています。特にリアルタイム翻訳は、リマッピング機能と組み合わせることでさらに使い勝手が良くなります。
OTAアップデートにも対応しており、アップデートでの細かなバグの修正にも対応しています。必要に応じてエミュレーターアプリやサードパーティ製アプリの導入をおすすめします。
エミュレーター性能

エミュレーター性能は、RG Cube や RG Slide、RG406シリーズと同じです。
UNISOC Tiger T820 を搭載しており、AnTuTuベンチマークスコア(V11)では 71万点台です。ハイモードに変更しても大きな差は見られませんでした。
スペックシート上では、一般的な定番レトロゲームをはじめ、動作が厳しいとされているセガサターン、PSP、ゲームキューブが快適に動作します。Wii、3DS、PS2、PS Vita のゲームタイトルもそこそこ動作するといった感じです。

ANBERNIC RG476H は、競合製品と比較すると中間的な性能を持つモデルです。
既存の Androidゲーム機の中では、Retroid Pocket 4 よりやや優れる一方、Retroid Pocket 5 や AYN Odin 2 には及ばないといった位置づけです。
ただし、遊ぶエミュレーターやゲームタイトルによっては、解像度やアスペクト比(4:3)が課題となり、十分に活用できないケースもあります。そのため、事前に使用予定のエミュレーターがどの解像度に対応しているかを確認しておくことで、ミスマッチを避けやすくなります。
必ず自身で吸い出したものを使用してください。
ゲームアプリ

負荷の大きいゲームアプリ『原神』や『鳴潮』などは、グラフィック設定を「低」に落とす必要があります。洗練されたグラフィックの美しさや快適さを存分に楽しむことは難しいものの、基本的なゲームプレイは問題なく行えます。

また、Steam Link や Xbox Game Pass を利用したリモートプレイやクラウドゲーム(PCゲーム)も楽しめますが、画面サイズが 7インチ未満であるため、文字の視認性や操作性についてはある程度のトレードオフが必要です。
まとめ

ANBERNIC RG476H は、4.7インチの LTPS ディスプレイ(解像度 1280 × 960、リフレッシュレート最大120Hz)を搭載した Androidゲーム機です。SoC には UNISOC Tiger T820 を採用しており、アスペクト比が 4:3 であるため、レトロゲームとの相性が良いです。
ANBERNIC RG477M に近いデザインを採用した廉価モデルといった感じです。
性能面で劣るものの、全面ガラス仕上げのベゼルレス液晶ディスプレイを搭載し、軽量でありながら洗練された見た目と良好な操作感を実現しています。
一方で、エミュレーター性能は競合製品と比べると中間的な水準で、高負荷なエミュレーターやゲームアプリでは限界を感じることもあります。また、画面サイズや解像度に関しても、アスペクト比 16:9 のワイド表示では縮尺表示となるため、割り切りが必要になる印象です。
スペック面では既存モデルの延長にある印象ですが、価格を抑えながらも、高リフレッシュレートや定番レトロゲームに適した画面表示といった強みを備えています。こうした設計思想に魅力を感じるユーザーにとっては、十分に価値のある一台といえるでしょう。
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ANBERNIC RG476H
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